著者
岡田 英史
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.44-51, 2010 (Released:2011-07-14)
参考文献数
8

生体組織内のヘモグロビンによる吸収と赤血球による散乱が、近赤外分光法(NIRS)の検出信号に及ぼす影響をシミュレーションによって解析した。細い単一血管を模擬したモデルでは、flow effectと呼ばれるNIRS信号に対する赤血球の散乱変化の影響が大きくなった。これに対して、血液と周囲の組織からなる生体組織モデルでは、散乱変化のNIRS信号への寄与は小さく、NIRS信号が主としてヘモグロビンなどの吸収変化に依存することが明らかになった。NIRSによる脳機能計測は生体組織モデルを対象としたものに近いため、NIRS信号を脳機能賦活によるヘモグロビン濃度変化に起因するものと近似して解析を行う方法は妥当であると考えられる。
著者
中島 定彦 Sadahiko Nakajima
出版者
関西学院大学人文学会
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.39-53, 2010-09
著者
小崎 道雄
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.139-146, 2002-05-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
11
著者
前田 浩邦 山肩 洋子 森 信介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.214, pp.37-42, 2013-09-12

料理は複数の材料に対しそれぞれ加工を加えたり,混ぜ合わせたりしながら,一つの料理を作り出していく流れ作業である.よってこれまでも,レシピの表現形式のひとつとして,作業フローグラフが用いられてきた.従来も,レシピテキストを半自動でフローグラフに変換する研究が行われていたが,これらの研究で対象としていたレシピは,プロの料理人や編集者により製作されたものであり,すでに規格がある程度統一されているため,ルールを適応することが比較的容易であったと考えられる.一方,Web上で最も多いのはCOOKPADや楽天レシピに掲載されているようなユーザ投稿型のレシピであるが,これらのレシピは表現の自由度が高く,従来型のルールにあてはめることが困難である.そこで本研究では,投稿型のレシピテキストをフローグラフに変換する際のデータフォーマットを提案する.さらに,特徴的であった事例を複数紹介する.
著者
鈴木 努
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
no.69, pp.2-21, 2006-07-31
被引用文献数
3

It is said that the result of the general election 2005 was greatly affected by mass media's news coverage. In this paper I compare the editorials of the three major newspapers in Japan: Yomiuri Shimbun, Asahi Shimbun and Mainichi Shimbun. Co-occurrence networks and centering resonance analysis are used to examine the features of the texts. Relevance, consistency and uniqueness are the most important elements that the media texts should have in order to be convincing with the readers. The elements are shown clearly and visually with some network analysis methods.
著者
中田 衛樹 岡田 一馬 山崎 裕司 山崎 生希 山崎 倫 大森 貴允 冨岡 真光
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.13-16, 2015-03-31

認知症を合併した重症片麻痺患者に対し,逆方向連鎖化の技法を用いた寝返り・起き上がり動作練習を実施した.寝返り動作は介入セッション,起き上がり動作は8セッション目に動作が自立した.介入中,身体機能および認知機能の改善は認められなかった.介入後,速やかに起居動作が自立したことから,認知症を合併した重症片麻痺患者に対する今回の動作練習は,有効に機能したものと考えられた
著者
竹内 俊貴 藤井 達也 小川 恭平 鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
pp.D-MDF04, (Released:2015-07-23)
参考文献数
21

Modern people are concerned with healthy eating habits; however, sustaining these habits often requires a vigilant self-monitoring and a strong will. The satisfaction found in a meal is influenced not only by the food itself, but also by external stimuli and information. This effect is called expectation assimilation in behavioral science. We propose a social media system that enables people to begin eating meals that are more healthful naturally and without conscious effort. This system uses others' positive evaluations as a trigger of expectation assimilation. Using the proposed system, users share information on their meals and evaluate the yumminess and healthfulness of each other's meals. Novelty of the system is that the system modifies others' evaluations, displaying evaluations of healthfulness as those of yumminess to the user consuming the meal. Therefore, users tend to eat more foods that are evaluated as healthful foods by others and thereby, improve their eating habits without noticing it. In this paper, we report about the mechanism of the proposed system and results of a user study under controlled circumstances. Moreover, we integrated our method with a published mobile application that already had a lot of users. We examined our proposal in the real-world context with the application and, consequently, proved practical effectiveness of the method.
著者
岩佐 峰雄 大谷 勲
出版者
名古屋市立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

各種動物唾液および植物抽出液のアミラーゼ活性を測定すると、サルおよび噛歯類動物唾液でヒト唾液に匹敵する活性が、植物抽出液ではわずかな活性が認められた。動物唾液斑および植物抽出液斑について、従来からのアミラーゼ活性検出法であるヨウ素-デンプン反応およびブルースターチ法を実施してみると、ヒト、サル、噛歯類唾液斑は両検査法で陽性を呈し、植物抽出液は、ヨウ素-デンプン反応のみで陽性を呈した。ヒト顎下腺から精製したアミラーゼを家兎に免疫して得た抗アミラーゼ血清をヒト血清と精漿で吸収すると、唾液とのみ反応する唾液特異的抗アミラーゼ血清が得られた。この抗血清はヒト、ニホンザル、カニクイザル唾液と反応し、他の動物唾液や植物抽出液とは反応しなかった。この抗血清をニホンザル唾液で吸収すると、ヒト唾液特異的抗アミラーゼ血清が得られた。唾液特異的抗アミラーゼ血清(ヒト、ニホンザル、カニクイザル唾液と反応するもの)を用いて、希釈唾液および陳旧唾液斑の抽出液を対向流免疫電気泳動法で検査すると、128倍希釈唾液、3週間経過した唾液斑の抽出液で沈降線が認められた。一方、ヒト唾液特異的抗アミラーゼ血清(ヒト唾液と反応し、ニホンザル、カニクイザル唾液と反応しないもの)を用いて同様に検査すると、8倍希釈唾液、1週間経過した唾液斑で沈降線が認められた。以上の成績から、アミラーゼはヒト唾液のみならず動物唾液や植物にも広く分布し、従来からのアミラーゼ活性検出法によってヒト唾液を特異的に検出することは困難である。一方、ヒト唾液特異的抗アミラーゼ血清はヒト唾液とよく反応し、サルも含めた動物唾液や植物抽出液とは反応しないことから、唾液検査において極めて有用であると考えられた。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1946年05月15日, 1946-05-15
著者
堀 まどか
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.38, pp.187-219, 2008-09-30

野口米次郎が「戦争詩」を書いた事実は、野口自身や彼の日本語詩歌に対する否定的評価を決定づけてきた。「戦争詩」に、犯罪性や「声の暴力性」の所在、政治プロパガンダの有効性をみる方法は、長く頻繁に行われてきたことである。「戦争詩」が量産された時代は、戦争の時代と重なり、ラジオ普及の時代と重なっている。確かに新メディアと戦時期詩歌の相関関係といった視点から考えれば、「声の暴力性」や政治性が濃厚に表出し、決まり切った語句の羅列に過ぎない「屑詩」しか拾えないのは事実だが、それらがその時代の、その詩人の表現の、総体ではない。現在使われている「戦争詩」という用語には、当時「愛国詩」「国民詩」「戦争詩」と使い分けられていたものを一括している問題があり、また、当時の詩人たちが戦時期詩歌に担わせようとしていたいくつかの役割やその諸議論、そして検閲の表現規制の中で「抵抗」を示そうとした詩人たちの姿を無視してきた事実がある。