著者
高井 伸二 森下 大洋 西尾 恭 佐々木 由香子 椿 志郎 樋口 徹 萩原 紳太郎 仙波 裕之 加藤 昌克 瀬能 昇 安斉 了 鎌田 正信
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.681-684, 1994-08-15
被引用文献数
9

Rhodococcus equiの毒力マーカーである15-17kDa抗原に対するモノクローナル抗体を用いたコロニーブロット法を強毒株簡易同定法として開発し, 軽種馬生産牧場の土壌,母馬及び子馬糞便から分離した菌株のプラスミドプロファイルとの比較から疫学調査における本法の有用性を検討した. 子馬糞便由来778株, 母馬糞便由来170株及び土壌由来1,267株のそれぞれ238株, 6株及び85株がコロニーブロット陽性を示し, そのうち, それぞれ235株(98.7%), 6株(100%)及び75株(88.2%)で病原性プラスミドが検出された. 一方, コロニーブロット陰性を示した子馬糞便, 母馬糞便及び土壌分離株からランダムに50菌株を選び, プラスミドプロファイルを調べたところ何れの菌株においても病原性プラスミドは検出されなかった. 以上の成績から, 本法は疫学調査において信頼度の高い, 迅速簡易な強毒株同定法であることが示された.
著者
赤井 朋子
出版者
神戸薬科大学
雑誌
神戸薬科大学研究論集 : Libra (ISSN:13452568)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-31, 2003-02-20

ジョン・ヴァン・ドゥルーテンの『若きウッドリー』は、1925年に一度検閲で上演禁止になったが3年後に認可された。この作品には、検閲において禁止事項とされたものはいっさい含まれていなかったが、認可と上演禁止の境界線上に位置した劇で、作品の微妙な描き方をしている点が検閲官に不安を与えた。検閲の一次資料を調べると、言葉の表現における「節度」という点が問題視されたことがわかるが、おそらく上演禁止になった理由はそれだけではないだろう。資料には明示されていないが、さらに検討していくと、微妙な描き方をしたこの作品には、ダブルスタンダードの否定や階級の流動性といった点が読み取れる「可能性」のあることが判明する。そのことが検閲官に漠然とした不安を与えたのではないだろうか。この戯曲は、作品の微妙で繊細な要素を残しながらも検閲官の危惧を最小限に抑えるような演出をすることによって、その後上演を許可され、公演も興行的に成功する。検閲は一方的に表現の自由を奪うものではなく、むしろ検閲する側とされる側が互いに影響を及ぼしあうことによって、新たな何かを産み出すこともあるものだと言えるが、この戯曲の検閲はその一例を示している。
著者
面矢 慎介
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.11-20, 2005-05-31

19世紀から20世紀中期にかけてのイギリスの鍋を事例として、近代家庭機器の成立・発展過程およびそのデザイン変遷をめぐる諸要因について考察した。19世紀末から1930年代にかけて、大容量の鍋が徐々に減少する一方、鍋タイプの細分化が進んだ。1910年代までの英国において、鍋の形態は非常に保守的・固定的であった。特に胴の中央部が膨らんだ「ベリード・タイプ」の鍋は、長年にわたって鍋形態の定型となり、家庭の台所のシンボルとなっていた。19世紀から1910年代までのベリード・タイプに代表される鋳物鍋から、1920年代以降のアルミ鍋への転換(主たる鍋材質および鍋形態の典型の交代)は、各素材に特化した鍋メー力ーの盛衰、ひいては金属加工工業の構造的変革と深く関わっていた。この時代における鍋のデザイン変化(典型の交代)を促したのは、調理器の熱源の変化に加えて、日常の料理法の変化、調理器の外観の変化、家庭生活における台所の位置づけと台所空間のデザイン変化であり、これらが、互いに関連しつつ鍋のデザインに影響していた。
著者
面矢 慎介
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.11-20, 2005
参考文献数
26

19世紀から20世紀中期にかけてのイギリスの鍋を事例として、近代家庭機器の成立・発展過程およびそのデザイン変遷をめぐる諸要因について考察した。19世紀末から1930年代にかけて、大容量の鍋が徐々に減少する一方、鍋タイプの細分化が進んだ。1910年代までの英国において、鍋の形態は非常に保守的・固定的であった。特に胴の中央部が膨らんだ「ベリード・タイプ」の鍋は、長年にわたって鍋形態の定型となり、家庭の台所のシンボルとなっていた。19世紀から1910年代までのベリード・タイプに代表される鋳物鍋から、1920年代以降のアルミ鍋への転換(主たる鍋材質および鍋形態の典型の交代)は、各素材に特化した鍋メー力ーの盛衰、ひいては金属加工工業の構造的変革と深く関わっていた。この時代における鍋のデザイン変化(典型の交代)を促したのは、調理器の熱源の変化に加えて、日常の料理法の変化、調理器の外観の変化、家庭生活における台所の位置づけと台所空間のデザイン変化であり、これらが、互いに関連しつつ鍋のデザインに影響していた。
著者
田靡 幸子
出版者
賢明女子学院短期大学
雑誌
Beacon (ISSN:02881187)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.67-74, 1987-03-10

副食として利用される料理の種類を朝食では主食形態ごとに、夕食では食品の主材料ごとにまとめ年代別、地域別に料理の種類の頻度によって分布図を作成し比較検討した結果次の内容を要約できた。1.朝食において米飯食の副食に味噌汁の頻度が高く年代・地域に関係なく浸透している。副菜には漬物類、卵料理、味つけのりが多く若年令層では冷凍食品、肉料理など比較的洋風指向が目立った。麺類食の場合汁物はないが米飯食に類似した傾向である。パン食では卵料理、生野菜のサラダ、燻製品に集中し副食の種類が狭まり特に高年令層ほどこの傾向が強い。2.昼食の際の飲物として米飯食の場合緑茶に集中し、パン食では比較的若年令層に牛乳高年令ほどコーヒーが好まれるが相対的にジュース類の利用が少ない。また住宅地域において農作地域の牛乳の頻度と対照にコーヒーが多いことがわかる。3.夕食における食品ごとの副食の頻度について野菜類;頻度の高い料理に煮物、炒め物があり40,50才代の煮物に対し若年令層では炒め物が多い。商業・農作地域に比較し住宅地域では天ぷら、炒め物など種類の多様な傾向がうかがえる。卵類;厚焼卵の頻度が最も高く年代別に差がみられる。若年令層は目玉焼、高年令層ほど茶碗蒸、ゆで卵の頻度が上昇する。獣鳥肉類;最も頻度の高いものは豚肉-トンカツ、鶏肉-から揚げ、牛肉-鉄板焼き・すきやき、挽肉-ハンバーグである。概して揚げ物と炒め物の種類に集中し、40才代までと50才代の頻度分布に有意の差を認めた。魚貝類;年代,地域別の変化が比較的明瞭で煮物は20才代に対し照り焼きは50才代に頻度の上昇がうかがえる。さらに農村の素焼きに対し住宅地域では煮物が多いことはやや濃厚な調味と多彩な味覚を好む傾向の現れと推察する。白米;年代にかかわらずカレーライスの使用頻度が高く、丼物は50才代、チキンライスは20才代に多い。地域差は殆んどなく炒飯、すし類に僅かバラツキが生じた。4.夕食における汁物料理の種類は味噌汁、すまし汁に集中しこのほかの種類は頻度が低い。粕汁に50才代の頻度がやや高く和風指向の傾向と察した。年代別にながめて20才代は食習慣や伝統的な料理の種類に縁が薄く自由な選択傾向から洋風指向となり、30,40才代は家族構成の年令からも子育て時代にあたり食事の質・量ともに食事担当者の望ましい選択眼が要求される時期でもあり料理の種類にも濃厚で実質本位なものが多い。さらに年代がすすむといわゆる淡白な料理や年令相応の自分の嗜好に適応させた選択で予想外に日本的な習慣食が日常食パターンに利用されている。地域別では農作、商業、住宅地域で比較したが住宅地域において幅広い料理が組みこまれ積極的に洋風指向がすすみ料理の種類に幅が広い。一方他の地域では和風指向がうかがえ高年令層とやや類似したパターンと推察した。食生活自体特に伝統的習慣的なものであるだけに、変化に対する抵抗は一般に強い。日本人の食生活には米飯を中心とする特徴の上に食習慣と経済性を中心とした献立意識が濃い傾向といわれてきたが本調査においても予想通り漬物とか味噌汁の摂取に代表される伝統的嗜好が強く残っていることがわかる。今後、数多くの食品情報の激増する中で新しい食品と伝統食品との調和さらに合理性指向を含めた日常食の献立内容の推進を課題にしていきたい。本研究に際し、本学調理研究室高沢いづみ姉にご協力いただきましたことを深謝いたします。
著者
大塚 彌之助
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.44, no.529, pp.939-946, 1937-10

クズガヤヒ即ちDiodora屬に屬する種は從來日本からの次の8種が報告されてゐる。D.,funiculata (REEVE), D.,sieboldii (REEVE), D.,ticaonica (REEVE), D.,mus (REEVE), D.,tanneri (VERRILL), D.,crucifera (PILSBRY), D.,elaborata (SOWERBY), D humilis (YOKOYAMA)., 此等の種中ticaonicaが淡路で採集されぬこと, 日本のfuniculataとtanneriと稱するものが原のものと異ることが述べてある。日本のfuniculataにはsuprapunicea, 同じくtanneriにはyokoyamai及びyokoyamai kosibensisを新に命名した。大部分Upper Pliocene以後に生き, crucifera, humilis, yokoyamai kosibensisのみが鮮新世にも生きてゐた。
著者
山本 英子 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.124, pp.61-66, 2006-11-22
参考文献数
7

本稿では,上位語下位語や同義語 反義語といった分類的関連を持つ単語集合ではなく,連想関係や因果関係といった主題的関連を持つ単語集合をテキスト集合から抽出することを試みる.後者の単語集合が持つ関連は,前者と違って,シソーラスのような知識ではなく,辞書に載っていない知識である.本研究では,そのような知識が発想支援に利用できるのではないかと考え,得られた関連語集合を用いて実際にWeb検索をすることにより,提案手法によって得られた関連語集合が発想支援に適用できることを示す.In this paper, we tried to extract sets of related word with thematic relations such as associated relation and causal relation, which are not taxonomical relations such as hypernym-hyponym relation and synonym, acronym. The relations between words composing the latter related word set can be regarded as knowledge which is not thesaurus-like knowledge and which there is not in the dictionaries. We think such related word sets can be used to support creativity. Then, we estimate the availability for creativity support that the related word sets we extracted can be had, through verification of their availability to Web retrieval.
著者
立川 正夫
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.159, pp.17-24, 89, 1969-05-30
被引用文献数
1

屋上に壁面を組上げ, Re数が10^6台において風圧の測定を行なった。結果は次のように要約出来る。1)水平断面周囲の風圧分布は, 負圧の値はやや小さいが, 迎え角の増大にともなうその変化は, 今までの結果と一致する。上端付近の側面負圧は下より大となることがある。2)台風時の測定で, 突風時において風上面に変動量の大きな正圧を記録した。風上面の風圧は各点間の相関も高く, 構造体に作用する変動風力を考える場合, 背面の負圧に比べてはるかに重要である。3)風上壁面上の風圧変動を, 小さな平板上のそれと比較すると, 高い周波数成分が明らかに少なく, 風上面の風圧変動が, 構造体自身の影響を受けていると思われる結果を得た。4)頂部の一隅にはった平板上で, 迎え角が45°付近のとき, 円錐状渦の発生が認められ, 縁に沿って-3.0をこえる高い負圧の, 間歇的な発生が記録された。

1 0 0 0 OA 王將について

著者
萩庭 勇
出版者
大東文化大学
雑誌
大東文化大学漢学会誌 (ISSN:04149572)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.25-30, 2004-03-10
著者
池田 大輔 木藤 基樹 馬場 慎也 井上 創造
出版者
九州大学附属図書館研究開発室
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.12-16, 2008-10

著者らは機関リポジトリの概念を拡張し,SNSを用いた認証認可基盤上で機関リポジトリやバージョン管理システムなど他のサービスをゆるやかに連携する研究活動支援のモデルを提案し,プロトタイプを開発してきた.このモデルにおいては,様々なサービスとの連携が鍵になる.本稿では,サービスの一つとして写真共有サービスFlickrとSNSとの連携を行ったので,これについて報告する.
著者
三山 吉夫 徳丸 泰稔
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.24, no.12, pp.p1364-1367, 1982-12