著者
高橋 晃周 佐藤 克文
出版者
国立極地研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、飛翔性の海鳥類であるオオミズナギドリを対象として、年間を通じた鳥の移動を追跡する技術を確立し、本種がどのような海域を利用しているか、またその海域がどのような特徴を持つか明らかにすることである。今年度は、まず、7-10月にかけて、岩手県三貫島・新潟県粟島にあるオオミズナギドリの繁殖地で野外調査を行って、昨年度に鳥に装着した光のレベル・着水を記録する記録計(ジオロケータ)を回収した。また、新たに水温の記録を利用することで移動追跡の精度を向上させる解析手法を開発し、その手法を用いて、今年度回収したデータと昨年度までに得られているデータとを合わせて解析した。解析の結果、オオミズナギドリは、日本から3000-5000kmも離れたニューギニア北部海域、アラフラ海、南シナ海の3つを越冬海域として利用していることが明らかになった。また、その中でもニューギニア北部海域は重要な越冬海域となっており、約7割の個体がここで越冬していた。この海域は餌となるネクトンの生産性が高いため、多くの個体にとって好適な越冬場所となっていると考えられた(論文投稿中)。また、繁殖期前期(4-7月)のオオミズナギドリの採餌海域を得られたデータから解析した。主な採餌海域は三陸沖の親潮・黒潮移行域で、この海域の水温が季節的に上昇するのにあわせて、オオミズナギドリの採餌域も季節的に北上することが明らかになった。これは主要な餌であるカタクチイワシの分布の季節的北上と対応していると考えられた(論文準備中)。さらに、動物装着型の移動追跡技術に関するシンポジウムを日本鳥学会年次大会において企画し(オーガナイザー:高橋晃周・依田憲)、これらの技術の持つ可能性について講演を行い、その内容をとりまとめて総説を発表した(高橋・依田2010)。
著者
吉田 毅
出版者
東北工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

車椅子バスケット日本代表クラスの後天的身体障害者を対象に、彼ら/彼女らのアスリートキャリア形成に関して検討した。このプロセスでの性差として、主に車椅子バスケットに参加する契機の相違が認められた。男子は他律的な面が顕著であるのに対し、女子は自律的な面が顕著であった。その後の車椅子バスケットに定期的、継続的に参加するようになる要因としては、良き仲間を得たことや車椅子バスケットそれ自体の魅力が、参加し続ける要因としては、向上心とともに、身近にアスリートとしての同志や役割モデルを得たことが認められた。こうした一連のアスリートキャリア形成をめぐる主な問題点として、競技活動と仕事や家庭との両立、また練習場所や資金といった物的な側面が認められた。
著者
征矢野 清 中村 將 長江 真樹 玄 浩一郎
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

カンモンハタは月周期と完全に同調した成熟産卵サイクルを持ち、満月大潮直後に生息場である珊瑚礁池から外洋へ移動して産卵する。このような月周期の影響を受けた生殖腺の生理変化及び産卵のための行動は、多くの水生生物で観察されているが、その詳細は明らかにされていない。本研究では、月周期と同調したカンモンハタの成熟・産卵のメカニズムを解明する事を目的に、これまで観察を続けてきた沖縄県本部町瀬底島のフィールドと西表島のフィールドを利用して、本種の成熟過程を産卵場への移動及び産卵行動と関連づけて調べることとした。本研究により得られた主な成果は以下の通りである。1)沖縄県南部の西表島と北部の瀬底島に生息するカンモンハタの生殖特性を比較したところ、本種は共通して月周産卵をすることが確認されたが、成熟サイズ・性転換時期・産卵回数が両地域で異なることがわかった。2)生殖腺刺激ホルモン遺伝子(FSHβとLHβ)の発現を測定するリアルタイムPCR法を確立し、脳下垂体における両遺伝子の測定を可能とした。その結果、LHが本種の生殖腺発達に深く関わることが分かった。3)バイオテレメトリー法により満月大潮前後の産卵関連行動を沖縄県瀬底島と西表島のフィールドを用いて観察したところ、いずれの地域でも産卵に適した場所に移動することが分かった。また、この移動は産卵期にのみ起こることが分かった。4)飼育環境下の個体を用いて月周期と同調した卵成熟の過程を観察し、成熟のタイミングを明らかにすることができた。本研究の成果はカンモンハタの生殖腺発達を理解するだけでなく、種苗生産対象魚として注目されている他のハタ科魚類の生殖腺発達を理解する上でも貴重な情報となる。また、南方系海産魚に多く見られる月周産卵の機構解明にも役立つことが期待される。
著者
木庭 立夫 [コバ タツオ]
出版者
第五高等學校龍南學徒報國團
雑誌
龍南
巻号頁・発行日
vol.252, pp.55-56, 1942-12-20
著者
滝沢馬琴 著
出版者
畏三堂
巻号頁・発行日
vol.中, 1885
著者
岩本 健寿
出版者
早稲田大学史学会
雑誌
史觀 (ISSN:03869350)
巻号頁・発行日
no.161, pp.1-15, 2009-09-25
著者
寺井 誠
出版者
(財)大阪市文化財協会
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本年度は2回(計10日)の韓国での資料調査と、8回(計16日)の国内資料調査を行った。韓国での資料調査では日本に搬入例の多い全羅道に重点を置いた。この結果、甑や鍋などでも全羅道と慶尚道の違いを把握することができ、今後日本の出土例にも適用できる見通しができた。また、京畿道の遺跡で出土している楽浪系土器についても実見する機会を得た。ロクロを用いている点は楽浪土城のものと共通するが、格子タタキが採用されているなど、異なる点も多い。今後、日本で出土している楽浪系土器についても楽浪郡以外の土器か否かは注意しなければならない。国内調査では壱岐・福岡市・香川県・愛媛県・島根県・神戸市の資料を調査した。特に、これまでも注意していた模倣・折衷土器の情報収集に力を入れ、在来土器に朝鮮半島的要素である格子タタキや耳が加わった土器などを重点的に調査した。その結果、島根県出雲市の中野清水遺跡で全羅・忠清道タイプの両耳付短頸壺を模倣した土器が明らかになり、この種の壺の模倣・折衷例が北部九州に限らないことが明らかになった。なお、日本出土の両耳付短頸壺については6世紀までのものも含めて朝鮮半島からの搬入例や日本での模倣・折衷例について集成し、検討を加えた。さらに、国内での資料調査や報告書による情報収集によって、古墳出現前後の朝鮮半島系土器についてのデータベースを作成した。この作業を通じて、全体的には全羅・忠清道系の土器が多いものの、対馬・壱岐には慶尚道の土器も比較的多いことがはっきりした。また、全羅・忠清道系の土器は日本で楽浪土器が減少し始める古墳時代初頭以降に増加することも明らかになった。今後これらのデータについて研究発表を通じて公表し、学界に寄与したいと考える。なお、本課題研究の成果の一部は、大阪府立弥生文化博物館の平成16年秋季特別展『大和王権と渡来人 三・四世紀の倭人社会』に展示協力することによって、還元することができた。
著者
細木 高志
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

日本のサクラ原種や品種は300以上を越え,奈良時代以後,多くの品種が生まれた。しかし,これらの相互関係は不明な点が多く,交配親が知られているのは数十にすぎない。そこで,本研究では形態および遺伝子解析を行った。原種では形態から,ヤマザクラ系とマメ・エドヒガン系に分かれ,外国種のシナミザクラ,カンヒザクラが混在し区別が難しかった。しかしRAPD分析では外国種は外群として分かれた。また日本原種の親とされるヤマザクラは他の国内産原種と共通点があり,ヤマザクラがもっとも古く,他の原種を生んだと考えられる。つぎに,ある程度両親のわかっている品種のPCR-RAPD分析を行うと,ヤマ系,オオヤマ系,チョウジ系・シナミとの雑種系,オオシマザクラ×エドヒガン系,エドヒガン系,マメ系に分かれ,両親親と雑種の関係がおおむね正しいことがわかった。また泰山府君はシナミザクラ×ヤマザクラとされているが,RAPDではヤマ群に属し,シナミザクラの特徴である気根も生えてこないことから,この品種はヤマザクラの1種と考える方が正しいと思われた。またソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンの中間に位置し,ソメイヨシノがこれらの交雑で生まれたことが推測できた。これらの結果は,形態による分類とおおむね一致した。しかしシナミザクラやカンヒザクラが国内種と混合し,外国種と区別できなかったが,PCR-RAPD分析では区別が可能となったことから遺伝子分析の方が正しい結果を反映していると思われた。さらに,外群のユスラウメやウワミズザクラは大きく異なり,これらの亜節や属が,サクラ属やサクラ節と違うことがわかった。
著者
加藤 内藏進 高橋 正明
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は,「季節サイクルの変調」という視点を新しい切り口として,異常気象や,温暖化などに伴う東アジアの気候変化予測のための基礎的知見を得ることである。主な成果は次の通り。1.大陸側の梅雨前線では,その南方での大きな水蒸気量の維持と前線北方への水蒸気侵入過程における熱い陸面の役割も重要なこと,梅雨期直前に前線北方で一且「不飽和度」が増すことに伴う前線での南北水蒸気傾度の更なる強化を受けること,等が分かった。また,九州北部の梅雨最盛期の総降水量の約20%は,梅雨前線への多量の水蒸気の通り道である暖域側で,梅雨特有のメソ降水系に伴って起きていた。一方,前線へ水蒸気を運ぶ下層南風は,秋雨期には平均場では梅雨期ほど強くないが,月平均場の年々変動や短周期季節内変動に伴って頻繁に強まることの重要性が示された。また,全国的な秋雨の前の8月下旬〜9月上旬頃,九州北西部では秋雨前線の暖域での過程に関連して降水極大期を経ることが明らかになった。しかも,1980年代後半〜1990年代にはこの移行過程の明瞭な年が少なくなる等の経年変動も見られた。このように,東アジア暖候期の降水やその変動には,前線帯暖域での大気過程が重要な一つの鍵となる点を明らかにした。2.夏の降水量の解析によれば,1980〜2000年頃にかけて,日本や中国の梅雨前線付近での降水量の増加とモンゴルやフィリピン付近での降水量の減少トレンドが見られた。これには,シベリアやチベットからのロスビー波伝搬の重要性も協同していることが,モデルでの応答実験により示された。また,夏の日本の天候を支配するオホーツク海高気圧形成に関連するブロッキング高気圧変動の力学的側面も検討した。3.(1)冬にシベリア高気圧が出現するモンゴル付近での発達した低気圧の出現頻度増加に伴って,4月はじめ頃に,気温の値自体は日本列島で大きく異なるものの全国的に同時に大きな昇温が起きること,(2)5〜6月頃でも台風が日本列島に接近しやすい異常気象に関連して,季節平均場の違いの中での亜熱帯高気圧のセルの振る舞いに注目すべきこと,(3)10月後半に日本列島に上陸した台風2004年23号時の降水分布に対して,秋が深まった時期の基本場故の特徴があったこと,その他,季節サイクル全体を見据えて得られた成果も踏まえながら,今後の更なる研究の発展の方向を検討した。
著者
小川 正二 西村 友良 杉本 光隆
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

冬期および春期に舗装道路や速攻等が被害を受ける原因は路床・路盤の凍結による凍上現象と津血有形作用を受けた土のせん断抵抗力の低下であるといえる。本研究は上記のことを考慮して、将来の凍上防止のための資料を得るために、原位置調査により被害の実態を把握し、室内試験によって凍結-融解作用を受ける土の工学特性の解明を行うことを目的としている。本研究によって得られた結果は以下のとうりである。原位置調査結果1) 1984〜1986年に東北地方に襲来した大寒波により、秋田、岩手、福島の3件だけでも山岳部において、それぞれ1648、746、1958箇所で凍害が生じている。このような凍害は冬期には雪が少ないが気温の低い長野・山梨・群馬県の山岳部では毎年発生している。2) 凍害は地下水位の高市行きでは北海道はもとより、内陸部でも多く見られるが、地下水位の低い路床部の含水比が高いと容易に発生する。また、側溝、マンホール周辺など土と異なる構造物周辺で多い。室内試験結果1) 水の供給できるオープンシステムではシルト湿度の凍上量は大きいが、砂質土では透水性が良く、凍結時に容易に排水が生じるので、ほとんど凍上現象はみられない。2) 水の供給のないオープンシステムでも、たとえ不飽和度でも土中の水分の移動のために、土の飽和度に応じて体積の膨張・収縮が生じる。3) クローズドシステムで不飽和度が凍結-融解作用を受けたときの強度低下は体積変化のみではなく、土中のサクション力の低下によって生じるといえる。
著者
植田 宏昭 安成 哲三
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.1-12, 1998-02-25
被引用文献数
12

本研究ではベンガル湾及び南シナ海上の東南アジアモンスーン(SEAM)の開始のメカニズムを, チベット高原とその周囲の海洋との温度コントラストの視点から調べた。循環場の解析にはECMWFによる5日平均客観解析データ(1980-1989年), 対流活動の指標としてはGMSの5日平均等価黒体温度(TBB)データ(1980-1994年)を用いた。東南アジアモンスーンのいち早い開始は, 第28半旬(5月16-20日)に下層のモンスーン西風気流の加速を伴って見られ, その後6月の上旬に2回目のモンスーン強化が生じている。春から夏にかけてのチベット高原上では, 200-500 hPaの気層の温度上昇が約15日間隔で上昇している。特に5月中旬のチベット高原上の温度上昇は, SEAMの開始と一致している点が重要である。すなわちチベット高原とその周囲の海洋との温度差異は, 下層のモンスーン気流の加速と東方への拡大を引き起こし, 結果として南シナ海モンスーン(SCSM)を含むSEAMの急激な開始をもたらす。この関係は, (10゜-20゜N, 80゜-120゜E)での下層の風と200-500 hPaの層厚との年々変動の相関解析によっても確認された。中緯度への影響としては, SCSMの開始による低気圧性渦度と熱源により, 定常ロスビー波が南シナ海上で励起され, 更に北東方向に伝播している。この波の下流の日本付近は正の高度場偏差が現われ, 川村と田(1992)が示した5月中旬の日本の晴天の特異日と一致している。
著者
富井 尚志
出版者
横浜国立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

3DCGデータと、利用者の知識情報を一つのデータベース(DB)に統合化し、時空間情報を共有・検索できる「時空間情報の知識ベース」の構築方法論は、DB研究の中でも注目を集めているテーマである。本研究では、知識情報と3D形状データとを明示的に結びつけるモデル化手法によって実現手法を提案し、高度な空間共有システムの実現性を示してきた。平成16年度は、これまでの研究成果の総括として、本モデル化手法の応用事例の評価と検証を行った。すなわち、「オントロジー存在エンティティー生データ(三次元データ)」の3層構造スキーマモデル化手法を応用した「高度コミュニティ空間」システムを設計し、実装の上、評価を行った。応用事例その1として、「オフィスグループウェア」の設計・実装・評価を行った。具体的には、物を「しまう」など、単なる座標の変更の背後にある「操作の意図」を表現するモデルを導入し、データベースで共有できるような「オフィス仮想環境」の実装と評価を行った。これによって、その背後にある「意味」や「意図」を明示化し、共有・検索できる仮想空間ブラウザを実現した。応用事例その2として、診断支援を目的とした医用画像所見情報の共有を実現する、PET画像データベースの構築手法を提案し、評価を行った。PET画像は、CTやMR画像と本質的に異なり、画像内に生理学的・病理学的情報を含んだ新しい画像データで、読影に際して専門的な知識を要求する。これに対し、本手法によって、単にPET画像(=3次元画像データ)を蓄積するだけでなく、読影時の所見情報(=知識+存在に関するエンティティ)も登録しておくことで、後に診断支援となる検索を行うことのできるPET画像データベース構築手法を提案した。実際にプロトタイプ上でその実現性を示し、効果的な検索が実行できることを示した。
著者
金井 崇
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

近年,インターネットによるネットワーク環境下でリアルタイム3DCG(3次元コンピュータグラフィクス)を表現するためのWeb3Dと呼ばれる技術が進展著しく,さらに,ユーザがWeb3Dコンテンツを閲覧・操作するクライアント端末のハードウェアやその環境が多様化してきている.その一方で,対応する技術がまだ未整備であることや,Web3Dで利用される高品質な形状表現形式が整備されていないなど,Web3Dはまだ世の中に広く浸透・普及しているとは言い難い.そこで本研究では,ネットワーク環境下における3Dコンテンツの品質の向上のための技術,および,Web3Dにおいて多様化するユーザの利用環境に対応するための技術を確立することを目的とする.そのために,ここでは近年の進展著しい曲面表現である陰関数曲面に注目し,Web3Dにおける高品質な3Dコンテンツの閲覧・操作のための基盤技術を開発した.
著者
住田 智雄 土田賢省 伊東克能
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.544-554, 2008-02-15

本稿では,高能率大容量ファイル転送方式NBT on XCAST とその視覚化手法を提案する.著者らのNBT on XCAST は,蓄積型大容量ファイルを効率的に配信し,サーバにおけるファイル転送処理の軽減とネットワークの帯域消費量の最小化を目的としている.しかしながら,ただ単に,NBT on XCAST を採用するだけでは,サーバや各ルータの個別の動作状況は別にして,全体の状況は把握しにくい.このことから著者らは,さらにこのプロトコルの視覚化手法を開発し,従来は把握しにくかった全体像,特にデータの流れやサーバ,ルータ,各クライアントの動作状況を把握することを目指す.著者らの提案する視覚化方法においては,クライアントやルータを頂点,通信媒体を辺,帯域幅を辺の重みとするグラフを用いて表現する.また,本稿では,提案する視覚化手法によりどのように効率化されるかについても考察する.We propose a method to visualize the non-ordered block transfer on XCAST (NBT on XCAST) protocol. This protocol efficiently transfers large-capacity files by reducing file transfer processing in the server and minimizing the bandwidth consumption in the network. However, it merely uses the individual operation status of the server and each router, but the status of the whole system is difficult to understand. We developed our visualization method to understand the operation status of the whole structure, especially the data flow, server, router, and each client. In this visualization method, vertices, edges, and weight of edges represent clients and routers, communication lines, and bandwidths, respectively. Moreover, we investigated how to make the protocol more efficient using this method.