著者
金子 拓也 石崎 俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.187, pp.17-24, 2000-07-07
被引用文献数
1

(社)日本電子工業振興協会対話理解技術専門委員会は、広い意味での対話処理の研究開発に資するため、対話データの収集と構造化を実施し、その成果であるタグ付き対話コーパスを公開するとともに、その収集および構造化の方法に関する提言を発信することを目的として活動している。今年度は昨年度までに作成したマルチモーダル対話コーパスの配布を進めるとともに、このデータに対するタグ付け作業をほぼ完了し、2000年6月にタグ付きコーパスを部分公開する予定である。本報告ではマルチモーダルデータ構造化の諸相という観点から、人間の言語行動における複数モダリティー(統語構造・共参照、対話構造、韻律、表情)の構造化技法と構造化データの性質について報告する。
著者
乾 健太郎 脇川 浩和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.62, pp.87-94, 1999-07-22
被引用文献数
2

近年,信頼性の高い品詞・構文タグつきコーパスに対する需要の増大にともなって,コーパスを共有・再利用することの重要性がますます大きくなっている.しかし,既存のタグつきコーパスでは基礎とする品詞体系が統一されておらず,そのことが共有・再利用の障害となっている.このような背景から本稿では,既存のコーパスの品詞・構文タグを別の品詞体系に基づく品詞・構文タグに変換するアルゴリズムについて論じる.本稿で提案する手法では,ターゲット側品詞体系に基づく文法・辞書でコーパスを形態素・構文解析することによって半自動的にタグ付けを行う.このとき生じる曖昧性は,ソース側タグ情報を最大限に利用することによって高い精度で解消することができる.The problems in reusing the POS-tag information of an existing corpus are in the gap between different tag sets; corpora are annotated in terms of different tag sets. While the recent efforts for standardizing tags are important, we still need to explore techniques for the (semi-)automatic conversion between different tag sets in order to maximally reuse the existing tagged corpora. This paper presents an NLP-based method for the conversion between Japanese POS-tag sets, and reports the results of our preliminary experiment.
著者
乾 健太郎 脇川 浩和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.228, pp.31-38, 1999-07-23

近年, 信頼性の高い品詞・構文タグつきコーパスに対する需要の増大にともなって, コーパスを共有・再利用することの重要性がますます大きくなっている. しかし, 既存のタグつきコーパスでは基礎とする品詞体系が統一されておらず, そのことが共有・再利用の障害となっている. このような背景から本稿では, 既存のコーパスの品詞・構文タグを別の品詞体系に基づく品詞・構文タブに変換するアルゴリズムについて論じる. 本稿で提案する手法では, ターゲット側品詞体系に基づく文法・辞書でコーパスを形態素・構文解析することによって半自動的にタグ付けを行う. このとき生じる曖昧性は, ソース側タグ情報を最大限に利用することによって高い精度で解消することができる.
著者
森 信介 伊東 伸泰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.189, pp.47-54, 2001-07-09

確率的言語モデルを基礎とする自然言語処理において、タグが付与された学習コーパスは重要であり、これを増量することが精度向上につながることがわかっている。しかしながら有意な精度向上のためには、学習コーパスを指数関数的以上に増加させる必要があり、このために必要なコーパスにタグを付与するコストは無視できない程度になっている。このような背景のもと、本論文ではタグなしコーパスの利用による形態素解析と仮名漢字変換の精度向上について述べる。実験では、タグなしコーパスの利用により、確率的言語モデルの予測力やそれに基づく仮名漢字変換の精度は有意に向上し、タグなしコーパスは0.87倍の量のタグつきコーパスに匹敵したが、形態素解析の精度向上は微小であった。
著者
村松 正彦 安村 禎明 新田 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.601, pp.1-7, 2002-01-17

本研究では, 判決文から判決文の論理構造を表示するツールを開発する.このツールは, 判決文のタグ付けを支援する機能と, 判決文の論理構造を表示する機能からなる.タグ付け支援機能では, タグ付けが容易な判決文の全体構造については自動的にタグ付けし, 自動でタグ付けが困難な原告・被告・裁判官の論争部分の論理構造についてはタグ付けの候補を表示する.タグ付けの候補は文章中のパラグラフや接続詞などを手掛かりに決定する.判決文の論理構造表示機能は, タグ付け支援機能によって判決文に付けられたタグ間の関係から, 判決文の論理構造を表示する.
著者
加来 信之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.248, pp.35-40, 1999-07-30

空港面の管制の安全と効率を高めるために, 空港面探知レーダ(ASDE)の信号から航空機を検出し, シンボルとして表示するとともに, その航空機のコールサイン, 機種などをデータブロックとして付加する空港面監視システム(ASSS)を開発した。しかし, このシステムは到着機には自動的にデータブロックがタグとして付加されるが, 出発機には手動で付けなければならない問題を抱えている。そこで出発機に自動的にタグ付けするため, 空港のようなSSRマルチパス環境下においても情報取得が可能な, 電子走査アンテナおよびマルチラテレーション法を用いた識別方法を考案し, 仙台空港において評価実験をおこなったので報告する。
著者
長谷川 秀記
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.265-275, 2002

Webサイトの構築や広報システムの電子化などに伴い,各種のOAデータをeコンテンツ用のデータに加工する技術が必要とされる。この連載はデータ入手からテキスト化,データ・チェック,文字の問題,タグ・データ加工までの各段階について,基本知識と技術の実務を解説する。今回は最終回として,クリーンアップされたテキストデータからeコンテンツ用にタグ・データ加工を行う工程を説明する。
著者
土屋 雅稔 肥田 新也 中川 聖一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.46, pp.1-6, 2008-05-15

統計的固有表現抽出のためには,固有表現がタグ付けされた十分な量の学習コーパスが必要である.しかし,新規の固有表現が増加し続けていることを考慮すると,あらゆる固有表現に対応した学習コーパスを用意することは非現実的である.本稿では,この問題に対処するために,固有表現がタグ付けされたコーパスとタグ付けされていないコーパスを併用して,タグ付けされたコーパスに頻出しない語 (非頻出語) を含む固有表現を抽出する手法を提案する.提案手法は 2 段階からなる.最初に,タグ付けされていない大量のコーパスを用いて,入力テキストに含まれている非頻出語を,その非頻出語と良く似た頻出語に対応付ける.次に,元々の語から得られる素性と頻出語から得られる素性の両方を組み合わせて学習した統計的固有表現抽出器によって,固有表現を抽出する.IREX コーパスと NHK コーパスを用いた実験により,提案手法は,非頻出語からなる固有表現の抽出において効果的であることを示す.This paper proposes a novel method to extract named entities including infrequent words which do not occur or occur few times in a training corpus using a large unannotated corpus. The proposed method consists of two steps. The first step is to assign the most similar and frequent word to each infrequent word based on their context vectors calculated from a large unannotated corpus. After that, traditional machine learning approaches are employed as the second step. The experiments of extracting Japanese named entities from IREX corpus and NHK corpus show the effectiveness of the proposed method.
著者
乾 喜好 且 勇一朗 小南 昌信 日下 浩次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-09-05

電磁波を用いて情報通信を行うデータキャリアの一種であるLC共振回路を用いた共振セキュリティー・タグが盛んに実用されつつある。タグ・システムの高性能化のために、これまでにタグ自身の特性は明らかにした。ここではシステムの信号検出方法を提案し、その特性をモーメント法により電磁波特性を含め解析している。
著者
保坂 良資
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.571-578, 2003-04-01
被引用文献数
3

近年我が国では,患者環境での医療事故が増加している.その多くは,看護師の過誤とされている.しかし中には,物品の管理が適正であれば未然に防ぐことができた事例もある.患者環境では,患者を中心に各医用物品は従属的な関係にある.この従属性が満たされない場合,前述の事故が発生する.適正な患者環境モニタシステムが実現すれば,事故を予防することができる.ここでは,長波帯RFIDをタグとして利用することで,患者環境のモニタを可能とする方法について提案する.この方法では,患者及びそれに従属するすべての医用物品にタグを貼付する.これを,随時ワイヤレスでモニタすることで,他の患者に関連した物品が混在することを予防できる.また本システムではタグが自動的に認識されるため,その運用に際して,看護師らの業務負荷の増大は少ない.本論文では,改良を施した長波帯RFIDタグの認識特性を,現場を模した環境で検証し,実現可能性を確認した.
著者
尾関 基行 中村 裕一 大田 友一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.442, pp.31-38, 2000-11-09
被引用文献数
8

マルチメディアコンテンツ製作のための映像取得支援システムについて述べる.まず, 撮影時に注目すべき対象を分類し, それぞれに適したカメラワークをまとめ, 自動撮影を実現する上での問題点を明らかにする.次に, それらの問題を解決するカメラ制御アルゴリズムを提案する.さらに, 話し手の発話情報と動き情報を用いて, 映像にタグを付ける手法について簡単に提案する.本研究では, 以上の枠組みを用いてプロトタイプシステムを構築した.これを用いてプレゼンテーションの撮影・提示実験を行い, 実際のカメラマンによるカメラ操作との比較を行うことによって, その有効性を確認した.
著者
高橋 將人 鈴木 和幸
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.107-110, 1994-10-28

状態監視保全システムは、モニターにより観測された故障兆候に基づきシステムに対して最適なアクションを施す予防保全である。しかし、モニターはシステムの真の状態を表示するとは限らず、「誤報」や「欠報」を引き起こすことがある。そのため誤ったアクションを施してしまい、損失コストを増大させることが起こり得る。本報告では誤差を含むモニターを用い、システム状態の時間的推移を考えた場合の状態監視保全方策の最適性に関する一方法を示す。
著者
江木 鶴子 前田 直樹 長田 一興
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.10, pp.1742-1753, 1996-10-25
被引用文献数
1

本論文は,学生プログラマのプログラム生成過程の認知科学的な分析に基づいて構築されたプログラム生成過程モデルを提案する.学生プログラマは,保持しているプログラミングプランを与えられた課題を実現するためだけでなく,プログラム生成を合理的に進める目的にも用いる.本論文では,前者の目的を課題ゴール,後者を戦術ゴールと称する.本モデルは,基本的にはPROUST[12]のゴール/プランモデルを踏襲したゴール主導のモデルであるが, PROUSTでは課題ゴールだけを前提にしているのに対して,本モデルではこれら2種類のゴールの使用を考慮している点が異なる.これにより学生プログラマのプログラム生成過程時の思考錯誤的な振舞いをより正確に表現することができる.本論文では,学生プログラマが用いた戦術をプログラム生成計画,仮プラン策,後回し策,ゴール変更策,調査確認策,奇襲策,安全無策,復帰策に分類し分析した.その結果として戦術プランを使用する意図が,(1)プログラム生成過程で使用したプランを確認し定着させる,それにより(2)プログラム生成過程を促進させる,更に(3)プログラム生成過程を後退させない,などであることを述べる.
著者
土方 克昌 加島 洋二 永田 真 岩田 穆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.97, no.230, pp.25-32, 1997-08-22
被引用文献数
4

現在主流となっているCMOS論理回路では、スイッチング時の過渡電流により大きな雑音が発生し、AD混載LSIでは基板を通してアナログ回路に漏れてアナログ回路の性能を落とす。このクロストーク雑音を低く抑えるため、定電流で動作する論理回路としてCurrent Steering Logic:CSL, Current Mode Logic:CMLの雑音源としての特性を検討した。0.6μmCMOS技術を用いた回路シミュレーションと試作した雑音評価チップによって、各種論理回路から発生する雑音量を比較検討した。CMOSと比較してCSL, CMLの雑音量は、回路シミュレーションではそれぞれ約1/2, 1/10に低減でき、実測結果では約1/3, 1/7に低減できることがわかった。
著者
神鳥 昭
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.95-105, 1972
被引用文献数
4

Frequent collisions occurred yearly in the Kanmon Strait, because of difficulty in navigating due to the frequent traffic passing along the curved fairway in the narrow channel with the strong tidal current. For the qurpose of offering the basis of the marine traffic improvement of this area, the present report first dealt with the phenomenal relation between the tidal current and the frequency of collisions occurred in 1962 to 1969. And for the purpose of proceeding to the analysis, second, the relations between the tidal current and the following three traffic factors observable in the short term traffic surveys were examined: Traffic volume, sailing speed, and the rate of the ship passed along the illegal routes.
著者
吉川 恵也
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.45-55, 1975-06-30

新関門トンネルは,昭和45年着工し,昭和49年完成した延長18.7km(内,海底区間0.9km)の本州と九州を隔てる関門海峡下を貫く鉄道トンネルである.本論文では,このトンネルの海底区間に焦点を絞り,路線選定の階段より,施工法の策定の段階に至るまでにおこなった地質調査と,その成果の工事への適用,および関門海峡早鞆瀬戸から大瀬戸に至るまでの海底の地質の大略について述べたものである.
著者
神鳥 昭
出版者
公益社団法人日本航海学会
雑誌
日本航海学会誌 (ISSN:04666607)
巻号頁・発行日
no.40, pp.133-142, 1968-12-25

The marine transportation has recently intensified owing to our country's economic development. The fair-way traffic volume in the Kanmon strait is about 1000 vessels a day and traffic congestion has brought about a great number of sea accidents. It is the problem of marine traffic in the harbour and narrow channel to develop securer and more efficient system of traffic control, and it is necessary for marine traffic improvement to find the actual state of traffic. From this point of view, the reserch on ship's speed under passing was conducted with radar and visual observations from Aug.30 to Sept.3 in 1967 at Oseto in the Kanmon strait. This report described the characteristics of the ship's speed under passing through the Kanmon strait.
著者
河原 達也 Lee Chin-Hui Juang Biing-Hwang
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.96, no.420, pp.61-68, 1996-12-13

対話環境における柔軟な音声理解を実現するために、キーフレーズの検出と検証の組合せに基づくアプローチを提案する。キーフレーズには意味タグが付与されており、その検出が直接的に頑健な理解を実現する。検出の湧出し誤りを抑制するために、サブワードベースの発話検証手法を導入する。これは、認識結果に信頼度を付与するものである。信頼度を定義するいくつかの関数について比較・検討を行った。複数の音声対話タスクのフィールドデータに適用した結果、本手法が、 (1)定型的な発話に対して精度を維持した上で、 (2)非定型な発話に対する理解率を向上し、 (3)タスク外発話の棄却率も改善することが示された。
著者
福與 賢 山口 敦由 亀田 卓 小熊 博 中瀬 博之 高木 直 坪内 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.119, pp.95-100, 2006-06-15
被引用文献数
4

RFID (Radio Frequency IDentification)システムにおいて,多数のタグが存在しても短時間で収束可能なID (IDentification)識別方式の提案を行う.従来のFrame Slotted ALOHA方式では,多数のタグが存在する場合,パケットの衝突が頻発し,ID識別を有意な時間内に収束させることが困難である.提案方式は,ID識別をフラグを用いたタグ存在確認処理とID取得処理に分離し,収束時間を短縮した.提案方式をシミュレーションにより評価し,従来方式よりも4倍の時間短縮が可能であることを示した.さらに,ZigBeeモジュールを用いて実測評価を行い,シミュレーションと同等の性能が得られることを示した.