著者
與倉 豊
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.19-32, 2016-04-28 (Released:2017-02-10)
参考文献数
49

This study examines the centrality and connectivity of major cities in Japanese urban system through relationships of corporate offices. After analysis of data concerning listed companies of five industrial sectors (textile products, chemicals, iron and steel, electric appliances, and transportation equipment) in 1985 and 2009, the following findings were obtained. Japanese inter-city network indicated that Tokyo, Osaka, and Nagoya had a significantly high degree of centrality. The degree of centralities of major core cities such as Sapporo, Sendai, Hiroshima, and Fukuoka were also high, but the disparity in their centralities was seen. Allocation patterns of branch offices ware different by sector, but branch arrangement patterns of company were quite similar within a same sector. Therefore, the inter-city relationships differ by sector.
著者
一瀬 茂弘 相良 和伸 石川 幸雄 小林 利文 深谷 [ゲン]三郎 河上 郁哉
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.100, pp.27-37, 2005-07-05
被引用文献数
3

室内環境を良好に保つために,ビル管法をはじめ各法規に室内環境基準が定められている。しかし冬期において実施される室内環境調査では,相対湿度の基準を満たすことができない建物が非常に多く見られるので,原因を究明し対策を講ずることは急務である。本研究では,冬期における事務室内の湿度環境の改善を念頭に中部地方の事務所ビル69箇所を対象に調査を行い,相対湿度低下の要因分析を行った。また,既往加湿器と比較して加湿効率が良い産業用加湿器である二流体ノズルを空調用加湿器として開発し,事務所ビルに導入することによって,大幅な湿度環境の改善が確認できた。
著者
時本 清己 北村 俊英 有吉 智一 高野 絵美 赤江 由之 竹下 美紀 山地 悦子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.G3P1570-G3P1570, 2009

【はじめに】当院の臨床実習においてこれまで系統立てたリスク管理教育を行ってきたとは言い難い経過があった.実習生は経験が乏しい故に、患者が有しているさまざまな問題点から起こりえるリスクを自ら予測した行動をとれないことが多い.臨床実習の現場において、患者と実習生の双方のためにも事故はあってはならないことである.しかし、すべてにおいて未熟な学生にさまざまな経験を積ませていかなければならない現状がある.臨床実習指導者(以下、指導者)として事故が起こらないよう患者と実習生双方の能力を的確に把握し、指導者としてもリスク管理を行わなければならない.<BR>実習生に経験を積ませる過程で指導者の関わり方は、ひとつひとつのリスクを解説して理解の程度を確認しながら進めていくという作業であった.<BR>今回、実習生が現場に潜んでいるリスクを察知して、未然に事故防止のための行動が自らとれるように準備するためのトレーニング方法として危険予知トレーニング(以下、KYT)を実践したので報告する.<BR>【KYTとは】KYTは、労働災害防止対策として高度成長期の建設業界で開発された短時間危険予知訓練である.職場内の小グループで短時間での問題解決能力もしくは危険予想能力の向上を目的に実施されてきたものである.基本的には、「自分を守ること」を想定している.近年、このKYTが「医療従事者である自分を守るため」と「対象者である患者を守るため」にリスクマネジメント教育として医療用に応用され、徐々に導入されつつある.<BR>【目的】リスクに対する感受性を高め、さらに集中力や問題解決能力を高めつつ実践への意欲をも高めるKYTという手法を用いて、実習生自身が事故の可能性を察知し事前に防止するための手だてを講じる能力を身につけさせることを目指す.<BR>【方法】医療現場のさまざまなイラスト等を使い、実習生がその場面に相対する当事者となって、その状況の中に潜んでいるリスク要因とそれが引き起こす事態を想起する.実習生が取り上げたリスク要因を指導者は決して否定することなく、そのリスク要因を取り上げた根拠をともに確認しあう.そして、そこに起こりえる事態に対してどのような対策をとるのかを話し合い、理解を深めるという作業を行う.<BR>【考察】実際に用いたイラスト等から経験の乏しい実習生でも予見し、リスク要因を挙げることができた.目の前で見えているレベルのリスク要因から陰に潜んでいるレベルのリスク要因までさまざまなことに気付き、回数を重ねることで取り上げることのできるリスク要因は増した.ただ、このKYTの効果を判定するツールが不充分なため、この整備が今後の課題になると考えている.しかしながら、実習生が患者という対象者の行動を予測し、自らリスク要因を排除する行動がとれるようにするトレーニング方法として今後も工夫を重ねていきたい.
著者
ラランディソン ツィラブ 白武 義治
出版者
九州農業経済学会
雑誌
農業経済論集 (ISSN:03888363)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.29-40, 2007-01-15
被引用文献数
1

マダガスカルは、1982年当時、主食の米国内生産量は135万トン、消費量は157万トンであった。当時、政府は生産者米価アップによる生産性と農業所得の向上を図り、1983年に米流通の自由化政策をとった。しかし、その後、生産者米価は低く抑制され、消費者米価との格差が漸次拡大した。この状況下、米の生産性は低調であり1ha当り2トン水準で推移した。一方、首都住民の年間1人当り米消費量は平均120kgであり、エンゲル係数が70と極めて高いだけに、消費者米価が高位に不安定であることは首都住民の消費生活へ深刻な影響を与えてきたとみられる。そこで、本研究では、米市場自由下での低い生産者米価と生産者・消費者米価との格差拡大の要因を実証的に検討した。本研究は、米の大消費地首都アンタナナリブと近郊の米供給産地ブングラヴァ県を結ぶコメ生産流通関連業者を対象に行った。首都で米を扱う最大規模の卸売業者、輸入業者、零細小売業者及びブングラヴァ県マハスル地区の稲作農家45戸と産地集荷業者や産地精米業者を対象に実態調査を行った。本研究の課題に対する分析結果を列挙すると次のとおりであった。第1に、稲作農家の大半が、各流通段階の米価やマージン率及び米流通量などの情報収集・分析力はなく、貯蔵・輸送手段や選択すべき流通チャネルもなく、当該村の1集荷業者だけが販売先となっている。第2に、首都の卸売業者と地方の集出荷業者間には巨大な取引規模格差や市場シェア格差があり、それに基づく前者による後者の強力な後方統合がある。首都と地方の流通業者間にはクローズドな取引形態があり、前者に大きな流通マージンが発生する素地があった。第3に、特定の米流通業者が行う「自由な」取引に対し、適正な貯蔵量や公正な取引やマージン率設定、卸売市場の設置など一定の秩序を維持する行政による法的規制がない。この規制緩和は1983年に政府が採った米流通自由化政策によって始まり、この政策がその後の生産者・消費者米価間の格差拡大の要因、流通マージン拡大の要因であったとみられる。
著者
経済学会
出版者
京都大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.104, no.3, pp.216-217, 1969-09
著者
松岡 資明
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 = National Institure of Japanese Literature (ISSN:18802249)
巻号頁・発行日
no.11, pp.107-124, 2015-03-13

世界に大きく遅れていた公文書管理法制が始動したばかりの段階で、逆行する動きが広がる懸念が生じている。2014年12月10日に施行になる特定秘密保護法である。すべての公文書は秘密も含めて、国が目指す方向や理念に基づき、一定の基準のもとに作成、保存・管理、活用されなければならない。そのために、どのようなことが必要なのかを探った。The Secrecy Protection Act will be enforced in December 2014. The problem of this bill that the secret specified may spread boundlessly. If historically important even if it is secret information, it needs to be someday opened to the public. The Public Records and Archives Management Act which was enforced in April 2011 guarantees it. However there are many issues which should conquer in The Public Records and Archives Management Act. I studied how to improve the guidelines that prescribe the practical use of the law.
著者
バナザデ メヒディ 山川 哲雄
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.69, no.582, pp.137-145, 2004
被引用文献数
1 2

1. 序 近年、信頼できる数値解析手法でRC構造物の終局強度を精度よく予測することが求められている。靭性に富んだ曲げの弾塑性挙動を得るために、RC部材におけるせん断破壊防止が新築のRC造建物や、古い建物の耐震補強計画の基本になる。実際のところ、短柱では耐力や履歴挙動にせん断強度が大きな影響を与えている。山川・倉重らは、緊張力を導入した高強度鋼(PC鋼棒)を利用したRC構造物の新しい耐震補強法を提案した。この耐震補強法に対する評価として、補強柱の正負繰り返し挙動を解析することが求められる。もっとも、補強RC柱の正負繰り返し挙動を評価するためには、加力実験が最も信頼できる方法であることは言うまでもない。しかしながら、実験に代って非線形解析は、耐震補強の開発や新しい設計手法にとって重要である。このような数値解析の信頼性は、RC柱に関する数多くの実験結果との照査で検証される。 各種の解析手法のなかで、RC構造物の非線形解析における簡単さと高精度の観点から、ファイバーモデルを利用したマクロ解析モデルが望ましい。ファイバーモデルはRC部材の各断面で正負繰り返し構成則を満足させることにより、RC構造物の非線形挙動を予測できる強力な解析モデルである。各ファイバーは1軸応力状態を取り扱うので、曲げ挙動や軸力と曲げの相互作用は反映できるが、ファイバーモデルにせん断の影響を考慮することは困難である。本解析では曲げとせん断の影響を組み合わせた新しい方法を提案する。この方法の主な特徴はRC柱の非線形性を、曲げとせん断の副要素に分離して取り扱うことにある。この繰り返し操作によって、これらの2つの副要素に関する接線柔性マトリックスを更新していく。曲げはファイバーモデルにより、せん断は修正圧縮場理論 (MCFT) に基づいたせん断力とせん断ひずみの構政則と、Filippouの履歴則を用いて計算する。2つの柔性マトリックスは直列つなぎのばねとして計算される。 2. モデルの基礎 柱要素は図-1に示すように、曲げとせん断の副要素に分割される。曲げひずみの断面内分布仮定にはベルヌーイ・オイラーの仮定が用いられる。曲げモーメントとせん断力の相互作用は、それぞれの副要素の組み合わせで行われる。曲げ要素の柔性はファイバーモデルで、せん断要素は陽なせん断力とひずみの履歴則でそれぞれ計算される。せん断の履歴則は最初にMCFTモデルから得られたせん断力とひずみのスケルトンカーブを利用し、その後Filippouが提案した履歴則モデルが採用される。しかしながら、せん断スパン比が小さい柱に対してMCFTでは、せん断強度とその時のひずみが適切に求められない。せん断成分:本せん断モデルは、RC部材の陽なせん断力とひずみ関係に基づいている。部材のせん断力と材端モーメントの間には、力の釣り合いを満足しなければならない。図-2はせん断力とひずみに関する典型的な非線形履歴則を示す。提案する非線形解析モデルの主要な関心事は、RC柱の解析にMCFTを応用することである。曲げに関するファイバー副要素:柔性マトリックス法がRC部材の曲げ要素に分布した弾塑性モデルを、定式化するために適用される。その分布した弾塑性モデルは、数値積分点に位置したいくつかの断面で表される。曲率と軸ひずみを含むどの断面変形に対しても、断面のたわみ性と断面力が、ファイバ一手法を用いて計算される。 3. 非線形手法の要約 曲げの副要素で表現された断面の曲げ変形は、2つの成分からなる。そのひとつは材軸に沿った軸ひずみεであり、あとのひとつは曲率φである。これに対応した断面力は軸力Nと曲げモーメントMである。 せん断の副要素では柔性マトリックスとせん断力が、(5)式とせん断力-ひずみの履歴側を利用して直接計算される。解析では、要素レベルにおける力-変位関係が増分形式で通常表示される。2つの副要素荷重増分 (曲げとせん断) は、曲げとせん断スプリングが直列につながれていることに相当するので、柱要素としても同じ荷重増分になる。材軸に沿った力の釣り合いは力の内挿関数を用いて厳密に満足され、次第に増加する非線形の変位成分 (曲げとせん断成分) が正確に決定される。非線形解析のフローチャートは図-6に示す。本非線形解析と従来の非線形解析の相違は、従来の方法が形状関数を利用して要素の直接剛性マトリックスを更新していたのに対し、柔性マトリックスに基礎をおいた本方法は、その柔性マトリックスを最初に更新し、その後の逆マトリックス計算で、剛性マトリックスを求める。 4. 材料構成則モデル 本非線形解析で用いる材料の構成則モデルは、ファイバーモデルによる曲げと、陽な形式で与えられるせん断力とひずみの関係の導出に重要な役割を担う。せん断に関してはコンクリートの圧縮と引っ張りの構成則が、MCFTによるせん断ひび割れに依存する。曲げに関しては一般に3つの構成則モデルが必要である。すなわち、1) アンコンファインドコンクリート、2) コンファインドコンクリートと3) 座屈の有無による鉄筋の構成則である。 能動的/受動的拘束効果:能動的拘束効果はひび割れとは無関係に、PC鋼棒に緊張力を導入して生じる横拘束力である。一方、受動的拘束効果はひび割れに伴い、横補強筋として働く横拘束力である。 5. 関連研究 5.1 柱試験体 選ばれた柱試験体6体を材料特性、断面詳細、補強法など含めて、表-1と図-8に示す。柱試験体の挙動を検討するために、せん断ひび割れ強度、せん断強度、付着強度や曲げ強度などがAIJ靭性指針式で、曲げせん断ひび割れ強度がACI式で計算される。これらの計算結果と実験結果を表-2に示す。せん断ひび割れ強度に及ぼすプレストレスの効果を図-9に示す。 5.2 修正圧縮場理論 (MCFT) の修正 修正圧縮場理論 (MCFT) とは?:MCFTは平面せん断応力と垂直応力を受けるRC要素の、せん断力とせん断ひずみを評価する解析モデルである。 MCFTの不十分さ:せん断スパン比の小さいせん断破壊タイプのRC要素のせん断強度と、その時のせん断ひずみをMCFTでは、精度良く評価できない。 MCFTの修正:MCFTに関する修正を、せん断と曲げ破壊に分けて以下のように試みる。 せん断破壊: 1) MCFTでせん断力とせん断ひずみの関係をまず求める、2) せん断強度をMCFT、AIJ、修正荒川式などで求める、3) せん断ひずみが0.4%時のせん断強度の点 (富井・武内の研究成果) と、その半分の点を結ぶ、4) 軟化域はせん断強度の点からMCFTで求めた原曲線に、平行にとる。 曲げ破壊:MCFTによる曲げ破壊時のせん断力とせん断ひずみ関係の修正方法は、MCFTで求められた単調カーブにおいて、ひび割れ前後の剛性をそれぞれ減少させることによって与えられる。 5.3 実験と解析の比較 せん断破壊と曲げ破壊に関する実験結果と解析結果の比較が、図-13と図-14に示される。解析結果は実験結果によく合っている。すべての基準試験体はせん断破壊タイプであるので、全変形の履歴はせん断の副要素に支配され、かつ主筋は降伏していない。曲げ破壊タイプの耐震補強試験体では、主筋が降伏する前はせん断変形の影響が大きい。しかしながら、主筋降伏後の弾塑性挙動は曲げに支配される。 6. 結論 材軸に沿って分布させたファイバーモデルを用いて得られた曲率から曲げ挙動を求め、陽なせん断力とひずみ関係からせん断挙動を求める本非線形解析は、RC部材の非線形解析に威力を発揮した。せん断力とひずみ関係を修正するための本提案は、実験データとAIJ靭性指針式や修正荒川式などに基づいているものの、MCFT (修正圧縮場理論) の結果を改良するために適用される。せん断破壊が先行する短柱に関して、PC鋼棒に緊張力を導入して耐震補強を行う前と後の弾塑性挙動が、本解析手法によって自動的に予測できる。解析結果は、せん断破壊先行タイプの柱に緊張力を導入したPC鋼棒を用いて行う耐震補強法が、きわめて効果的であることを示している。また、これらの解析結果は実験結果によく一致していることもわかった。
著者
小松 俊朗 北島 博己 吉原 透
出版者
The Biophysical Society of Japan General Incorporated Association
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.297-305, 1980

Recent studies of quantum chemical calculations on visual pigments are summerized.<BR>It is generally accepted that the red-shift and the wide distribution of λ<SUB>max'</SUB>s (wavelengths of absorption maximum) of visual pigments can be explained by the protonated Schiff-base binding of retinal with opsin and by the electrostatic interaction between retinal and a counter-ion on opsin. Experimental and theoretical evidences for this primary linkage and interaction are first presented and discussed.<BR>Secondly, recent studies of the secondary in teractions between retinal and opsin are summarized. At present, the following three types of the secondary interactions are mainly investigated: (1) the interaction of retinal through itsβ-ionone ring; (2) the interaction through its 9-methyl group; (3) the interaction with the local electric field due to the microenvironment of chromophore.<BR>Thirdly, as for the photochemical conversion of rhodopsin to bathorhodopsin, it is generally considered that retinal isomerizes from 11-cis to all-trans form. Concerning to the mechanism of this isomerization, the potential surfaces of the ground and excited states have recently been examined by several authors. Their models for the intermediates in photobleaching process are reviewed and discussed briefly.
著者
伊藤 裕子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.84-87, 1981

本研究は女子青年の性役割意識を多次元的に捉え, その構造を明らかにすることが目的であった。取り上げた指標は, 性度, 性役割観, 職経歴選択, 性の受容の4変数で, 136名の女子学生を被調査者として数量化理論III 類による検討を試みた。結果は以下の3点にまとめられる。<BR>1. 得られた軸は第2根までで, 第1軸は〈男性的-女性的価値〉の次元, 第2軸は〈両価的因子内在〉の次元であった。<BR>2. 第2根の第1根への回帰はきれいなU字型を示し, 尺度構成上有益な示唆を得た。<BR>3. 反応カテゴリーのパターンから3類型が導き出され, それらは男性的価値指向型, 女性的価値指向型, 個人内価値指向型であった。<BR>本研究で得られた基本次元および3類型は, 別の側面から検討された既婚男女の結果と基本的に通じるものであり, その存在の普遍性の一部を裏付けていた。
著者
許 婷婷
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.41-50, 2008-03-10

「六諭」及與其相關的道徳話語在中國明清時代的庶民教化政策中扮演著重要的角色,而且與宗族社會形成息息相關。在十八世紀初期,《六諭衍義》這一主要解釋「六諭」的書亦傳來日本,對日本徳川時代的庶民教化政策亦〓了相當重要的作用。該書被施于訓點在日本出版之外,以室鳩巣所注釋的《六諭衍義大意》爲首之許多「六諭」道徳話語的異本亦陸續被出版。故,本文首先従教育思想史的觀點來考察與「六諭」相關的諸文本是如何輸入日本且出版的。然而在中國明清時代使用的《六諭衍義》與在徳川時代主要被使用的《六諭衍義大意》一書的内容並不盡相同。所以,本文對《六諭衍義》與《六諭衍義大意》的内容進行比較,試圖探討《六諭衍義》與鳩巣所注釋的《六諭衍義大意》之内容差異與日中社會體係差異之間的關係。並且希望透過以上的檢討,來思考在東亞各國間之道徳話語的流傳與演變的這一問題。
著者
野中 健一
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.276-290, 1989
被引用文献数
1 2

The purpose of this paper is to investigate how people obtain and eat Vespula sp., a kind of wasp, and how such habits are distributed in Japan. A general survey based on the literature and quastionnaires given to authorities was conducted for each part of Japan, and field work was conducted by interviewing in Central Japan, where examples of this habit can be seen. Among several kinds of wasps which are eaten in Japan, especially immature Vespula have been eaten cooked in various ways. This is because people feel it more tasty than any other wasp, and they can find the nests easily, catch them without any danger and obtain large numbers of the immature wasps from one nest. This haibit is not spread all over Japan but concentrated particularly in some parts of Central Japan.The results of the survey in Central Japan are as follows: there are six kinds of foods made of Vespula, that is, raw Vespula, roasted Vespula, boiled Vespula, mixed rice maze-gohan with Vespula, sushi with Vespula and, a kind of rice cake with soy bean sauce (gohei-mochi) containing Vespula. These recipes are listed here according to increasing complexity in cooking process. People eat these foods 1) occasionally, 2) daily, or 3) daily and on special occasions. In the area where the usage of Type 1) is found, Vespula is usually roasted and eaten only occasionally. In the area of Type 2) boiled Vespula in soy sauce is eaten as a daily food and even stored in many places. It is used as a side dish for daily meals or relish for drinking. Moreover in the area of type 3) boiled Vespula can be used on special occasions such as festivals and parties. The foods which need a longer cooking process tend to be used on special occasions. The usage of type 3) is seen in eastern Mino Province (Gifu Pref.) and its surrounding regions.People obtain Vespula by hunting or purchasing. Methods of hunting are classified into four types according to ways of discovering the nests. They are: (1) discovery by chance, (2) discovery by simply running after Vespula, (3) discovery by making Vespula hold a mark and running after it, and (4) breeding after finding the nest. An assorted mix of hunting (2), (3) and (4) is adopted in eastern and southern parts of Sinano Province (Nagano Pref.) and eastern Mino Province as well as mountainous areas in Mikawa and Owari Provinces (Aichi Pref.). People who want to eat Vespula may also purchase canned Vespula or their nests with immature wasps. The former are sold as souvenirs in some cities of Shinano Province, and the latter are mainly used as raw materials for cooking in eastern Mino Province. These are regions where active hunting is also popular.Generally speaking, the intensiveness of eating and that of hunting are closely related. That is, the more positively Vespula is eaten, the more actively hunting is conducted. The kind of foods (Figure 3), their uses (Figure 4), and the hunting methods (Figure 5), show similar areal distribution. These neighbouring three regions, that is, eastern Mino, the southernmost part of Shinano and the mountainous area of Mikawa, form the core with the highest intensity. The custom becomes less pervasive in regions that are located farther from the core. This shows a kind of cultural circle with a concentric structure. This is also the core area of Vespula eating in Japan.
著者
松浦 哲也
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.10-19, 2006-01-30 (Released:2007-10-05)
参考文献数
55
被引用文献数
1

線虫はわずか302個のニューロンから構成されており, それらすべての接続が明らかになっている。そのため, 感覚の受容とその処理過程が比較的容易に理解できる。また, 全ゲノムの塩基配列が明らかとなっているため, 遺伝子レベルの解析も可能である。線虫は行動とその神経基盤, 分子機構を結び付けることのできる数少ない生物の1つであるといえる。本稿では, 線虫の化学感覚と化学走性行動に関する神経基盤および分子機構について紹介する。線虫は周囲に存在する特定の化学物質に対して化学走性行動を発現する。この行動の発現には, 線虫頭部や尾部に存在するアンフィド感覚器やファスミド感覚器での化学情報の受容が重要であることが分かっている。最近では, 化学物質とエサの有無を関連付けた連合学習など線虫行動の可塑性や, 化学走性時の個体間の相互作用について新たな知見が得られつつある。

1 0 0 0 OA 和洋袋物細工

著者
村井秋翠, 木村俊臣 著
出版者
大倉書店
巻号頁・発行日
1920