著者
野原彝夫 著
出版者
丸善
巻号頁・発行日
1908
著者
下濱 俊 北村 佳久
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

アルツハイマー病(AD)の病態解明にはニューロン・グリアの分子病態の解明が重要である。小胞体内に存在する分子シャペロンであるBip/GRP78は、ストレス条件下において誘導され、細胞機能の維持に重要な役割を持っている。Bip/GRP78タンパク質投与により、IL-6、TNF-αの産生が認められた。このサイトカイン産生能はBip/GRP78タンパク質の熱処理により消失した。また、同様の投与により、Aβ1-42の取り込み量及びAβ1-42を取り込んだミクログリア細胞数の増加が認められた。これらの結果よりBip/GRP78はミクログリアの活性化及びAβのクリアランスに対して促進的に作用することが示唆された。heat-shock protein (HSP)のミクログリアへの作用について検討した。その結果、細胞外HSP70は、Toll-like receptor4を介したnuclear factor-κB、p38 mitogen-activated protein kinase経路の活性化によりミクログリアからのサイトカインの産生及びAβ1-42の取り込み・分解を促進している可能性が示唆された。その後、確立した脳ミクログリアの純粋培養系ならびにAβファゴサイトーシス(貪食・除去)アッセイ系を利用して、グリア細胞による神経保護作用の解析を進めた。その結果、high mobility group protein-1 (HMG1)がAD脳内で増加しており、老人斑のAβと共存していること、ミクログリアの純粋培養系においてミクログリアによるAβ1-42のファゴサイトーシスを阻害すること、試験管内ではこの物質は単量体AβからAβオリゴマー形成を促進することを見出した。このことは、このHMG1阻害物質がAβオリゴマーの形成を除去し、単量体Aβの分解除去を促進しうることを意味する。ADに対する新たな治療戦略と考えている。
著者
山田 健四 真坂 一彦
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.94-102, 2007-11-30
被引用文献数
2

旧産炭地である北海道美唄市近郊の100km^2(10×10km)を対象に、侵略的外来種ニセアカシアの分布域と分布の歴史的背景について調査した。人工衛星画像および現地踏査により、対象地域のニセアカシアの分布面積は0.989km^2(98.9ha)と計算された。1962、73、82、93年の空中写真を判読して土地利用を分類した結果、ニセアカシア分布域は過去に伐採を受けたか、農耕地や炭鉱関連施設等に利用された経歴を持つ場所が多かった。伐採跡地では1962〜73年の間で急速に、農耕地や炭鉱関連施設跡地では1962〜93年の間で徐々に森林化が進んだ。ニセアカシア分布域に隣接する非分布域の森林では、過去に伐採や土地利用の形跡のない森林が25.0%を占め、分布域における11.7%より有意に高かったことから、攪乱を受けない森林ではニセアカシアが進入しづらいと考えられた。これらのことから、森林伐採後の不成績造林地や耕作放棄地、炭鉱跡の空き地など、管理放棄された土地の発生がニセアカシアの分布拡大の誘因となっていることが示唆された。
著者
喜多野 一幸 羽入田 勝也 竹越 榮俊 澤田 昌俊 平澤 良男 小坂 暁夫
出版者
日本熱物性学会
雑誌
熱物性 (ISSN:0913946X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.142-146, 2005 (Released:2006-10-13)
参考文献数
7
被引用文献数
2 1

本研究では、高温蓄熱システムに使用される溶融硝酸塩と粒状マグネシアに関してそれぞれの熱伝導率及びそれらの混合物の有効熱伝導率を測定し、その熱伝導特性を検討した。熱伝導率及び有効熱伝導率は非定常細線加熱法により423Kから703Kの範囲で測定した。溶融硝酸塩と粒状マグネシアの混合物の有効熱伝導率は体積分率を変えて測定した。実験結果はMaxwellの式及びKunii-Smithの式から計算された値と比較し解析を行った。
著者
曽根 里子 沢田 知子 染谷 正弘
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.79, no.706, pp.2611-2620, 2014-12-30 (Released:2015-01-30)
参考文献数
3
被引用文献数
1

Purpose of this study is to verify the progress on community activities at huge-scale condominium Citia which has the various common facility and community support system, based on time serial research. The Part2 reports the process of 10 years after moving in. Residents' experience of community activities increased. Participation in the activities and consciousness about human contact remain good condition.Through the activities, the human contact and the community of the neighborhood spread.Usage of common facilities has a big influence of residents' life-stage transition. Integrated system of hardware and software can lead to the development of community activities.
著者
李 津娥
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.37-57, 2003-03

特集コミュニケーション課程の諸相論文目的方法 分析対象 コーディング項目と信頼性結果 主人公に占める男女の割合 ターゲットと主人公の性別 広告商品と主人公の性別 主人公の役柄と性別 広告商品と主人公の役柄 主人公の登場場面 主人公と一緒に登場する人物考察This study presents a content analysis of sex role portrayals in Japanese and Korean TV commercials. The results show that, in general, men and women are presented differently in advertising and that each sex is still shown in traditional roles. The major findings were as follows: (1) Women are overrepresented in ads for such items female cosmetics and household products while men are more portrayed in insurance and banks ads. (2) Women are most often portrayed in the role of wife/mother while men are more frequently portrayed in business settings. (3) In Korean TV commercials, women are more portrayed in traditional gender stereotypes and are overrepresented physical attraction.
著者
ポンサピタックサンティ ピヤ ポンサピタックサンティ ピヤ
出版者
長崎県立大学 東アジア研究所
雑誌
東アジア評論 (ISSN:18836712)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.31-45, 2013-03

本研究の目的は、日本およびタイの保険のテレビ広告の特徴を明らかにすることである。具体的には、保険のテレビ広告にみられる主人公の年齢層、そして、ジェンダー役割をそれぞれ比較することで、現代における日本とタイの社会・文化的状況を分析する。日本とタイの保険のテレビ広告における主人公の年齢層およびジェンダー役割について比較分析をおこなった。その結果、両国の保険のテレビ広告のなかには、消費者のジェンダー意識や家族観、文化・社会状況が鮮明に反映されており、とくに男女平等のイメージが生成されているということが明らかになった。
著者
山田 奨治
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.527-536, 2007-05
被引用文献数
1

この論文では、日文研でのCMの共同研究の成果を踏まえて、テレビ・コマーシャル(CM)による文化研究の過去と現状を通覧する。日本のCM研究は、映像のストックがない、コマーシャルを論じる分野や論者が極めて限定されていたという問題がある。CMによる文化研究という面では、ロラン・バルト流の記号分析を応用した研究が八〇年代初頭からみられた。しかし、研究の本格的な進展は、ビデオ・レコーダが普及した八〇年代後半からだった。その後、CMの評価の国際比較、ジェンダー、CM作品の表現傾向と社会の相関を探る研究などが生まれた。 現代のCM研究者は、CMという言葉から通常私たちが想像するような、一定の映像様式が存立する根本を見直しはじめている。名作中心主義による研究の妥当性、CMに芸術性をみいだそうとする力学の解明、CMを独立した単体ではなくテレビ番組との連続性の中に定位しようとする研究、CMと国民国家の関係を問う研究などが進められている。 しかしながら、CM研究をさらに進めるには、映像資料の入手可能性、保存体制などに大きな限界があり、研究環境の早急な改善が必要である。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1889年05月03日, 1889-05-03