著者
江口 和男 苅尾 七臣 島田 和幸
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.92, no.2, pp.202-207, 2003-02-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5

これまで,白衣高血圧は無害な状態であるとされてきたが,正常血圧と比較して臓器障害が進み,予後が悪いという報告もある.我々は,白衣高血圧患者の臓器障害および予後について,特に脳卒中に焦点をあてて解析したところ無症候性脳梗塞および脳卒中予後とも正常血圧と差がないことを示した.ただし,既に臓器障害やインスリン抵抗性を合併している白衣高血圧は‘白衣高血圧症候群’として別個に扱う必要があることを提唱している.

1 0 0 0 OA 3.白衣高血圧

著者
桑島 巌
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.241-246, 1999-02-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

本来,正常血圧の例が診断所や病院を受診した際に一過性に血圧が上昇する例は白衣高血圧またはisolated office hypertension (診察室のみの高血圧)と呼ばれるものである.その機序に関しては,心理的要因,防御反応などが絡み合った複合要因と考えられている.白衣高血圧が無害か否かは対象の年齢や臓器合併症の有無によっても異なるが,高血圧の前状態であるとの考え方が有力である.したがって,濃厚な降圧薬治療の必要性は全くないが,定期的な観察は必要であろう.
著者
中村 厚彦 尾上 英俊 森 俊 廣田 高志 大久保 昭史郎 植木 貴之 村岡 邦秀
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.660-663, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
11

踵骨骨嚢腫3例の手術治療を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.症例は7歳男児が2名,12歳女児が1名であり3症例とも踵部痛で来院した.画像検査で踵骨骨嚢腫と診断した.運動時痛があり,嚢腫のサイズも大きかったため全例に病巣掻爬,人工骨移植(β-TCP)を行った.平均経過観察期間は23ヵ月(13-36ヵ月)であった.経過観察期間中,単純X線で嚢腫の再発は認めなかった.諸家の報告と同様に踵骨骨嚢腫に対する病巣掻爬,人工骨移植は有用な治療法と考えられた.
著者
育英散史 編
出版者
盛花堂[ほか]
巻号頁・発行日
1905
著者
大槻 博
出版者
多摩大学経営情報学部
雑誌
経営・情報研究 多摩大学研究紀要 = Tama University Journal of Management and Information Sciences (ISSN:13429507)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.3-12, 1997-03-01

日用消費財の購買行動において、消費者は非計画購入と反復購入をともに高い率でおこなう。このことは、ポパイ・デュポン・スタディをはじめとする数多くの実態調査で何回となく確かめられている事実である。したがって、日用消費財のメーカーが強いブランドを構築しようとすれば、どうしても店頭から消費者に訴求する店頭プロモーションに力を入れざるを得ないといえる。 プロモーションの主要な目的に需要の拡大がある。そして需要の弾力性に関して強いブランドは弱いブランドに比べて有利である。ところが、日用消費財の店頭プロモーションにはブランドを強める性格のものと、弱める性格の2大要因がある。その1つは知覚刺激型要因であり、他の1つは利得誘引型要因である。 そこで、これらの2大要因とその他の要因に基づいて店頭プロモーションの戦略的枠組みを作成し、プロモーション技法を体系化した。 At commodity goods store it is a well-known fact that most customers show unplanned and repeat-buying behavior when they intend to buy CPG i.e consumer packaged goods. Therefore, CPG manufacturer have to put much concentration on in-store promotion to build strong brand power of their products. There are two types of in-store promotion methods; the perceptual incentive and the cost performance incentive. The first one strengthens the brand power of product and the second works commodities to weaken the brand. And the strong brand is more advantageous because it has a desirable demand and elasticity for manufacturers. In these analyses etc, the strategic framework of in-store promotion is presented which systematizes various existing methods of in-store promotion.
著者
末弘清 著
出版者
山口県人会
巻号頁・発行日
1935
著者
渡辺 満久
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100072, 2013 (Released:2014-03-14)

現在、我々は、原子力施設周辺で多数の活断層が存在しているという事実、原子力関連施設の耐震安全性が不十分なまま放置されてきたこという事実に向き合っている。このような事態に陥ったことに関しては、地理学界にも大きな責任がある。 活断層の認定や活動度の評価においては、高度な地形学的見識が必要とされる。しかし、安全審査の場では、「水は高い所に向かっても流れる」と発言する「専門家」や、旧汀線高度異常などに気付かない「専門家」が活断層の評価を担当してきた。また、電力との密接な関係をもつ「専門家」が評価を牛耳ってきたことも問題である。 地形研究者は、上記した問題に対して具体的に提言することができたはずである。しかし、我々がこうした役割を果たしてきたとは到底いえない。問題に気づきつつも、「純粋な研究にこそ意義があり、社会的責任は負わない、負うべきではない」、「そんな議論は大人気ないことであり、相手にしないことだ」といった理由から沈黙を続けた研究者が多かった。原子力政策に係わることを避け、問題から目を反らしてきた研究者も多いと考えている。 能登半島地震、中越沖地震に続き、東北地方太平洋沖地震によって大きな事故が発生した。これらの事故が発生した原因の一つは、耐震性安全審査において地形学の研究成果(地形学そのもの)が蔑にされてきたことにある。これらに対して地形学からの発言が無かったため、活断層の活動性は著しく過小評価され、あるいは活断層の存在自体が無視されてきた。理学は実学ではないとする主張は、一面では理解できる。しかしながら、多くの国民が関心を抱く原子力の問題に対して沈黙すると、学問の存在意義自体が問われかねない。 2012年には原子力規制委員会が発足し、原子力施設の敷地内断層に関する外部有識者として、多くの変動地形研究者が学会から推薦された。有識者会合では積極的に意見が交わされているが、それ以外の場においても変動地形研究者は自らの役割を果たす必要がある。原子力発電所に関わる議論をタブー視してきた過去とは決別すべきである。 ところで、規制委員会での議論では敷地内の断層だけが重視され、問題が矮小化されている可能性が高い。本質的な問題は、どうしてそのような断層が存在しているのかということである。周辺の活断層の性状や敷地を含む空間に起こりうる現象を正確に把握してゆくことが最も重要である。 また最近、日本列島全体を大きく変形させた東北地方太平洋沖地震と津波の発生様式について、地震学的見解とは異なる、海底活断層との関係を重視した変動地形学的新知見が得られている。地震学的に定着した見解に対しても、地形学から積極的に問題提起をしてゆく必要がある。
著者
Hiro Takafumi
出版者
一般社団法人 日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal
巻号頁・発行日
2017
被引用文献数
2

<p>The 66<sup>th</sup>Annual Scientific Sessions and Expo of the American College of Cardiology (ACC) were held at the Walter E. Washington Convention Center, Washington DC, from March 17<sup>th</sup>to 19<sup>th</sup>, 2017. This meeting offered 23 Late-Breaking Clinical Trial (LBCT) presentations, 17 Featured Clinical Research presentations with and without LBCT, and 2,572 abstracts presented in oral and poster sessions by over 2,000 experts. This report presents the highlights of this meeting, including the opening showcase, several important LBCTs and some international joint symposiums.</p>
著者
石田 裕 舟木 秀明 鈴野 弘子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.117-124, 2006 (Released:2006-11-14)
参考文献数
17
被引用文献数
2

ホルムアルデヒドの食品への移行と調理後の残存について検討した。タンパク質や糖質を主成分とする食品は, 被曝濃度にかかわらず, HCHOの吸着が容易に起こり, 吸着活性は対照試料としてカゼイン, デンプン共に高く, 大豆油には吸着が見られなかった。またカゼイン, デンプンのHCHO吸着は少なくとも96時間までは増加し, 保存が長期にわたるとさらに吸着量が増加する可能性が示唆された。このことは一般に長期保存が可能なタンパク質や糖質に富む乾物や穀類などはHCHOの吸着濃度が高まる可能性が高いことを示している。  また保存温度とHCHO吸着量の関係では, 温度の上昇に伴い気相中のHCHO濃度も上昇し, 吸着量に関しても正の相関を示すことが明らかとなった。さらに調理による消長では茹でることにより70~80%が除去されるが, 粉ミルクのように, 密封状態で加温溶解し全量摂取するものでは, 大部分が残存することが明らかとなった。そこで食品への吸着を防ぐことを目的にHCHOのフィルム透過性について検討した。その結果, フィルムの違いによりガスバリアー性の違いが認められ, PPなどの複層フィルムを使用し, 密封保存することが食品へのHCHOの吸着防止に有効であった。
著者
根笹賢一 宮岡 伸一郎
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.116(2007-ITS-031), pp.1-7, 2007-11-21

近年経路探索技術の発達により様々な条件で経路が探索できるようになっているが、ある目的地へ向かう為の経路を探索することが主であり、立寄地を設定することはできるがその巡回順序まで探索することは難しい。本研究では、このような巡回経路の探索が行えるような経路探索法を提案するとともに、運転者が希望する道路を通行できる経路が探索されるよう経路探索の手法を工夫する。また、商品化されているカーナビの探索経路と比較し、本手法の有効性を検証する。
著者
福島 大地 伊藤 孝紀 西田 智裕 深町 駿平 松岡 弘樹 仙石 晃久 大塚 孝信 伊藤 孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS) (ISSN:2188885X)
巻号頁・発行日
vol.2016-ICS-185, no.8, pp.1-8, 2016-12-06

住民参加によるまちづくりにおいて,公聴会や説明会などに加えてワークショップ (以下 WS) が増えている.まちづくり WS の手法として,従来からの対面式 WS と,我々が提案してきた大規模合意形成支援システムを用いた非対面式 WS がある.対面式 WS は,情報入手や理解を支援するが,時間 ・ 場所の制約という課題がある.非対面式 WS は,時間 ・ 場所の制約を解決できるが,情報入手や理解に課題がある.そこで本研究では,まちづくり WS において,対面式 WS と非対面式 WS の組み合わせた手法を提案する.提案手法による合意形成への有効性を検証することを目的とする.提案手法の有効性は,社会実験により検証する.社会実験では,地権者,住民などに加え学生も参加して,対面式 WS の後に非対面式 WS を行う.それぞれの WS における議論データの分析および参加者へのアンケート調査を行い,提案手法の有効性および課題点を把握する.