著者
Edwards Cynthia 青木 睦子
出版者
北海道武蔵女子短期大学
雑誌
北海道武蔵女子短期大学紀要 (ISSN:03899586)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-18, 2003-03-15

本稿はリスニングプロジェクトの成果について論じる。学生達がクラス授業で養成されない英語学習の取り組み方の必要性を常に考察してきた。プロジェクトの一環として、1年間週1回昼休み20分間共同英語リスニング学習を試行してきた。その期間に事前/事後テスト、面談、調査等を実施し、被験者グループのリスニングに対する姿勢、リスニング能力に関するデーターを集め、分析をした。リスニング学習における自律性の成功、有効性についての研究と信条から生じる洞察力を提示する。
著者
齋田 時太郎
出版者
東京帝国大学地震研究所
雑誌
東京帝国大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.307-317, 1936-06-05

この地震は昭和11年2月21日午前10時8分頃起つたもので,被害程度よりすれば強震と言ふべき局部性地震であった.共の被害の比較的著しく現はれたところは,大阪府と奈良縣との境界附近の大和川の本支兩流域及兩府縣界をなす葛城山脈中の二上山麓であつた.筆者は地震直後數日に亙り被害各地を調査した。しかし被害輕微なりし故,復舊速かにして建物,墓石,燈籠等の震害の實相を見るのに不便な場合もあつた.これより各地め被害情況を述ベ,更に被害と地質及地形との關係について,若干の考察を下して見たい.A strong earthquake shock was felt on the boundary between Osaka and Nara prefecture at 10h 8m, on the 21st of February, Railway, telephone and other communication services were crippled for a time, while many buildings were damaged and a number of landslips reported, There were also same who were crushed to death under landslips and collapsed heavy walls. In this paper the writer remarked the following two interesting matters: (i) Damages to building are divided into two kinds, namely: in hard ground, heavy buildings were collapsed seriously, while in soft ground, old or loose buildings damaged, These facts already were pointed out by this writer in the great Kwanto earthquake, 1923, in the earthquake of north Musasi, 1931, and in the several earthquakes of Taiwan(Formosa), (ii) The topography in the district injured by this earthquake are simple and symmetrical, There are strictly contrast of the earthquake damages in orthogonal directions through the epicentre. From above these affairs, the writer proposed that the contrast of damages suggest the line of discharge of earthquake energy, especially in the such case of shallow hypocentre and of monotonous disturbances as this earthquake.
著者
牛尾 直行
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究成果は以下の三点を明らかにしたことに集約される。1.現代南インド 2 州において SC/ST/OBCs 学生の就学前教育段階からの学歴形成過程は様々なパターンや制度があること、2.RTE 法(2010 年 4 月施行)の法制度とその施行過程のなかで、最貧層の人々の教育機会を保障するには至っていないこと、3.中等教育・高等教育人口が急激に増加する中で、マイノリティ・インスティテューションやシフトIIといったオプションが彼らの教育機会の生成過程に大きく影響を及ぼしていること。
著者
川上 泰雄 宮本 直和 栗原 俊之 若原 卓 岩沼 聡一朗 佐久間 淳 平山 邦明 鈴木 克彦 神田 和江
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、2つの動作速度でカーフレイズ運動を行い、筋疲労の程度と遅発性筋肉痛(DOMS)および筋損傷マーカーの量の変化、筋の機能変化の関係ついて、運動前後および運動後7日間にわたって調査した。その結果、(1)筋疲労の程度は動作速度によって異なり、速い動作ほど疲労が少ないこと、(2)筋疲労の程度と遅発性筋肉痛・筋損傷マーカーの量が関係し、これには筋特異性が存在するが、筋疲労の程度によらず筋の機能は速やかに回復すること、(3)運動中の筋線維動態はこれらの変化と連動して変化する可能性があることが示された。

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著者
井川寛一郎 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1910
著者
羽田野 慶子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2002

本年度の研究業績は以下の通りである。1.身体をめぐる教育の一つである学校の運動部活動を対象としたフィールド・ワークのデータをもとに、子どものスポーツ実践とジェンダー意識の形成とのかかわりについて考察した論文を執筆し、学会で口頭発表を行うとともに、学会誌へ投稿し、査読つき論文として発表した。調査は関東地方のある公立中学校の柔道部で行なったもので、論文では、女子部員と男子部員が同様の練習に従事しつつも(活動内容におけるジェンダーの平等)、常に男女が空間的に分離される位置関係を保つ様子(活動空間におけるジェンダーの分離)や、男性優位の力関係が壊されないような練習方法が実践されている様子を記述し、子どもがスポーツ実践を通して社会におけるジェンダー関係を学び、身体化していくメカニズムとして描き出した。2.日本における身体をめぐる教育の歴史的展開過程の一環として、昭和恐慌期の東北農村娘身売り問題を取り上げ、当時の新聞記事、および新聞報道を受けて身売り防止運動を大々的に展開した愛国婦人会の活動に関する資料を収集・整理するとともに、売春に関わる女性(娼妓、芸妓、酌婦、女給等)の本籍地別、稼業地別人員統計のデータベース化を行なった。1930年代における東北農村娘身売りの社会問題化は、子どものセクシュアリティに対する教育的介入、とりわけ女子に対する純潔規範の大衆化の契機として位置づけられ、明治・大正〜昭和初期に発展した廃娼運動と、戦後における性教育の展開とをつなぐ歴史的事象といえる。以上の作業で得たデータを用いた論文については、現在執筆中である。
著者
西島 央 藤田 武志
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

現行学習指導要領におけるクラブ活動の廃止、学校と地域の連携、教育の市場化といった教育改革のなかで、中学校や高校では、部活動を縮小・廃止したり、地域と連携/委譲を図ったりする動きがみられる。このことが、教師による生徒指導や進路指導、生徒の学校への関わり方や進路選択のありようといった学校のその他の教育活動場面や、生徒のスポーツ・文化活動への参入機会にどのような変化をもたらすかを明らかにすることが本研究の目的である。そのために、東京都、静岡県、新潟県を中心に、中学生、高校生を対象とする質問紙調査、並びに部活動改革に取り組む中学校における観察・インタビュー調査を行ってきた。これらの調査によって得られた主な知見は以下のとおりである。部活動に対する生徒のかまえには活動本意の志向性と人間関係本意の志向性がある。活動本意志向の生徒にとって部活動改革は望ましいが、人間関係本意志向の生徒にとっては、学校で行われる部活動でしか享受され得ない人間関係形成の場を失うことになる。学業だけではないさまざまな場面が学校には準備されていることは、学業に興味のない子どもたちにも学校に対する前向きなかまえをもたせるように働いており、部活動に積極的に関わることが学業成績や将来展望にプラスの影響を及ぼしている。部活動が、ジェンダー・サブカルチャー形成の場として機能している。スポーツ・文化活動への参入機会には、出身家庭の文化的経済的状況や地域性によって差があるが、その格差は、学校で部活動が組織されていることによって縮減されている。部活動の地域との連携や移行という取り組みは、第一に、指導者の外部化によって活動が競技志向に傾くと同時に、顧問教師の関与が下がるため、生徒指導の機会が縮小する。第二に、かえって地域社会や保護者の学校への期待が明確化し、その役割や責任が強調されるという矛盾した結果を生み出している。
著者
松本 昭彦 Matsumoto Akihiko
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.85-92, 2009

『枕草子』第二十三段「すさまじきもの」の段には、験力を持った祈祷僧が、物の気を患った者の治療のため、憑り坐しに物の気を移らせようとして加持するのだが、全く効果が表れず、あくびをして横になってしまう、という「すさまじきもの」の一例がある。従来これは「加持に疲れ、何の効き目もないのに倦み飽きて眠くなってしまった験者(祈祷憎)の、やる気のなさを象徴する〈あくび〉」と解釈されてきたが、『古今著聞集』巻六・第二六六話、『栄花物語』巻二十九「たまのかざり」などによると、加持場面での病人のあくびは、物の気が治る兆候として現れており、本段における清少納言の筆致なども考慮すると、験者への皮肉を込めて、「本来あくびが期待される病人ではなく、験者がしてしまう」という文脈に読むべきである。
著者
平井 重行 上田 博唯
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.35, pp.43-50, 2010-05-07
被引用文献数
7

京都産業大学の校舎内に,実生活可能なマンションタイプの実験住宅ΞHome(くすぃーほーむ)が2010年3月に完成した.この実験住宅は,日常生活の行動計測やインタラクションの分析,新しいインタフェースやインタラクティブシステムの日常的・長期的使用実験の場として利用できるよう,幾つもの工夫がなされている.本報告では,住宅の設計・施工上の特徴,施工時に導入した設備・機器類の説明を行う.また,筆者らがこれまでに行ってきた研究と今後の取り組みについても述べる.
著者
佐々木 敏二
出版者
経済資料協議会
雑誌
経済資料研究 (ISSN:03853586)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-12, 1974-05-15
著者
ウールセイ 著
出版者
弘令社出版局
巻号頁・発行日
vol.巻之1, 1882
著者
前原 俊信 笠井 聖二
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

特殊相対性理論におけるローレンツ変換によって,慣性系における同時刻が相対的になることを仮想体験するための動画変換システムを開発した。人の前を物体が横切る場合,物体の静止系では,物体の前方ほど未来が見えるようにすることによって,変換前の動画では物体がローレンツ短縮しているが,変換後の物体の静止系では物体のローレンツ短縮が解け,逆に人がローレンツ短縮している様子をシミュレートできる。また,逆に変換前を物体の静止系と見て変換することもできるようなシステムとした。この開発において,次のような成果を得た。・正しいシミュレーションとするためには,変換後のフレームサイズとフレームレートを変えなければならないことを理論から明らかにし,システム上で実現した。・高速度撮影カメラによって撮影された動画も変換することができるシステムとした。それにより,スムーズな時刻変化を実現し,臨場感のある動画への変換が可能になった。・USBカメラで撮影してその場で変換できるようにし,その場で撮影することによる実体験を通して実感できる教材とした。・人の静止系と,物体の静止系とを,それぞれを静止させた映像として同時に表示し,その違いを実感できるので,二つの系の関係を理解させるのに有用な教材となった。大学生に対する授業とともに,中学生・高校生にもローレンツ短縮について紹介する自由参加の授業を試行した。アンケートでは,「難しかった」とともに「面白かった」,「また参加したい」という回答が多く,自由記述にも「図や動画があったおかげで,すこしわかったような気がします。」「すこし難しかったですが,動画はわかりやすくて面白かったです。」「動画がとても楽しかったです。でも相対性理論は難しいと思いました。」とあり,専門家だけでなく,初学者にもこのシステムが有用であることを確かめられた。物理学科での検証ができなかったことと,時間の遅れを理解させる教材までは発展できなかったことを,今後の課題としたい。
著者
新井 由紀夫
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、中世後期イングランド社会の具体的諸相を、ジェントリ(十地保有階層)の視点から明らかにするという全体構想のもと、ジェントリの関係する史資料の全貌を体系的に明らかにした。比較的まとまった史料群でありながら、公文書とは違うため英国史料データ化プロジェクトには載らないような中世後期ジェントリの家系文書史料であるイングランド北部のヨークシァ、リーズ市文書館所蔵のプランプトン家文書を、まるごとデジタル画像ファイル化しその史料類型と内容のあらましを整理分析した。
著者
杉田 浩一 今井 美樹 山下 光雄
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.321-328, 1997-11-20
被引用文献数
4

The changes of the meaning of "cooking" were studied with descriptions about its definition, objective and method, selected from the special books on food science since Meiji era. These changes were divided into five periods based on their characteristics. It was summarized as follows. (1) From early years through middle years of Meiji era : Food scientists theoretically taught the people how to cook meat as new food materials. It was reflected in the definiton of "cooking". (2) From later years of Meiji era through Taisho era : Three kinds of cooking ; Japanese, Western, Chinese and their mixtures were popularized among people in their common meals. So the definition of "cooking" reflected such various standpoints (3) From later years of Taisho era through early years of Showa era : People attached importance to the rational cooking with the high degree of nutritional efficiency, and the change of food components during cooking was investigated. (4) The early period after the end of the World War II : Practical use of food materials and improvement of nutritional lives were required, and the studies on theoretical cooking were promoted. The science of cookery with engineering was proposed. (5) In the later years after the end of the war : The advance of food production and food service businesses into the cooking field contributed to diversifying Japanese diet. The range of the definition of "cooking" expanded. "Cooking" enhanced its range from menu planning to dining table composition, and the theory of cooking to meet the changing lifestyle now are studied.
著者
東原 貴志
出版者
上越教育大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,地域の木材および森林について理解を深めるため,これらを活用した,中学校技術・家庭科技術分野におけるものづくり教材の開発を中心とした,「木育」に関する教材を開発し,中学生を対象とした活動実践に取り組んだ。研究の成果は以下の通りである。(a)国産スギ材を活用した,プランター教材とちゃぶ台教材を開発した。(b)中学生を対象とした木工競技大会の製作課題について検討するため,一例としてCDラックの製作時間を分析した。(c)国立妙高青少年自然の家にいて,森林樹木オリエンテーリングプログラムならびに科学技術学習を取り入れた「森小屋つくり体験活動」に関する教材を開発し,中学生を対象とした活動実践に取り組んだ。