1 0 0 0 日本語入門

著者
興津諦著
出版者
創学社(発売)
巻号頁・発行日
1993
著者
前田 義信
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

社会問題のひとつである"いじめ"は強者から弱者に対して行われる従来型の一方的な攻撃から,対等な他者との間で加害者と被害者が流動的に入れ替わる双方向の攻撃へとその性質を変容させつつある.当事者はいつ自分が被害者になるか予想することもできない不安を常に持ち,それゆえ対等な他者からの承認を常に必要とする“フラット"な関係が築かれるようになった.また流動性ゆえに,教育者をはじめとする支援者も対策に頭を悩ませている.そこではどのような事態が生じているのか?本研究では,エージェント,価値,エージェントが起こす行動,相互作用で構成される形式的な人工学級モデルを提案し,マルチエージェントシミュレーションによってその現象を調べる.エージェントの一人はヒトが操作可能なプレイヤーに置き換えることができるようにもした.相互作用を繰り返すことによって自分が見出す価値数がゼロになった経験を有するエージェント(いじめ被害者)と,他のエージェントから反感性の行動を連続的に受け続けたエージェント(いじめ被害者の候補=潜在的いじめ被害者)を定義し,その状況を調べた.その結果,交友関係における対立回避やべき乗分布に従ういじめの特性が観察され,支援者によるいじめ発見の困難さとの関連性を考察した.
著者
松井 利仁 平松 幸三 長田 泰公 山本 剛夫
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.20-24, 2001-12-25
参考文献数
9
被引用文献数
2

沖縄県には在日米軍専用施設面積の約75%に及ぶ基地が存在し, 沖縄本島の約20%を米軍基地が占めている。嘉手納・普天間飛行場は人口の稠密な地域に位置しており, 約48万人(県人口の38%)が環境基準を超える航空機騒音に曝露されていると推定されている。このような状況に鑑み沖縄県は航空機騒音曝露による住民影響に関する疫学調査を行った。本報告では, 航空機騒音の健康影響調査の基礎的資料として, 過去の騒音曝露量の推定を行っている。ベトナム戦争以降の現存する騒音測定資料を分析し, それに基づいて各種騒音評価量を推定している。また, 防衛施設庁が定めている騒音区分の妥当性についても検討を加えている。
著者
前 真之
出版者
独立行政法人建築研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

応募時に提出した年次計画に基づき、以下の研究課題を遂行した。(1)実住戸における消費エネルギーの実測調査実住戸6世帯における消費エネルギーの計測関東の6住戸について、電気・ガス・灯油の消費状況を詳細に計測し、消費エネルギーの用途別内訳や住戸差・季節変動について、重要な知見を得ることができた。実住戸3世帯における給湯消費の計測関東の3住戸において給湯の消費状況を詳細に計測し、高齢世帯においては給湯消費が少なくなる傾向などが明らかになった。また、給湯消費については既往の実測データの再整理を行い、その平均や変動について重要なデータを得た。(2)多数の住戸を対象とするアンケートによるエネルギー消費に関する調査全国の4000住戸における消費エネルギーに関するアンケート調査全国の住戸において、消費エネルギーの検針値や生活行動についてアンケートを通して調査を行った。検針値からの消費用途の推定・分離、生活行動と消費エネルギーとの関係の分析を通し、有効な知見を収集することができた。(3)集合住宅における暖冷房要因に関する実験・実測実大の試験用集合住宅における熱移動に関する実験建築研究所に設置されている実大の試験用集合住宅において、上下左右の隣接住戸の空調条件が空調負荷に与える影響を、実験を通し把握した。その結果、隣接住戸の空調状況の変化による影響は大きく、住戸間の断熱は簡易であっても効果が大きいことが示された。上記の研究活動により、1年度の年次計画をほぼ達成することができたと考える。
著者
水渡 英二
出版者
京都帝國大學物理化學研究室
雑誌
物理化學の進歩
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.154-165, 1936-06-30
著者
三好 真人 柘植 覚 ChogeKipsangHillary 尾山 匡浩 伊藤 桃代 福見 稔
雑誌
研究報告 音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MUS-89, no.23, pp.1-6, 2011-02-04

本稿では,楽曲に適切な印象値を自動付与する手法を提案する.提案手法は特徴抽出手法及び印象値付与手法から構成される.特徴抽出手法では,楽曲の印象値付与に有効と考えられる音量,音色,リズム,和音に関する特徴量を抽出する.印象値付与手法では,抽出された特徴量を用いてニューラルネットワークにより楽曲に印象値を付与する.401 個の楽曲パターンを用いて印象値付与実験及び主観評価実験を行い,提案手法の有効性を検証した.
著者
Yoshiki YUI Tetsuya SUMIYOSHI Kazuhisa KODAMA Atsushi HIRAYAMA Hiroshi NONOGI Katsuo KANMATSUSE Hideki ORIGASA Osamu IIMURA Masao ISHII Takao SARUTA Kikuo ARAKAWA Saichi HOSODA Chuichi KAWAI JMIC-B Study Group
出版者
日本高血圧学会
雑誌
Hypertension Research (ISSN:09169636)
巻号頁・発行日
vol.27, no.7, pp.449-456, 2004 (Released:2004-08-07)
参考文献数
19
被引用文献数
21 27

We stratified findings from the Japan Multicenter Investigation for Cardiovascular Diseases-B according to whether or not the patients had diabetes and compared the incidence of cardiac events occurring over a 3-year period between treatment with nifedipine retard and angiotensin converting enzyme (ACE) inhibitor. The primary endpoint was the overall incidence of cardiac events (cardiac death or sudden death, myocardial infarction, hospitalization for angina pectoris or heart failure, serious arrhythmia, and coronary interventions), and the secondary endpoints were a composite of other events (cerebrovascular accidents, worsening of renal dysfunction, non-cardiovascular events, and total mortality). The results showed no significant difference in the incidence of the primary endpoint between the nifedipine group (n =199) and the ACE inhibitor group (n =173) in diabetic patients: 15.08% vs. 15.03%, relative risk 1.06, p =0.838. Also in nondiabetic patients, no significant difference was observed between the former (n =629) and the latter (n =649): 13.67% vs. 12.33%, relative risk 1.04, p =0.792. Similar results were obtained for the incidence of the secondary endpoints: in diabetic patients, 5.03% vs. 5.20%, relative risk 0.89, p =0.799; in nondiabetic patients, 2.70% vs. 2.47%, relative risk 1.07, p =0.842. Achieved blood pressure levels were 138/76 and 136/77 mmHg in the nifedipine group and 140/78 and 138/79 mmHg in the ACE inhibitor group in diabetic and nondiabetic patients, respectively. This study showed that nifedipine retard was as effective as ACE inhibitors in reducing the incidence of cardiac events in extremely high-risk hypertensive patients with complications of diabetes and coronary artery disease. (Hypertens Res 2004; 27: 449-456)
著者
Yoshiki YUI Tetsuya SUMIYOSHI Kazuhisa KODAMA Atsushi HIRAYAMA Hiroshi NONOGI Katsuo KANMATSUSE Hideki ORIGASA Osamu IIMURA Masao ISHII Takao SARUTA Kikuo ARAKAWA Saichi HOSODA Chuichi KAWAI JMIC-B Study Group
出版者
日本高血圧学会
雑誌
Hypertension Research (ISSN:09169636)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.181-191, 2004 (Released:2004-10-19)
参考文献数
29
被引用文献数
70 103

The Japan Multicenter Investigation for Cardiovascular Diseases-B was performed to investigate whether nifedipine retard treatment was associated with a significantly higher incidence of cardiac events than angiotensin converting enzyme inhibitor treatment in Japanese patients. The study used a prospective, randomized, open, blinded endpoint (PROBE) design. Patients were enrolled at 354 Japanese hospitals specializing in cardiovascular disease. The subjects were 1,650 outpatients aged under 75 years who had diagnoses of both hypertension and coronary artery disease. There were 828 patients subjected to intention-to-treat analysis in the nifedipine retard group and 822 patients in the angiotensin converting enzyme inhibitor group. The patients were randomized to 3 years of treatment with either nifedipine retard or angiotensin converting enzyme inhibitor. The primary endpoint was the overall incidence of cardiac events (cardiac death or sudden death, myocardial infarction, hospitalization for angina pectoris or heart failure, serious arrhythmia, and coronary interventions). The primary endpoint occurred in 116 patients (14.0%) from the nifedipine retard group and 106 patients (12.9%) from the angiotensin converting enzyme inhibitor group (relative risk, 1.05; 95% confidence interval, 0.81-1.37; p =0.75). In the Kaplan-Meier estimates, there were no significant differences between the two groups (log-rank test: p =0.86). The incidence of cardiac events and mortality did not differ between the nifedipine retard and angiotensin converting enzyme inhibitor therapies. Nifedipine retard seems to be as effective as angiotensin converting enzyme inhibitors in reducing the incidence of cardiac events and mortality. (Hypertens Res 2004; 27: 181-191)
著者
鈴木 孝幸
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

これまでの研究で、指が発生する時には指原器の先端の細胞群が重要であり、この細胞群に指間部からのBMP(骨形成成長因子)のシグナルが特異的に入る事が分かりました。そして私はこの細胞群をPFR(phalanx forming region)の細胞群と名付けました。本研究でPFRの細胞群は驚くべき事に後側からのシグナルにしか反応しないと言う特性を持っている事が示されました。そしてその原因として、指間部において後側から前側にかけて液性因子の流れがあることが判明しました。また多指の鶏である烏骨鶏の原因遺伝子座も特定し、論文が受理され現在in pressです。
著者
田中士郎 田中弘美
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.1521-1526, 2011-07-20

実世界に忠実かつ物体操作が可能な仮想空間を実現するためには,物体の形状等の視覚情報だけでなく, 重量,摩擦,弾性等の触覚情報が必要である.我々は, 摩擦の研究分野において提案されている摩擦モデルに基づいて, 摩擦現象を仮想空間で再現する研究を進めている. 実世界に存在する物体の摩擦特性を推定するには, 外力を与えられた物体の変位を取得する必要があるが, 特に予すべりはその変位が数マイクロと微小であるため, 観測は非常に困難である. そこで本論文では, 安定姿勢に置かれている物体に対して, 外力を与えた際の物体の変位を高精度に求める手法を提案する. まず, 物体に外力を与える手段としてロボットマニピュレータを使用し, 物体が滑り出す過程を1秒間に500フレームの撮影が可能な高速度カメラで観測し画像を取得する. 次に1フレーム目の画像において基準領域を指定し, 他のフレーム画像の各ピクセルを中心とした領域との相関値を求める. 本論文で提案する相関値のモデル式を用いて, 相関値分布とのフィッティングを行い, 相関値の最も高い物体座標を推定する. 各フレーム画像のフィッティングにおける評価値および真値からの誤差標準偏差から, 物体変位の信頼性が高いことを確認した.
著者
井上学 和田俊和
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.1279-1285, 2011-07-20

位相シフト法は,比較的少数の画像の解析のみで高精度な形状計測を行うことが可能である.しかしながら,投影した格子パターンの位相が何番目の周期に含まれるかを求めないと物体全体の三次元形状の計測を行えない問題がある.本論文では,この問題を離散最適化問題として定式化し,Belief Propagation(信念伝搬)法を用いて解くことにより,位相接続を行う方法を提案する.本手法では,計測物体の絶対的な奥行きではなく,各点の周期を決定することで滑らかな三次元形状を計測することを目的にしている.
著者
清田祥太 川崎洋 古川亮 佐川立昌
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.488-495, 2011-07-20

アクティブステレオによる形状計測における問題点として,一視点から観測可能な形状しか計測できないことや静的なシーンしか計測できないことが挙げられる.本論文では,多視点のプロジェクタ・カメラシステムを利用して,動的シーンの形状を全周囲から計測する手法を提案する.高いフレームレートで形状を計測するためには,プロジェクタから照射するパターンを切替えずに静的なパターンを投影することが望ましい.しかし,従来の静的パターンによるアクティブステレオは,複雑なパターンを利用することが多く,パターンの重なりによる相互干渉の問題から,全周囲計測に適用することは難しかった.本研究では,単純な平行線によるパターンを利用し,むしろ干渉から得られる情報を利用して形状を復元する.具体的には,各プロジェクタは一方向の少数(1または2個)の色を持つ平行線のみを投影し,その直線同士の交点から連立線形方程式を多数構成して解く.我々は,6台のカメラと6台のプロジェクタから成るシステムを実際に構築し,運動する人物の密な3次元形状復元に成功した.
著者
松原 正樹 遠山 紀子 斎藤 博昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.19, pp.79-84, 2006-02-23
参考文献数
10
被引用文献数
3

本稿では,近年国内において多様化するピアノ学習者のうち,ピアノ初級者を対象にした独習支援システムを提案する.従来の独習支援システムは,一回毎の演奏について評価を行い,ユーザは間違えた箇所を認識し,演奏の評価を得ることができた.しかし,初級者は,間違えた箇所を認識することが出来ても,なぜ間違えたのか,今後どのように練習してよいか,といった練習方針を自分自身で判断するのは困難であり,初心者はなかなか技術の上達を見込めないという問題点があった.そこで本提案システムでは,個人の演奏履歴の分析と,目標楽曲に適した練習用楽曲の提示により,学習者に適切な練習を示唆することを目指す.楽曲の特徴量を楽曲中における鍵盤間距離の等しい音列の出現頻度とし,演奏履歴との類似度を計算することによって練習用楽曲を提示する.目標楽曲集をブルグミュラー「25 の練習曲」,練習用楽曲集をバイエル「ピアノ教則本」としてシステムを実装し,実験を行った結果,一部の目標楽曲に対して人間のピアノ教授者と同等の示唆を示した.We present a computer-assisted leaning system for piano novice. The system calculates the distance between keys, estimates the performance and suggests adequate etudes. Using "Twenty-Five Easy and Progressive Studies for Pianoforte" by Burgmuller, as target music, and "Piano Textbook" by Beyer, as etudes, the system suggests appropriate etudes just like piano tutors.
著者
鈴木 裕子
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.132-142, 2009-12-25

This work aims to define the concept of "Kansei," or sensitivity in young children through an evaluation scale based on the development process. In Part I, the concept of Kansei was classified into three main categories, 28 sub-categories and 64 items based on a questionnaire completed by kindergarten and day nursery teachers. Finally, the 31 most relevant items were selected to be used for an evaluation scale. In Part II, the concept of Kansei was divided into three different factors based on the analysis of data collected in another questionnaire: factor 1: original sensibility and creativity, factor 2: active response, and factor 3: emotional and moral empathy. These three factors include 26 items. Using these three factors and 26 items, a scale was invented to evaluate young children's sensitivities. In Part III, the validity of the scale was examined and the result verified its high reliability. This invented evaluation scale can be used for understanding the richness of young children's sensitivities from their behaviors.
著者
丸山 貴司 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.442, pp.43-48, 2009-02-21

製品開発において,使いやすさの評価は重要な部分を占めており,製品の良し悪しは使いやすさで決まることも少なくない.製品の使い心地というものは非常に重要な要素の一つであるといえる.現在,製品の使い心地の評価には,モニターアンケートやSD法が一般的に使われる.しかし,これらの手法は評価対象が「曖昧な抽象的な概念」であり,個人の主観が強く影響することから客観的且つ定量的に使い心地を評価することが非常に困難である.その問題点を解決するために,本論文では,脳波を用いた製品評価を行った.具体的には製品を使用している際の脳波を用いて,感性フラクタル次元解析手法を適用することで,被験者が感じる使い心地の評価を行った.また,感性解析結果を用いて,多変量解析を行うことで各被験者の感性に影響を与えるパラメータを因子分析した.その結果,感性並びに主観評価に大きく影響を与えるパラメータを見出すことができた.このような結果は従来手法ではアンケートの得点から評価することが困難であるため,感性を指標とした新規評価法として期待される.
著者
白田 由香利
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.5, pp.1-7, 2009-11-13

本論文では,商品の配色イメージに対する感性評価を消費者が行う際,消費者の配色イメージに対する感性の類似度を表現する尺度として,主成分分析を用いることを提案する.インターネット上の膨大な数の商品群の中から,自分の感性に合った配色イメージのものを検索することは容易ではない.検索の際,アドバイスをしてくれるアドバイザーがいると検索のコストを軽減することが可能となる.しかしながら,アドバイザーの感性が自分の配色イメージの感性に類似しているか否かを示す,尺度およびその測定法があることが望まれる.本論文の提案は, warm および soft の 2 因子から求められる主成分軸の傾きの角度を,類似の尺度として利用することである.この手法により,婦人靴の配色イメージに対する感性の類似度を測定した.In the paper, it is proposed to use principal component analysis as measurements for affective impression (Kansei) similarities when consumers evaluate color image of the product. When we retrieve a lot of products on the Internet, it is very difficult to select ones with impressive color image. If advisors on the Internet give us their recommendations, the selection would cost much less than while browsing alone. However, the advisor's Kansei will then have to be similar to the consumer's Kansei. Therefore measurement of Kansei is required. I propose that as the measurement we use the inclination angle of the obtained principal component axis from two variables, warm and soft. By the measurement, I evaluate color image Kansei similarities of shoes for women among respondents.
著者
廣瀬 陽子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、かつては共に共産圏であった旧ソ連、旧東欧諸国(特に黒海地域)のEUへの接近・統合プロセスを明らかにすることを目的に、文献研究と現地調査によって比較検討を進めたものである。特に、紛争勃発と平和構築のプロセス、未承認国家、民主化、経済発展、エネルギーポリティクスなどを中心に両地域を比較した。歴史的背景に加え、欧州への地理的な近さ、ロシアの影響力の強さなどが特に両地域の違いを生んでいることが分かった一方、旧ソ連・旧ユーゴスラヴィアに見られるような「連邦解体後」の共通問題なども明らかになった。