著者
宮腰 英一 森田 朗 大桃 敏行 高橋 寛人 若林 直樹
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、公財政支出の削減が推し進められる中で、わが国及びイギリスが「子ども・青少年」施策の効率化を図り、かつその意思決定と実施過程において責任体制を支える「ネットワーク型ガバナンス」を構築し、教育運営システムの改善を進めている実態を現地調査により明らかにした。(1) 英国バーミンガム市の「子ども・青少年」行政について市当局及び「子どもセンター」への訪問調査と職員へのインタビューを実施した。その結果、教育行政に隣接する福祉・医療・労働の分野を「子ども・青少年」行政として統合している実態がわかった。(2) 国内調査 : 太田市、佐賀市、出雲市、豊田市、駒ヶ根市、大分市等の「子ども行政」に見られる教育委員会の部局再編の経緯について情報を収集し、成果を関連学会において発表した。
著者
山口麻太郎著
出版者
一誠社
巻号頁・発行日
1934
著者
宮本 乙女
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

1.研究目的:ダンス領域で成果を上げてきた「主体的なダンス学習場面としてのグループ活動」を柔道の学習にも当てはめながら、2つの領域における有効な「活用-探究」の学びについて考察した。2.研究方法:お茶の水女子大学附属中学校の中学2年生の柔道全14時間、ダンス全14時間を対象とした。柔道「大外刈り」ダンス「序破急」のグループ活動を精緻に分析した。技能指導においては専門家の知見も得て「活用-探究場面」を意識した学習指導を実践した。学習者の活動は、授業全体、および生徒のグループ活動をVTR撮影した。教師行動は、発話記録とVTR撮影で記録した。学習者に対する毎時間の形成的授業評価の調査を行った。分析は高橋健夫らの研究に基づいて行った。3.研究成果:形成的授業評価と期間記録により、柔道もダンスも評価の高い授業と認められた。専門家の観察により、技能的な成果も十分であると認められた。抽出授業におけるグループ活動は、柔道、ダンスとも、身体活動を伴いながら行われ、教師のかかわりは頻繁であった。柔道では、学習者の発話を拾いながら多様な視点からひとつの方向の原則原理に導くような問いがかけられ、教師が後押しした意見が最終発表内容に生かされている場合が多かった。肯定的フィードバックが矯正的フィードバックの2倍であった。ダンスでは、極限をひきだしつつ各グループを多様な方向に広げる問いや、特に矯正的、肯定的フィードバックが半数ずつ行われていた。指導者の専門種目であるダンスの方が助言は具体的であった。共通課題から多様に広げる方向を持ったダンスと、技能を集約して身につける柔道、どちらも、技能のポイントを教師から教えるだけでなく、学習者が探究する活動を保証し、発表しあい、多様な視点を認めていく指導により、満足感と上達のある学習になると推測できる。
著者
大久保 麗 河野 太郎 権 成基 野﨑 幹弘
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.462-462, 1995-06-25

第303回東京女子医科大学学会例会 平成7年6月8日(木) 臨床講堂I
著者
小石 かつら
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

現在では演奏会の開始音楽として「演奏会用序曲」は一般的である。しかし、そもそもオペラの開始音楽であった「序曲」が、聴衆を惹き込むプロムナードとして「演奏会」のオープニングに用いられはじめ、次第に単独作品「演奏会用序曲」として作曲されるようになった経緯は、現在まで明らかにされてこなかった。また、「演奏会序曲」というジャンルが生み出されることになった社会的、文化的背景についても明らかになっていなかった。本研究では、ライプツィヒの演奏会記録を用い、演奏会用序曲の演奏状況を調査し、今日とは全く違う状況であったことを明らかにした。また、当時の出版目録を調査することによって、家庭での演奏会用序曲をはじめとするオーケストラ作品の受容も明かにし、演奏会用序曲の位置づけを試みた。これらを背景に、メンデルスゾーンの「演奏会用序曲」の中から、一番作曲時期の遅い2作品である《静かな海と楽しい航海》と《美しきメルジーネの物語》を取り上げ、詳細な成立史をまとめた。また、個々の作品の改訂に関して、楽曲分析をおこなった。このうち、《美しきメルジーネの物語》について、日本音楽学会の全国大会において発表した。2月には、研究成果をベルリン工科大学音楽学研究所にて発表すると同時に、ベルリン国立図書館音楽部門所蔵の書簡を用い、演奏会用序曲の受容について調査を行い、研究の全体を補完した。
著者
中澤 哲夫 別所 康太郎 坪木 和久 斉藤 和雄 榎本 剛 原 昌弘
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

2008年に行った航空機からの台風直接観測による進路予報へのインパクトについて調査を行った結果、ターゲット観測の予報改善効果が確認できたものの、台風第13号と第15号の二つの台風での限られた観測のため、有効性を十分に確認することまでは至っていない。高い感度領域でのデータ同化が、必ずしも予報精度の改善へ寄与していない事例のあることもわかった。台風周辺での観測のインパクトについては、数値予報の成績がよい気象庁やヨーロッパ中期予報モデルなどでは改善率が小さく、逆に米国のモデルなど通常の予報成績があまりよくない場合に改善率が大きいこともわかった。また、台風中心付近のデータをどのように同化システムに取込むかどうかによって予報精度が大きく影響されることが明らかになった。
著者
農宗 千典 小沢 慎治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.514-523, 1993-03-25
参考文献数
17
被引用文献数
36

単眼視による連続道路画像を処理し,道路中央からの偏位,道路に対するヨー角,ピッチ角,ロール角,路面からの高さという,5自由度カメラ姿勢と,道路のカープ曲率とこう配曲率を含む3次元構造とを,同時に計測する手法を提案する.時変の道路形状パラメータで表現された3次元道路モデルを作成し,前時刻における姿勢パラメータを用いて画像座標系に変換する.そして,モデルと入力画像との対応関係から各姿勢パラメータと道路形状パラメータの変動量を同時推定する.推定は線形方程式で行え,よって高速処理に向く手法である.合成道路画像を用いた定量評価と実画像による実験において,精度の良い推定結果が得られた.従来固定値とされる場合の多かったピッチ角やカメラ高などの推定が,自動操縦の場合重要とされる道路形状や偏位やヨー角の計測精度向上に寄与することも確認された.更に,高速画像処理装置により実時間(30画面/秒)で処理でき,本手法の有効性を確認した.
著者
安彦 元
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.98-105, 2012-09-20
参考文献数
12

先行技術調査の定量的価値をベイジアン決定理論を利用して分析するスキームを提案し,提案したスキームを通じて, 1)要素技術の戦略優位性や2)要素技術の特許性が不明確である場合の方が,先行技術調査の定量的価値が高くなることを検証した。
著者
辻 洋一郎
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.17-28, 2012-09-20
参考文献数
31

特許情報は技術開発の直接の成果物として,技術開発のプロセスを分厚く記述するための有望な情報源となり得る。本稿では,インクジェットプリンタ開発の事例を対象に,出願された特許の内容分析を行う。その結果,特許情報を補強することで,既存文献から得られる技術開発のプロセスを鮮明に彫琢できることを示す。最後に特許分析の有用性と限界について議論し,併せて分析の結果得られた発見事実について考察する。
著者
小泉 恭平 板倉 直明 水戸 和幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.355, pp.47-50, 2010-12-12
参考文献数
5

繰り返し刺激を与えた際に発生する視覚誘発脳波を利用した脳波入力インタフェース(BCI)の研究が行われている.先行研究では,BCIに使える適切な特徴を抽出するため,光点滅刺激の呈示方法や脳波の解析手法が検討されてきた.本研究では,異なる位相の光点滅刺激を使い,FFTによるパワー値情報と同時に位相情報を利用することを提案した.実験では同一画面上に2つの異なる位相の光点滅刺激を使い,FFTによる位相情報の有効性を検討した.その結果,位相の異なる2つの光点滅刺激を注視したVEPを識別するBCIに,位相情報が有効であることがわかった.
著者
新井 克弥
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-12, 2006

80年代、分衆/少集論を中心に展開した消費社会論は現代思想、マーケティング、社会学等様々な分野で議論と対象となり、その間続いたバブル景気の理論的な援護射撃を演じた。だがバブル崩壊とともに、その有効性は失われ、これら議論が展開されたこと事態がすでに過去のこととなっている。そこで、本論ではこのような消費社会論がなぜ発生したのか、そして、どのような変容を遂げ今日に至っているのかをボードリヤール理論の受容過程を辿ることで明らかにすると同時に、現代人のコミュニケーション行動との関連での今日的な有効性について考察する。
著者
大庭 一郎
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、経営学の組織論と人的資源管理の理論を活用しながら、日米の公共図書館における専門的職務と非専門的職務の区分について分析・考察し、日本の公共図書館における新しい職員制度のあり方を解明することである。研究の結果、日米では労務管理と公務員制度に違いがあるが、図書館の専門的職務と非専門的職務を区分し、専門的職務とそれに必要な専門的知識を明確にし、図書館員が専門的職務に専念できる体制を整備する必要があること、が明らかになった。
著者
谷垣 勝己 野末 泰夫 山中 昭司 榎 敏明 木村 薫 寺内 正己 有田 亮太郎
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

総括班は、配列ナノ空間を利用した新物質科学の企画・調査研究報告書"配列ナノ空間を利用した新物質科学:ユビキタス元素戦略"ならびにH19年度の領域研究申請書をもとにして、H19年-23年の5年間に渡り本格的な研究体制の下で十分に審議して重点課、題を決定し、遂行してきた。また、現在の状況で進めるべき研究を審議して、遂行可能な研究を効率的に進めてきた。H20年度-H21年度、H22年度-H24年度の2回に渡り、採用された公募研究班を加えた研究者と連携して研究を国際的に発展させると共に、領域研究を効率的に推進するために、総括班会議ならびに年2回の領域会議を開催して、現状を把握するとともに今後の研究計画を議論してきた。H23年度の研究で本領域は5年間の研究活動を終結する事ができた。H24年度は、5年間の特定領域研究のまとめ年となる。そこで、本領域研究では、総括班を中心とした5年間の研究計のまとめを行うために、5年間に得られた研究内容のまとめを行うとともに、将来の研究活動につながる活動をした。特に、今年度は昨年度の年度末に開催して特別研究会を中心としたNewsletterを刊行するとともに、5年間の研究活動を総括した報告書を編纂する事が主な事業であった。そのために、研究計画班に属している研究者の方と連絡を密にとるとともに、5年間に渡り総括班ならびに研究計画班の研究を外部から眺めて助言ならびに指導を頂いた本特定領域評価委員の方々とも連絡をとり、5年間の研究成果をまとめる報告書を発行した。また、本領域研究の今後の活動につながる議論などを行い将来の研究発展に備えるための調査ならびに会合をもった。
著者
田中 秀司 遠田 譲 圓尾 圭美 吉田 雅之 菅原 幸子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.461-461, 1995-06-25

第303回東京女子医科大学学会例会 平成7年6月8日(木) 臨床講堂I
著者
高橋 修 真山 茂樹 松岡 篤 竹村 明洋 真山 茂樹 松岡 篤 竹村 明洋
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

一般に,生きている放散虫類は共生藻をもっている.それらは黄緑色ないし黄褐色の微小な球状で,そのサイズは3~10マイクロメータの大きさである.共生体を持っている現生の放散虫類の大部分が共生体から光合成によって固定された炭素の供給をうけ,貧栄養環境下でその共生関係を維持している.この研究では、Euchitonia elegans (Ehrenberg), Dictyocoryne truncatum (Ehrenberg),およびSpongaster tetras Ehrenbergの分子系統および超薄切片観察により,Dinoflagellates、chlorophytes、およびhaptophytesなどの藻類がこれらの放散虫に共生していることを特定した.そのうえ,これまで共生藻をもたないとされていたDictyocoryne profunda Ehrenbergの表面に,数多くのシアノバクテリアが共生していることを明らかにした.本研究の結果,異なった種の放散虫は異なった共生体を持ち,それらは強い特異性もつことを示した.もし,仮に同じ放散虫が異なった藻類を複数,共生体として持つならば,それは選択の柔軟性があることを示すかもしれない.しかしながら,現在の結果はこの仮説を否定する.これらの間の柔軟性の欠如は,放散虫に共生体の認識と選別ための一般的なメカニズムがある事を示すものと考える.