著者
川口 武男 清水 淳三 谷 正二 由井 十七三
出版者
The Japanese Society of Fisheries Science
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.415-417, 1936

The degree of blackening of the canned crab-meat and that of the blue-meat formation of the same were known to depend on the pH-value, and respective amount of volatile basic nitrogen, copper, iron, and hydrogen sulfide.<br> As shown in Table 1, no difference was found in pH-valne, amount of volatile basic nitrogen, copper, total sulfur in the examined parts (protopodite, meropodite and propodite of the second to fourth legs), of the examind three individuals, that of iron being the same irrespective of the examined parts, but different in different individuals. On the other hand, the amount off hydrogen sulfide of the meat of protopodite was much more than that of meropodite and of propodite.
著者
新井 悠介
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

下総台地はMIS5eの高海面期に形成された木下層から構成される下総上位面が最上位の段丘面を形成する(杉原1970).MIS5eの海進最盛期の古東京湾は太平洋側に湾口が向いており,下総台地は浅海底で堆積した木下層上部砂層が広く堆積した.MIS5eの海進最盛期以降に,房総-銚子と松戸-四街道の離水軸及びバリアー島に挟まれたMIS5eの段丘の分布高度が低い印旛沼南部地域は,海退期の泥層が堆積したとされている(岡崎ほか1992).MIS5eに形成された海成段丘の高度分布の差の成因を解明することは活構造を推定するうえで重要な役割を担うが,この海退期の泥層はテフラに乏しいため上岩橋層の泥層(小島1959,杉原1979),竜ヶ崎層の泥層(青木ほか1971),木下層上部層の一部(岡崎ほか1994)と異なった解釈がされている.そこで本研究は層序関係の再検討・テフラの追跡・堆積環境の推定を行った.その結果に基づき,本発表は印旛沼南部地域に分布する泥層を木下層最上部泥層と仮称し,この地域でMIS5eに形成された海成段丘の離水期における陸化過程を報告する.<br> ①露頭観察及び地質断面図において,八街や富里では清川層の上位に木下層上部砂層が堆積する.印旛沼南部地域は木下層上部砂層と木下層下部泥層を欠き,木下層最上部泥層が清川層を覆う.地質断面図から,木下層最上部泥層は木下層上部砂層の上位に堆積すると考えられる.<br> ②木下層最上部泥層は未風化のテフラが堆積し,鉱物屈折率と全岩化学組成がHk-KmP1に類似することから対比が可能である.また,富里の木下層上部砂層最上部と,木下層最上部泥層下部はKlP群に対比可能なテフラが堆積する.<br> ③木下層最上部泥層の下部の堆積環境は,総イオウ含有量が0.3%以下と低い値を示し,汽水域に生息するヤマトシジミと淡水域に生息するマメシジミが産出することから河口域の堆積環境が推定される.一方,木下層最上部泥層の上部の堆積環境は,総イオウ含有量が0.5-1.3%と還元的な堆積環境を示すこと,含泥率が高いこと,色調が青灰色であることから内湾の堆積環境が推定される.<br> 以上のことから,木下層上部砂層はMIS5eの海進最盛期以降に離水し,印旛沼南部地域で木下層最上部泥層の分布する地域はHk-KmP1降下以降,すなわちMIS5eからMIS5dにかけての海退期に離水したと推定される.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.79, pp.65-68, 2001-07-25

日本でe-マーケットプレイスが次々と開設されたのは2000年のことだ(図3-1、p.68の表3-3)。そして今、本格的な離陸時期を迎えている。しかし、米国と同様「取引が増えない」という厳しい現実にも直面している。事業モデル自体が抱える理想と現実のギャップに加え、「系列取引」や「複雑な流通構造」といった日本独自の商慣習が、問題をさらに複雑にしている。
著者
久保田 清 張 戈 羽倉 義雄
出版者
広島大学生物生産学部
雑誌
生物生産学研究 (ISSN:1341691X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.135-143, 1993-12

各種食品のクッキング、殺菌など食品を各種変換、処理する装置を設計し、制御化を行っていくためには、食品のクッキングなど変換、処理する非等温実験を行って、得られる実験データからアレニウス式における速度パラメータを設定していくことが必要になることがある。これまでにジャガイモのクッキング速度式の設定を例として、非線形最小二乗法を用いる方法(久保田ほか, 1981, 1988)と、簡便な手法を用いる方法(岡崎ほか, 1991, 1992, 張ほか, 1993-B)とを用いる研究を行ってきた。本研究では、これまでに示してきた簡便な手法について比較検討を行った。本研究で提案した改良したクッキング値を用いる方法は、簡便な事法の一方法としてクッキング値を用いるこれまでに利用されてきている方法よりも有用であった。岡崎により提案された修正クッキング時間を用いる方法(岡崎ほか, 1992)も有用な方法であった。In order to design and to control various food transforming apparatuses such as for the chemical reactions, cooking, sterilization and so on of food materials, it is necessary to determine the Arrhenius' rate parameters from the non-isothermal experimental data of cooking and so on of food. In previous papers, we have studied the cooking rate equations of potato by various methods such as non-linear least square method (KUBOTA et al., 1981, 1988) and simple methods (OKAZAKI et al., 1991, 1992, ZHANG et al., 1993-B). In this paper, we investigated the determination of the rate parameters in non-isothermal processes by using simple methods proposed in previous papers. The modifyed cook value method in this paper was useful for finding the rate parameters in cooking rate equations. The corrected cooking time method (OKAZAKI et al., 1992) was useful too as simple method.
著者
井口 悦男
出版者
日本国際地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.27-34, 1995-09-30
参考文献数
10
著者
木村 朝子 柴田 史久 鶴田 剛史 酒井 理生 鬼柳 牧子 田村 秀行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1327-1339, 2006-04-15
参考文献数
21
被引用文献数
16

近未来社会のヒューマンインタフェースのあるべき姿として,映画『マイノリティ・リポート』に登場する広視野ディスプレイとジェスチャ操作の組合せを考える.本研究ではまず,広視野電子作業空間に適した作業の想定・分類から始め,これを実現する基幹システムと基本ジェスチャコマンドを開発した.そのうえで,このシステムに立体映像表示,実物体の導入,複合現実感へと発展する体系「MRキューブ」を提唱する.その試作実現例として.ビデオ映像編集と医用画像の閲覧・管理を題材としたシステムを開発し,その操作性と有用性について検証した.
著者
西 奈津子 渡邊 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.447, pp.43-48, 2004-11-11
参考文献数
13

会話や細かい文字の判別が困難,また,手指によるキー操作が困難な障害者・高齢者との自由自在なコミュニケーションを支援するために,利用者の顔表情や動作を認識することによる意思伝達システムの研究開発を行っている.本報告では,利用者の前に設置したカメラ画像から4種類の口部形状を認識することにより,階層化された日常会話を順次選択し,相当する会話文を合成音声により出力するシステムのプロトタイプ開発の結果について報告する.利用者による口部パターンの認識は画像の明度分布を相互部分空間法を用いて解析することにより行い,選択結果の確認は口部の開閉動作を明度分布の時間変化として検出することにより行う.20人による口部パターンの認識実験により,この方式の有効性を確認した.
著者
櫻井 義秀
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.315-342, 2014-09-30

日本社会は人口減少とグローバリゼーションによって今後数十年のうちに大きく変わることが予想される。地域社会や家族において個人化が進み、労働や福祉の領域では個人化を前提に社会制度の再構築が進められていく。そうして人生の様々なリスクを回避する仕組みが国家に吸収されたり、財政難のために個人の自己責任に帰されたりすることで、人々の不安は増幅され、生活満足度としての幸福感は低下する。こうした状況において宗教のみが安泰ということはない。日本の伝統宗教が根ざしてきた地域や家族の共同性は浸食され、人々の切実な求めに応じられない教団は衰退を余儀なくされるだろう。本稿では近年の幸福研究を参照しながら、幸福とソーシャル・キャピタルの関係を論じる。互いに承認される人間関係や前向きな人生観を提供できる場においてこそ、人々はしあわせや希望を感じることができる。現代宗教は人々の要求に応えられるだろうか。
著者
森脇 亮 石井 宏明 神田 学
出版者
日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会年会講演論文集 (ISSN:13428004)
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.221-222, 2000-07-25
参考文献数
3

Field observation and numerical simulations were performed to investigate the atmospheric structure and distribution of air pollutants over Tokyo Bay. The following results were obtained : 1) Observed diurnal variation of potential temperature over Tokyo Bay is different from over the land or the sea. 2) There is a descending flow over Tokyo Bay. and it is the compensation for the divergent flow pattern. The peak value of descending flow exits at the height of 300-500m. 3) The rise in potential temperature in the daytime is caused by the adiabatic heating of descending flow. 4) Vertical gradient of CO_2 is positive over the bay. It suggests that CO_2 is transported over Tokyo Bay from surrounding high emission area.
著者
永井 拓
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.5, pp.354-359, 2007-05-01
参考文献数
47
被引用文献数
2 2

薬物依存(精神依存)はある薬物の精神的効果(快感)を体験するためにその薬物の摂取を強迫的に欲求している精神的・身体的状態である.中脳腹側被蓋野から側坐核に投射する中脳辺縁系ドパミン作動性神経系は報酬回路を構成する重要な神経系の一つである.これまでの研究により,依存性薬物の乱用により報酬回路の異常興奮が長期間持続すると,報酬回路に病的な可塑的変化が生じ,渇望を伴う依存状態になると考えられている.我々は,薬理作用としては中枢抑制と興奮と全く逆の作用を示す麻薬および覚醒剤による薬物依存症に共通して関連する生体分子を同定するために,DNAマイクロアレイを用いて麻薬(モルヒネ)および覚醒剤(メタンフェタミン)依存動物の脳内に発現する遺伝子を解析し,両薬物の依存症を悪化させる分子の一つとして組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)を同定した.さらに,tPAはプラスミンを介してプロテアーゼ活性化受容体-1を活性化し,ドパミン遊離を促進することにより麻薬(モルヒネ)およびタバコ(ニコチン)依存症を悪化させることを見出した.一方,依存性薬物の使用により統合失調症に類似した精神病が誘発され,その精神症状は長期間持続することが知られている.我々は,低用量のメタンフェタミンをマウスに反復投与し,メタンフェタミン休薬後も長期間にわたり記憶障害を呈するメタンフェタミン誘発性記憶障害モデルマウスを作製した.さらに,記憶の長期固定には前頭前皮質におけるドパミンD1受容体の刺激と下流に存在するextracellular signal-regulated kinase 1/2(ERK1/2)の活性化を介したタンパク合成が重要であること,メタンフェタミンの連続投与によるドパミンD1受容体/ERK1/2の機能不全が記憶障害に関与していること見出した.本総説では,我々の知見から得られた依存性薬物による精神障害の分子機序を概説し,従来にない新しい治療薬の薬理学的コンセプトとなりうる可能性について述べる.<br>
著者
小沼 杏坪
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.220-223, 2000

覚せい剤とは, 昭和26年に制定された覚せい剤取締法によって規定されており, フェニルアミノプロパン(一般名アンフェタミン)とフェニルメチルアミノプロパン(一般名メタンフェタミン)およびその塩類をいう. 我が国では現在, 乱用されているのはほとんどすべてメタンフェタミンである. 覚せい剤は経口, 静脈内注射, 煙霧の吸入などにより乱用される. 覚せい剤の使用を重ねていくうちに, 自力ではなかなか止められない薬物依存に陥る. 覚せい剤依存症の典型的な例では, 覚せい剤を周期的に使用することがみられ, 時期的に変化する三相構造が認められる. 周期的使用を繰り返すうちに, いわゆる幻覚妄想状態となる. このような覚せい剤による中毒性精神病は発病しても早期に治療に結びつけば, 薬物療法によって比較的容易に治療することができる. しかし, 治療しても, 覚せい剤の乱用をやめない例では, 使用の度毎に幻覚妄想などの精神病状態が繰り返し再燃することになる
著者
松尾 量子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b>&nbsp; 現在、日本各地で観光や地域の活性化を目的としてマスコット・キャラクターが活用されている。今回、山口県のマスコット・キャラクターである「ちょるる」のためのボーイスカウト衣装を制作する機会を得たことから、「スカウトちょるる」の衣装制作を通して、マスコット・キャラクターが着用する服飾の意味や役割をさぐることを目的とする。 <br> <b>方法</b>&nbsp; 本研究は、2013年の日本ジャンボリー開催に伴って、山口県の世界ジャンボリー開催支援室から山口県のマスコット・キャラクター「ちょるる」のための衣装制作の依頼を受けて実施したものである。「スカウトちょるる」のヴィジュアル・イメージをもとに着脱が容易で動きやすいことを重視して制服は上下一体型のつなぎとし、ワッペンには、県花である夏みかんの花をモティーフとしたデザインを考えた。帽子は「ちょるる」の頭部の形状と全体のバランスを考慮したデザインである。<br> <b>結果 </b>最初に制服のみを制作して、日本ジャンボリー開催の100日前イベント(2013年4月21日)において「スカウトちょるる」をお披露目した。その後7月までの間に装飾品や帽子の制作を行い、7月12日に「スカウトちょるる」としての完成形を披露した。今回の衣装制作を通して、マスコット・キャラクターにおける服飾の意味とキャラクターらしさの関わりについての検証を行うことができた。<br>