著者
植木 岳雪
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.11, pp.75-82, 2018-02

著者が今までに受け取った79通の不採用通知の文面を分析した結果,研究者の不採用通知は平成22~25年の方が平成11~14年よりも「お祈り」または「祈念」と,「ますます」という表現が含まれるものの割合が増加した。研究者の不採用通知は,ビジネス文書のような定型の文面を主とし,より簡素で事務的なものになってきたことがわかった。その要因として,1つの公募に対する応募者数が増えたため,採用側が応募者に不採用通知を送る際の手間を少なくするようになったことが考えられる。
著者
伊藤正徳 著
出版者
高瀬書房
巻号頁・発行日
1932
著者
中島 福男
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.75-80, 1997-10-08
参考文献数
20
被引用文献数
1
著者
大塚 篤司 椛島 健治
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.973-977, 2014 (Released:2016-09-30)
参考文献数
22

我が国には約40万人のアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis;AD)の患者がいるとされる.ADは慢性的なかゆみを伴う皮膚疾患であり,その背景として湿疹ができやすい体質があると考えられている.その体質として皮膚の乾燥が候補因子であったが,十分な解析はなされていなかった.ところが,2006年にADの有病率とフィラグリン遺伝子の相関関係が指摘されたことで,皮膚のバリア機能と免疫とのクロストークが注目を集めることとなった.
著者
古後 晴基 黒澤 和生 長谷川 敦子 有賀 透仁 秋吉 祐一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.41-44, 2010 (Released:2010-03-26)
参考文献数
13
被引用文献数
8 4

〔目的〕研究1は健常者の筋硬度を定量化し性差を検証することである。研究2は筋硬結を有する筋・筋膜痛症候群(Myofascial Pain Syndrome:以下MPS)において,筋疼痛と筋硬度との関連性を明らかにすることである。〔対象〕研究1では20歳代健常者52名とした。研究2では,病院受診者で画像検査・神経学的検査所見に異常がなく,慢性の腰痛を訴え最長筋に筋硬結を有する者44名とした。〔方法〕研究1では,最長筋,僧帽筋,大菱形筋の筋硬度を筋硬度計にて測定した。筋硬度の性差をt検定にて検証した。研究2では,筋硬度は筋硬度計にて測定し,筋疼痛は数値的評価スケール1)(numerical rating scale:以下NRS)にて測定した。筋疼痛と筋硬度との関連性をPearsonの相関係数にて検証した。〔結果〕研究1では,僧帽筋において,女性は男性と比較して有意に高い値を示したが,最長筋と大菱形筋においては,有意差は見られなかった。研究2では,筋硬結の筋疼痛と筋硬度との相関関係は弱かった。〔結語〕僧帽筋において,女性は男性と比較して筋硬度が高いことが分かった。筋硬結を有するMPSにおいて,筋疼痛の程度は筋硬度の程度に影響されないことが分かった。
著者
Yasumaro Kakehi Tomotaka Iwata
出版者
The Seismological Society of Japan, The Volcanological Society of Japan, The Geodetic Society of Japan
雑誌
Journal of Physics of the Earth (ISSN:00223743)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.635-655, 1992 (Released:2009-04-30)
参考文献数
32
被引用文献数
8 7

The fault plane model was constructed and the rupture process of the 1945 Mikawa earthquake (M=6.8) was determined from strong motion records. To date, two fault plane models have been reported, one of which uses geodetic data and the other the aftershock distribution. The fault plane model presented here is a thrust that strikes NNW-SSE with a small right-lateral component. It explains the strong motion records, surface fault traces, aftershock distribution, and geodetic data. Rupture started at the deepest and southernmost point on the fault plane and propagated radially. The values of the slip and seismic moment were 3.0 m and 1.0 × 1026 dyne cm. The possibility is shown that the Mikawa earthquake was a multiple shock. The faulting motion of the Mikawa earthquake determined here, which is estimated to have been caused by a WWS-EEN compressional stress, cannot be explained by the stress field caused by the subduction of the Philippine Sea Plate alone. Another factor that produced a WWS-EEN compressional stress field in this area is believed to have had an important role during the stress accumulation process of the Mikawa earthquake.
著者
加藤 友規 清水 一樹 阪上 富男
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.447-452, 2017-03-31 (Released:2017-09-13)
参考文献数
33
被引用文献数
1 4

Designated Place of Scenic Beauty "Murin-an Garden" was built between 1894 to 1898. The garden was created by Jihei Ogawa VII (7th), under Aritomo Yamagata’s instructions. This naturalistic garden received high ratings ever since it was created. Old photographs of Murin-an were newly found showing old sceneries of Murin-an, photographs are owned by the General Yamagata Memorial Foundation. This paper analyzes these old photographs to enhanced our knowledge of the former scenery of Murin-an, and to decipher how the garden was utilized in the past.Scenery in old photos will be compared with the current scenery, as well as the utilization differences of the garden.In these old photographs, are the two young pine trees that the Meiji Emperor gifted Aritomo, called "Onshi Chisho," but after they wilted and died, new pines were planted in replacement. The huge scenic rock, "Daigo-no-Ohishi" was brought from the Daigo mountains, but currently hard to see because of tree branches. Other differences in scenery between the old photos and today include scenery around the tea house, the trees growing around the garden border, and the looks of the garden path. Hence, referring to old photographs assist the analysis of garden transitions.
著者
小峯 敦 藤田 菜々子 牧野 邦昭 古家 弘幸 橋本 努 原田 太津男 堂目 卓生
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、3つの時代と2つの国(および全世界)という特徴的な時期・国に焦点を当て、「戦争・平和と経済学」の複雑な関係を歴史的・思想的に精査することで、「経済学は戦争を回避し平和を構築することに貢献できるのか」という根源的な問いに回答する。初年度に続き、二年目はこの共同研究を軌道に乗せ、特に、(a))学術雑誌(英語)の「戦争と平和の経済思想」シリーズを特集させること、(b)近隣の社会科学者や政策担当者に開かれた形で、日本語による専門書・啓蒙書を編纂すること、という二点を推進した。その具体例として、(a)学術雑誌History of Economic Thoughtにおいて、War and Economicsというシリーズを2017年度中に3回連載し、研究分担者・連携研究者による3本の英語論文を掲載した。また、(b)いくつかの出版社と交渉し、『戦争と平和の経済思想』(晃洋書房、2018年度後期に出版予定)として出版するべく、11人による原稿を集め、草稿を検討する研究会も行った。2017年度における最大の実績は、Fabio Masini (the University of Roma Tre, Italy) とMaria Paganelli (Trinity University, USA)という研究者を招き、2日間に渡り、広島修道大学で国際会議を開催したことである(2017.9.4-5)。平和記念館の資料にもアクセスできたことは大きな収穫であった。二番目の実績は、経済学史学会・全国大会で、スミス研究の世界的権威Nicholoas Phillipsonの招待講演を実現したことである。特に、現実主義的な側面をスコットランド啓蒙研究の立場から、一般会員にも平易に講演された。
著者
吉村 信吉
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.365-381_1, 1943-07-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
13

1) 昭和17年12月及び18年1月の低水時に原町田及びその西方の相模野臺地の地下水を調査した。 2) 本地域の一般地下水ば臺地面下23~17mにあり,地形に從つて北西より南東に向つて低下する。その面は境川の河水面と平衡を保ち下の不透水層とは無關係である。原町田附近では町田川及びその支谷の底が低い位置にあるのでそれに向ひ流出し,地下水面は境川との間に分水線を作ることなしに低下してゐる。これは境川中流の冬季の水量を減少させる1つの原因である。 3) 大沼,鵜野森,原町田,金森の3宙水域が本水面上10~15mの所に發達してゐる。武藏野臺地と異なり中央は邊縁部よりも10m近く盛上つてゐる。原町田に於ては宙水域の端を精密に觀密することが出來た。 4) 聚落の發生,立地と地下水との關係を略述した。
著者
市原 優 升屋 勇人 窪野 高徳
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.92, no.2, pp.100-105, 2010 (Released:2010-06-17)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1 1

日本の冷温帯の代表種であるコナラとミズナラの堅果壊死の病原菌を明らかにするために, コナラとミズナラの壊死堅果に偽菌核を形成して発生するCiboria batschianaの病原性と発生生態を調査した。C. batschianaの菌叢をコナラとミズナラの堅果に接種した結果, 両種ともに堅果は壊死し偽菌核を形成し, 接種菌が再分離されたことから, C. batschianaにはコナラとミズナラの堅果を壊死させる病原性があることが確認された。岩手県のコナラ林では, 子嚢盤が発生した9月下旬に堅果が落下し, 10月には楕円形の一部壊死が認められ, 融雪後の4月には感染堅果のほとんどが偽菌核を形成していた。本菌は秋季にコナラ堅果に感染して病斑を形成し, その後融雪時期までに堅果全体を壊死させ偽菌核を形成すると考えられた。