著者
山田 隆志
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第45回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.S1-3, 2018 (Released:2018-08-10)

WSSD2020年目標の達成に向けて、膨大な数の試験データのない化学物質の安全性評価が大きな課題となっており、現状のin silico評価の技術レベルの向上、適用範囲の拡大、安全性評価での実運用が強く求められている。近年OECDでは、AOP(毒性発現経路)の開発が精力的に進められており、QSARの適用が困難と考えられる複雑な毒性エンドポイントについて、AOPに基づいてin silico、in vitro、in vivoの情報を組み合わせて化学物質の安全性を評価する統合的アプローチ(IATA)のコンセプトが整理されつつある。2020年以降は動物実験への依存度を軽減しつつ、化学物質が発現しうるヒトへの毒性を高精度で予測するin silico評価技術を確立し、IATAに基づいてヒト健康リスク評価のストラテジーを進化させる動きが加速すると考えられる。 我々は、これまでにヒト健康影響に関するスクリーニング毒性エンドポイントのうち、遺伝毒性に関して、安衛法により実施されたAmes変異原性データから大規模のデータベースを構築した。これをデータセットとして世界中のQSARベンダーに提供することにより、QSARツールの改良を目指す国際共同研究を先導し、予測精度の向上を達成した。さらに、in vitro染色体損傷に関連した新規構造アラートを構築し、染色体損傷の予測性の向上を図った。反復投与毒性に関しては、代謝、メカニズム、毒性データを統合したHESSプラットフォームを開発した。カテゴリーアプローチによるリードアクロスのケーススタディーを作成し、OECD専門家によるレビューを経て、本手法の国際的な調和へ向けた経験を積み重ねてきたところである。リードアクロスでは、信頼性のある試験データを用いて適切な類似性の仮説を設定し、評価の透明性と再現性を確保することが重要である。さらにデータやリソースの制限等に起因する種々の不確実性を解析することによって、利用目的に対する不確実性の許容レベルを議論することが必要となる。
著者
中田正光著
出版者
有峰書店新社
巻号頁・発行日
1983

1 0 0 0 利府町誌

著者
利府町誌編纂委員会編
出版者
利府町
巻号頁・発行日
1986
著者
吉田 稔
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.55-67, 1989-12-10

生徒が書いた詩を教室で読み合うことは、生徒相互の対話を活性化するばかりでなく、詩のもつすぐれた<表現>に眼を向けさせることで、「もう一人の自己」との対話を成立させる契機になり得る。生徒に詩の「批評」とその「感想文」や「作者の言葉」を書かせて読み合うことは、そのような対話を成立させるための有効な手段である。なお、生徒作品であるがゆえにもつ詩教材としての限界性を考慮して、須貝氏の言う通時的発見につらなるような教材を発掘することが今後の私の課題となろう。
著者
村上 佳代 西山 徳明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1188-1195, 2015

フランスで誕生したエコミュージアム概念が、日本で独自に発展し、山口県萩市の「萩まちじゅう博物館」というエコミュージアム概念に基づいた文化資源マネジメントによる開発手法が確立した。独立行政法人国際協力機構によって全くコンテクストの違うヨルダンに技術移転された、エコミュージアム観光開発技術が、特に保守的なサルト市の地域社会において、エコミュージアムの「コア博物館/サテライト/ディスカバリー・トレイル」のシステムにより、来訪者に見せていきたいもの、見せたくないものの判断が地域側にあり、コントロールできる点、来訪者に地域の文化を尊重してもらうための仕掛けがある点においては適用できたと考える。このように、遺産の保護、地元に利益が還元される観光開発といった点において、エコミュージアム概念に普遍性があり、最適なシステムであると言えよう。しかしながら、ヨルダンと日本の社会構造が違う中で当然であるが、博物館として備えるべき機能を十分に持つことに関しては課題が残る。今後は、大学やサルトの歴史家との連携を強化し、サルトの地域住民自身が学芸員となれるような取り組みを行なっていくことによって解決していきたい。
著者
村上 佳代 西山 徳明
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.75, no.657, pp.2615-2623, 2010-11-30 (Released:2011-02-25)
参考文献数
36

The movement in Hagi city would show you an advanced example as the community development utilizing cultural heritages. 2 points could be clear after analyzing the background of its concept and the systems to work it out.1. At first, the concept of “Urban Heritage” can be explained by picking up “Culture Resources” in that area by an absolute scale and indicating them with a story of the city as “Urban Heritage” which has both elements, “ Authenticity” and “Integrity”.2. And next point is the management of these resources by the database. It makes them the basic document of the administration measure which can be public. Therefore, the locals and the private enterprise in utilizing them such as the making of scenes and tourism development can join the living environment maintenance. As a result, the preservation, the maintenance and the maintained situation are enabled.
著者
戸田 淳治 田中 賢治 浜口 俊雄
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2013

[研究の目的]自然災害による犠牲者を一人でも減らすため、洪水災害や土砂災害の予測から避難警報に至るまでのプロセスをシステム化し、防災情報を必要とする人々が避難に対する意思決定を行う上での指針を示すことが最終目標であるが、今回は洪水氾濫シミュレーション部分を中心に述べる。  [システムの概要]近年頻発するようになった大雨などによる洪水災害に備えるため、我々は流出予測及び氾濫予測を行うための流出氾濫統合システムを構築した。流出モデル及び氾濫モデルを統合し一元的に扱うため、両モデルの空間解像度、計算時間間隔は同一とする(前者は1km、後者は10分毎)。流出モデルから出力されるメッシュ毎の水位データ等が氾濫モデル入力データとなる。また地盤高データは10mDEMを使用し、下記の佐用川流域での大雨イベントにおける再現計算で使用した降雨データは1kmメッシュの解析雨量である。  [これまでの研究]構築された洪水氾濫統合解析システムを実流域にあてはめ、再現性を評価する研究を行った。我々が取り上げたのは2009年8月に兵庫県佐用町で発生した水害である。出力結果(メッシュ毎の浸水深)の評価手法であるが、浸水深実績データとの比較に加えて平面二次元不定流モデルの出力結果と比較することで行った。平面二次元不定流モデルの空間解像度(50m)を基準にして、内・外水氾濫マクロモデルの空間解像度を50m、100m、1kmと変化させて計算精度を比較した。1kmメッシュの浸水深データは50mメッシュにダウンスケーリングした。 [今後の予定]上記システムを用いて2011年8月下旬に発生した台風12号がもたらした紀伊半島豪雨の再現計算を行う。計算対象は十津川流域、降雨データは空間解像度2kmのメソアンサンブルデータを使用する予定である。この事例では洪水災害に加えて土砂災害の影響が大きかったため、洪水氾濫モデルから出力されるメッシュ毎の浸水深データに土砂災害の発生危険度分布を加味したデータ(複合災害に対する危険度を示すデータ)を作成し、避難モデルの入力データとする。
出版者
六興出版社
巻号頁・発行日
vol.第4巻 (随筆篇 下), 1953
著者
大西 友恵 谷村 千絵
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.67, 2015

<b>目的 </b> 「関口富左『家政哲学』の再考-クリティカル・リアリズムの視点から-」(於第61回日本家政学会中国・四国地区支部研究発表会2014年10月)では,1970年代に関口が提示した「家政哲学」を再考し,関口がとらえようとしていた家政学は多様性に対応すること,現実から作り出すことを重視するものであることを明らかにした.関口はドイツの教育哲学者O.F.ボルノーの哲学に依拠していたが,現代においてこれを補う視点として,クリティカル・リアリズム(以下CR)という新たなアプローチを用いることを提案した.本発表では,三者の違いをさらに考察し,家政学とは何かという問いに対する,現代における回答を試みる.<b><br> 方法 </b> 関口富左の「家政哲学」,ボルノー哲学,CRの三考に関わる諸文献をもとに考察する.<b><br> 結果 </b> 関口の批判した科学は,人間の日常における現実から切り離された形式的な科学である.人間存在を重く見た関口は,ボルノー哲学にその可能性を見たが,ボルノー自身は科学について多くを言及していない.他方,CRを教育に援用しているR.オドノヒューによれば,CRはReal,Actual,Empiricalの現実の三つのドメインを想定し,それらを繋げる社会的活動を科学としている.CRの視点を家政学に取り入れることで,主体的に思考する力,即ち,知の創造を育むことが可能になり,新しい家政学のありようを示すことが可能となると考える.
著者
石破 義行 呉 景龍 吉田 俊一 川口 政秀
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.288-291, 2003

シミュレータは操作人材育成などに広く使われている.しかし,シミュレータ酔いの問題がまだ解決されていない.本研究では,広視野を確保できるプロジェクター投影による背面投影小型円筒面スクリーンを試作した.それを用い正弦波視覚刺激を与え,自己誘導回転運動を起こさせた.その認知実験と脳波などの生理計測を用いることで,自己運動知覚メカニズムを解明し,動揺病の予防,高臨場感シミュレータ開発に必要な基礎データを提供する.
著者
丹羽 靭負 飯沢 理 赤松 浩彦
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.103, no.2, 1993

最近のアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis,AD)は以前と比べ成人の重症型が増加して来ているが,今回,過去2年間の197例の重症・難治型のAD患者について統計的観察を行い患者の種々の血清脂質値や活性酵素と生体内の脂質が反応して生成される過酸化脂質を測定し,更に生体の主たる活性酸素消去酵素であるsuperoxide dismutase(SOD)誘導能を測定した.結果は,入院患者の83%が13~30歳の年齢層に集中し,更にその90%以上が大都市在住の患者であり,皮疹の形態は,肥厚・苔癬化が強く,結節性年疹を全身に合併したものが多く,また,5%の白内障の合併が認められ,全例が治療に抵抗した重症型であった.検査結果は,成人AD患者では低比重のリポ蛋白(VLDL,カイロミクロン)が健康対照群に比して高く,また過酸化脂質値が増悪期に上昇し,一方患者白血球のSOD誘導能の低下が(軽快期,増悪期を通して)証明された.以上より,AD患者は体質的に細胞障害性の脂質が多く存在し,そこへ最近の環境汚染の増悪により,放射能,農薬,殺虫剤,化学薬品などが体内で活性酸素を増産させ,この活性酸素が,脂質と結合して過酸化脂質を形成する反応を,AD患者のSOD誘導能の体質的低値が一層促進させ,その結果,体内で組織障害性の過酸化脂質を増産させ,ADの病態の変化やその増悪をもたらしているものと推察された.
著者
安井 裕
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.23, no.8, 1982-08-15
著者
持永 泰輔
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.75-78, 1961-03-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
5

(1) 分離菌は陸上汚染のきわめて少ない検体より検出され, その性状が一般大腸菌に比べ, 海水嗜好, 低温至適温度を有することにより, 魚固有の特異の大腸菌と推定される.(2) 分離菌の生物学的性状は Aerobacter cloacae に最も近いものと思われる.(3) 選択培地では自然環境より, 37°で直接培養した場合より発育し難い. 従ってこれら菌群の存在は食品衛生面で, 魚介類大腸菌検査に当り考慮すべきものと思われる.