著者
吉田 伸治 村上 周三 持田 灯 大岡 龍三 富永 禎秀 金 相進
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.529, pp.77-84, 2000
被引用文献数
38 12

Outdoor thermal environment in summer become worse due to a change of land cover and an increase of artificial heat release according to the urban development. In this paper, the authors have developed a new method for predicting the human comfort in outdoor thermal space with the aid of CFD (Computational Fluid Dynamics). Furthermore, the effect of greening on outdoor wind and thermal environment was analyzed. Spatial distribution of SET (Standard Effective Temperature) was calculated in order to assess the pedestrian level comfort using the data given from the CFD predictions. Two cases of predictions were carried out. In easel, green area ratio of ground surface was assumed 10%, while the green area ratio of ground surface was changed to 100% in case2. By comparing the SET* distributions in both cases, effects of greening were thus clarified.
著者
綾野 秀樹
出版者
東京工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,電力変換装置において零相電圧成分を利用した電磁障害の低減技術を確立した。特に,零相電圧成分の利用を最適化し,零速度領域からモータ駆動領域まで対応できる。具体的な成果は次の3点である。(1)モータ駆動時の誘起電圧を考慮して,重畳する零相電圧を出力周波数の関数とする方式を立案した。(2)モータの回転状態を模擬した詳細なシミュレーションにより,提案手法は,モータの全駆動領域における漏えい電流を従来手法よりも低減可能なことを明らかにした。(3)実機評価により,提案手法は,漏えい電流を従来手法よりも約30%低減できることを確認した。
著者
大津 宏康 立川 康人 小林 晃 稲積 真哉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

インドシナ地域で斜面崩壊が最も多発している風化花崗岩(まさ土)からなる斜面での原位置計測の分析結果より,降雨は表面流出,地中への浸透に加え,表面貯留の3成分に分類され,この内表面貯留は,斜面表層部でのインク瓶効果により,降雨浸透が抑制されることで生じることを確認した.また,解析で算定された浸透量を流入境界とした飽和・不飽和浸透流解析と実測値との比較から,同手法は,表面貯留量の概念を導入することで,浸透量を適切に表現可能となることを示した.さらに,降雨に起因する斜面崩壊機構として,降雨浸透に伴う飽和度の上昇による有効粘着力の減少により,安全率の低下が生じることを明らかにした.
著者
金子 格
出版者
東京工芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

EV/HEVの接近報知音の評価方法を検討した。Bフォーマットマイク(Sound Field ST450)を4本用いた評価システムの構成を構築した。報知音の定位の評価方法を構築し、「EV/HEVの報知音を想定した漸増刺激音の定位の主観評価 (応用音響)」電子情報通信学会技術研究報告等で発表した。たとえばトーン性の妨害音がノイズ性の目標音の定位を妨害する効果が,妨害音が目標音の臨界帯域内であるか否かにかかわらずほぼ7dB程度であること、など有益な知見が得られた。
著者
片山 圭巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.116, pp.93-98, 2008-06-20

本研究は英語母語話者と日本語母語話者がどのように音響的差異を使って音声語彙認識をするか、またアクセント知覚をするかを調査した。まず、音声作成プログラム(Sensyn)を使って、日本語の「雨」と「飴」の音声を作成し、二つの音声の基本周波数の差を開始点と終点で8分割し、9段階の音声刺激を作成した。日本語母語話者には日本語「雨」か「飴」を、英語母語話者には英語でアクセントが第一音節にあるか第二音節にあるかを弁別するように指示をした。米国出身の英語母語話者3名と東京地方出身の日本語母語話者3名が、無作為に提示された9段階の刺激音を10回ずつ聞いて弁別をした。
著者
阿部 貴志
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

環境メタゲノム資源から、連続塩基・アミノ酸組成に基づく一括学習型自己組織化マップ(BLSOM)を基に、環境中の微生物叢のための生物系統推定ソフトウェア、地球環境改善に役立つ新規微生物ゲノムの検出手法、ならびに、それらが持つ環境浄化システムに関与する有用遺伝子候補の探索手法を開発した。新規性の高いゲノム断片配列を微生物ゲノム別に再構成するための手法が開発でき、環境が保有する環境浄化システムを構成する微生物や代謝遺伝子セットの全体像が把握でき、様々な微生物が持つ環境浄化システムの全体像把握に向けた情報学的スクリーニング法としての活用も期待できる。

1 0 0 0 OA 啓発録

著者
橋本左内 (景岳) 著
出版者
金原喜一
巻号頁・発行日
1897
著者
山本 朗仁
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

歯髄幹細胞の性状解析を行い神経系譜に近い性状を示す細胞集団であることを明らかにし、歯髄幹細胞を効率的にドーパミン神経細胞に分化誘導することに成功した。歯髄幹細胞を用いた神経再生医療の実現を目指し、脊髄損傷、脳室周囲白質軟化症、パーキンソン病治療への歯髄幹細胞移植による治療効果を検証した。歯髄幹細胞は骨髄間葉系幹細胞を遥かにしのぐ神経再生効果を発揮する間葉系幹細胞であることを明らかにした。
著者
正田備也 高須 淳宏 安達 淳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.14-26, 2007-06-15
被引用文献数
4

文書分類のための代表的な確率論的手法にナイーヴ・ベイズ分類器がある.しかし,ナイーヴ・ベイズ分類器は,スムージングと併用して初めて満足な分類精度を与える.さらに,スムージング・パラメータは,文書集合の性質に応じて適切に決めなければならない.本論文では,パラメータ・チューニングの必要がなく,また,多様な文書集合に対して十分な分類精度を与える効果的な確率論的枠組みとして,混合ディリクレ分布に注目する.混合ディリクレ分布の応用については,言語処理や画像処理の分野で多く研究がある.特に,言語処理分野の研究では,現実の文書データを用いた実験も行われている.だが,評価は,パープレキシティという純粋に理論的な尺度によることが多い.その一方,テキスト・マイニングや情報検索の分野では,文書分類の評価に,正解ラベルとの照合によって計算される精度を用いることが多い.本論文では,多言語テキスト・マイニングへの応用を視野に入れて,英語の20 newsgroupsデータ・セット,および,韓国語のWebニュース文書を用いて文書分類の評価実験を行い,混合ディリクレ分布に基づく分類器とナイーヴ・ベイズ分類器の,定性的・定量的な違いを明らかにする.The naive Bayes classifier is a well-known method for document classification. However, the naive Bayes classifier gives a satisfying classification accuracy only after an appropriate tuning of the smoothing parameter. Moreover, we should find appropriate parameter values separately for different document sets. In this paper, we focus on an effective probabilistic framework for document classification, called Dirichlet mixtures, which requires no parameter tuning and provides satisfying classification accuracies with respect to various document sets. Many researches in the field of image processing and of natural language processing utilize Dirichlet mixtures. Especially, in the field of natural language processing, many experiments are conducted by using real document data sets. However, most researches use the perplexity as an evaluation measure. While the perplexity is a purely theoretical measure, the accuracy is popular for document classification in the field of information retrieval or of text mining. The accuracy is computed by comparing correct labels with predictions made by the classifier. In this paper, we conduct an evaluation experiment by using 20 newsgroups data set and the Korean Web newspaper articles under the intention that we will use Dirichlet mixtures for multilingual applications. In the experiment, we compare the naive Bayes classifier with the classifier based on Dirichlet mixtures and clarify their qualitative and quantitative differences.
著者
松岡 縁 中井 菜美 多田 正憲 西垣 敏紀 尾上 幸子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.58-62, 2000 (Released:2010-08-25)
参考文献数
14

10歳, 男児。3歳よりてんかんがあり平成9年8月からゾニサミド (製品名エクセグラン®) を内服していたが, 発作の出現が続くため徐々に増量されていた。平成10年6月より全身の発汗減少を認め, 熱発も生じたため当院を受診した。初診時ゾニサミド600mg内服中で血中濃度は75. 3 (治療域10-30) μg/ mlであった。ゾニサミド大量投与による発汗減少と考え, 投与を中止したところ, 2日後から発汗を認めた。温熱性発汗を可逆的に抑制しており, その機序としてイオンチャンネルに対する薬理作用を考えた。抗コリン剤以外には同様の発汗障害をきたす薬剤はなく, 特異な副作用として注意を要する
著者
磯部 信孝
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学大学院研究紀要. 人文科学 (ISSN:13433695)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.178-180, 1987-03-22
著者
福田 育弘 神尾 達之 桑野 隆 後藤 雄介 高橋 順一 原 克
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

各人がそれぞれのフィールドにおいて近代の飲食行為を文化現象として考察した。福田は、おもにフランスと日本において、共に食べることに価値を見出す<共食の思想>の在り方を、歴史的な社会的背景をふくめ学際的に考察した。とくに、日仏の文学作品における共食の表象を研究し、それぞれの社会で、個人にとっての飲食の意味を重要視する<個食の快楽>が、<共食の思想>にあらがいながら形成されてきたことを明らかにした。ロアルド・ダール『チャーリーとチョコレート工場』(1964)は、2005年にティム・バートン監督によって映画化された。神尾は、子供向けのファンタジーとして読まれているダールの原作から表向きはいわば排除されていたチョコレートのセクシュアルな意味合いは、バートンの映画で回帰する。本研究では、この回帰のプロセスをチョコレートの表象の変化として考察した。桑野は、ロシア・アヴァンギャルドと社会主義リアリズムにおける飲食の表象を比較した結果、後者は豊かな飲食のイメージを捏造しているのに対し、前者では独特の日常生活観や革命観も関連して飲食の表象が乏しいことが改めて確認した。後藤は、ラテンアメリカの「喰人」表象が西欧とラテンアメリカの関係性において、今日のポストコロニアル的なものへと変化していったことを明らかにした。高橋は、わたしたちの社会の変容にとって重要なキー概念としての歓待の概念を研究した。歓待の概念は人類と生活世界(Lebenswelt)についての新たな視点の基礎となるものである。現在、高橋は歓待の哲学的な基礎について考察を行っている。原は、「お袋の味」言説を起点に、大量生産消費文化と家族制度イデオロギーという視点から20世紀米国の食をめぐる表象構造を批判的に分析した。以上の研究から、近代における飲食の問題性が学際的に浮き彫りになった。
著者
櫻井 宏明
出版者
全国障害者問題研究会
雑誌
障害者問題研究 (ISSN:03884155)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.211-216, 2006-11

発達的には1歳半をこえていても発語が困難な重度肢体障害者には、コミュニケーションを支援するために、適切なコミュニケーションエイドを導入することは有効である。学校教育でコミュニケーションを支援するといったときには「伝える手段」を補うだけでなく、「伝える主体」の能力を育てるという視点が重要である。ことばには「コミュニケーションのツール」の他に、「思考のツール」、そして「自己との対話のツール」という役割があると言われる。コミュニケーションエイドを利用して、集団の中でコミュニケーションの能力を育てるとともに、認識力や自我を育てるアプローチが重要である。