著者
福田 健
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.47-54, 2018-11-28 (Released:2019-06-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

The lethal effect of Decanoyloctanoylglycerol on eggs and larvae of Plutella xylostella L. was investigated. Decanoyloctanoylglycerol was found to be highly effective for population control in egg stage treatment. In a cabbage field, the mixing of Decanoyloctanoylglycerol with insecticides was suggested to increase the lethal effect. In the egg stage treatment of Saburina® containing Decanoyloctanoylglycerol: one of the products of Bacillus thuringiensis preparation, the effect was observed on the hatchling, and the mortality was 100% at 48 hours in the third instar larval stage treatment. In a cabbage field, Saburina® had a density suppressing effect compared with other BT, suggesting the possibility of it being used as one of the insecticides in the control program of P. xylostella.
著者
大岡 由佳 辻丸 秀策 古里 百合子 鋤田 みすず 福山 裕夫 前田 正治
出版者
久留米大学
雑誌
久留米大学文学部紀要. 社会福祉学科編 (ISSN:13455842)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.17-27, 2004-03

本論では,犯罪被害者に認められる心的外傷,なかんずく監禁被害者の心理的問題について,2000年に起こった西鉄バスジャック事件被害者の様子から考察した.マスコミ報道による資料のほか,実際の被害者の治療経過を提示し,Symonds Mによる4段階の心理反応期に基づいて,被害者の心理的変化を分析した.また,このような被害者に対する適切なケアや支援のあり方についても論じた.

4 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1936年05月06日, 1936-05-06
著者
形井 秀一
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.44-68, 2001-02-01 (Released:2011-08-17)
参考文献数
69
被引用文献数
1
著者
飯田 悠佳子
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.3-10, 2018-10-31 (Released:2019-01-26)
参考文献数
47

The progress of human physical growth and functional development is not always consistent, and it depends on the different tempos and patterns of body parts, organs, and elements of physical fitness. When coaching and/or supporting young athletes, in addition to considerations of training efficiency, it is also important to consider the physical development of young athletes and their growth and development processes in order to avoid overloading parts of the body that have not fully developed due to their young age. Furthermore, since the speed and tempo of physical growth and development in young athletes differs from person to person it is desirable to avoid a coaching and/or support program that treats all athletes in a uniform manner. In other words, in this article I argue it is more beneficial to privilege considerations of biological maturity over chronical age.
著者
村上 唯斗 野澤 博孝 高橋 純
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.45025, (Released:2021-08-03)
参考文献数
18

社会のDXに伴い情報活用能力の育成が求められているが,多くの学校では,能力の育成以前に,関連する指導を実施できているかに課題がある.そこで本研究では,教員が情報活用能力指導の実施状況を把握するための児童生徒を対象としたチェックリストを開発した.「情報活用能力の体系表例」を網羅するような項目の作成,児童を対象とした試行を経て「情報と情報技術の適切な活用」14項目,「問題解決・探究における情報活用」21項目,「情報モラル・情報セキュリティ」9項目からなるチェックリストを開発した.チェックリストを児童を対象に実施し,その結果の考察を担任教員に依頼した.その結果,チェックリストの結果は,教員のもつ知見と組み合わせて考察されることにより,情報活用能力指導の実施状況を把握するために有効であったことが示された.
著者
井上 勝生
出版者
京都大學人文科學研究所
雑誌
人文學報 (ISSN:04490274)
巻号頁・発行日
vol.111, pp.1-65, 2018-03-30

特集 : 日清戦争と東学農民戦争Special Issue: the Shino-Japanese War and the Donghak Peasant War日清戦争の際に, 日本軍は, 朝鮮各地において, 数千人, 数万人の勢力をもって抗戦する朝鮮農民軍に対して, 包囲殲滅作戦を展開した。第2次の東学農民戦争, または甲午農民戦争, 韓国では東学農民革命と呼ばれる。当時の日本公使館が農民軍指導部文書を組織的に奪取し, 日本軍の公式日誌, 「陣中日誌」も重要部分欠落などのために, 現在も東学農民戦争の全体像は明らかでない。東学農民軍を殲滅した大隊の一つが, 後備第19大隊である。その第1中隊に従軍した徳島県出身の一兵卒の「従軍日誌」に, 同大隊が実施した殲滅作戦最前線の実況が記録されていた。本稿前半では, 京畿道利川の市内と近郊, 忠清道可興北の平野にある東幕里, 忠清道清風北の盆地, 城内里で展開した作戦を, 現地調査にもとづいて検証した。当初から殲滅作戦として実施され, 銃撃戦も早くから戦われた。農民軍を捕縛, 銃殺し, 農民軍の拠点村落を焼き払う作戦であった。いわゆる北接農民軍が, 主力の全羅道の南接農民軍へと合同, 参戦したことも見聞して記されていた。後半では, 最大の激戦と言われてきた公州戦争の, その東側, 錦江大渓谷における文義・沃川戦争が, 公州戦争に劣らない大戦争であったこと, 南原においては, 農民軍拠点の城山と民家を重ねて焼き払う作戦を展開したこと, また南西部海岸地域における討滅作戦が, 拷問, 銃殺, 焼殺, 村の焼き払いと, いっそう苛酷に展開したことなどを現地調査も行って解明した。結びでは, 後備部隊に徴兵された「貧困な兵士」群, 苛酷な作戦における士官と兵士の社会史などを検討した。During the Sino-Japanese War, the Japanese Army aimed to annihilate the resisting Donghak Peasant Army. Based on our detailed fieldwork in Korea, we were able to reenact the military operations of the Japanese Army against the Peasant Army, as described in the Soldiersʼ Campaign Journal 従軍日誌〕.Thus, we have verified the fact that the Japanese campaign was indeed one of complete annihilation, carried out in the city, as well as in the plains, hills, valleys, and mountain castles, by capturing and killing the members of the Peasant Army and burning their villages.
著者
木瀬 晃周 有川 太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_385-I_390, 2020 (Released:2020-11-04)
参考文献数
19
被引用文献数
2

津波は土砂を含んだ場合,通常の海水に比べて密度が増し,波力が増大することで,建造物等に大きな影響を及ぼすと考えられている.宮城県気仙沼市に残っていた東日本大震災時の津波の水を調べたところ,含まれる土砂の中央粒径は6.74µmと多くはシルトに分類されるような細かいものであった.既往の土砂混じりの津波の波力や氾濫水密度,シルトを含む津波の波力を明らかにした研究はないため,本研究では土砂やシルトを含んだ津波に関して実験を行い,密度や水面角度,波力の大きさ等を比較,波圧係数による検討を行った.その結果,フルード数が同じであっても土砂が混じることで相対的に波圧が増大する可能性があることが示された.
著者
丸山 祥 松本 仁美 岡和田 愛実 新藤 恵一郎 赤星 和人 金子 文成
出版者
三輪書店
巻号頁・発行日
pp.1437-1442, 2020-12-15

Abstract:脳卒中後の重度上肢麻痺に対する視覚誘導性自己錯覚(KINVIS)療法と従来型運動療法による複合療法に,Aid for Decision-Making in Occupation Choice for Hand(ADOC-H)を加えたアプローチによって日常生活での手の使用に変化がみられたので報告する.患者は50代男性で,左脳梗塞発症後3.5年経過していた.介入(10日間)は,①視覚誘導性自己錯覚療法,②従来型運動療法,③ADOC-Hを用いたアプローチを毎日行った(③のみ7日間).結果,上肢運動機能の改善を認め,日常生活での麻痺手の使用が増加した.本結果は,視覚誘導性自己錯覚療法と従来型運動療法によって運動機能改善が得られ,さらにADOC-Hを用いたアプローチによって日常生活での麻痺手の使用が促進することを示唆している.
著者
斎藤 翔 小林 達明 高橋 輝昌
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.168-173, 2017 (Released:2018-03-15)
参考文献数
17
被引用文献数
2 3

有機物層除去試験が行われた福島県川俣町山木屋地区の落葉広葉樹林の林床にリターバッグを設置し,2016年 5月から 10月にかけて,リターバッグを毎月採取し,逐次抽出法によって 137Cs の吸着様式の変化を調査した。その結果,リターバッグ内リターの 137Cs 濃度は増加傾向であり,不可給態は 5月には 17%であったが,10月には対照区で 76%,林床処理区で 89%に増加した。このことから,リターの分解を行う糸状菌の体内に 137Cs が吸収,蓄積され不動化している可能性が考えられた。また林床の有機物層除去は,リターバッグ内リターと土壌の混入を引き起こし,粘土鉱物による 137Cs の固定化を促進する可能性が考えられた。
著者
吉野 由美子
出版者
視覚障害リハビリテーション協会
雑誌
視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.120-120, 2012

<B>【目的】</B><BR> 現在、デジタルカメラをはじめ、iPadなどのタブレット端末の性能の格段の進歩は、ロービジョン者の見る能力を助け、ロービジョン者のQOLの向上に役立つと期待されている。本稿は、筆者がスクーバダイビングツアーにおいて、実際に体験した事実を元に、iPadとデジタルカメラを組み合わせることによって、デジタル機器がロービジョン者の見る能力を格段に増すことができるという可能性を証明することを目的としている。<BR><BR><B>【方法】</B><BR> 筆者が参加した4泊5日のダイビングツアー中のブリーフィング場面、ダイビングガイドによる、筆者への小生物の説明場面や、その見せ方について観察し、撮影を行った。<BR><BR><B>【結論】</B><BR> デジタルカメラを使って、海の中の小生物を撮影し、あるいは動画に撮って、iPadに取り込み、拡大しながら細部にわたり説明するという手法は、障害のないダイバーにとっても、ロービジョン者にとっても非常に分かりやすく有効な手段である。<BR> また、ロービジョン者が自らデジタルカメラで撮影したものを、ダイビング終了後に、iPadに取り込み、拡大して細部を確認することは、その小生物を撮影できたという達成感と、その結果を自ら確認できるという点で大きな利点を持つ。<BR> このように、デジタル機器の進歩と、それらの機能を組み合わせて使用することによって、ロービジョン者が今まで見ることができないと思っていたものを見られるようになるという大きな可能性を持っている。それと同時に、その可能性を引き出すためには、見せようとするものに関する知識を持ち、ロービジョン者と共に見る楽しみを共有しようという熱意を持った支援者 (ダイビングガイド) の存在が不可欠である。<BR> また、この上記の手法は、教育現場やリハビリテーション過程に取り入れて有効に活用することが可能である。
著者
中山 郁英 水野 大二郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.2_43-2_50, 2021-09-30 (Released:2021-11-03)
参考文献数
54

本稿では行政とデザインについて議論するための共通の土台をつくることを目的とし,行政とデザイン双方から歩み寄ってきた背景を,行政とデザインの統合の場としての「公共イノベーションラボ」を起点とし,文献レビューを中心に解説した。行政側では,1)行政課題の複雑化や,2)行政サービスのデジタル化,3)多様な主体が参画する形への行政改革の進展といった変化が起きており,それを解決推進する手段としてデザイン,特にサービスデザインが注目を浴びるようになった。また,デザイン側では,プロダクトなどの伝統的分野から,サービスやシステム分野への関心の広がり,また社会的課題をテーマとするソーシャルイノベーションのためのデザイン分野の活発な活動が,行政組織でのデザイン実践へと繋がっていったことを整理した。最後に,行政組織においてデザインを実践する際の論点として,1)政策過程のどの部分にデザインが介入するか,また2)行政組織とデザイナーがどのような関係性で協働するのか,という2点について展望を述べる。
著者
乾 崇夫 高幣 哲夫
出版者
The Japan Society of Naval Architects and Ocean Engineers
雑誌
造船協會論文集 (ISSN:18842062)
巻号頁・発行日
vol.1961, no.110, pp.75-89, 1961 (Released:2009-07-23)
参考文献数
12
被引用文献数
1

今春3月, 瀬戸内海航路高速客船くれない丸を供試船として, Waveless船型理論にもとづく超大型バルブの「船首波打消し」の実船試験が行なわれた。今回これを「水槽試験」・「実船試験」・「波形観測」の3篇にわけて報告する。以下はその第1部 (前篇) 「水槽試験」の報告であるが, ここでは他の2篇と異なり, 記述の範囲を今回行なわれた実船試験のみに限定しないで, くれない丸の計画当初から現船型決定の経緯にまでさかのぼり, くれない丸がその計画・建造・就航・実船試験の各時点において東大水槽におけるWaveless船型理論の発展の経過といかに交渉しあつたかをあきらかにすることに意を用いた。Waveless船型理論では在来の水槽試験のほかに, 「波形分析」という新しい船型学的手法を重視する。今回も当然模型・実船の両方についてこの「波形分析」が試みられたが, この部分は一括して第3部 (後篇) 「波形観測」で取扱われている。なお, 第2部 (中篇) 「実船試験」では, 中心となる速力試験のほかにZ操船試験と旋回試験とにもふれられている。