著者
田川 明広 上田 雅司 梶谷 純男 岡本 久彦 徐 陽 山下 卓哉
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2005, no.3, pp.185-186, 2005-09-18

This paper describes the development of a new inspection robot used for the in-service inspection (ISI) of the reactor vessel of the FBR MONJU. The inspection is carried out using a CCD camera for visual tests and an EMAT for volumetric tests at elevated temperature (200 deg.) and high irradiation dose condition (10 Sv/hr). The applicability of a commercial CCD camera and an EMAT have been confirmed by experiments under severe conditions. In addition, reduction of the robot weight from 47kg to 34kg is achieved by optimization of all parts in the robot, these results in a reduction of wear and replacement frequency of tires. A performance improvement with EMAT was attained by a new magnet arrangement and a signal treatment method.
著者
村上 友香 MURAKAMI Tomoka
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科 教育科学専攻
雑誌
教育論叢 (ISSN:0288996X)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.37-56, 2010-02-26 (Released:2010-03-12)

The purpose of this paper is presenting the significance of “Kyoiku no Shakai-Keikaku” of Miyahara Seiichi through illustrating the concept according to his articles in the early Post World War Ⅱ period. The first way to achieve it is showing the reason why he asserted the necessity of reorganizing school education and social education and of planning about education as the premises; the former based on the theory of reorganization of school education and social education, and the latter based on the reference about the Progressive Education Movement. The second is giving consideration to the meaning of “Kyoiku no Shakai-Keikaku” and to his design of the planning. The third is showing how his theory was verified by Total Planning of Education in Simamura. He struggled to have education more closely related to the peoples’ lives in the capitalistic society. And school education and social education are comprehensively reorganized as the whole in each sphere: a nation, districts and communities. In the procedure of planning“ Kyoiku no Shakai-Keikaku”, first, the aim of each age group is decided. Second, the form and way of learning are chosen like a school or not like a school. Third, the tools and institutions are selected. He assumed that the plan is framed by a population. We found the significance of this theory at proposing the concrete and practical approach on the total reorganization of school education and social education.
著者
青木 隆浩
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.83-99, 1997-05-31
被引用文献数
1

本稿では, 埼玉県の酒造家を系譜の出身地別にまとめ, その経営方法の違いとそれに伴う盛衰の状況について比較考察した. その結果, 近江商人, 越後出身者, 地元出身者の家組織には大きな違いがあり, この組織力の差が, 明治以降のそれぞれの盛衰に関わっていることがわかった. 埼玉県に出店した近江商人は酒造家の約9割が日野屋と十一屋で占められている. 日野屋が本家中心の同族団を, 十一屋が同郷での人間関係によるグループを形成しており, 最も強い組織力をもち, 戦後まで安定経営を続けてきた. 越後出身者は, 分家別家を数多く独立させたが, 明治期に同族団が崩壊し, 1軒あたりの生産量が増えるにつれグループ内での競争が激化し, 多くの転廃業をだした. 中には, 大石屋のように商圏が重ならないように離れて立地したことにより安定した市場を確保し, 戦後まで繁栄した例もみられた. これらに対し, 地元埼玉出身者は分家別家, 親類の酒造家が少なく, 単独経営で家組織が脆弱だったため, 戦前までに多くが転廃業をすることとなった. また, 販売網と市場にも系譜の出身地別に大きな違いがあった. 近江商人は主要街道沿いでかつ江戸出荷に便利な河川沿いに支店網を築いた. しかし, 19世紀中頃から江戸市場における地廻り酒のシェアが低下すると, 近江商人は地方市場へ販売先を切り替えていった. これにより, 従来から地元販売を主としてきた地元出身の酒造家は競争に破れ, 衰退していった.
著者
壹岐 聖子 大林 由明 浦部 晶夫
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.65-67, 2000 (Released:2009-07-28)
参考文献数
3

A 41-year-old woman who had been given a diagnosis of aplastic anemia 14 years before was admitted because of recurrence of the disease. Despite therapy, the anemia progressed gradually. The patient refused blood product transfusions for religious reasons. Angina pectoris-like chest pain without ischemic changes on electrocardiograms appeared at a hemoglobin concentration (Hb) of 1.6 g/dl. The patient died of heart failure at Hb 1.5 g/dl. Autopsy showed enlargement of the heart, fatty changes in the myocardium and liver due to chronic hypoxia, and no changes in coronary arteries.
著者
六車 義方
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2007, no.6, pp.135-136, 2007-09-07

This paper describes a new vehicle for child. This is invented from Animals-movement (fish and lion and bird) Running-Zabuton has wheels moving like fish-tail, stand by 4 legs like Lion and propel itself by wind like bird.
著者
吉田 克己 長谷川 晃 瀬川 信久 稗貫 俊文 田村 善之 潮見 佳男 曽野 裕夫 道幸 哲也 亘理 格 山下 竜一 池田 清治 村上 裕章
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は、現代社会を構成する政治=行政、経済=市場、生活=消費という3つのサブシステムの内部変化と外部変容(相互関係の変化)を、実定法学という観点から構造的・総合的に把握することである。共同研究を通じて、これら3つのサブシステム相互関係の変容を端的に表現するのが公私のクロスオーバーという現象であることが明らかとなった。また、そのような問題が集中的に現れる問題領域として、競争秩序と環境秩序があることも明らかになった。競争秩序の維持・確保は、その公共的性格のゆえに、伝統的に行政機関が担当すべきものとされてきた。ところが、近時、市民を主体とする民事法的対応の可能性が模索されている。このような動向に応じるためには、市民を主体とするものとして「公共性」を捉え返す必要があること、そして、競争秩序違反に対する損害賠償や差止を可能にする法理もまた、そのような観点から再構成されるべきことが解明された。さらに、競争秩序の形成に関して、上からでなく、下からの自生的秩序形成の可能性とその条件が検討された。競争論の観点からの民法学の原理論的考察も行われ、物権・債権の二分法に基礎には競争観念があることが明らかにされた。環境秩序に関しては、近時、理論的にも実践的にも重要な争点となっている景観問題などを素材として、公私のクロスオーバー現象が分析された。行政法の領域からは、公益、個別的利益および共同利益の相互関連が検討され、民事法の領域からは、差止を可能にする法理として、地域的ルール違反に対するサンクションとしての差止という法理が提示された。そして、刑法の領域からは、環境を保護法益として捉える場合のおける近代刑法原理の限界に関する分析が行われた。さらに、「憲法と民法」の相互関連という問題を通じて、公私の再構成に関する原理的な検討が行われた。
著者
種田 明
出版者
桃山学院大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

技術の制度化とは、本研究においては、技術の高等研究教育機関の発展・展開と、技術の「時代と社会」への浸透いいかえれば技術の社会的受容との、2つの側面をさしている。現代技術文明の核心は、生産する技術と廃棄物を処理する技術がバランスをとらなくてはならない(加藤尚武『技術と人間の倫理』)ところにある。機能や効率ばかりを重視していては、人間のための技術は生まれないし社会的にも受容されないであろう。19世紀末ドイツで、「制度化」してゆく大学「問題」は政治・経済・社会に大きな影響を与えた。大略にはイ)科学技術研究の装置・設備が巨大化し、それにともない研究組織も拡大し財政支出も巨額化していったことロ)科学技術の社会的受容、すなわち技術者の社会的地位の向上と市民の科学技術への期待の増大、が進捗したハ)技術の数量的確大、すなわち学生数・大学/企業研究所数の増加;政治・経済・社会との接点の増加(兵器、自動車、家電製品など);貿易・海外取引の多角化/国際化が加速したこと、を挙げることができよう。20世紀後半から世紀末の日本では、これら19世紀ドイツ・ヨーロッパそしてアメリカに基盤をもつ現状技術文明の負の側面と危機管理の脆さを露呈する事故が陸続している(高速増殖炉もんじゅ事故、阪神淡路大震災など)。一方で、19世紀末に技術者を含む全職業世界に「資格社会」の枠組みを成立させたドイツは、20世紀後半にはEU(欧州連合)の中のドイツを目指している。他方、日本は生産工場の海外移転を促進するのみで、未だアジアの中に技術文明の地歩を築きえないでいる。しかし日本にも、1995年11月「科学技術基本法」が成立した。技術文明はいまや、企業やエリート職業人技術者のみが担うものではなく、全世界の人びと・環境に関わるものとなっているのである。
著者
伴野 明 岸野 文郎 小林 幸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.636-646, 1993-03-25
参考文献数
12
被引用文献数
52

本論文では,画像処理を用いた視線検出手法をインタフェースの環境で実現することをねらいとして,特徴点である瞳孔を安定に抽出するための照明条件について明らかにし,また,アクティブステレオカメラを用いて特徴点の空間位置を求め,視線を検出する装置の試作について述べる.瞳孔の抽出では,照明の波長と瞳孔像の輝度の関係,瞳孔の2値化に必要な照明強度などについて求めた.また,パイプライン画像処理装置を用いて特徴点を実時間で抽出した.視線の検出では,瞳孔と顔の3点を特徴点として用い.これらの動きを追跡するようにカメラを駆動制御し,検出範囲の拡大と高精度化を図った.試作システムを用いて,指標ボードを注視したときの注視点を実験により求め性能を評価したところ,頭部の動きを許容して,視角誤差1度程度で,毎秒10回の検出が可能であった.また,瞼などによって瞳孔像が欠落すると,注視点の検出精度が低下するため,瞳孔をだ円近似する手法を提案し,精度の低下防止に有効であることを示した.
著者
濱野 恒雄
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.22, no.8, pp.707-710, 2000-11-25
著者
小郷 直言 米川 覚
出版者
富山大学
雑誌
高岡短期大学紀要 (ISSN:09157387)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.19-33, 1991

われわれは,集団における協働活動を支援するソフトウェアである「もんじゅ」と呼ぶシステムを開発した。もんじゅはTSS上にクライアント/サーバモデルをシミュレートする方法で構築されている。本論文では,システムを構成している基本的な枠組であるメッセージ通信とサーバの設計について詳しぐ述べる。

1 0 0 0 壁画の道

著者
絹谷 幸二 絹谷 宏美 大高 保二郎
出版者
東京芸術大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1989

第1回「壁画の道」学術調査の報告、実績および展望以後数年間が予定される「壁画の道」学術調査の第1回は、旧石器時代オ-リニャック期〜マドレ-ヌ期の洞窟壁画を対象に、人類史における“絵画の誕生"を調査した。また純粋の壁画ではないが、極北美術の原始的造形の代表としてノルウェ-の岩面画を選び、旧石器→中石器への地理的・時代的移動を考察した。今回の調査の主なテ-マは、洞窟壁画の分布状況と地勢、生活と壁画、その保存状況、そして20世紀美術への寄与、等である。1.調査地点(1)西南フランス ペリグ-→ヴェ-ゼル河畔の洞窟グル-プ:レ・ゼジ-町周辺(フォンードーゴ-ム、馬の浮彫があるカプ・ブラン)、ルフィニャック、ラスコ-、さらに南東へカオ-ル:ペク-メルル等の洞窟壁画。ボルド-ではアキテ-ヌ博物館。(2)北スペイン カンタブリア海沿岸の洞窟に残る壁画群:アルタミラ、プエンテ・ビエスゴ村の近郊(エル・カスティ-リョ、ラス・モネ-ダス)、さらに西のアストゥリアス県ティト・ブスティ-リョの洞窟へ。首都マドリ-ドでは国立考古学博物館で調査。(3)ノルウェ- 首都オスロ近郊の岩面画:オ-スコ-レン、スク-グルヴェイエン、エッケベルク等。2.現在発見されている先史美術、殊に旧石器時代後期の洞窟壁画はその多くがフランス南西部から仏西国境沿いのピレネ-北面、さらにカンタブリア海沿岸のスペインへと拡がっている。それらの地勢は今回の調査の限りでは、なだらかで緑の豊かな高原地帯で、近くに美しい川が流れる丘陵地の高い所に位置していた。また、ところどころで石灰岩が白い肌をのぞかせるという共通の景観が強く印象に残った。3.壁画の場所、表現の地域差:絵が描かれた場所は生活空間である浅い場所よりもはるかに奥まった洞窟であり、いたずら描きとか鑑賞用というよりは、何か呪術的・祭祀的な目的のあったことをうかがわせる。ラスコ-ではかなり高い天井や凹面のカ-ヴに、またアルタミラでは大人が立っては歩けないほどに低い天井に描かれており、これら壁画の存在意義を考えるうえで重要である。空間構成では、ラスコ-は大小(大きいのは数メ-トル)様々な牛、馬を組み合わせ、ダイナミックな生命力と動感があり、色数も多い。一方、アルタミラの場合、凹凸のある岩面を巧みに活用してビソンテ、鹿を配列する構成で、色数は少ない。人間はこの時期のものではほとんど登場せず、わずかに動物を補獲する罠、手、それに謎めいた記号を留めるにすぎない。ノルウェ-の岩面画では人間が登場する。4.保存の状態:完壁なのはラスコ-のやり方で、一般公開は原則として認めず、その代わり、完全なレプリカを近年完成し、“ラスコ-II"と命名。これは従来の複製の概念を打ち破る精巧なもので、原作の感動を十分に伝えるものである。我が国でも、例えば高松塚のような日本人共通の遺産はこのようなレプリカを作って一般に公開すべきであろう。他方、アルタミラでは予約制で少人数に公開し、かつての新鮮な画面を目にすることができる。石灰分を含んだ水分が画面上でプラスティック状の透明層をなして顔料を保護している。5.20世紀への貢献:洞窟壁画の発見とその研究は近代も19世紀の後半になってからである。(アルタミラ1868年、ラスコ-1940年)。我々人類の先祖が生んだこれらの絵画は、19世紀後半に始まる近代芸術の閉塞的状況を打開する大きな力の一つとなった。6.次調査への展望:今回の調査は、人類最初の、最古の絵画であった。その造形は、思ったよりも自然主義的で、量体や写実性への意欲をうかがわせる。それが中石器から新石器時代へ、図式化・図案化の道をたどる。「壁画の道」という大きな流れの第一段階としてこのテ-マをまとめたい。
著者
青柳 斉 伊藤 亮司
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.289-294, 2010-09-25

The consumer questionnaires done in the cities southward from Chang Jiang revealed that per capita rice consumption had been decreasing due to consumption of non-staple food and wheat products. In addition, about half of the answerers to the questionnaire had increased their japonica rice consumption. Consumers with a taste for sticky rice account for about 60% of the answerers. These indicate that southward from Chang Jiang, where the majority of rice produced is indica rice, there is a large market for Northeast rice, i.e., sticky japonica rice. On the other hand, most answerers indicated a taste for aromatic rice, which is related to rating Thai rice highly. Therefore, it is assumed that enlargement of the market for Northeast rice is conditioned by the relative price to indica rice and the possibility of breeding japonica rice as an aromatic rice.
著者
白石 陽子
出版者
理化学研究所
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

Cupidin(別名Homer2a/vesl2Δ11)は、後シナプス肥厚部(PSD)に局在する蛋白質であり、代謝型グルタミン酸受容体1α/5型、イノシトール三燐酸受容体、リアノジン受容体などと結合し、またShankとの結合を介してGKAP-PSD95-NMDA受容体とも複合体を形成することから、細胞内情報伝達経路に関わる蛋白質群を局所的に集める役割を担っていると考えられている。さらに、Cupidinは細胞骨格因子である繊維状アクチン、アクチン結合蛋白質であるdrebrin、そして細胞骨格制御因子である活性型Cdc42とも相互作用することから、後シナプスの情報伝達だけでなく形態形成という観点からもCupidinの生理的役割を検討する必要がある。そこで本研究ではCupidinおよび上記蛋白質群との結合能を欠失した変異型Cupidinを発現するアデノウイルスベクターを作成し、初代培養系海馬神経細胞にシナプスが形成される時期に感染させ、後シナプスであるスパインの形態を観察すると共に、シナプス分子を免疫組織学的に検出することによりシナプス形成に及ぼす影響を解析した。その結果、野生型Cupidinを強制発現させた場合、より成熟したシナプスに見られるマッシュルーム型形態を持つスパインの出現頻度が高くなり、またシナプス分子の免疫組織学的シグナル強度が増大した。反対に種々の変異型Cupidinのなかには、それらを強制発現させた場合、異常なスパイン形態と共に未成熟なシナプス形成が誘導されるケースが観察された。すなわちCupidinと複合体をなす分子群の組み合わせのなかにはスパイン形態に影響をおよぼす分子間相互作用が存在し、PSDにおけるCupidinの存在はスパインの成熟にともなうシナプスの成熟にも関与することが示唆された。