著者
沖田 肇
出版者
日本精神衛生学会
雑誌
こころの健康 (ISSN:09126945)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.10-15, 2001-06-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
10
著者
西田 圭吾 内田 亮太
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.675-679, 2018 (Released:2018-07-01)
参考文献数
16

亜鉛は生命活動に必要とされる必須微量金属元素の1つであり、1960年代に相次いで報告された亜鉛欠乏症が契機となって様々な生体機能における亜鉛の関与が示されている.亜鉛の恒常性は亜鉛トランスポーターやメタロチオネインによって制御されており、主として遺伝子ノックアウトマウスを用いた一連の研究によって哺乳類の初期発生、全身成長、生体防御機能などにおける亜鉛の恒常性の意義が分子レベルで明らかになりつつある.一方、外傷や感染症で皮膚の表皮層が壊されると、止血と炎症から始まる極めて複雑な一連の生体反応が起こる.その治癒にいたるまでの過程を皮膚創傷治癒という.この皮膚創傷治癒に、亜鉛がポジティブに制御していることは古くから知られていた.しかしながら、具体的に亜鉛が皮膚創傷治癒の過程にどのような役割を担っているか十分に理解されていなかった.今回、マスト細胞が放出する亜鉛が皮膚創傷治癒を制御する新しい機序に関して、著者らの研究グループで得られた知見を中心に紹介する.
著者
佐竹 將宏 塩谷 隆信 高橋 仁美 菅原 慶勇
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.286-290, 2019-11-30 (Released:2020-01-28)
参考文献数
23

6分間歩行試験(6MWT)は,運動耐容能を評価するフィールド歩行テストのひとつであり,呼吸運動療法には必須の評価項目である.6MWTは2002年ATSからガイドラインが発表され方法の統一が提案された.2014年にはERS/ATSからシステマティック・レビューとテクニカル・スタンダードが発表された.6MWTの一次評価項目は6分間歩行距離(6MWD)である.6MWDの予測式はEnrightらによって報告されている.日本人の予測式は間もなく本学会から報告される予定である.6MWTは,「6分間にできるだけ長い距離を歩くこと」と定義されている.我々は6MWTの運動負荷は定常負荷であること,また携帯型呼気ガス分析装置等を用いて,6MWTの負荷強度は嫌気性代謝閾値以上であることを示唆した.近年,6MWTは多くの呼吸器および循環器疾患の運動耐容能の評価に必要な検査となってきている.6MWTについて,その生理学意義や特性を理解し,さらにどの施設においても標準的な方法で実施できることが大切である.

31 0 0 0 OA 支那事変実記

出版者
読売新聞社編輯局
巻号頁・発行日
vol.第5輯 大東亞戰史 〓編, 1942
著者
齋藤 圭介
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.386-403, 2017 (Released:2018-12-31)
参考文献数
44
被引用文献数
1

社会科学の分野において, 政治学者を中心に1990年代後半から定量的研究と定性的研究のあいだで方法論についての論争が生じた. 定量的な方法論が定性的なものよりも科学的であるという主張にたいし, 定性的研究者は反論する過程で方法論・手法を洗練させていく.本稿の目的は, こうした定性的研究者の新たな方法論のうち質的比較分析 (QCA) に注目をし, 社会科学の分野で生じているこの方法論争を検討することで, 社会学で目下進んでいる方法論の多様化に積極的な意義を見いだすものである.本稿の構成は以下のとおりである. まず定量的・定性的研究という枠組みで方法論争が先鋭化した社会科学の方法論争を取り上げ, そこでの論点を整理する (2節). 続いてQCAの方法論を概観したのち (3節), 定量的手法とQCAの支持者たちが, 定量と定性の方法論をめぐる論点にたいして, どこに・いかに対立しているのかを確認する (4節). 以上の議論をまとめ, 方法論の対立は, 単なる手法 (テクニック) 上の違いにとどまらずその方法論が拠って立つ世界観にまで及ぶ根深い問題であることを指摘し, 方法論間にあるトレードオフの問題を考察する. そして現在の社会学の方法論の多様化という現状の理解に資する知見を導出し結論とする (5節).
著者
小澤 京子
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:18846351)
巻号頁・発行日
no.61, pp.35-48, 2020-03-31

「レトロブーム」とともに人気を博した丸田祥三の廃墟・廃線写真集『棄景』シリーズ、最終戦争後の荒廃した未来都市を舞台とする大友克洋の漫画『AKIRA』(1982年〜)、根岸競馬場跡の廃墟での撮影を含むミュージックビデオ『A Y.M.O. FILM PROPAGANDA』(1984年)、廃工場を舞台背景とした東京グランギニョルやBIS-SEAL-PISHOPの演劇(1985-87年)、都市の中の廃墟とそこに集う「棄民」的な人々を描いた映画である山本政志監督『ロビンソンの庭』(1987年)や松井良彦監督『追悼のざわめき』(1988年)、取り壊し中の建築物を被写体とする宮本隆司『建築の黙示録』(1988年)、スクラップと身体が融合するイメージを扱った三上晴子の作品群や塚本晋也監督『鉄男』(1989年)など、1980年代の日本では、とりわけサブカルチャーの領域を中心に、「廃墟」、「遺棄された場所」、「スクラップ」というテーマが特徴的に現れ出る。そこには、長い伝統を持つ西洋の廃墟愛好や廃墟表象とは異なる時代性が刻印されている。それは、1980年代における核戦争の脅威、高度経済成長終了後の産業構造と労働市場の変化、バブル期の開発による都市のラディカルな変貌、それらがもたらす人間の棄民化、身体の廃墟化である。本稿では、1980年代の「廃墟、遺棄された場所、スクラップ」の系譜をたどりつつ、1980年代固有の都市の態様と、人間の身体が置かれた状況とを明らかにしてゆく。
著者
磯田 節子 田島 秀一 原田 聡明
出版者
独立行政法人 国立高等専門学校機構熊本高等専門学校
雑誌
熊本高等専門学校研究紀要 (ISSN:18846734)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.53-60, 2009 (Released:2021-12-01)

It is the purpose of this paper to clear the architectural characteristics of the KOGANE. The followings were clarified .It seems that KOGANE was built for Japanese-style architecture in the red-light district in the early Meiji-era. It was a peak of skill of Japanese wooden architecture. So the transoms of moon & bats , gooses fretwork were very fine skill and specific architectural characteristics. And the law balustrade surrounded Japanese veranda was too. The only KOGANE has existed in formerly those days architecture.
著者
木下 千尋
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.63, 2022 (Released:2022-04-11)
参考文献数
66
被引用文献数
3

体内で産生される代謝熱を熱源として体温を環境温度より高く保つ性質を内温性、外部の熱源によって体温が左右される性質を外温性という。爬虫類は一般的に外部の熱源に依存して体温を調節する外温動物だが、一部の海棲爬虫類は高い内温性を持ち、環境温度よりもある程度高い体温を保っている。動物の体温は体に出入りする熱エネルギーの収支によって決まり、体サイズや代謝速度と密接に関わっている。本論では、内温性を持つ海棲爬虫類として、特にウミガメ類に焦点を当て、体サイズと代謝速度に着目しながら体温を水温よりも高く保つメカニズムを解説する。さらに、遺伝的隔離のあるアカウミガメの個体群間で見られた休止代謝速度と体温の違いに注目し、エネルギー面での生態学的意義を議論する。
著者
岩山 訓典 久保 靖憲 小野 尚志 笠茂 紗千子 飯田 慎也 大滝 康一 山田 峻史 安達 知輝 福土 将秀 粟屋 敏雄 田﨑 嘉一
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.7, pp.333-340, 2018-07-10 (Released:2019-07-10)
参考文献数
6

One-dose packages are useful for managing complicated medication regimens for older patients. We experienced a case of Bayaspirin® tablet 100 mg (BA) and Micardis® tablet 40 mg (Mic 40) that were fused in a one-dose package at the time of medicine reconciliation. To our knowledge, there are no previous reports assessing the quality of these tablets caused by this physical incompatibility. Therefore, we aimed to examine this phenomenon and its impact on the drug compositions, as well as to identify the mechanisms.BA and Mic 40 in one-dose packages were stored at 30℃/75% relative humidity (RH) or 93%RH condition for 1 week. The stability evaluations were performed on appearance change, hardness, content, and dissolution rate. The active ingredients in each tablet were investigated to determine the mechanisms.Mic 40 showed changes in appearance and hardness, while BA showed a changed appearance, and reduced content and dissolution rate. The enteric coatings of BA and the additive in Mic 40 had an influence on the mechanism of incompatibility.Mic 40 contains meglumine, which is hygroscopic and deliquescent. Therefore, meglumine absorbs moisture and becomes a basic solution. Methacrylic acid copolymer LD dissolved in this basic solution results in adhesion with Mic 40 and leads to a decrease in both the content and the dissolution rate in BA. This is the first study to analyze the physical incompatibilities of enteric-coated aspirin tablets with non-coated telmisartan tablets in one-dose packages and provides useful information for clinical practice.

31 0 0 0 OA 3)肝臓と腎臓

著者
渡辺 毅
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.9, pp.2544-2551, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
49
被引用文献数
1 1