著者
阿部治
雑誌
ビオシテイ
巻号頁・発行日
vol.10, pp.2-17, 1997
被引用文献数
1
著者
今川 民雄
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-6, 1985

本研究は, 好ましい他者の価値態度を認知する際, 仮定された類似性が実際の類似性よりも大きいという仮説を, 3種類の指標に基づいて検討すると同時に, 3種の指標間の関連についても検討した。<BR>被験者は大学生の男女50名づつ計100名である。価値態度はGordon &菊池 (1974) の個人的価値尺度 (KG-SPV) を用いた。実験は集団で行なわれ, 被験者は2部のKG-SPVテスト用紙に, 自己の価値態度と, 同じ大学内で最っとも好ましい同性の友人の価値態度についての推測を, 別々に記入した。<BR>結果は, (1) 個人内の相関係数に基づく指標, (2) 個人内の価値態度別の, 評定間の差の絶対値に基づく指標, (3) 価値態度別の全体の相関係数に基づく指標の3種の指標によって分析された。結果は次の通りである。<BR>1) 仮定された類似性が実際の類似性よりも大きいという仮説は, 3つの指標のいずれにおいても支持された。<BR>2) 3種の指標間の関連を検討したところ, 差の絶対値に基づく指標と全体の相関係数に基づく指標との間には密接な関連が見られた。しかし, 個人内の相関係数に基づく指標は, 他の2つの指標とは関連がみられなかった。
著者
石川 貞康
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.66, no.Suppliment1, pp.6-9, 2003-11-11 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

Silver halide crystals are the functional centers, in other words, the “engines”, of silver halide photographic materials. The process of manufacturing silver halide crystals comprises many technologies that control crystal size, shape, halide composition, and other essential aspects. With a focus on the manufacture of several silver halide crystals, development of recent technologies are reviewed and discussed.
著者
真部 真里子 陳 倪熏 陳 姿秀
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.96, 2016 (Released:2016-08-28)

【目的】これまで、鰹だしのうま味以外の呈味物質に塩味増強効果があり、鰹だしのにおいとうま味には、塩味が弱くてもおいしく感じさせるおいしさ向上効果があることを明らかにしてきた。しかし、鰹だしは万人に好まれるわけではなく、中国では、魚臭く感じられ好まれないことが報告されている。そこで、本研究では、中国料理を食文化の基盤としつつ日本食も浸透している台湾において官能評価を実施し、鰹だしによる減塩効果が日本人にのみ有効なのかを検討した。【方法】台南市にある嘉南藥科大學保健栄養学科に所属する学生男女82名(男22名,女59名)を被験者とした。うま味強度を0.12%にそろえたMSG溶液、2%鰹だし、0.88%昆布-1.76%鰹節混合だしの3種類の試料について、塩分濃度を0.62、0.70、0.80、0.90、1.00%に調整したものを比較試料とし、それぞれ標準試料(0.80%NaCl溶液)と組にして提供して、被験者に、各組、より塩味が強いもの、塩味が好ましいものを回答してもらった。また、対照として、比較試料にもNaCl溶液を用いた条件でも同様に検査した。結果はプロビット分析と二項検定にて解析した。【結果】対照では、0.80%NaCl溶液に対する塩味等価濃度が0.81%となり、このパネルは塩味強度を適切判別できることが確認された。また、比較試料にMSG溶液を用いた場合は、塩味増強効果は認められなかった。しかし、鰹だしには顕著な塩味増強効果が認められ、混合だしもそれに準じる結果が得られた。すなわち、台湾人においても鰹だしは塩味増強効果を示すことが明らかになった。また、鰹だしと混合だしには、低塩味領域でおいしさ向上効果も認められた。この被験者は、全員が鰹節を知っており78%に摂食経験があった。このことが、本官能評価で鰹だしの減塩効果が認められた一因と考えられた。
著者
新谷 好正 伊東 雅基 井戸坂 弘之 中林 賢一 卯月 みつる 新谷 知久 早瀬 知 馬渕 正二
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.11, pp.889-896, 2014 (Released:2014-11-25)
参考文献数
36
被引用文献数
1

脳動脈瘤の開頭手術において, クリッピングのために瘤の減圧を要する場面に時折遭遇するが, 母血管の一時遮断が困難な例がみられる. そのような例に房室伝導を強力に抑制する作用をもつadenosine triphosphate (ATP) の急速静注による短時間の循環停止 (transient cardiac arrest : TCA) 法が有効である. 経験した全例において短時間の心停止に伴う動脈瘤の著明な減圧が得られ, 安全なクリッピングに大きく寄与した. 合併症はみられなかった. TCA法に習熟した麻酔科医との緊密な連携が不可欠であるが, 本法は母血管の一時遮断に並んで考慮すべききわめて有用な方法である.
著者
山口 剛史 中込 一之 宇田川 清司 高久 洋太郎 佐藤 長人 杣 知行 萩原 弘一 金澤 實 永田 眞
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.657-664, 2009-06-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
19

【背景】局所麻酔薬に対する副反応は,しばしば,局所麻酔薬アレルギーと診断されているが,これらのほとんどは非アレルギー性の機序によることが明らかとなっている.【方法】局所麻酔薬に対する副作用の既往があり,歯科治療を予定している20名に対し,リドカインなどの局所麻酔薬に対する,皮膚テスト(プリックテスト,皮内テスト)及び漸増皮下注射で行うチャレンジ・テストにより,局所麻酔薬アレルギーの有無について評価した.【結果】17名(85%)で,リドカインに対する即時型アレルギー反応が陰性であった.これらの症例では,同薬による局所麻酔が可能となった.一方,3名(15%)ではリドカインに対して陽性反応を示した(プリックテストで1名,皮下注射で2名).【結語】局所麻酔薬アレルギーが疑われた患者における,局所麻酔薬に対する即時型反応の頻度は少ないが稀ではないと考えられる.従って,局所麻酔薬アレルギーを確認する診断アプローチは,臨床的に重要であり,今後はより多くの集団を対象に検討する必要があると思われる.
著者
大庭 重治
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.529-537, 2003

多くの子どもたちは,小学校に入学する頃にはある程度の平仮名書きを習得している。しかし,組織的な書字指導が行われない幼児期には,字形を誤って学習してしまう状況が少なからず存在する。このため,小学校に入学した後の文字学習においては,平仮名書きの新たな習得とともに,誤学習により定着した誤字の修正が重要な目標となる。そこで本研究では,27名の子どもを対象として,幼稚園の年長時と1年時の年度末に平仮名書字の状態を観察し,その誤字内容の変化から,誤字の修正を促すための小学校での一斉指導における配慮事項を提案することを目的とした。その結果,就学直前の幼児期には,無反応の他に崩壊,異字など,字形が大きく崩れた誤字タイプが多く観察された。一方,1年終了時には,原型保存,異配置など,字形の部分的な崩れを示す誤字タイプがほとんどであった。このことから,小学校における一斉指導において,字形の大きな崩れは修正されやすいが,文字の部分的な崩れは十分に修正されない可能性があることが示唆された。また,描画機能の発達は書字行為の全体的な向上には関連していると考えられたが,そのことが必ずしも平仮名書字における細部の誤字修正には結びつかない場合があることも示唆された。以上のことから,1年生に対する平仮名書きの一斉指導においては,板書とともに手元で字形を確認できるプリントを併用したり,グループ学習により児童が相互に評価し合う機会を作るなど,誤字の細部にわたる修正を可能とする学習環境を計画的に設定することが必要であると考えられた。Preschool children are apt to write wrong Japanese letters (hiragana) because they have little chance to acquire handwriting skills systematically. They therefore need to correct their wrong letters by themselves when they become school children. This study was planned to propose the handwriting teaching method to the teachers who were teaching handwriting skills to first-grade children in the regular class. Twenty-seven children were given the writing task of 10 letters two times, at the end of the year of preschool and the first grade. The wrong letters at those times were classified into five error types, and the distributions of the types were compared. The main result was that many letters that got out of letter shapes were observed in preschool children, but in first-grade children there were few those letters and there were just letters that had partial errors. From these results some teaching methods of handwriting in the regular class were proposed to improve children's corrective abilities in handwriting, for example, using a letter-model sheet or making children assess their writing letters each other.
著者
牧 千里 澤田 瑞穂 丹羽 有紗 池田 賢司 川村 光信 宮崎 滋
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.31-36, 2013 (Released:2013-02-07)
参考文献数
13

症例は56歳女性.15年前に2型糖尿病と診断され,内服治療を行うも血糖コントロールは不良であった.1997年~2009年まで6回の入院歴があるが,この間インスリン分泌は保たれ,抗GAD抗体は常に陰性であった.2010年1月第7回入院時,抗GAD抗体4.6 U/mlと低値陽性となり,インスリン分泌を保持するため持効型インスリンを少量導入した.10ヶ月後の第8回入院時,HbA1c 9.7 %,尿中CPR 18.5 μg/day,血中CPR食前0.7 ng/ml,食後2時間2.1 ng/mlとインスリン分泌は低下し,グルカゴン刺激試験でのCPR Δ6分値1.0 ng/mlと低値,抗GAD抗体は1.2 U/mlと正常範囲に低下していた.本症例では抗体価は低値で,陽性の期間も短期間であったが,抗GAD抗体の存在から内因性インスリン分泌低下に自己免疫機序が関与している可能性を考えた.
著者
宮崎 友香 佐々木 直
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.1075-1084, 2010-11-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
12

本症例は52歳女性のパニック障害の既往歴のない広場恐怖を併発したメニエール病患者で,内耳治療,向精神薬服用により心身症状が軽快したが,向精神薬を減薬すると不安や身体症状が悪化し,減薬ができないまま経過していた.そこで,認知行動療法のうちエクスポージャーによる回避行動の消去,認知再構成法による身体症状を過剰に危険なものととらえる認知の変容などを行った.その結果,維持・増悪要因となっていた予期不安が改善し,広場恐怖が消失したため心身症状の顕著な改善に至り,薬物療法の終了が可能になったと考えられた.本症例によって,心理社会的要因が関与するメニエール病に対する認知行動療法の有効性が示唆された.
著者
大槻 勤
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.551-554, 2005-07-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
17

β崩壊の一つの形式である軌道電子捕獲崩壊[Electron Capture (EC)崩壊]核種の半減期は物理的・化学的環境をパラメータ(化学形, 圧力, 温度等の関数)としてどのように変化するか?これはSegreらが1947年に提唱した古くからの問題である.しかし, 環境の変化が半減期に最も影響しやすいと予想されるEC崩壊核種7Beでも, わずかな半減期の変化(0.15%程度)の報告がなされているにすぎなかった.特殊な内部環境を持つとされるフラーレン(C60)に7Beを内包させた試料と, 金属ベリリウム(Be metal)中に7Beをドープした試料を用いて半減期の比較測定を行った.7Beの半減期はBe metal中よりもC60中の方が0.83%程度短くなることが分かった.本稿では実験概要と結果を考察を含めて紹介する.
著者
蒲 豊彦 土肥 歩 山本 真 戸部 健 倉田 明子 石川 照子 佐藤 仁史 魏 郁欣
出版者
京都橘大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、近代中国におけるキリスト教の展開という視点から横断的地域史研究を行った。時期としては19世紀中葉から20世紀初頭ごろまでを対象とし、中国沿海部の4地区―①北京・天津地区、②江南デルタ地区、③福建から広東にいたる南部沿海地区、④広州・香港の珠江デルタ―を選定した。アメリカや香港などからも研究者を招いてシンポジウムを開催して意見を交換し、キリスト教の視点が地域史研究にきわめて有効であることをあらためて確認することができた。
著者
渡邉 亜沙子 岡畑 恵雄 古澤 宏幸 星 美奈子 櫻井 実
出版者
低温生物工学会
雑誌
低温生物工学会誌 (ISSN:13407902)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.137-140, 2005-12-30 (Released:2017-06-19)
参考文献数
3
被引用文献数
1

The effect of trehalose on the aggregation of β-amyloid (Aβ) was investigated using quartz crystal microbalance (QCM) and circular dichroism spectroscopy (CD). Here we prepared three types of host Aβ-guest Aβ systems differing in a combination of their secondary structures: namely, β-sheet-β-sheet (system (1)), β-sheet-random coil (system(2)) and random coil-random coil (system(3)). The host Aβ was fixed on the electrode of QCM, and the guest Aβ was dissolved in a buffer solution. The host-guest interaction was monitored through a frequency shift (ΔF) of the quartz vibration: a larger ΔF value means the occurrence of a larger degree of host-guest aggregation. When disaccharide (trehalose, neotrehalose or maltose) was added in the above system, the time dependent profile of ΔF was significantly affected. In systems (1) and (2), any of these disaccharides depressed significantly the host-guest aggregation: maltose and trehalose exhibited the strongest effect in systems (1) and (2), respectively. Interestingly, in system(3), trehalose rather promoted the aggregation compared with the control (without disaccharide), while both maltose and neotrehalose depressed the aggregation as much as in the cases of systems (1) and (2). The results of systems (2) and (3) imply that trehalose more strongly interacts with Aβ in a random coil than that in p-sheets. In fact, CD measurements indicated that trehalose retarded the transformation of Aβ from a random coil to β-sheet. Taken together, these results open up the possibility that trehalose modifies the aggregation process of Aβ through its preferential interaction with the random coil state of Aβ.
著者
塩谷 碩彬 那須野 薫 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

深層強化学習は学習に多くの試行回数を必要とする。この問題を緩和する方法としてモデルベース強化学習があり、さらにモデルフリーの強化学習を組み合わせることで環境のモデルによる方策への制約を緩和しようという試みがある。本研究ではモデルベース学習を活用してモデルフリーの深層強化学習の手法であるDeep Deterministic Policy Gradientのサンプル効率が改善されるか否かを分析する。