著者
新井 朝雄
出版者
龍谷哲学会
雑誌
龍谷哲学論集 (ISSN:09176284)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.1-42, 2018
著者
足立 大育 十代田 朗 津々見 崇
出版者
一般社団法人 日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.145-151, 2021 (Released:2022-06-04)
参考文献数
11

本研究は 1980 年代にブームとなったまちづくり運動である「ミニ独立国運動」の持続性について調査したものであり、インターネット検索にて現在活動が確認できたミニ独立国 40 か国を対象にアンケート、ヒアリングを行った。本研究の調査より、持続にはミニ独立国運動の特徴である「パロディで楽しくやること」と「地域の一体感を作ること」が重要であり、持続性のためには住民のやる気と自治体の人材・資金を組み合わせる方法が考えられる。ミニ独立国の活動の持続に初期の施策の充実度は関連しないが、活動の派生には施策の充実度が重要であると考えられることが分かった。
著者
真木 太一 脇水 健次 礒田 博子 杜 明遠 八田 珠郎 安部 征雄 山田 パリーダ 川野 光子 吉越 恆 森尾 貴広
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

中国敦煌・奈曼の開墾農地のダスト量・濃度には人間活動が大きく影響する。リアルタイムPCR解析DNA鑑定法により沖縄・福岡・つくば採集黄砂から口蹄疫ウイルス付着の可能性を確認した。黄砂の構成鉱物は塩類と二次生成物が主で硫酸塩の含水鉱物があり、最表面には人為起源の窒素が偏在し、石膏付着から中性のpHと高湿度の輸送気象環境が推測できた。2010年3月の宮崎県内口蹄疫の初発生は、中国甘?省の豚口蹄疫の付着黄砂が伝播源と推測された。
著者
安永 憲司
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1_81-1_92, 2017-01-25 (Released:2017-03-25)

暗号技術の設計にゲーム理論の手法を利用した研究が行われるようになっている.本稿では,暗号の研究においてゲーム理論がどのように関わっているかについて概説する.特に,暗号プロトコルにおける合理的なプレイヤー,均衡概念による安全性の特徴付け,報酬を利用した委託計算について解説する.
著者
吉田 剛 内山 靖 熊谷 真由子
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.143-150, 2003-12-30 (Released:2020-08-21)
参考文献数
16
被引用文献数
1

目的:嚥下時の喉頭運動が片麻痺や異常姿勢による頸部周囲筋の筋緊張異常により二次的にも阻害されうることに注目し,喉頭位置と喉頭挙上筋の筋力に関する臨床的指標を開発した.本研究の目的はこれらの指標の信頼性を検証し,臨床導入の可能性を模索するために,健常人の加齢・性差による影響を含めた基礎資料の獲得と,慢性期脳血管障害 (CVD) 患者との比較から開発した指標の臨床的有用性を明らかにすることである. 方法:対象は健常者,高齢者,CVD患者の109名であった.そのうち,検者内および検者間信頼性の検証は,嚥下障害のあるCVD患者10名を対象とし,加齢変化と性差の影響の検証は,健常若年者群30名と,高齢者群17名,CVDの有無については,高齢者群17名と慢性期CVD嚥下障害なし群20名,嚥下障害の有無については,慢性期CVD嚥下障害なし群20名とあり群32名を対象として各2群間を比較した.測定項目は,相対的喉頭位置を求める指標として,頸部最大伸展位でオトガイから甲状軟骨上端間距離GT,甲状軟骨上端から胸骨上端間距離TS,この2つの指標からGT/(GT+TS)を算出することによる相対的喉頭位置 (以下,喉頭位置) とし,喉頭挙上筋の筋力は頭部最大屈曲位での保持能力を頭部落下程度で4段階に分けるGSグレードとした. 結果および考察:検者内信頼性ICC (1,1) は,GT=0.943,TS=0.837,GSグレードは100%の一致率であった.検者間信頼性ICC (2,1) は,GT=0.905,TS=0.926,GSグレード=0.943であり,測定の信頼性は高かった.健常若年者群では,GT=6.4±0.9cm,TS=12.2±1.0cm,喉頭位置=0.34±0.04,高齢者群では,GT=6.6±1.0cm,TS=9.5±1.1cm,喉頭位置=0.41±0.05であった.以上より,加齢によりTSが短縮することで喉頭位置が下降することが明らかとなった.性差については健常若年者群でGTのみ有意差がみられた.また,CVDの有無による有意差はみられなかったが,嚥下障害の有無では,慢性期CVDにおいてTS,喉頭位置,GSグレードに有意差が認められ,本指標の臨床的有用性が示唆された.
著者
村越 一哲
出版者
日本人口学会
雑誌
人口学研究 (ISSN:03868311)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1-16, 2013-06-30 (Released:2017-09-12)

本稿は,死産統計の信頼性を明治,大正および昭和戦前期を対象として検討することを目的とした。まず大阪府の「墓地及埋葬取締細則」と「産婆規則」の内容を提示し,死産の無届を減らす方向に作用したと指摘されている1884(明治17)年の「墓地及埋葬取締規則」だけでなく,1899(明治32)年に定められた「産婆規則」が「墓地及埋葬取締細則」を改正させ,それがさらなる死産の無届減少につながったのではないかと推測した。20世紀に入っても死産統計の精度が高まる余地が残されていたという主張である。では20世紀において届出改善が進んだのはいつか,そして届出が改善された後の死産統計は信頼できるのか。つぎにこれらの問いのうち,前者つまり無届が減少した時期を,死産率と新生児死亡率の動きから検討した。母体の健康状態の影響を直接受ける死産率と新生児死亡率は,上昇する場合,低下する場合のいずれであっても同じ方向に動く傾向にあることを説明したうえで,1900年代の死産率と新生児死亡率は整合的な動きをしていないことを示した。そこからいまだ届出改善が進みつつあったのではないかと推測したのである。他方,1910年以降の両死亡率の動きは整合的であることから届出改善が進んだ結果と解釈した。さらに,先に示した問いのうち,届出が改善された後の死産統計は信頼できるのかという問いについて検討した。無届が減少した後にも新生児死亡(出生後の子どもの死亡)を死産として届け出るという「届出違い」が残存していたことから,「届出違い」数を推計し,そのことをとおして1910年以降における死産統計の精度を明らかにしようと試みた。昭和戦前期を基準としたとき,登録死産数に占める推計された「届出違い」数の割合は,1910年代では最大20%,また1920年代前半では最大10%であった。明治末年から大正期においては,いまだ無視できないほどの届出違いが残存していたのである。いいかえれば,登録死産数の最大10%から20%を除けば現実に近い死産率を求められるという程度の精度であったということである。
著者
相田 潤 草間 太郎 五十嵐 彩夏 小関 健由 小坂 健 人見 早苗 渡部 千代
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.72-80, 2021 (Released:2021-05-25)
参考文献数
13

歯科衛生士不足が問題となっている.そこで産業保健分野で重要な職業性ストレスモデルに基づき歯科衛生士の離職原因となりうる要因(離職関連要因)を検討し,歯科医師との認識の違いを分析した.2017年度に宮城県内の歯科衛生士1,334人,歯科医師1,185人を対象に郵送の質問紙による横断研究を実施した.6つのストレスモデルに基づく質問を用い,歯科衛生士と歯科医師の回答の差をχ2検定で分析をした.歯科衛生士313人(回収率:23.5%),歯科医師213人(同:18.0%)の回答の内,欠損値のない各303人と174人のデータを用いた.歯科衛生士の離職関連要因は,「人間関係の問題」(78.2%)や「時間面の労働条件」(68.6%),「給与面の待遇」(58.4%)の回答が多かったが,歯科医師はそれらは有意に少なく「産休育休の問題」の回答が有意に多かった.人間関係の問題の内訳は,歯科衛生士は「院長との問題」,歯科医師は「スタッフ間の問題」が最も多く有意な差が認められた.労働条件の内訳は歯科衛生士・歯科医師ともに「勤務時間」が最も多かった.しかし,歯科衛生士は有給休暇や残業についての回答も有意に多かった.就業していない歯科衛生士は,非常勤で復職を望むものが最も多く,午後から夕方の勤務は避けたい者が多かった.歯科医師と歯科衛生士の間で離職原因の認識に大きな差が存在した.これらを解消することで,歯科衛生士の離職を防止し,復職を支援する環境につながる可能性がある.
著者
斎藤 里美
出版者
日本教師教育学会
雑誌
日本教師教育学会年報 (ISSN:13437186)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.76-86, 2021 (Released:2023-03-27)
参考文献数
12

Data-driven education and its aims of adaptive learning are substantially transforming the roles of schools and teachers. It has not only introduced drastic changes to pedagogical methods but also impacted the utilization of time and space at schools. It has also altered the goals and assessment in education. Therefore, this paper examined the impact of the shift to data-driven education on the role and development of teachers from the perspectives of policies, research trends, and teaching practices. The results of the study yielded the identification of three significant roles which teachers will be expected to play in the future: the collector and analyst of data on learning and teaching, the examiner of the educational value of teaching practices that cannot be reflected in the data, and the coordinator who shares anew the public role previously fulfilled by schools and teachers with children, their parents, and the community. However, such roles involve intensive responsibilities and could increase the difficulties of the teaching profession if we depend only on teachers to fulfill them. In such a context, studies on teacher education confront the need to redefine the roles played by teachers in public education.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1918年11月22日, 1918-11-22
著者
太田 啓路 河合 隆史 海老根 吉満 山口 理恵
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.343-351, 2004-12-31 (Released:2017-02-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

We simulated videogame scenes in simplified 3D computer graphics and evaluated the discomfort from the images by altering the simulation parameters. In the evaluation, the subjects viewed the images including oscillating motion and rotating motion with or without a fixation object. The subjective symptoms on the discomfort of image, degree of motion sickness, sense of eye movement and body movement were assessed by a 5 point rating questionnaire. Besides, the eye movements during viewing the stimuli were measured by using video camera. We found a significant relationship between the discomfort of the images and the sense of eye movement under the condition of oscillating motion. Moreover, the eye movements were reduced by adding the fixation object into the images.
著者
森 雄兒
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.20-25, 2017-03-16 (Released:2017-04-10)
参考文献数
7
被引用文献数
3

計量法の改正に伴い全面SI化が導入され,商品売買に使用される単位が,重力単位系からSI単位系にシフトされた。そして「重さ,重量」の単位による商品売買が使用禁止され「質量」の使用が義務づけられた。このときを前後して経産省は,「重さ,重量」=「質量(mass)」というSI単位系に反する用語法を容認する方針を採用した。このため,物理の学習者を中心に「重さ,重量,質量」について混乱や誤解を及ぼしつづけている。
著者
北原 糺
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.121, no.8, pp.1056-1062, 2018-08-20 (Released:2018-09-11)
参考文献数
35

メニエール病診療ガイドラインにおける診断基準は, 回転性めまい発作に耳鳴, 難聴の増悪が随伴し, それらが発現, 消退を繰り返す, というように臨床症候を中心に定められている. 難聴は低音障害型の感音難聴から始まる. 進行すれば中高音域にも感音難聴が生じ, 全音域に増悪していく. めまい発作は自発性で, 10分以上数時間続く回転性を基本とするが, 浮動性の場合もある. メニエール病の側頭骨病理は内リンパ水腫である. 30~40歳代, やや女性に多く, ストレスや不規則な生活がメニエール病の発症と因果関係を持つとされている. しかしながら, ストレスと内リンパ水腫発生, メニエール病発症のメカニズムは未解明である. 両耳罹患率は10~40%, 罹病期間の遷延化によりその率は上昇する. 罹病期間の遷延化, 両耳罹患により, 神経症やうつ病の合併率も高まる. できる限り早期に適切な治療を見出すことが肝要である. メニエール病診療ガイドラインにおける治療アルゴリズムは, まず規則正しい生活指導, 水分摂取と有酸素運動の励行にはじまる. 指導が有効でない場合には, さらに利尿薬, 循環改善薬による内耳メインテナンスと抗めまい薬, 抗不安薬, 制吐薬による対症治療を手掛ける. 保存治療が無効であれば, 機を逸することなく外科治療を考慮する必要がある. 最近では, 外科治療を選択する前に, 鼓膜マッサージ器を用いた中耳加圧治療が提案されている.