著者
宮川 敏治
出版者
大阪経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、提携外部性が存在する状況で、効率的な交渉結果を実現するための条件や提携形成の戦略的側面を交渉ゲーム理論の新しい分析手法によって解明することである。さらに、不完備情報下の交渉問題のための非協力・協力ゲームの解概念の提示と制度設計の可能性を検討する。以下の研究成果を得た。(1)戦略的提携形成と非協力交渉ゲームモデルの構築と分析:分割関数形ゲームの下での非協力交渉ゲームモデルを構築し、ナッシュ均衡解、ナッシュ交渉解、およびコアの関係を分析。さらに、応用問題として自由貿易協定を考察。(2)不完備情報の交渉問題でのナッシュ交渉解の提示。(3)非対称情報下での制度設計、提携形成。
著者
星 岳彦
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

施設園芸生産の情報化・高度化を図る目的で、普及が進む低コストで自律分散型の環境制御システムであるユビキタス環境制御システムを導入した園芸施設で活用できる生産支援ソフトウェア開発の研究を実施した。開発と普及を促進するためソフトウェアが扱う情報を規格化した。環境データの組み合わせによる病害好発条件や生育好適条件を検出して、その期間をマーキングし、生産者に注意を促すソフトウェアなどを開発した。
著者
野田 公俊 盛永 直子 桑原 聡 清水 健 森 雅裕 盛永 直子 桑原 聡 清水 健 森 雅裕
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

蛍光色素で標識した精製SubABを作製した.この毒素の標的臓器は上部消化管であると推察された.臨床分離株大腸菌におけるSubAB産生株の出現頻度について解析した.使用したEHEC29株中、全株がStxを産生しており、2株だけがsubAB遺伝子を保有し、かつSubAB毒素を産生してた.SubAB産生株を効率良く迅速に検出するためのキット作製には、SubAB毒素の特異的酵素活性による検出法が有効と結論された.
著者
森岡 俊夫 森田 恵美子 神宮 純江 南部 由美子 新谷 早苗
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.197-202, 1981
被引用文献数
2

福岡市博多保健所において昭和50年度から同54年度までの間に実施された3歳児歯科健診時の各種資料を基に, 同期間における3歳児健診受診状況ならびにう蝕罹患状況の推移, さらには, 保育環境および保健所の実施した母子保健活動とう蝕罹患状況との関連を検討した。健診受診率およびf歯率ほこの期間毎年有意に増加し, う蝕罹患者率および一人平均df歯数は有意に減少した。なお, う蝕罹患型別罹患者率については有意な増減は認められなかった。<BR>昭和54年度においては, 被健診児が第1子である方が第2子以下よりう蝕罹患者率が有意に低率であり, また, f歯串は保育園非就園児が就園児より, そして祖父母と同居している方が核家族より有意に高率であった。<BR>また, 同保健所管内で保健所が行なう母子保健活動の度合は異なった地区別のう蝕罹患状況の変化を昭和50年と54年について比較すると, う蝕罹患者率および一人平均df歯数はそれぞれ母子保健が推進された地区においてより高い改善傾向がみられた。
著者
川越 保徳 森村 茂
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

温度や塩分濃度の変化に迅速柔軟に対応できる“淡水-海水コラボレートAnammox 培養系”を構築し,窒素除去特性と細菌群集構造を明らかにした。淡水性と海洋性Anammox細菌の両培養物を反応槽に接種し,淡水,海水,および中間的な培養条件にて連続培養を実施し,全条件下で約5日間以内にAnammox反応特有のNH4-NとNO2-Nの同時除去を確認し,その後0.1g/L/dの窒素容積負荷で安定した窒素除去能を認めた。また,淡水と海水の中間的条件での連絡培養物では,淡水性Anammox細菌と海洋性Anammox細菌の存在比が1:30となり,培養条件の違いによって細菌叢が変化することが明らかになった。

1 0 0 0 新教育

出版者
内外圖書文具
巻号頁・発行日
1915

1 0 0 0 絹の科学

著者
皆川基著
出版者
関西衣生活研究会
巻号頁・発行日
1981
著者
渡辺 宙志
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本年度の研究成果は大きく2つに分けられる。第一はロドプシンの波長制御である。視覚を司るロドプシンの吸収波長は、生物種によって異なり、生物の生息環境に応じて最適化されている。その吸収波長の制御機構の解析が、本研究の目的である。具体的にはアナゴロドプシンを対象に用いた。当該タンパク質は、従来のものとは異なる、長距離型の波長制御機構を持つことが近年報告された。本研究では、ホモロジーモデリングと分子動力学計算の手法を用いて、分子構造を構築および精製した後、量子力学計算手法を用いて吸収波長を算出した。結果これら結果に対して、主成分解析を応用し、制御機構を説明することに成功した。第二はチャネルロドプシンの構造モデルを構築したことである。当該タンパク質は、神経の情報伝達機構を解析する手段や、盲目マウスの視覚の復元などに用いられている重要なタンパク質にも関わらず、その分子構造が未知であったために、分子レベルでの解析や応用が十分に行われていなかった。本研究において私は、当該タンパク質にアミノ酸配列レベルで特徴的なパターンがあり、それを構造モデルの構築に応用できることを発見した。モデルされた構造に前項で述べた手法を応用したところ、実験的な光学的的特性が再現されたため、同モデルの精度が非常に信頼できることが示された。またこの後、同モデルをもとに行われた実験においても、モデルを支持する結果が得られている。
著者
上田 宏高 門林 理恵子 萩野 浩明 塚本 昌彦 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.414-423, 1998-02-15
被引用文献数
2

本稿では,分散型知識ベースシステムを用いたメール配送システムの構築について述べる.筆者らの研究グループでは,グループ通信をサポートする従来のシステムでは不完全であった送受信双方の選別要求を満たすことを目的として,推論機構によるグループの動的構成手法を用いたメール配送システムMILD (MaIL Distribution system)を開発し,2年間にわたり運用を進めてきた.MILDは指定された条件を満たすユーザからなるグループを知識ベースシステムを用いて動的に構成し,電子メールを配送するシステムである.しかし,運用を進めるうちに,知識管理の困難化,配送遅延の増大等MILDが集中管理型システムであることに起因する問題点が明らかになってきた.今回,筆者らはこれらの問題点を解決するため,MILDの分散化を行った.システムおよび知識を分散化することによって,MILDは,広範囲にわたるユーザが柔軟なグループ通信を容易に利用できるシステムとなった.In this paper,we present the design and implementation of a decentralized mail distribution system using knowledge-base systems.In these two years,we have developed and maintained a system for distributing mails using a reasoning-based dynamic group construction method,called MILD(MaIL Distribution system).However,in a practical use,various problems have identified to be serious.One of them is the difficulty in managing large size of knowledge-base,and another is the increase of the delay time for mail distribution caused by the long reasoning time.We consider that the centralized management of MILD is the main reason for such problems.Therefore,we designed and implemented a new version of MILD,which we call MILD3,where servers and knowledge-bases are decentralized onto several hosts.In MILD3,each knowledge-base is managed independently by each organization,and it can be used in an integrated way for mail distribution.Furthermore,because of decrease of the reasoning time,it becomes possible to distribute mails in a shorter time than the previous MILDs.As the result,the new version of the MILD can provide a more flexible group communication for a large number of its users.
著者
門脇 禎二
出版者
日本史研究会
雑誌
日本史研究 (ISSN:03868850)
巻号頁・発行日
no.337, pp.p55-73, 1990-09
出版者
音楽之友社
巻号頁・発行日
1990
著者
圓田 浩二
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-12, 2009-01

本稿の目的は、日本におけるスクーパ・ダイビングの変容を解明することにある。スクーパ・ダイビングは、その初期にはスピア・フィッシングを行うスポーツとして認知され、人気を博していた。当時のスクーパ・ダイビングは、スピア・フィッシングを行うことを目的とするチャンピオン・スポーツの性格をもっていた。しかし、ダイバーの増加にともない、漁業法との関係で、漁業協同組合の許可なく魚を採取することができなくなり、ある時期からスピア・フィッシングが行われなくなった。日本におけるスクーパ・ダイビングは、1960年代後半から1990年代にかけて、ダイビング・スタイルの変更を余儀なくされた。そこで新しいダイビング・スタイルとして登場したのが、潜ること自体を目的とするファン・ダイブであった。ファン・ダイブは、水中の海洋生物や海底の地形を見て写真を撮ったり、水中での浮遊感覚を楽しむものであるから、水中銃で魚類を撃って捕獲するスピア・フィッシングとは性格が全く異なっていた。1990年代後半に発売されたデジタル・カメラの普及は、スクーパ・ダイビングの目的を水中の海洋生物や海底の地形などを写真に掘ることへと変えていった。日本のスクーパ・ダイビングの目的は、スピア・フィッシングによる魚を「捕る」ことから、ファン・ダイブによる海洋生物や地形などをカメラで「撮る」ことへの移行として考えれるだろう。こうして、日本のスクーパ・ダイビングは、スピア・フィッシングを行うことを目的とするチャンピオン・スポーツとしてのスクーパ・ダイビングから、ファン・ダイブを行うことを目的とするレクリエーション・スポーツとしてのスクーパ・ダイビングへと変化していったのである。This paper clarifies the transformation of SCUBA diving in Japan. In its early days, it was acknowledged as a competitive sport involving spearfishing and became popular. However, as the number of divers increased, fisheries law made it illegal to obtain fish without the permission of a fishery cooperative. In addition, spearfishing was prohibited at certain times. Consequently, the nature of SCUBA diving in Japan was forced to change between the late 1960s and 1990s. A new diving style evolved, which consisted of fun diving, in which participants observed the marine organisms and topography of the sea bottom, and enjoyed the sensation of floating in the water. The two forms of diving-usin g a speargun to shoot fish versus fun diving-are quite different in character. The spread of digital cameras in the late 1990s allowed SCUBA divers to photograph marine organisms and seascapes. Consequently, in Japan, SCUBA has been transformed from a competitive sport involving catching fish by spearfishing to a recreational sport involving taking photographs during fun diving.