著者
中西 紀夫
出版者
四日市大学
雑誌
四日市大学環境情報論集 (ISSN:13444883)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.123-133, 1998

The purpose of this paper is to study "crime of enterprises against the law of environmental pollution. In two classes of cases "crime relating to environmental pollution" has the meaning of a community. The result is that within the last few decades the Court has developed a much more flexible principle regarding service of process in personal actions, both those involving corporate defendants and those involving natural persons.
著者
屈 国鋒 藤堂 良明 酒井 利信
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.27-38, 2007-07-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
43

This study aims to clarify the transition process from Chenshi Quanfa to Yangshi Taichi. In examining the transition process, we considered the following four questions.1. Why did the change from actual fighting to the concept of improving health and fitness occur in the minds of these two martial arts leaders?2. Did Yang try to establish Taichi with the purpose of improving health in mind from the very beginning?3. Why did Yang, who was an excellent fighter himself, make his Quanfa known as a health management method?4. What specific changes occurred over the three Yangshi generations?The answer to the first question is thought to lie in differences in social conditions, geographical factors, and the purpose of instruction. The same is true of the third question.As to the answer to the second question, we found that Yang Luchan initially tried to publicize his Taichi as an actual fighting martial art rather than designating it as a method of improving health and fitness.Based on the above analysis, we can summarize the transition process from Chenshi Quanfa to Yangshi Taichi as follows. Chenshi Quanfa, which was characterized both as an actual fighting technique and for improving health, was exported to the world outside Chen Jia Gou through the efforts of Yang Luchan. Yang Luchan and Yang Banhou lived in turbulent times, and they initially contributed much to the character of the actual fighting that featured Chenshi Quanfa. As they developed Chenshi Quanfa, however, they increasingly emphasized its usefulness for improving health to cope with social conditions, geographical factors, and differences in instruction methods. Yang Chengfu, who was Yang Luchan's grandson, established the current Yangshi Taichi, which focuses on the concept of improving health and fitness. It is the writer's belief that this process is the answer to the fourth question.
著者
金 成垣
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.21-33, 2013-12-30

本論文の目的は,「東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づける」ことである。壮大な目的であるが,そのためにここで解明すべき具体的な問いを2点設定すると,1つは,「なぜ」東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づけるのかということであり,もう1つは,「いかに」東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づけるのかということである。前者が,既存研究の限界を認識し,東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づけることの理論的意味を明らかにする問いであれば,後者は,既存研究の限界を乗り越え,東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づけるための方法論的視点を明らかにする問いである。本論文においては,それぞれについて考察を行うことによって,「東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づける」ことの理論的意味(第1節)と方法論的視点(第2節)を明らかにし,それをふまえ,今後の本格的な東アジア福祉国家研究のための課題(第3節)を示すことを具体的な目的とする。
著者
神田 学 森脇 亮 高柳 百合子 横山 仁 浜田 崇
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.713-722, 1997-10-31
参考文献数
15
被引用文献数
31

明治神宮の気候緩和機能・大気浄化機能を熱収支・汚染物質吸収量の観点から定量的に把握することを目的として1996年8月に集中観測を行い, 以下の成果が得られた. 1) 神宮の森の放射収支・熱収支が算定された. 正味放射量の約7割は蒸発潜熱に変換されており, 日中に神宮の森が放出する水分量は, 1秒あたり約150kg (ペットボトル100本分) に達する. また都市域の熱収支 (神田ほか, 1997) と比較することにより, 神宮の森の気候緩和機能が定量的に把握された. 2) ポロメーターにより計測される1枚の葉の蒸散・気孔コンダクタンスは, 計測地点の局所的な気象条件の影響を大きく受けるため, そのままでは群落全体の蒸散量に換算できないことが示された. 3) 晴天日の夕方の一般風が弱まる時間帯において, 0.5ms^<-1>以下の弱い森林吹き出し風の存在が示された. 4) 林冠上における汚染物質の鉛直下向きフラックスを傾度法を用いて算定したところ, 日中の平均値として, O_3は約0.30ppb ms^<-1>, NO_2は約0.11PPb ms^<-1>となり, 神宮の森による汚染物質吸収量が定量的に把握された. 5) 神宮の森で測定した汚染物質の濃度変動特性を検討した結果, 物質によりその挙動が異なった. 特にSPM濃度の日変化は夜間にピークをもち, 近接市街地とは逆の傾向を示す. これは夜間森林上に形成される安定層の影響であることが推察された.
著者
森田 慎一郎
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.197-204, 2004-03-10

Recently, it has been claimed that Japanese style management needs to be reconstructed. In this article, in order to examine what part of Japanese style management ought to be reconstructed, the writer reviews researches on Japanese business employees'job satisfaction and attempts to reveal the structure of their working mind. Findings indicate that Japanese business employees'working mind consists of not only job satisfaction but also satisfaction in company. It is also indicated that Japanese business employees'voluntary individual turnover is more influenced by satisfaction in company than job satisfaction. The writer further proposes that future Japanese style management should attach greater importance to enhancing business employees'job satisfaction.
著者
永井 学
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.274, pp.136-139, 2007-07

イタリア料理、ベトナム料理など多様な業態のレストランを開店し、成長を続けた。だが出店がいつも成功するわけではない。新業態を乱発するうちに、不採算店が目立ち始める。大胆な店舗リニューアルで乗り切ろうとしたが奏功せず。過大な借り入れ、不透明な財務体制も災いして、最後は銀行に見放された。
著者
菊池 秀明
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

19世紀の中国長江流域における社会変化を、太平天国とそれに対抗した湘軍=曾国藩の創設した地方武装勢力の主張や政策を中心に検討した。太平天国は福音主義運動の「文明化の使命」という理念に影響を受け、中国の伝統文化に対する激しい攻撃を行った。だが彼らの攻撃的な行動は「中庸」を重んじる中国知識人の受け入れるところとならず、漢人エリートたちは満洲人貴族との間に深刻な対立があったにもかかわらず、太平天国に反対した。
著者
加藤 良成 金子 茂男 井口 正典 栗田 孝
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.33, no.10, pp.1672-1675, 1987-10

A 42-year-old man was hospitalized with urinary retention due to strangulation of the penis in December, 1981. He placed a stainless steel ring on the base of the penis to prolong erection one month earlier, but subsequent penile edema made it impossible to remove the ring. On admission the penis was extremely swollen (15 cm in length and 7 cm in diameter). Gangrenous patches covered the surface of the penis almost completely and the ring had cut through all the tissues superficial to Buck's fascia. Even slight tension would have probably divided the penis at the site of obstruction and we thought that amputation would be necessary. However, we decided to try conservative therapy since pulsation was felt in the glans. A high-speed airdriven drill with a diamond tip was used to sever the ring. This took ninety minutes. The ring was 2 cm in diameter. The wound was sutured in one layer after through debridement. The skin ulceration healed slowly and a urethral fistula was present in the penoscrotal region until the 66th postoperative day when it closed spontaneously. At discharge the patient had no problems with urination or erection.
著者
井戸 一元
出版者
名古屋外国語大学現代国際学部
雑誌
名古屋外国語大学現代国際学部紀要 (ISSN:13499602)
巻号頁・発行日
no.8, pp.19-53, 2012-03

会計基準を設定する際のアプローチの仕方には2種類ある。「生成・一般承認アプローチ」(evolving, general acceptance approach)(Type A)と、「企画設計・概念ベーストアプローチ」(designing, conceptual based approach)(Type B)である。 国際財務報告基準(IFRS)の設定は、Type Bによってなされている。しかし、それは、現実の会計実務からは乖離した会計基準の設定となる潜在性をもっているために、世界各国それぞれの国によって異なった詳細な基準実施ルールを生み出してしまい、その結果、財務諸表の国際比較可能性を強化することはできない。 そこで本稿では、日本の財務報告と会計規制をめぐる検討課題を整理し、会計規制を設定するアプローチの仕方に立ち返った上でその解決策を、会計基準を設定するための基準、すなわち「メタ・ルール」(Meta-Rule)に考察を加えることにより、「事実上の標準」(de facto standard)とするための道を検討したい。
著者
安藤 直子
出版者
東北福祉大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

これまで遺伝資源としてまた文化資源として保護されてきた農用馬や在来馬を、保護に止まらず積極的に活用することを求める日本馬事協会の方針転換により、生産・飼養者が「生きた文化財」としての馬の価値を捉え直し、文化財に経済的な価値を付与する様相を分析した。特に天然記念物としての在来馬を文化財保護制度の枠組みの中で活用する際に生じる様々な問題を分析し、文化を資源化し活用する際の主体の戦略を考察した。

5 0 0 0 複合現実感

著者
田村 秀行 大田 友一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.266-272, 1998-03-20
被引用文献数
63 6

「複合現実感」 (Mixed Reality) は, 現実世界と仮想世界を融合した複合環境の構築・描画技術で, これまでのVRの限界を打破する先端技術として期待されている.本稿では, 電子的な仮想世界を現実世界の情報で補強するAugmented Virtualityと, 現実世界に立脚しここに電子データを重畳するAugmented Realityに大別し, それぞれの最新技術動向を概観し, 今後の応用分野について展望する.
著者
新山 新 加治 建 田原 博幸 下野 隆一 林田 良啓 高松 英夫
出版者
特定非営利活動法人日本小児血液・がん学会
雑誌
小児がん : 小児悪性腫瘍研究会記録 (ISSN:03894525)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-5, 2008-02-29

過去21年間に5例の甲状腺癌を経験した.発症時年齢は10歳8か月から14歳3か月(平均12歳1か月),男児1例,女児4例であった.病悩期間は2か月から3年1か月(平均6.7か月),4例がT2,1例がT3,病理組織学的には全例乳頭癌であった.術後観察期間は6年11か月から9年3か月(平均8年0か月)で,2例が有病生存(肺転移),3例が無病生存中である.小児甲状腺癌の予後は良好だが,肺転移の治療が重要であると思われる.
著者
高尾 幸成
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.813-821, 2013-03-01 (Released:2014-03-01)
参考文献数
1

iPS細胞は,4つの遺伝子を体細胞に導入することで製造される多能性の細胞である。この細胞を利用した医療という産業応用が見込まれることから,大学の研究成果であるにもかかわらず知的財産に対して特別な取り組みが行われている。本稿では,iPS細胞とは何かを解説し,iPS細胞研究所の知財管理室が抱えるiPS細胞ならではの特許審査にかかる問題や,それに対する取り組みを紹介する。また,知的財産を利用したiPS細胞技術の普及のあり方について考察する。
著者
品川 桃実 佐藤 結以 中村 祐希
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.356-357, 2011-05-01 (Released:2012-04-27)

本研究は,平成22 (2010) 年度日本農芸化学会大会(開催地 東京)での「ジュニア農芸化学会」において“優秀ポスター賞”に選ばれた.一般に,「黴(カビ)」という言葉から連想されるイメージはあまり良いものではない.しかし,カビのもつパワフルな能力が,私たちの食生活の豊かさに大きく貢献していることは言うまでもない.本研究では,カビを異なる視点から捉え,その芸術への応用の可能性を追究している.
著者
野村 大成 本行 忠志 中島 裕夫 岡 芳弘 藤川 和男 足立 成基 梁 治子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

1.ヒト臓器・組織置換マウスの作製と維持:IgG、IgM値が検出限度以下のC57BL/6J-scid等を大量生産し、ヒト甲状腺、骨髄、肺、胎芽組織片等の長期継代維持を行った。2.核分裂放射能の影響:(1)近畿大学原子力研究所原子炉UTR-KINKI(熱出力;1W,炉心分の熱中性子;最大10^7n/cm^2・sec程度)を用い、照射SCIDマウス体内での正確な中性子線、ガンマ線被曝線量を得た。(2)ヒト甲状腺、肺組織を移植したSCIDマウスに中性子線1回0.2Gyの照射を7日毎に6回および4回繰り返した。ヒト甲状腺、肺組織ともに、ρ53,K-ras, c-kit,β-catenin、RET、bak、BRAF遺伝子の変異は得られていない(γ線11-33Gy急照射では、20例中8個のP53,c-kitの突然変異が有意に発生したが、緩照射では0であった)。また、GeneChipを用いた遺伝子発現異常の解析(8,500遺伝子)をヒト甲状腺とヒト肺組織において4回照射1週間後に行ったところ、甲状腺で59.7、肺では11.5個の遺伝子で4倍以上の変化がみられた。3.放射性ヨード(^<131>I)の影響:0.5MBq/マウスのI-131投与を週1回繰り返した。37週以上群で18例中6個の突然変異が誘発された(p53,β-catenin)。0.06〜0.5MBq/マウス1回投与でも25-51.5個の遣伝子発現異常がみられ、強い影響を確認できた。4.チェルノブイリ核施設崩壊事故被曝者にWT1遺伝子の発現異常が有意に検出された。白血病発生のとの関連が2例にみられた。被曝者F_1のマイクロサテライト変異の調査も行った。5.放射線障害防護実験:ガンマ線による発生異常、白血病に対し、担子菌菌子体由来物質の有意な予防効果をみつけた。以上、当初計画どおりの成果を得た。