著者
松井 幸夫 植村 勝慶 江島 晶子 倉持 孝司 榊原 秀訓 小松 浩 元山 健
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本科研研究は、1997年総選挙によって登場したニュー・レイバー(新生労働党)のブレア政権が推進した「憲法改革」を、近代憲法の21世紀的な展開を展望しつつ、その基礎にある「第三の道」のフィロソフィーを視野に入れて総合的に研究しようとするものであったが、3年間の研究によって極めて大きな、画期的な成果を生むことができた。本研究は、所属研究機関が異なる14名の研究者による共同研究であったが、それぞれの研究分担課題を明確にし、それらを研究代表者及び世話人の密接な協力と連携によってひとつの総合的な研究として遂行することができた。3年間を通して、春と秋の全国学会時には必ず研究会と情報交換の場を持ち、8月には3日の合宿研究会を開催して研究の進捗の確認、相互交流、情報交換を行い、また、毎年3名をイギリスに派遣し、憲法改革の実施状況の調査と情報収集、現地の研究者・政党はじめ主要機関との交流を進め、この点でも成果は大きかった。それぞれの研究成果は、本科研研究会のメンバー全員が参加した『新版現代憲法-日本とイギリス』の編集発行や、メンバーによる二冊の単著はじめ、12冊の著書の刊行、25本に上る学術雑誌への論文掲載、さらに、11件の学会発表を生んだ。それぞれの研究課題についての成果の集約は、研究成果報告書にまとめられている。本研究の何よりも大きな成果は、同時代的に進行しているイギリス憲法改革を、近代立憲主義の21世紀的展開という視野の中で比較憲法的視野で捉え、多数の研究者が一体となってこれを総合的に研究できたことにある。また、憲法改革の各分野についても、その内容、評価、展望等について、それぞれ大きな成果を生むことができた。それらは、さらに出版助成を得て公刊し、されにその成果を世に問う予定である。

1 0 0 0 OA 清少納言

著者
緑亭主人 著
出版者
民友社
巻号頁・発行日
1896
著者
寺沢 セシリア 恵子
出版者
文教大学
雑誌
文教大学国際学部紀要 (ISSN:09173072)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.59-72, 2010-07

四年制大学における第二外国語学習の目的は、言語スキルの学習を通し、コミュ二ケーション能力を向上させることにより教養を高めるという点にある。通常、第二外国語の授業は週に1 ~ 3 回(インテンシブクラスを含む)、一時間半のクラスで文法と会話が教えられる。しかし、2 年間の学習を終えた学生の多くは、このような目的を十分に達成したとはいえず、満結果を得ていないのが現状である。 その原因の一つは、授業時間の多くを文法中心(暗記中心)に割かなければならず、会話演習が十分に行えないという点にある。たしかに、今まで触れたことのない言語を習得するためには文法の活用をはじめ、重要表現などの暗記は必須であり、これらを省略することは困難である。しかし、限られた時間の中で外国語を効果的に学習するためには文法の暗記という形式的なアプローチのみでは足りないというのもまた真であろう。 では、四年制大学における第二外国語を学習する時間、すなわち2 年間・週1 ~ 3 回という時間制限の中で、どのように授業を展開するのがもっとも効果的であるのか。それは、授業で文法・会話を教えていく中にその国の言語文化を取り入れていく、というのが一つの解決策であると考えられる。文化は社会の中で変化していくものであり、言語もまた文化・社会の影響を受けて常に変化している。そこで、第二外国語習得と文化を結びつけるものとして、社会言語学的アプローチが有効なのではないかと考える。 本論文では、社会言語学の重要性に言及するとともに、先に述べた目的を達成し、学生が満足出来る効果的な学習方法はどのようなものか、その解決策について論ずる。また、日本語、英語及びスペイン語の呼びかけ表現の比較を通し、言語が人間の社会行動とどのように関わり合っているのか、言語を効果的に学習するために社会言語学がどのような役割を果たすのかについて考察する。
著者
井出 明
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会梗概集
巻号頁・発行日
no.28, pp.63-64, 2011-05

It is well known that disaster areas have special social contracture after the disaster occurs. However, the existing literature has dealt with changes in the local community after a disaster. In other words, few researchers have studied tourists who happen to experience disasters. This study discusses from various standpoints, condolence for tourists who have experienced disasters, through interviews of the impacted people, bereaved, and members of the Phuket Japanese Association.
著者
Suguru Yoshida Takamitsu Hosoya
出版者
(社)日本化学会
雑誌
Chemistry Letters (ISSN:03667022)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.583-585, 2013-06-05 (Released:2013-06-05)
参考文献数
34
被引用文献数
57

Arynes, generated in situ from o-(trimethylsilyl)aryl triflates by treatment with a fluoride, have been shown to react efficiently with various alkoxyphosphines via a mechanism similar to the Michaelis–Arbuzov reaction. Diverse aromatic oxophosphorus compounds, including derivatives with an ortho-ester function, have become easily available from a common aryne precursor by this method.
著者
齋藤 真木子 久保田 雅也 岩森 正男 榊原 洋一 市堰 浩 柳澤 正義
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

Zellweger症候群(ZS)をはじめとするペルオキシゾーム病ではペルオキシゾームが形成されないために様々な生化学的異常を呈するが、病態との関連は未だ解明されていない。病因遺伝子としてペルオキシゾーム形成に関わるPex遣伝子群が少なくとも13種同定されており、同じ遺伝子群の変異でも重症度の異なる病型-Infantile Refsum Disease(IRD), neonatal adrenoleukodystrophy(NALD)-が混在する。今回Pex2群に変異を有するZS, IRD患者由来線維芽細胞について脂質を抽出し正常対照線維芽細胞と組成を比較検討した。患者由来線維芽細胞ではa系列のガングリオシドの増加が著明であり、ガングリオシドGM3の増加や正常細胞に含まれないGM1やGDlaが免疫染色TLCによって検出された。また、モノクローナル抗体によるGM3組織免疫染色では患者由来細胞で細胞膜や細胞内に顆粒状にガングリオシドGM3が発現していた。これらの結果とこれまでPex2欠損CHO変異株Z65で解析した結果から、ペルオキシゾーム欠損が糖脂質代謝に影響を及ぼすことが明らかとなった。近年、糖脂質は細胞間情報伝達や細胞の増殖・分化誘導に関与することが知られており、ペルオキシゾーム欠損による糖脂質代謝変化と各臓器の形成障害との関連を明らかにすることが今後の課題である。
著者
松永 久美 萩中 淳
出版者
武庫川女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

ニワトリ輸卵管より調製した卵白中の糖タンパク質であるα_1-酸性糖タンパク質(chickenα_1-AGP)遺伝子のクローニングを行い、chickenα_1-AGPのアミノ酸配列を明らかにした。chickenα_1-AGPタンパク質は、リシルエンドペプチダーゼ、トリプシンおよび臭化シアンを用いて、それぞれ特異的にペプチド結合を切断し、得られたペプチド断片の部分アミノ酸配列をもとに、BLASTホモロジー検索から4つの相同性のあるESTを得た。それらの配列から適切なプライマーを製作し、ニワトリ輸卵管のcDNAからPCRにより、chickenα_1-AGP遺伝子を得た。PCRで増幅した620bpのDNA配列中に、203残基のアミノ酸からなるORFが存在した。相同解析およびchickenα_1-AGPタンパク質のペプチド断片のN-末端アミノ酸分析結果から、卵白中のα_1-AGPは183残基のアミノ酸からなり、2個のS-S結合をもつことが明らかとなった。次に、MALDI-TOFMSによりchickenα_1-AGPのS-S結合および糖鎖結合位置を明らかにした。chickenα_1-AGPにEndo F/PNGase Fを作用させ、糖鎖を完全に水解したchickenα_1-AGP(cd-chickenα_1-AGP)を調製した。cd-chickenα_1-AGPを2 M ureaを含む100mM NH_4HCO_3緩衝液に溶解し変性後、トリプシン消化を行なった。得られたトリプシン消化物の分子量をMALDI-TOFMSを用いて測定し、S-S結合の位置を決定した。cd-chickenα_1-AGPを100mM NH_4HCO_3緩衝液に溶解し、10mM DTTおよび10mM CH_2ICONH_2で還元アルキル化後、トリプシン消化を行なったのち、MALDI-TOFMSおよびシークエンサーを用いて糖鎖結合位置を決定した。cd-chickenα_1-AGPの変性後のトリプシン消化物において、3037.3(ペプチド69-76,161-183)および3453.3(ペプチド69-80,161-183)の[M+H]^+イオンが検出されたことより、S-S結合の位置はCys6とCys146およびCys73とCys163であることがわかった。また、N-アセチルグルコサミンが付加したペプチド、AsnがAspに変換されたペプチドに由来するイオンが検出されたことから、糖鎖の結合位置はAsn16,62,70,77,87であることがわかった。また、62位の糖鎖が欠如したchickenα_1-AGPも存在することがわかった。
著者
長嶋 雲兵
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

化学物質の構造とその活性の間には線形で記述できないような複雑な因果関係があることが広く知られている。これを化学物質の構造活性相関という。従来これらの非線形的因果関係の解析には主に重回帰分析が用いられてきた。しかしながらもともとこの相関は非線形性が強いので、従来の線形の関連を期待する統計的手段を適用するには限界がある。本研究では生体の有する高度な情報処理プロセスをシミュレートするニューラルネットワークの特徴である非線形的な動作に注目し、その化学物質の構造活性相関への適用と展開を目的とする。平成8年度は、ニューラルネットワークシミュレータを本格的に構築した。用いたニューラルネットワークモデルはパーセプトロン型と呼ばれるものである。作成したシミュレータを用いて、ノルボルナン類の化合物の構造活性相関の研究を行なった。また再構築学習法を用いて、ノルボルナン類の化合物の構造活性相関の因果関係の解析を行なった。平成9年度はひき続き、ノルボルナン類の化合物の構造活性相関の因果関係の解析を行なった。加えてデータ間の距離を明示的に含む自己組織化の手法をニューラルネットに取り込み教師データ間の中間領域の予測精度を向上させ、学習方法によらない分類が可能となることを示した。さらに、化学分野に限らず広く振幅と周波数が同時に変化する時系列データの予想に対しても新たにニューラルネットワークを開発し、ニューラルネットワークが従来の線形回帰法に比べ精度の高い予測を行うことが明らかにした。
著者
江種 伸之
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

河川の水量・水質に関する野外調査と分布型モデルを利用した水・物質負荷量解析を実施して,果樹栽培が盛んな紀の川流域における水環境を評価した.その結果,物質収支に基づいて既存情報から果樹園における栄養塩類の原単位を算出する方法を構築することができた.また,得られた原単位を利用したモデル解析により,果樹園が広く分布する支流域のTN濃度変化および本川中流部におけるTP濃度の大きな上昇の要因を明らかにすることができた.
著者
福地 絡逸 中嶋 凱夫 竹内 孝彦 土田 正義 小川 弘 新田 一夫 中沢 信彦
出版者
一般社団法人 日本内分泌学会
雑誌
日本内分泌学会雑誌 (ISSN:00290661)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1245-1253,1235, 1973

副腎スキャン剤<SUP>131</SUP>I-19一コレステロールの生体内代謝を検討した.有効半減期は1.77-3.74日, 被曝線量は0.60-2.13rad/mCiであつて, 頻回に検査を繰返さない限り安全に使用しうる薬剤と思われる.臓器別有効半減期は, 甲状腺と副腎で共に8.08日, その他の臓器では4.0日以内であつた.すなわち, 副腎の周辺組織では速かに代謝されるので, 投与8日目には副腎のみに放射能が残存して, 明瞭な映像を描出したものと考えられる.
著者
和田 修一 岡本 智周 熊本 博之 麦倉 泰子 丹治 恭子 大日方 純夫 大藪 大藪 竹本 友子 大平 章 笹野 悦子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

後期近代社会としての日本社会は「リスク社会化」という社会構造の変動過程の文脈の中にあるが、こうした「リスク社会化」が生み出す社会環境のあり様にの下で「共生社会」という理念的枠組みを明らかにすることによって、「リスク社会」における「共生」問題の論理的構造を分析し、そのリスク回避へ向けての社会施策を考究するための理論の構築を目指した。この目的のために、初年度では従来の共生社会論の抱える問題点を摘出し、その理論的問題点を実証的に論じるための意識調査を二年度目に実行し、三年度目にそのデータ解析に基づく理論研究を行い、リスク社会における「共生」問題の理論的解明を行った。
著者
小野 文枝
出版者
横浜国立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、利用者が意識せずに構成可能なパーソナルネットワークの構成を検討している。通常、地震に関する情報は様々なネットワークを経て伝達される。しかしながら、様々な経路による遅延やネットワークの完全性が保証されていないなどの問題が存在している。そこで、本研究では、様々な経路を介さずに震度情報を取得するパーソナルネットワークを提案した。また、取得した情報を共有するために、省電力伝送可能な通信法を検討した。これらの結果、従来のネットワークを介さずともその場所の震度情報が取得可能となり、小電力で高効率な通信法を用いて情報共有が実現できる可能性があることを明らかにした。
著者
鈴木 一有 金山 尚裕 伊東 宏晃
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

研究代表者の鈴木一有らは、近赤外線分光法によるこれまで臨床症例において胎盤酸素濃度の測定を行い、胎盤酸素濃度が高かった症例の胎盤病理を詳細に検討した。その結果、chorangiosis(胎盤血管腫症)という胎盤の病態が、胎盤酸素濃度(TOI)の上昇と深く関連していることが判明した。つまり、chorangiosisのある胎盤TOIは75.3%であり、それがない胎盤TOIの68.6%よりも有意に高値であった。(Suzuki K et al, Chorangiosis and placental oxygenation, Congenit Anom. 49;71, 2009)またこれに引き続き、chorangiosis(胎盤血管腫症)という胎盤病理組織所見が臨床的にはFGRならびに臍帯卵膜付着などの臍帯異常と関連があることが判明したため、平成24年度の動物実験による研究をすすめた。 その結果、胎盤TOI上昇が、臍帯の血流不全と大きな関連があることが明らかになった。具体的には、妊娠中に臍帯血流を全圧迫遮断することにより胎盤TOIが上昇する病態を作成することに成功した。また、同時に測定した胎仔のTOIは低下することも確認された。(Suzuki K et al, Transient ligation of umbilical vessels elevates placental tissue oxygen index(TOI) values measure by near-infrared spectroscopy(NIRS) inclawn miniature pig animal model, Clin.Exp.Obstet.& Gyn.39;293,2012) この結果は、胎児の臍帯血流が、胎盤酸素濃度を規定する大きな因子である可能性があるという新しい発見である。
著者
蔵口 雅彦 湯元 美樹 高田 賢治 津田 邦男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.81, pp.37-40, 2009-06-04
参考文献数
8

GaN系電子デバイスにおいて特性向上を図るため、ゲートリセス構造が有望である。窒化物半導体ではウエットエッチングによる精密なエッチングが難しいため、リセス構造形成のためには低ダメージなドライエッチング技術が求められる。本研究では、BCl_3とCl_2の混合ガスを用いたICP-RIEにより、エッチングの低ダメージ化を検討した。その結果、BCl_3とCl_2の混合ガスにより低バイアスパワーで表面モフォロジーが維持できることが分かった。また、表面モフォロジーが維持できる範囲内では、Cl_2/BCl_3比を高くすることでAlGaNを効率よくエッチングができ、BとClの半導体層への侵入量を抑制できることが分かった。
著者
上條 末夫
出版者
駒澤大学
雑誌
政治学論集 (ISSN:02869888)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.59-85, 1989-11-30
著者
飯塚和彦
雑誌
日眼会誌
巻号頁・発行日
vol.96, pp.985-992, 1992
被引用文献数
10