著者
阿部 俊彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D1(景観・デザイン) (ISSN:21856524)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.37-51, 2017 (Released:2017-11-20)
参考文献数
10
被引用文献数
7

東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市内湾地区では,震災前は防潮堤が無かったため,宮城県から示されたL1津波を防ぐための防潮堤の計画高さに対して,多くの地域住民が反対した.筆者は,住民等で構成される内湾地区復興まちづくり協議会のコーディネーターとして,協議体制を構築し,模型やCGなどを使ったワークショップを企画運営に関わり,宮城県が設計を進めていた防潮堤の高さ,位置,形式,意匠デザインの設計変更案の検討支援をおこなった.本研究では,その合意形成に至る一連の協議プロセスを整理し,多主体が関係する景観デザインのプロジェクトにおけるコーディネーターとしての専門家の役割と工夫を示すことを目的とする.
著者
石川 徳幸
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.434-439, 2018-09-01 (Released:2018-09-01)

情報通信技術の発達にともない,人びとの情報接触行動も次第に変化し,紙媒体を基軸とした新聞産業は明らかな衰退期に入っている。そのため,現在の新聞業界はビジネスモデルの転換を迫られているが,そうした議論の中で常に取り上げられるのが電子新聞をはじめとするデジタル化の問題である。本稿の目的は,新聞がこれまでに取り組んできたデジタルサービスの歴史的過程を概観するとともに,そうした中で変化してきた新聞のメディアとしての特性について検討することにある。さらに,現在の新聞を取り巻く環境を概観することによって,問題の本質を掴み,向かうべき方向性を示唆することを企図している。
著者
白波瀬 朋子 貴田 晶子
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.217-230, 2009 (Released:2009-09-16)
参考文献数
27
被引用文献数
5 6

廃パソコンを詳細解体し,化学分析により40元素について全含有量を求めた。パソコン1台中の基板約1kg (電源基板を除く) には,Ag, Au, Pd, Al, Cu, Pbがそれぞれ,0.79, 0.14, 0.19, 91, 187, 17.8g含まれ,そのうちマザーボードに含まれる割合は,Ag, Au, Pdは58%,Cuは66%であった。廃パソコン11kgに含まれるAg, Au, Pd, Al, Cu, Fe, Zn, Nd, Pbの含有量はそれぞれ,0.79, 0.14, 0.19, 420, 320, 7,200, 77, 23, 20gであった。また,Ni, Sn, Sb, Mg, Mnは57, 28, 2.1, 1.6, 1.0gと推定した。含有量が0.02g以下の金属元素は,Co, Nb, Cd, Te, V, Ga, Sc, 0.01g以下の金属元素は,Se, Ta, As, Bi, In, Hf, Ir, Li, Pt, Tl, Y等であった。2004年の廃パソコンの発生量747万台から,年間に廃棄されるパソコン中の金属量 (廃製品から回収しうる最大量) を推定し,Au, Ag, Pdについてそれぞれ,1.1, 5.9, 1.4tonと見積もった。
著者
立脇 隆文 小池 文人
出版者
Association of Wildlife and Human Society
雑誌
野生生物と社会 (ISSN:24240877)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.15-28, 2016 (Released:2017-06-17)
参考文献数
48

Collecting and accumulating records of wildlife-vehicle collisions are useful for two purposes: to improve road safety, and to monitor the density of wildlife. Such records in Japan are obtained largely from roadkill collected by road managers or cleaners from local or national governments; however, little is known about the records within municipalities. The objective of this study was to provide an overview of roadkill records within municipalities in Japan. Particularly, this study aimed to reveal: the proportion of municipalities that have records of roadkill; the bureau that is mainly responsible for these records within municipalities; how the records are used by municipalities; and what information is usually available in these records. A questionnaire was sent to 650 municipalities across Japan, and was returned by 503 (77.4%) of the municipalities. Of the municipalities that answered the questionnaire, 68.6% recorded roadkill incidents in some way. The answers showed that in the majority of municipalities, cleaners within the municipality recorded roadkill, and road managers did not. About 90% of the records were discarded after 5 years had passed since they were recorded. The municipalities sometimes used the records for accounts of removing roadkill, or to reply to inquiries from citizens or prefectural offices, but rarely used them for preventing wildlife-vehicle collisions. Of the municipalities that answered the questionnaire, 50.1% collected roadkill not only from the municipal roads, but also from the prefectural or national roads, which municipalities have no responsibility to manage. The person removing the roadkill was usually the one to identify what species it belonged to. Each municipality recorded roadkill differently, as either a hand written note or as an electronic file in Microsoft Excel. The information available about roadkill in the majority of municipalities were month, location, and the species or taxa of animal removed. However, only 39.4% of the municipalities recorded all three characteristics. Based on these results, we suggest there should be a standardized system to collect roadkill records in Japanese municipalities, which could be used to improve road safety and monitor the density of local wildlife.
著者
坂元 徹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.343-347, 2018-07-01 (Released:2018-07-01)

知的財産を取り巻く環境は劇的に変化しており,膨大な特許情報をグローバル視点で迅速かつ的確に概要・要点を分析することが求められている。このような状況の下,多くのAI技術を活用した特許調査・解析ツールが開発されており,「Xlpat」もその1つである。本稿では「Xlpat」の基本的機能や使用例について簡単に報告する。
著者
楠岡 成雄
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.289-298, 1993-11-12 (Released:2008-12-25)
参考文献数
41
著者
中村 覚 大和 裕幸 稗方 和夫 満行 泰河
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.1, no.Pre, pp.71-75, 2017-09-08 (Released:2017-09-08)
参考文献数
5

歴史学研究は、歴史資料(以下、資料)の目録データの作成や整理を行う「資料管理」、研究者が資料を用いて研究課題の解明に取り組む「資料研究」、資料や研究成果を広く一般に公開する「成果公開」の三つのプロセスに整理することができる。各々のプロセスは、取り扱うデータや活動主体の違いにより、独立して進められることが多い。本研究では、上述したプロセス間の有機的な連携を支援することを目的とし、各プロセス間で取り扱うデータをLinked Dataを用いて関連づけ、それらを相互に利用可能なシステムを提案する。また、海軍造船中将・第13代東京帝国大学総長であった平賀譲が遺した資料群『平賀譲文書』を対象とした適用事例を通じ、提案するシステムの有用性を評価する。
著者
荒川 義博
出版者
The Vacuum Society of Japan
雑誌
真空 (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.600-604, 1995-06-20 (Released:2009-09-29)
参考文献数
17
著者
多田 忠義
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.347-358, 2018 (Released:2018-06-12)
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
加藤 浩徳 家田 仁 小野田 惠一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.523-530, 2003-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
15

本論文では, 出発時刻選択モデルを用いて, 通勤者の交通行動を分析し, その結果から, 時間の差に対する意識限界を推定した. 出発時刻選択モデルを構築する上で, 通勤者の選択行動に影響を与える説明変数を検討し, 列車待ち時間・乗車希望列車スケジュール早着・同スケジュール遅延・最終不遅刻列車スケジュール早着の組み合わせが適切であることを示した. そのモデルを用いて, 鉄道利用者の通勤行動を分析した結果, 時間の差に対する意識限界は平均運行時隔にして約4分30秒-4分56秒であることが分かった.
著者
中村 勇太 安川 邦美 小路 祐樹 長屋 有祐 片山 龍三 西森 大洋 下田 哲也
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.162-165, 2014-12-25 (Released:2016-02-06)
参考文献数
9

3カ月前からの頻回の粘血便および嘔吐を主訴に来院した9歳の犬において,腹部触診にて腫瘤を触知した。超音波検査およびCT検査を行ったところ,下行結腸において腫瘤病変が認められ,外科的切除を行った。病理組織検査において低分化型リンパ腫と診断されたため,UW25プロトコールに沿った多剤併用化学療法を開始した。第210病日に化学療法を終了とし,第449病日にCT検査を実施したところ,明らかな再発は確認できず経過は良好である。結腸および直腸のリンパ腫の予後はその他消化管に発生するものと比べて非常に良いと報告されており,本症例においても過去の報告と同様に長期の生存期間が得られている。
著者
青木 俊介 菅原 義治 森口 将之 羽藤 英二
出版者
公益財団法人 国際交通安全学会
雑誌
IATSS Review(国際交通安全学会誌) (ISSN:03861104)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.6-14, 2018-06-30 (Released:2018-08-08)

車、バイク、さらに鉄道やバス、タクシーなどの公共交通も含めたモビリティとは、私たちの暮らしと深く関わるものであり、そこに施されたデザインもまた、生活環境や都市空間、街の風景の一部になるものとして、多大な影響力を持っている。社会状況や技術革新、開発者の思考性や思い、利用者のライフスタイルやニーズなどが複雑に絡み合う中から生まれるモビリティデザインは、時代を映す鏡であり、単に“乗り物”という枠を超えて、そこにはさまざまなものが見えてくる。それぞれの専門の立場からモビリティデザインの系譜を辿るとともに、日本におけるモビリティデザインがどのような方向に進もうとしているのか、その将来像と可能性をひもといていく。
著者
山本 啓三 宮島 佐介 コーシャル ラジンダー 山田 裕子 コーシャル マンジュリカ
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会年会予稿集 日本応用数理学会年会予稿集
巻号頁・発行日
pp.7, 2002-09-18 (Released:2003-03-18)

" 我々は前回の講演で高額所得のランキングがベキ乗を示す簡単なモデルを提案した。今回はそのモデルがどうしてベキ乗を示すのかについて検討した。我々はこのモデルがベキ乗を示すのはフラクタル性によるものと考えている。そのフラクタル性を示すの原因はその機構内に入れ子構造が存在するためと考えている。そこで、このモデル内にどのような仕組みで入れ子構造が構成されるのかを調査した。システム内の構成員が現在の所有額になるまでに何人の人たちと競争したか。その競争に参加した者を一つのtree構造のまとめ、そのtreeの大きさ(参加者数)とその件数についてのフラクタル性を調査することにより、構成されている入れ子構造を見つけることができた。 treeの大きさ=(順位)^-1.96 , treeの数=(treeの大きさ)^-1.57"