著者
中山 真由子 槇 宏太郎 久保田 雅人
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.467-475, 2014 (Released:2014-12-23)
参考文献数
11

骨格性上顎前突症に対して,外科的矯正治療とインプラント治療により咬合機能と美的調和の両者で満足し得る結果が得られたので,その概要を報告する.症例は22歳男性でガミースマイルを伴う骨格性上顎前突症および過蓋咬合,左側鋏状咬合による下顎右側偏位,下顎両側第二小臼歯の先天性欠如を認めた.そこで,関連する複数科の合同症例検討により外科的矯正治療を適応とし,上顎前方歯槽骨切り術による上顎前歯部の後上方への移動と下顎両側第二小臼歯の先天性欠如部にはインプラント補綴処置にて咬合の再構築を行った.この結果,ガミースマイルおよび過蓋咬合が改善され患者の美的な満足と共に長期的に治療後も安定した咬合状態が獲得できた.以上のことから,顎変形症に対しては,関連する複数の専門診察科によるチームアプローチが重要であると考えられた.
著者
片岡 洋平 渡邉 敬浩 林 恭子 穐山 浩
出版者
[日本食品衛生学会]
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.269-274, 2018 (Released:2019-05-27)

チョコレートとココアは,カカオ豆から作られる主な製品である。これらの製品は,土壌などの環境に由来するカドミウム(Cd)を含むことが知られている。Cd濃度を調査するために,国内流通していたダークチョコレート,ミルクチョコレート,ホワイトチョコレート,ココア粉末製品を購入した。分析には誘導結合プラズマ質量分析計による妥当性確認された分析法を用いた。チョコレートおよびココア粉末中のCd濃度は,それぞれ0.00021~2.3および0.015~1.8mg/kgの範囲であった。各製品のCd濃度を製品のラベルに記載されているココア固形分の含有量に基づき評価した結果からは,Cd濃度とココア固形分の含有量との間に弱い正の相関があることが示された。調査した180種類のチョコレート製品のうち8製品,140種類のココア粉末製品のうち26製品中のCd濃度は,EUが設定した基準値を超過していた。
著者
中岡康
雑誌
日胸臨
巻号頁・発行日
vol.46, pp.932-937, 1987
被引用文献数
1
著者
Michi NAKAMURA Hidetaka NISHIDA Karin YOSHIZAKI Hideo AKIYOSHI Shingo HATOYA Kikuya SUGIURA Toshio INABA
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.19-0141, (Released:2020-04-06)
被引用文献数
8

We examined the paracrine action of canine mesenchymal stromal cells (MSCs) derived from bone marrow on the survival and differentiation of neural stem cells (NSCs) in vitro. MSCs were collected from the proximal end of the diaphysis of femur of healthy beagle dogs. The 70–80% confluent MSCs were re-fed with serum-free DMEM. The MSCs were incubated for 48 hr and the supernatant was collected as the conditioned medium (MSC-CM). The survival rate of NSCs in MSC-CM was significantly greater than in the medium without MSC-CM. The percentage of differentiated neurons and neurite length in MSC-CM was also significantly higher than in the medium without MSC-CM. These results suggested that canine MSC-CM promotes stem cell survival and neural differentiation of NSCs.
著者
古橋 武 Furuhashi Takeshi
巻号頁・発行日
1985-03-25

名古屋大学博士学位論文 学位の種類:工学博士 (課程) 学位授与年月日:昭和60年3月25日
著者
新開 統子 北川 博昭 脇坂 宗親 古田 繁行 濱野 志穂 島 秀樹 長江 秀樹 青葉 剛史
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.33-37, 2012-02-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
22

【目的】移動性精巣は確実な診断のもと経過観察をすることが原則とされている.しかし,診断に苦慮することもあり,その手術適応に関し検討を要する.今回我々は,当院で経験した移動性精巣を手術例と非手術例に分けて経過観察期間や臨床上の問題点に関し検討した.【対象と方法】1998年1月から2009年12月までの11年間に,当院に移動性精巣として紹介された110例を対象とし後方視的に臨床経過を検討した.A群(14例):併存症がなく経過観察後に手術を施行した症例.B群(21例):併存症に対する手術時に同時手術を行った症例.C群(75例):A・B群以外の非手術例.各群で初診時月齢経過期間を検討した.A群とB群では臨床所見,手術までの期間,手術適応と手術術式を検討した.【結果】初診時月齢:A群平均25.4±159か月,B群平均43.3±29.9か月,C群平均25.9±15.9か月でA・B群間とB・C群間で有意差を認めた(p=0.0498, p=0.0006).A・C群間に有意差を認めなかった.手術時月齢:A群平均47.9±24.6か月,B群平均47.4±28.9か月で両群の平均値に有意差を認めなかった.経過期間:A群平均22.5±3.6か月,B群平均4.5±3.6か月,C群平均20.1±17.1か月であった.A・B群間とB・C群間で有意差を認めた(p=0.002, p=0.0001).A・C群間に有意差を認めなかった.臨床所見:A群では経過観察中に挙上精巣に変化した症例を6例,停留精巣が明らかになった症例を2例に認め,経過中に変化なしは4例,その他2例であった.B群の併存症の内訳は鼠径ヘルニア9例(同側6例,対側2例,両側異時発症1例),陰嚢水腫4例(同側3例,対側1例),対側停留精巣8例であった.【結論】移動性精巣のみで手術適応となる症例は少数であったが,手術適応の判断には定期的な経過観察を要した.経過中に挙上精巣や停留精巣に変化する症例の存在に注意が必要である.
著者
Naozumi Ando Kazuma Tomimoto Ryo Yamaguchi Mitoshi Fujimoto
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE Communications Express (ISSN:21870136)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.31-35, 2020 (Released:2020-02-01)
参考文献数
5
被引用文献数
2

Generally, maximum Doppler frequency can be derived from velocity of moving vehicle. However, frequency shifts beyond the maximum Doppler frequency are observed in actual measurement. In this paper, Doppler shift is calculated in consideration with the shift caused by other moving vehicles. Numerical results show that the actual measured Doppler shift can be reproduced with high accuracy by considering the frequency shift at the other moving vehicles.
著者
北條 康司 橋本 育子 宮本 陽子 川添 禎浩 水谷 民雄
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.120, no.3, pp.311-314, 2000-03-01 (Released:2008-05-30)
参考文献数
21

While copper(II) gluconate (CuGL) is generally used as a nutrient supplement for infant foods and as an oral deodorant, little information is available regarding a toxic effect of CuGL on mammals. In this article, we examined in vivo induction of toxicity and change of level of glutathione and ascorbic acid, major biological antioxidants, lipid peroxide and copper (Cu) in liver and kidney 4 h after single intraperitoneal administration of CuGL at 0.05 and 0.10 mmol/kg to mice. Serum glutamic pyruvic transaminase (SGPT) activity, an indicator of hepatotoxicity, significantly increased compared to control in proportion to doses of CuGL. Hepatic level of glutathione measured as nonprotein sulfhydryl was not proportional to CuGL doses, but enhanced after dosing of 0.05 mmol/kg and lowered by 0.10 mmol/kg. Like SGPT activity, serum urea nitrogen (SUN) concentration, an indicator of nephrotoxicity, significantly increased in proportion to doses of CuGL. Renal glutathione level was not different from control after dosing of 0.05 mmol/kg and lowered by 0.10 mmol/kg. In both organs, relative organ weight and lipid peroxide level were not affected by the treatment with CuGL; ascorbic acid level was elevated after dosing of 0.05 mmol/kg and was not different from control after treatment with 0.10 mmol/kg; like SGPT activity and SUN concentration, Cu level significantly increased in proportion to doses of CuGL. These results suggest that in the liver and kidney after the treatment with CuGL Cu accumulated may induce toxicity, leading to level changes of glutathione and ascorbic acid and to no induction of oxidative damage.
著者
硯川 潤 井上 剛伸 中村 隆 高嶋 淳
出版者
国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,近年生産技術としての応用が期待されている3次元積層造形技術を福祉機器部品の製造に適用するための,基礎的な設計手法を提案することを目的とした.積層造形で製作された造形物には,積層方向に依存した異方的な強度特性が存在することが知られており,安全利用の妨げとなっている.そこで,引張・曲げ強度試験により強度特性を系統的に把握し,さらに,既存の表面改質処理が強度特性を部分的に改善する効果を有することを確認した.また,これらの実験的に得られた知見が,実際の義手部品の強度予測に適用可能であることを確認できた.
著者
大貫 挙学
出版者
日本社会学理論学会
雑誌
現代社会学理論研究 (ISSN:18817467)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.128-140, 2016 (Released:2020-03-09)

本稿の目的は、D. コーネルの法哲学における「自由」について、社会理論的な再検討を行うことにある。 コーネルの提示する「イマジナリーな領域」という概念は、自分が何者であるかを自由に再想像できる「心的空間」を意味する。彼女は、フェミニストの立場から、リベラリズムにおける自律した「主体」という想定を否定したうえで、より根源的な意味での「(性的)自由」の擁護を試みている。「イマジナリーな領域」は国家への権利ともされているが、一方で彼女の議論は「心的」な側面のみに焦点を当てているとの指摘も受けてきた。これらの批判は、コーネルがアイデンティティの「脱構築」を強調しすぎていることに向けられている。 そこで本稿では、コーネル理論の再解釈を通して、「心的」な領域でのアイデンティティ再想像が、社会構想のあり方といかなる関係にあるのかを改めて考えたい。その際、J. バトラーの「パフォーマティヴィティ」概念がひとつの手がかりとなるだろう。コーネルとバトラーの比較については、これまでも研究がなされてきたが、本稿は、それらの議論を受け継ぎつつ、「イマジナリーな領域」概念を、社会秩序の「外部」を否定したものとして位置づけ直すものである。かかる作業によって、シティズンシップをめぐる「普遍性」と「差異」の問題にも新たな視点を提供できると思われる。
著者
菱刈 晃夫
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-17, 2008-09-12 (Released:2017-08-10)

人間とは、はたして「理性」的動物なのか、それとも理性的「動物」なのか。理性に力点を置くか、動物に力点を置くか。教育をどう捉えて実践するかは、結局、このアクセントの違いに大きく左右されよう。西洋文明の根底にあるキリスト教による教育思想を振り返るに、「神」と繋がる理性、霊性をそなえるとされる人間が、いかに動物としての自己自身と関係しながら「人間」になれるのか、あるいは、この世を人間化、文明化、道徳化させていくのかが模索されてきた。問題は、人間に元来そなわる、理性以前の動物的なもの-感情、情感、情動、熱情、情緒、情意、そして情念など-すなわち、からだで感じる「情」と、どう関わるかである。近代教育学のベースにあるキリスト教的な教育論が、情念との関わりのなかでどのように生成してきたのか、主にルターとその周辺(エラスムスやメランヒトンなど)を手がかりに明らかにしつつ、教育思想史を振り返ってみたい。