著者
中込 啓子
出版者
駒澤大学
雑誌
論集 (ISSN:03899837)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.97-119, 1984-03
著者
内藤 篤
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲 (ISSN:09155805)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.255-"262-1", 1960-12-10

1959, 1960年の厳寒期に, シロイチモジマダラメイガおよびマメシンクイガの越冬幼虫の耐寒性に関する2, 3の実験を行なつた.マメシンクイガの過冷却点は-23.7℃でシロイチモジマダラメイガの-18.9℃より約5℃低かつた.両種は非耐凍性のこん虫で過冷却点に達して凍結したものは短時間で死亡した.また植氷した場合の凍結温度は, 前者は-14.5℃でやはり後者の8.6℃より低かつた.したがつてマメシンクイガの方がシロイチモジマダラメイガより耐寒性が強いと考えられるばかりでなく, 前者は土壤中での越冬深度も深いので, 一層強い寒さを凌ぐことができると思われる.このことはまた前者が寒冷地に, 後者が暖地に分布していることと無関係ではないように思われる.シロイチモジマダラメイガ越冬幼虫の低温障害は, -10℃以上ではほとんど現われないが, -15℃では数時間, -18℃では1時間位で死亡するものが多く, 生育の完うは困難であつた.したがつて自然界では-15℃以下の低温が致命的であると思われる.
著者
越智 匠作 太田 猛彦 田中 延亮 堀田 紀文
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.75-80, 2008-06-15

幼齢林における樹冠遮断量の測定上の問題点を解決できるような大型雨量計のデザインを提示し,実際に作製した大型雨量計を用いてその実用性を検討した。雨量計の重要な要素である受水面積は,我が国の一般的な幼齢林の植栽密度,植物への影響,メンテナンス性,既往の大型雨量計を用いた樹冠遮断研究における受水面積の決定基準などを参考にして,約5m^2が適当であると決めた。大型雨量計の実用性は,次の各実験により確認した。まず,降雨強度の大きい降雨イベントにおいても雨量計からの排水水量を正確に測定できるようするために,本研究で用いた500mLの転倒マス型量水計を対象に大流量を含めた流量検定を行い,流量と1転倒に要する水量との関係を求めた。次に,大型雨量計の初期損失量を求めたところ0.2mm以下であり,大型雨量計の排水性は良好であった。さらに,大型雨量計の受水面積を厳密に求めるために,自然降雨を対象にした大型雨量計と貯留型雨量計の比較観測を行った。転倒マス型量水計の検定結果を考慮して補正した大型雨量計からの排水水量と,貯留型雨量計が示した雨量の関係は,良好な直線関係を示しており,その直線の傾きから大型雨量計の厳密な受水面積を決めた。また,その直線関係は,通常の降雨イベントだけでなく強度の大きい降雨イベントにおいても成り立っていたため,本研究で提示した大型雨量計は降雨強度の大きいイベントにも耐えうる実用性の高い雨量計であることがわかった。
著者
林 拙郎
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.209-217, 1985-06-25
被引用文献数
3

山地崩壊に関する崩壊面積率を, 水文統計で用いられる超過確率雨量の概念を用いて検討した。まず初めに, 対数確率紙上にプロットされた日雨量に関するデータに対して, 豪雨時の日雨量が相当する超過確率Wを求め, その値と崩壊面積率s_aとの関係を対数確率紙上にプロットしてみた。その結果, 多雨地帯, 非多雨地帯に関係なく, s_a-W図上で地質の相違を区分することが可能であった。次に, 超過確率50%に相当する日雨量R_<50%>を用いることによって, 豪雨時の日雨量Rとの比R/R_<50%>(=X)を求めた。この比Xも, 雨量の地域的偏在性の影響を除いたものであり, 雨量相当(外)力を示している。このXと先のs_aをプロットするとs_a=aX^mの関係が認められた。ベキ数mは, 中古生層・第三紀層地帯で3/2,風化花崗岩地帯で2であった。以上のXとs_aとの理論的関係をワイブル分布を用いて調べ, Xのある範囲で上式が成立することを示した。
著者
鳥山 英雄
出版者
東京女子大学
雑誌
Science reports of Tokyo Woman's Christian University (ISSN:03864006)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.713-725, 1983-03-20

東京女子大学文理学部構内において,1977年9月26日から10月14日の20日間において,次の様な現象を認めることができた。すなわち,野外に植えてあるネムノキの生体電位は,その付近に自生したやぶからしの巻鬚がまきつくと特別な変化をあらわした。その変化は第1次から第5次までの5回にわたって断続してあらわれたが,その著しい電位変化をあらわす「まきつき」が行われた時は,何れも雨天であった。この間を通じて,巻鬚が巻きつくことの全くなかったネムノキにおいては,その生体電位はすべて正常であり,特別な電位変化はみとめられなかった。また,ネムノキからやぶからしの巻鬚をとりはずすと,特別な電位変化は完全にあらわれなくなる。ネムノキはやぶからしの巻鬚にまきつとかれる際には,著しいストレスを受けるもの判断される。
著者
菊池 ふじの
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.113-123, 1932-09
著者
石井 盛次
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.10, pp.581-586, 1940-10-10
被引用文献数
3
著者
押田 京一 小林 稔 古田 照実 遠藤 守信 オバラン アグネス
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-2, エレクトロニクス 2-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.80, no.12, pp.421-426, 1997-12-25
被引用文献数
1

炭素材料の結晶構造やアモルファス組織などの微細組織の解明には, 透過電子顕微鏡(TEM)観察は非常に有効な手段である. TEM像のコントラストに関して検討するため, 炭素材料の一つであり配向性のないランダムな構造をもつアモルファスカーボンフィルムを試料として用いて, 異なる非点収差ΔfにおいてTEM観察し, Δfの違いによるTEM像の変化を調べた. また, TEM像をディジタル化してコンピュータに取り込み解析した. 2次元高速フーりエ変換により求めたパワースペクトルの解析から, 画像処理によってもTEM像の光回折パターンとほぼ同等なパワースペクトルを得られることがわかった. パワースペクトルの動径方向の積分からΔfとTEM像の等価関数との関係を検討し, 画像処理を用いた本手法はアモルファスカーボンフィルムのように特徴が明確でないTEM像の解析に特に有効であることを示した.
著者
樋口 正信
出版者
国立科学博物館
雑誌
Bulletin of the National Museum of Nature and Science. Series B, Botany (ISSN:18819060)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.115-121, 2007-12

Eleven species in three genera in Hypnaceae and four species in four genera in Hylocomiaceae are reported based on the collections made in the Tien Shan Mountains in 1995. Hypnum callichroum and H. subimponens subsp. subimponens are new records for the moss flora of Kazakhstan, and Hypnum cupressiforme var. subjulaceum and H. recurvatum are new to Kyrgyxstan. A key for the Hypnum species in Kazakhstan and Kyrgystan is shown.
著者
河合 剛 石田 朗 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.569-580, 2001-09-01
被引用文献数
18

教師が学習者に正しい発音の概要を指導した後, コンピュータが発音の反復練習を促し, 発音の良否を音ごとにスペクトル面から判断し, 発音誤りを特定し, 直し方を分かり易く指導する手法を提案する。2言語の音響モデルを用いた音声認識により話者性を取り除く。母語話者向けの音声認識システム用として学習された音響モデルを使えるので教育システムを容易に開発できる。音の挿入誤りの検出, 音の置換・挿入・脱落誤りの検出, 発音練習の難易度調整の三つの実装例, 並びに日本語話者による英語学習と英語話者による日本語学習の実験を通じて, 発音学習の自動化の有効性や要素技術の言語独立性と可搬性を明らかにする。
著者
大澤 義明 植松 貞夫 木野 修造
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.61, no.489, pp.131-140, 1996
被引用文献数
2 2

The objective of this paper is to examine the trade-off of the accessibility versus the level of the book stock in public libraries. As the criterion of accessibility, we adopt the average distance between the usels' location and the nearest public libraries, and the rate of the population who lives outside the area within the threshold distance. As the criterion of the level of the book stock, we use the rate of overlapping index numbers of books. Multi-objective analyses show that if the network connecting the public libraries are introduced, the plan to construct more libraries are more appropriate using a simple model and an actual planning in Japan.