著者
村田 真
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.13-20, 2012 (Released:2012-04-01)
参考文献数
6
被引用文献数
5 1

EPUB3は,HTMLとCSSなどのWeb技術に基づいた電子書籍フォーマットである。EPUB3は国際化されており,その1つとして日本語組版を扱うことができる。縦書き等の機能は,まずW3CにおいてCSS Writing ModesとCSS Textを作成し,次にIDPFにおいてこれらをもとにEPUB3を作成することによって導入された。この標準化経験に基づいて,国際的標準化において日本が陥りやすい落とし穴を指摘し,成功するアプローチを示唆する。
著者
鳥山 平三
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
no.5, pp.35-44, 2006-01

著者の唱える「物性心理学」によると、現代のさまざまな心理学的な現象の背景に、われわれが日常使用する衣食住の生活用品の材質からくる特性の反映があることを指摘した。特に、多用されている「プラスチック樹脂」の製造過程や廃棄処分に伴い溶け出す「環境ホルモン」の影響により、現出すると推測されている性別未分化症候群としての「性同一性障害」や「同性愛志向」、あるいは、軽度発達障害や自律神経失調症等の「化学物質過敏症」が憂慮されている。それは「プラスチック心性」と名づけた本来の自然性が損なわれた「~もどき」のまがいものや生理学的な内分泌撹乱の為せる業の帰結であると考えられる。奇しくも化学合成の産出物が「心理材質論」を裏づける人間模様を染め出していることがわかったのである。もうすでに手遅れのきらいがあるが、少しでも自然に回帰するべく、「グリーンケミストリー」になじむ草や木の材質を取り込むところから醸し出される、「木の性格」や「木質心性」への環境復活が早急に求められると言えよう。
著者
山口 拓美
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.25-41, 2007-03

論説

259 0 0 0 OA 日本名宝物語

著者
読売新聞社 編
出版者
誠文堂
巻号頁・発行日
vol.第1輯, 1929
著者
田村 裕之
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.438-444, 2014-12-15 (Released:2016-07-30)
参考文献数
2

太陽光発電システムの普及が急速に拡大している.しかし,火災事例や消防活動事例を調べると,太陽光発電システムからの出火や消火活動中の消防隊員の感電などが起こっており,火災や感電の面で安全対策が不十分なことが分った.そこで,太陽光発電システムが設置されている建物での出火危険性や消防活動時の危険性について,太陽光発電システムの構造や火災事例から課題を見出し,火災実験や発電実験を行った.その結果,火炎からの光でも発電すること,モジュールの一部が脱落しても発電を継続すること,モジュール表面の強化ガラスが熱によりフロートガラスに戻ること,人体に危険を及ぼす感電が起こりうること,などが分かった.これらを基に安全な消防活動を行うための対策をまとめた.
著者
鈴木 康策
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.23, no.7-8, pp.435-437, 1957-11-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
2

In obtaining skipjack having so little body oil as to be suitable for making good “Katsuobushi” thereof, we cannot still to-day but rely on the natural coming of such material. If we had, therefore, any proper means of removing excessive oil from the fish, we would be able to remove also the limitation arising from the seasonal overgrowth of skipjack oil. Carrying out a few experiments on a small scale, the author has ascertained that very satisfactory results can be achieved by applying an alternating current to the material interposed intimately between the electrodes kept in running water. The results are summarized as follows. 1. The higher the voltage, the less oil remains in the meat after the treatment by an electric device shown schematically in Fig. 2. 2. Ampere of the electric current is not of consequence for the effective removal of the body oil. The best range of available voltage is 170-200 V., while too high voltages cause the meat to crack. 3. Continuous refreshment of water surrounding the meat as shown in Fig. 2 is essential to avoiding large and fruitless consumption of electric energy.
著者
水田 明能 木村 敏宣
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.392-395, 2004-05-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
8
被引用文献数
2 3
著者
副島 隆
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.342-353, 1994-07-30 (Released:2010-10-27)
参考文献数
43
被引用文献数
2

う蝕予防のためのフッ化物の応用に際して使用すべき適正量の検討には, あらかじめ通常の生活の中でのフッ素摂取量を把握しておくことは意義がある。本研究では, 福岡市で日常的に入手できる14食品類の65食品目を測定の対象とした。食品試料中のフッ素含有量は, 前処理に乾式灰化法と微量拡散法, 測定法をイオン電極法でそれぞれ8回の繰り返し測定を行った。その結果, 測定値の範囲は, 穀類0.19~6.04μg/g, 種実類0.13μg/g, 芋類0.01~0.02μg/g, 豆類0.42~41.75μg/g, 果実類n. d. ~0.02μg/g, 野菜類n. d. ~0.94μg/g, 茸類0.01~0.75μg/g, 海草類0.06~0.58μg/g, 飲料類0.17~2.99μg/g, 魚介類n. d. ~2.87μg/g, 肉類0.04~0.21μg/g, 卵類n. d., 乳類0.35~1.52μg/gであった。これらの結果を基にして, 平成3年度の国民栄養調査にある食品群別摂取量を利用して成人1日あたりの食品からのフッ素摂取量を推定したところ, 全国平均は1.44mgおよび北九州ブロックは1.42mgであった。
著者
梅田 道生
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本年度は昨年度の後半に引き続いて東京大学において研究を行い, 選挙制度改革が有権者の政権評価や投票行動に与えた影響を検証するために, 近年発達したベイジアン動的線型モデルについての研究を行った。またこの手法の基礎となるベイズ統計学とコンピュータを利用したその応用法についても学んだ。さらにこのモデルを昨年度までに作成した1960年代より今日に至るまでの日本の有権者世論調査に関するデータセットに対して用い, 分析を進めた。分析の結果は近日中に論文としてまとめ, 学会において報告する予定である。また本研究課題の一部として, 昨年よりミシガン大学のマッケルウェイン教授と朝日新聞社が衆議院総選挙前にそれぞれの選挙区において行っている有権者調査の1979年以降のデータを用いた共同研究を行ったが, この研究の成果の一部である選挙区レベルでの政党支持及び無党派層の割合の推移と政党得票の関係について, 5月に京都大学で行われた2013年度日本選挙学会総会・研究会において報告することができた。そのほかの研究実績としては, 選挙区ごとの有権者と議員/候補者の政策選好の類似性, および現職優位性について論じた単独研究の成果をそれぞれ学会で報告したこと, 谷口将紀研究室のメンバーでの共同研究の成果を岩波書店『世界』にて発表したこと, さらにダートマス大学の堀内勇作教授との共同研究の成果を, 日本政治学会や米国政治学会などの学会で報告し, さらにその成果の一部に基づく論文を査読付研究誌に投稿したこと, 昨年度執筆した書評が出版されたことなどが挙げられる。

257 0 0 0 OA 目次・表紙

雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, 2016-01-15
著者
江原 由美子
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.20, pp.13-24, 2007-07-31 (Released:2010-04-21)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

The subject of this paper is to consider the influence of Gender Free Bashing (GFB) on present-day Japanese society. GFB means that there are certain political groups which oppose a gender-equal policy in Japan. Those who advocate GFB think that people who use words such as ‘gender’ or ‘gender-free’ are extremists who deny the existence of natural sex difference and family. Past researches has shown that GFB had influenced many young men who had supported nationalistic view. In this paper, I try to show the influence of GFB from the viewpoint of various people in connection with GFB. And I also try to show that the main aim of GFB is to achieve a invisible change in gender-equal policy through a supply of voluntary alignment of a member of administrative occupation.
著者
西口 幸雄
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.1225-1228, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
2

PEGは口から食べられない人にとって、きわめて安全で効率の良いエネルギー投与ルートである。PEGが「無駄な長生き」「国民医療費の無駄使い」のシンボルとして社会的にバッシングを受けてからというもの、PEG造設件数は減少した。いわゆる「PEGバッシング」があってから、どのようなことが起こっているのであろうか。代わって経鼻胃管や PICCの件数が増えている。PEG造設件数の減少は診療報酬の改定による造設手技料の減少によるところも大きい。また、在宅においては経腸栄養管理よりも経静脈栄養管理したほうが診療報酬が高いことも一因である。PEGが必要なひとに PEGができない現状であれば、非常に不幸である。PEGバッシングによって、PEGのエンドユーザーには無用の精神的な苦痛を与えていることは、ゆゆしい問題である。これを打破するには、社会に対する PEGの啓蒙と医師に対する栄養療法の教育が必要である。
著者
坂倉 篤義
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:03877280)
巻号頁・発行日
no.8, pp.98-114, 1985-03-01

Currently available dictionaries of pre-modern Japanese (kogojiten) tend to be biased towards representing the lexicon of classical literary texts. For example, entries under the word okashi in such dictionaries, with one or two exceptions, give, first of all, definitions such as (1) interesting, (2) tasteful or suggestive, (3) superior, or (4) lovely, and only supply in last place the definition (5) comical or funny. In some cases this last definition is omitted altogether.In the literature of the Heian court, especially the Makuranosōshi, noted for its thematization of okashi, the value of okashi, together with aware, occupies a dominant position, and in the case of this literature, it is indeed true that okashi can be understood, as a rule, within the compass of definitions (1) through (4) offered above. This usage of okashi remains, however, a distinctive feature of classical narrative literature of genres such as the nikki (diary) or monogatari (tale, recit). For other narrative genres, e.g. setsuwa (fables, anecdotal tales), definitions (1) through (4) of okashi are often inapplicable. Of the 94 instances of okashi in the Konjakumonogatari, (a setsuwa-shū) for example, as many as 42 call for the 5th definition above. (Such examples are especially frequent in books 24 and 28 of that work.) The infrequent appearance of okashi with sense (5) in Heian nikki snd monogatari is attributable to the subject matter of these genres. In texts of the medieval period and after, although okashi appears in sense (1) through (4) in the archaistic prose of the Tsurezuregusa and other texts, as an instance of bungo (the "literary style"), such occurences elsewhere are rare, and in general, okashi, in this period and after, always has sense (5), "laugh provoking" or "odd". In short, the word okashi has been used consistently with the senses of "laugh-provoking", "strange" ever since it was defined in the early Heian lexicon Shinsenjikyo as "waraubeshi anaokashi," and these are its original senses. The use of okashi in other senses in Heian literature represents a temporary expansion of the meaning of the term in literary language.If editors of dictionaries of pre-modern Japanese intend to present faithfully the lexicon-historical realities, they will have to make a departure from the tradition, which dates back to the Edo period, of inflating the importance of classical literary texts.

255 0 0 0 OA 本草図譜 巻5-96

著者
岩崎常正<岩崎潅園>//著

飯沼慾斎(1783-1865)の『本草図説』と並び称せられる江戸時代末に作られた二大植物図譜のひとつで、江戸下谷生まれの幕臣岩崎灌園(1786-1842)の著作。野生種、園芸種、外国産の植物の巧みな彩色図で、余白に名称・生態などについて説明を付し、『本草綱目』の分類に従って排列している。巻5-10は文政13(1830)年江戸の須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛の刊行。以下巻11-96は筆彩の写本で制作、三十数部が予約配本され、弘化元(1844)年に配本が完了した。当館本は、巻5-8が版本に手彩色、巻11-96が筆彩写本。本多豊後守助賢が配本されたもので、後に本草学史の研究で著名な植物病理学者、理学博士白井光太郎(1863-1932)の手に渡っていたものである。当館では、他に田安家旧蔵本(請求記号 に-25)等を所蔵する。