著者
狩野 紀昭 瀬楽 信彦 高橋 文夫 辻 新一
出版者
一般社団法人 日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.147-156, 1984
被引用文献数
26

Through the study on quality theory in the literatures of philosophy, quality control, the study of merchandise and so on, we made clear that there are two aspects of quality such as subjective and objective ones and that it is necessary to investigate the correspondence of these two aspects. Then, for this purpose, we propose that two dimensional recognition should replace one-dimensional one which has been so far prevailing, and that this recognition of the correspondence is utilized for categorizing quality elements of a product into attractive, nust-be, one-dimensional quality ones and so on.Then the practical validity of this theory is examined through the questionnaire survey about the TV set and the table clock to consumers and it is investigated how each quality element of these items is evaluated under the theory. Moreover, an example of new clock planning with applying this theory is discussed in order to show the practical effetiveness of this theory.

16 0 0 0 OA 倭名類聚鈔 20巻

著者
源順 撰
出版者
那波道圓
巻号頁・発行日
1617

源順著の漢和辞典。漢語の名詞を意味によって分類配列し、一種の日用百科辞書的性格をもつ。10巻本と20巻本とがある。当館本は、元和3(1617)年頃那波道円が校訂・刊行した20巻本の古活字版で、源順の自序の前に元和3年付けの林羅山の序と道円の凡例とが付されている。幕末・明治初期の国学者榊原芳野(1832-81)の旧蔵書で、ほかに京都の天台宗門跡寺院曼殊院の蔵書印が押捺されている。
著者
欅 惇志
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.528-532, 2022-08-15

本記事では SIGIR Forumの2019年12月号に寄稿されたThe Neural Hype, Justified! A Recantationの解説記事である.解説にあたり,まず紹介記事の前日譚であるThe Neural Hype and Comparisons Against Weak Baselinesの内容について触れる.それを踏まえて紹介時期の内容を述べる.また,情報検索分野の研究のパラダイムと最先端研究の一部についても言及する.
著者
藤田 博文
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.478-494, 2008-12-31 (Released:2010-04-01)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本稿の課題は,M. フーコーが最晩年に取り組んだ古典古代思想研究におけるキー概念,「自己への配慮」が,〈倫理‐政治的〉な自律主体の形成という観点から構成されていることを明らかにすることにある.彼のこの取り組みについての従来の議論では,「自己の自己との関係」という形式をとる「自己への配慮」の「主体」が,閉じられた自己関係の枠内にとどまる「倫理的」主体として捉えられ,この主体との関わりで,彼の権力論において常に問われ続けてきた「抵抗」拠点の可能性について指摘されてきた.そこで本稿では,この議論を一歩進めて,「自己への配慮」と「抵抗」拠点との関係を単に指摘するだけにとどめず,両者の論理関係を捉えたうえで,この「自己への配慮」が常に「他者」との開かれた関係の中で機能する,〈倫理‐政治的〉な観点から貫かれた概念であることを検討する.この課題を遂行するために,まずはじめに,「自己への配慮」と「抵抗」拠点との論理関係を考察し,前者が「主体の変形」(「スピリチュアリテ」)の実践として定義されていることを明らかにする.次に,この「自己への配慮」が,2つの位相を持つ「他者」と常に関係を持ちつつ実践されることを明らかにする.そして最後に,この「自己への配慮」によってはじめて,下位の者が上位の者に対して生命を賭けて実践する「パレーシア」(「真理を語ること」)が可能になることを指摘する.
著者
里内 美津子 若林 茂 大隈 一裕 藤原 啓子 松岡 瑛
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.31-37, 1993 (Released:2010-04-30)
参考文献数
18
被引用文献数
18 26 25

難消化性デキストリン (PF) の便通に及ぼす影響について検討する目的で, PF摂取後の糞便重量, 糞便水分量, 排便状態, 便性状, 胃腸症状等について調べた。1) PF10~60g摂取後の便性状は大半がバナナ状~半練状であり, 下痢発症のED50値は2.4g/kg体重と推定された。また, 臨床上問題となるような胃腸症状は認められなかった。2) PF35g/日, 5日の連続摂取で, 糞便重量, 排便回数の増加が認められたが, 糞便水分含有率は変化がみられなかった。3) PF5~10g/日, 5日の連続摂取で, 排便状態の改善が認められた。
著者
平石 界
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.341-356, 2000-12-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
62
被引用文献数
3

Darwinian natural selection theory has large importance in biology. It has been producing many sub-theories on evolution of animal behavior. Evolutionary psychology is an approach to psychology that employs the evolutionary sub-theories to construct hypotheses on the design of human mind; one of the most interesting biological phenomena. Following an introduction of the natural selection theory, this paper describes some empirical studies on cognitive psychology that have been undertaken with the evolutionary psychological approach. Specifically we will observe the application of a) a theory of social behavior to the study of reasoning, b) a theory of foraging behavior to the study of decision making, and c) sexual selection theory to the study of cognitive sex differences. This paper also presents arguments on domain specificity and innateness of human mind; an important topic that often follows evolutionary psychology. Criticisms on evolutionary psychology will be discussed as well.
著者
杉本 九実 福田 吉治
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.22-005, (Released:2022-06-30)
参考文献数
10

公衆衛生,とくに,健康増進において,健康格差の視点から健康無関心層に対するアプローチが課題となっている。そこで,本稿では,健康への関心もしくは脆弱性による介入効果の違いと健康格差を考慮したポピュレーションアプローチの類型化を提示する。まず,集団全体を「高関心層」,「中関心層」,「低関心層」に層別化した。それぞれのリスク低下の程度により,ポピュレーションアプローチを,(1)格差拡大を伴う(全層のリスク低下,高関心層ほど低下大),(2)格差不変(全層のリスクは一様に低下),(3-1)格差縮小を伴う(全層のリスク低下,低関心層ほど低下大),および(3-2)格差縮小を伴う(低関心層のみリスク低下)の4つに類型化した。さらに,それぞれの類型の具体的な取組例の整理を行った。今回提示した類型化は,健康格差を縮小させながらポピュレーションアプローチを推進することに寄与するであろう。
著者
安里 芳人 筒井 大輔 杉田 康 上野 隼平 橋本 倫季 天羽 惠佑 上田 一志 中崎 正太郎 狭間 研至
出版者
一般社団法人 日本在宅薬学会
雑誌
在宅薬学 (ISSN:2188658X)
巻号頁・発行日
pp.2019.0029, (Released:2020-03-24)
参考文献数
9

2018 年度調剤報酬改定では,ポリファーマシー対策における薬剤師業務の評価を目的に服用薬剤調整支援料(以下,本支援料)が新設された.今回,当薬局にて本支援料を算定した123 名を対象に患者背景,減薬理由,薬効別内訳や薬剤師の経験年数などを解析するとともに,推定削減額と本支援料の関連を検証した.1 人当たりの薬剤数は,9.0 剤から6.0 剤に減少していた.うち,薬剤師の提案による減薬が274 剤(87.3%)を占めており,中止となった薬剤には消化器用剤と解熱鎮痛消炎剤の併用が多かった.服用薬剤数は80 歳から84 歳以下の10.7 剤がピークであったが,年齢と減薬数には大きな差はみられなかった.190 剤(69.3%)が漫然投与の改善であった.123 名で算定した本支援料は,延べ133 回166,250円であった.一方,本算定要件となる28 日間で薬剤費は461,680 円の削減となった.また,薬剤師の経験年数と本算定には関係性は認められなかった.薬剤師による服用後のフォローと薬学的見地からのアセスメント,医師へのフィードバックを基本サイクルとして,患者個々において薬剤師が医師や他の医療従事者と連携する環境を整えることは,服用薬剤数を減少させ,ポリファーマシーの改善に寄与するとともに,医療費の適正化にも貢献すると思われた.
著者
飯塚 哲 高橋 好徳 畠山 力三 佐藤 徳芳
出版者
東北大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

本研究では空気のオゾナイザー放電により生成されたオゾン処理空気を水槽に流し、実際に金魚を飼育して、その成長に及ぼす効果について明らかにした。実験では、(1)オゾン生成部、(2)処理空気の輸送部、(3)水中での成分測定、及び(4)金魚の成長を観察した。(1)ではオゾナオザー放電の発光スペクトルを測定した結果、300〜400nmの紫外線が強く発光し、原子状酸素の存在が確認された。オゾンの紫外線吸収帯(254nm)以下の紫外線の発光は微量であった。(2)オゾナイザーを通過した空気の成分を調べるために気体の吸光度を測定した結果、254nmを中心に半値幅が約20nmの吸収帯が観測された。これはオゾンによるものであり、その他の窒素酸化物などによる吸収はほとんど観測されなかった。(3)この処理空気を蒸留水に瀑気して水の吸光度を測定した。その結果、波長が230nm以下の領域での吸光度が、瀑気日数と共に上昇していくことが分かった。通常の空気瀑気ではほとんど吸光度の変化は見られなかった。これは重要な知見である。さらに、オゾンと水との反応による過酸化水素の検出をしたところ、オゾン瀑気水に0.013ppm程度のわずかな量が見られた。過酸化水素水中で金魚の飼育を試みたが顕著な成長は見られず、過酸化水素の生体活性度はなかった。また、各種の水中負イオンの分析を行った。金魚を入れたオゾン処理水の硝酸負イオン濃度は空気瀑気水の17%であり、顕著な差異が認められた。水中オゾン濃度は検出限界以下であった。(4)オゾン処理水中の金魚は活発に運動し、餌をよく食べ、成長は空気瀑気通常水の体長で約2倍、体重で約4倍の差が見られた。以上の測定結果から、空気酸素の放電による生成オゾンが水と反応し、イオン濃度等を変化させ、金魚の成長と関連していることが確認された。
著者
水谷 亘 穴田 啓晃
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 2020年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第73回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.323-324, 2020-09-18 (Released:2021-01-20)

YouTube等の動画共有サービスではチャンネル毎に各動画のサムネイルが並べられている.各動画の視聴回数は,動画の内容のみならず,サムネイルで使われている文字のフォントや背景の色,また文字とフォントのレイアウト等が関係していると考えられる.本稿では,事前分布と尤度から事後確率を求めるベイズ統計の手法によりこの関係を分析した結果を報告する.