著者
多賀谷 昭
出版者
日本放射線看護学会
雑誌
日本放射線看護学会誌 (ISSN:21876460)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.57-61, 2018-03-31 (Released:2018-10-24)
参考文献数
15

The word “hibaku,” written as “被曝,” is used in Japan to mean “exposure to radiation”; however, “被曝” in China means “being revealed.” The literature indicates that “被曝” was first introduced at an annual meeting of X-ray technicians in 1950 and circulated to various sectors by 1955. Chinese words such as “曝露” and “曝射” had been used for the same uses and purposes before then. Most likely, “被曝” was created to draw attention to the risk of occupational exposure to radiation, making use of its phonetic equality and notational similarity to “被爆” (exposure to the atomic bomb). While “被曝” has achieved great successes in drawing public attention to the risk of radiation exposure, as well as linking “被曝者” (“hibakusha” as the victims of nuclear experiments and accidents) and “被爆者” (“hibakusha” as the survivors of the atomic bomb), the perception of “被爆” linked to it has become a psychological obstacle to radiation therapy. Therefore, the use of “被曝” as a scientific term for radiation exposure and use of the ambiguous notation “被ばく” by scientists and professionals may need reconsideration.
著者
恵木 正史
出版者
日本セキュリティ・マネジメント学会
雑誌
日本セキュリティ・マネジメント学会誌 (ISSN:13436619)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.20-27, 2020 (Released:2020-08-16)
参考文献数
30
被引用文献数
2

深層学習モデルを代表とした機械学習技術の進展に伴い,その活用範囲が急速に広がり,人命や財産に関わる重要な意思決定に使うニーズが増大している.しかし,深層学習モデルなどの機械学習モデルは高度に複雑な構造物であり,人がその動作の全容を把握するのは困難であるため,実質的なブラックボックスとなっている.そのため,機械学習モデルの予測結果を安心して業務に使えないという問題が生じている.そこで,近年機械学習モデルの予測根拠を説明するXAI(eXplainable AI)技術の研究が急速に進み,多種多様な技術へと発展している.XAI技術は大きく,既存の機械学習モデルを説明する技術であるブラックボックス型と,学習過程や構造が人にとって解釈可能な新型の機械学習モデルであるトランスペアレント型とに大別される.本稿では,研究の進展が著しく,汎用性の高いブラックボックス型にフォーカスする. ブラックボックス型も説明の種別や,対象とする機械学習モデルの種別に応じて多種多様な技術が提案されている.本稿ではそれらを体系的に整理して俯瞰すると共に,近年のXAI技術を理解する上で欠かせない2つの代表的な技術,すなわち,Shapley値とInfluence Functionについて解説する.さらに,これらのXAI技術を悪用すれば,新たな攻撃のリスクとなりうる点について述べる.
著者
杉本 リウ
出版者
北海道大学アイヌ・先住民研究センター
雑誌
アイヌ・先住民研究 (ISSN:24361763)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.47-61, 2023-03-01

悪意の有無に関わらず、受け取った人が不快に感じたり傷ついたりする言動がある。マイクロアグレッションとよばれるこのような言動は、明確な悪意をもって発される差別的言動と比べて、悪意が無い・見えづらい分対応が難しいが、その影響は小さく捉えられている現状がある。本論では、ウポポイで日々起こっている、来場者から職員へのマイクロアグレッションを事例としてあげ、その問題点を考える。この論考が、現在のウポポイの状況を多くの人に知ってもらい、他者を尊重することについて考えてもらうきっかけになることを願う。1節では、ウポポイでどういう環境の中、マイクロアグレッションが起こっているのか想像しやすいように、ウポポイという施設について説明していく。2節では筆者の民族的アイデンティティについて述べる。3節では本論のキーワードとなるマイクロアグレッションの定義を述べる。4節ではウポポイでの来場者から職員へのマイクロアグレッションの事例をあげ、その問題性を指摘していく。5節では、マイクロアグレッションを防ぐためにできることについて筆者の考えを述べ、まとめとする。
著者
黒瀧 悠太 椎塚 久雄
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第52回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.176, 2009 (Released:2010-01-22)

音楽療法において音楽特性を考慮することは非常に重要である.しかし、現在リズムパターンが人に与える影響についての研究例は少ない. 本稿では二種類の打楽器により生み出されるリズムパターンをMIDI音を用いて作成し、リズムパターンが持っている感情的性格について聴取による評価を行った.
著者
埴淵 知哉
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.87-112, 2005-02-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
42
被引用文献数
2 1

本稿は,国際的非政府組織(INGO)における空間組織の編成を,グローバル化との関連から明らかにするものである. INGOの空間組織は,調整機関としての国際拠点と自律的な地域拠点,そしてネットワーク組織の諸特性を伴う拠点間の関係から構成されており,それは多様な空間スケールにおける戦略の結果としてみられる.このような空間組織を編成する要因は,相互に依存する「ローカルな実行性」・「グローバルな実行性」・「ローカルな正当性」・「グローバルな正当性」というカテゴリーから説明することができる.すなわち, INGOはグローバル化の複雑な空間再編成に同時対応する戦略を通じて,これらの実行性と正当性を獲得しその影響力を行使していると考えられる.また, INGOの空間組織は国家の領域を基盤として編成されており,このことから世界都市システムをとらえ直す必要性が指摘された.
著者
田平 一行
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.79-85, 2022-12-26 (Released:2022-12-26)
参考文献数
20

運動(療法)は,身体に適度な負荷を与えることで身体機能の維持・向上を図るもので,主に骨格筋や心循環機能を向上させ,運動耐容能を改善する.アスリートは運動パフォーマンスの向上,一般健常者は生活習慣病の予防や健康増進が主な目的となり,その効果と方法については確立されている.呼吸器疾患患者でも同様に運動耐容能の向上や息切れの軽減,ADL,QOL等の改善などが得られることは多くの文献で証明されている.呼吸器疾患では,低酸素血症や換気不全,低栄養状態など特有のリスクが存在するが,運動療法は身体に負荷をかけるため,健常者でもリスク管理は必須である.従って,疾患特有のリスクを管理した上での運動療法の実施は,十分にエビデンスのある有効な治療法であり,強く推奨すべきである.
著者
三輪 正幸 渡邉 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1_41-1_50, 2023-07-31 (Released:2023-08-03)
参考文献数
19

養蜂家のニーズに適合したセイヨウミツバチ専用巣箱を開発する際の設計要件を明らかにするために、文献調査とアンケート調査をした。文献調査では、巣箱のデザイン史上、最も重要な巣箱は 1851 年に発表されたラングストロス式巣箱であることが確認できた。この巣箱は内部に可動式の巣板を入れることができ、内部空間を自由に拡大縮小できる構造を採用したことが、現在でも広く使用されている主な要因であることが分かった。国内の巣箱のニーズや巣箱の性能や設計要求に関するアンケート調査をしたところ、プロ養蜂家はハチミツの生産性や品質を重視しているのに対して、趣味養蜂家は作業性や外観のデザインのよさを求めていることが示唆された。国内の養蜂において求められているのは趣味養蜂に特化した巣箱の開発で、その設計要求は巣箱を小型化もしくは軽量化しつつ、周囲の景観に違和感なく適合し、雨避けや横方向に巣箱を拡大させる機能であることが明らかになった。
著者
門脇 駿 攝待 尚子 長島 康雄
出版者
仙台市科学館
雑誌
仙台市科学館研究報告 (ISSN:13450859)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.30-36, 2021 (Released:2021-03-30)

SARS-CoV-2ウイルス感染拡大により,免疫やウイルスへの関心が高まっている。人類の歴史を振り返ると,これまでもいくつものウイルスと共存してきた。今後,SARS-CoV-2と共存していかなければならないことも前提に考えると,義務教育段階で免疫やウイルスについて学び,知識を得ることが必要と考えた。中学校理科カリキュラムへの編入を見据え,本研究では,5つの単元でウイルス・免疫の扱いが可能であることを指摘した。さらに,1例として具体的な学習指導案を開発した。
著者
中村 寛海 西川 禎一
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.175-184, 2006 (Released:2006-08-08)
参考文献数
39
被引用文献数
2

Listeria monocytogenes is the causative agent of foodborne listeriosis in humans. Japan has an average of 83 cases of listeriosis per year and an estimated incidence of 0.65 cases per million residents, which is lower than the values reported in some European countries and the United States. Nevertheless, the level of contamination in retail food products in Japan is roughly equivalent to that reported in these countries, where large outbreaks have occurred. Japan might therefore face a similar risk of foodborne listeriosis outbreaks. Ready-to-eat seafood (such as cold-smoked fish) has been linked to sporadic cases of listeriosis. In Japan, a wide range of ready-to-eat seafood products are consumed in great quantities. We investigated L. monocytogenes contamination in commercially available ready-to-eat seafood products during 1999 and 2000. L. monocytogenes was isolated from 13% (12 of 95) of the tested products. All the positive samples were cold-smoked fish products. Molecular typing of the isolates suggested that the products were contaminated with persistent strains that were unique to their respective manufacturers. We investigated manufacturing plant A to trace L. monocytogenes isolates to the source of contamination. As the result of this, a combined analysis of the seasonal prevalence of this bacterium and molecular typing of the isolates in the plant suggested that the product contamination was associated with the slicing machines. Implementation of an effective washing and cleaning regime for the slicing machines resulted in a marked decrease in the incidence of L. monocytogenes contamination of the finished products.
著者
綿村 英一郎 分部 利紘 佐伯 昌彦
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.11-20, 2014-08-18 (Released:2015-06-06)
参考文献数
26

This study verified the influence of a punishment reference histogram on the sentences of lay judges. In Experiment 1, 80 undergraduates determined the prison terms of an offender in an audio trial. About half the students were shown a histogram with a peak of the punishment meted out in similar cases and the remainder a histogram without it. The peak was set as a relatively short prison term (5–10 yrs) considering the seriousness of the crime (murder). The result indicated that the peak-histogram group chose significantly shorter prison terms than did the non-peak-histogram group, suggesting that the peak influenced the former’s sentencing. Moreover, Experiment 2 showed that the peak of the histogram influenced participant sentencing more strongly than a table, although both held the same punishment data, and that the same shaped histogram of different data did not. From these results, we concluded that the anchoring effect of the histogram is most likely to be caused by the visual attractiveness of the peak.
著者
石﨑 美佐子 半田 健
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
pp.22A014, (Released:2023-08-18)

知的障害特別支援学級に在籍する児童4名を対象に、部首をもとに漢字を2分割する系列刺激ペアリング手続き(以下、SSP手続き通常条件)と児童の既知情報をもとに漢字を分割する系列刺激ペアリング手続き(以下、SSP手続き既知条件)を実施した。本研究では、2つの手続きの結果を比較し、系列刺激ペアリング手続きに関して既知情報を活用することが知的障害のある児童の漢字書字の獲得に促進的な効果を及ばすか否かについて検証した。研究デザインは、課題間多層プローブデザインを用いた。指導の結果、児童が漢字書字を獲得するまでに要したブロック数は、SSP手続き既知条件の方がSSP手続き通常条件と比べて少なかった。これは全ての対象児に共通していた。このことから、系列刺激ペアリング手続きに関して既知情報を活用することが知的障害のある児童の漢字書字の獲得に促進的な効果を及ぼすことが示唆された。

5 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1912年02月27日, 1912-02-27
著者
小山 友介 堀内 和哉
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム (ISSN:09135472)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.107-114, 2015-10-25 (Released:2020-10-08)
参考文献数
5

Anime pilgrimages (anime seichi-junrei) is one of the today’s hot issues for impoverished local areas. We inquired the actual conditions of anime pilgrims and their influences to the actual locale. Anime pilgrims at first visit the locale for seeing the same place imaged in anime, however, some pil- grims change their reason to visit into the communication with inhabitants or other pilgrims. Although it seems to benefits the locale, it has the risk that active repeaters behave exclusively for others. As all anime products have their life to keep popular interests, every locale has to prepare how and when anime pilgrim campaign to stop. Recent trend is to extend its local festival to anime pilgrims.
著者
日野 智 岸 滋 岸 邦宏 浅見 均 佐藤 馨一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.495-503, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
14

近年、北海道と本州間の鉄道輸送網において、事故・災害による不通が多発している。鉄道輸送網の不通は旅客だけではなく、物資輸送にも多大な影響を与えている。本研究は鉄道貨物輸送における代替経路探索モデルを構築し、津軽海峡線貨物列車脱線事故と有珠山噴火災害に適用したものである。本研究で構築したモデルは時刻を考慮しているため、便毎に経路を探索することができる。そのため、運行頻度や発着時刻等を含めた代替経路の評価が可能である。また、現実に採用されている列車待機を代替経路の一つとして、表現できる。モデルを事故・災害事例へと適用した結果、フェリー航路が代替輸送に有用であることが明らかにされた。すなわち、今後はフェリーも鉄道貨物輸送における代替経路として考慮すべきといえる。

5 0 0 0 猪苗代町史

出版者
猪苗代町
巻号頁・発行日
vol.[第3集] (歴史編), 1982

5 0 0 0 OA 最新国防叢書

出版者
科学主義工業社
巻号頁・発行日
vol.第3輯, 1938