著者
乾 貴史 大木 慎 坂部 創一
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第26回全国大会
巻号頁・発行日
pp.379-382, 2011 (Released:2012-03-20)

We set up the following theoretical hypothesis that has never been studied so far; the altruistic transmitting information (ATI) in internet environment improves social skill, real human relations, and quality of life (QOL). It was investigated and analyzed statistically based on questionnaire surveys of university students in the information sciences, and the hypothesis was analyzed by the structural equation model. The results appeared to verify our hypothesis, and it was suggested that ATI in internet have one's place as a bridge with altruistic behavior in the real world.
著者
稲垣 美幸 堀井 祐介 吉永 契一郎
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

近年,大学には教員でも職員でもない位置付けとして「専門職」と呼ばれる様々な職種の導入が進んでいる。この各職の業務内容や組織に関する実証研究は進んでいるが,その一方で,当事者やその周囲では課題の声が聞かれる。しかし,こうした課題は現場レベルの感覚的なものとして聞かれるのみで,客観的に明らかにされてはいない。で,本研究は,専門職として報告されている新たな職種全体を対象に,専門職が抱える課題を客観的かつ実証的に明らかにし,専門職を取り巻く共通課題と職種による特色を見出す。
著者
矢吹 剣一 黒瀬 武史
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.141-152, 2019 (Released:2019-05-01)

本研究では,深刻な人口減少を経験した米国の衰退工業都市で策定されている空洞化地区の土地利用転換を図る総合計画(縮退型都市計画)の戦略性を分析した。主には産業用地(工場跡地)の 用途転換や,空洞化に応じた低密住宅地への土地利用転換,住宅市街地の産業用地への転換が計 画されており,一部の自治体では人口減少時代の不確実性に対応するための「可変性」を内包した土地利用計画が策定されていた。新規居住者の流入を抑制する土地利用である居住抑制地区の導入(規制化)は困難であることが判明したものの,土地の低密度化による地区の安定化を図るための知見が得られた。
著者
程 岩松 堀内 孝次 大場 伸哉
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.153-160, 2002-09-30
参考文献数
14
被引用文献数
1

植物の他感作用を活用して,イネ科強害草のメヒシバの生育を抑制する目的で,42種類のハーブの抽出液を用いた発芽実験を行い,さらに発芽抑制効果の大きかった数種ハーブについて,植物体砕片を土壌に混入し,それをポットに充填してメヒシバを育成し,その生育抑制効果を調査した。その結果,発芽実験ではバルサムギク,ローマンカミツレ,メボウキ,ミドリハッカ,ラベンダーの蒸留水抽出液とバルサムギク,スイカズラ,メボウキ,アマドコロ(地下茎)のメタノール抽出液が発芽を強く抑制した(第1表)。発芽後初期生育は,スイカズラ,ラベンダー,イチョウ(果皮)の蒸留水抽出液とバルサムギク,スイカズラ,キツネノボタン,ウコン,アマドコロ(地下茎)とイチョウのメタノール抽出液によって顕著に抑制された(第1表)。また,スイカズラとラベンダー砕片を土壌に混入したところ,メヒシバの乾物重と分げつ数は対照区に比べて大きく減少した(第3表)。これらの実験結果は,ハーブ類数種がメヒシバの生育を強く抑制し,他感作用を有する可能性を示した。
著者
野村 豊子
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
vol.136, pp.15-38, 2017-03-31

回想法は,1960 年代の始め,アメリカの精神科医Butler が,「現実からの逃避」等と否定的に見られがちだった高齢者の回想の価値観を変えたことに始まる.回想法とライフレヴューは,現在,内外において多様な展開を見せている.しかしながらその方法を巡る倫理に関しては,明確な提示には至っていない.本稿では,回想法とライフレヴューの歴史的展開を概観し,その臨床実践・研究に関わる倫理や背景としての価値観について考察を行う.回想法・ライフレヴューの効果と倫理上の課題,回想法・ライフレヴューにおける時・時間の意義と倫理,開始時の同意・契約に関する考慮点,語り手と聴き手の関係性とコミュニケーションにおけるパワー関係の特徴,死の回想を巡る課題という論点を筆者の臨床実践の振り返りも含めて検討した.回想法の適用の是非への議論,また,回想をしない自己決定という根柢の理解も必要であることが示された.
著者
松田 武美 マツダ タケミ Matsuda Takemi 森 由香子 モリ ユカコ Mori Yukako 柴田 絹子 シバタ キヌコ Shibata Kinuko
出版者
中部大学生命健康科学研究所
雑誌
生命健康科学研究所紀要 (ISSN:18803040)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.43-51, 2015-03

A介護老人保健施設での介護事故反復事例を使い,介護事故防止に対する研修を行った.その結果,研修開始時,参加者が関連させた情報から生活状態を解釈する力と研修終了時のアセスメント力及び研修後の理解度と研修後の変化について確認した.研修終了時の記録から根拠の記載があり,利用者の健康状態→心身機能・身体構造→活動に目を向けていること,次に起こることを予測している表現が見られること,根拠をもって実践を行う必要性が理解できていた.研修終了後の自己の変化について,「情報収集の必要性」「アセスメントの必要性」「介護の基本の大切さ」「連携」「学ぶ必要性」「仕事の心構え」「自身の意識の変化」について7つの学びの変化が見られた.
著者
吉田 信也 松崎 太郎 大下 美奈 坂下 茉以 堀 健太郎 森 和浩 細 正博
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0775, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに】関節可動域制限の原因の一つとして神経系の可動性や柔軟性の低下が関与していることが考えられており,我々は先行研究においてラット膝関節拘縮モデルにおける坐骨神経周膜の肥厚および坐骨神経束と神経周膜の密着(神経周囲腔の消失)を報告し,これが神経の滑走を妨げている可能性を示した。また膝関節不動化期間中に拘縮予防目的に関節可動域運動(以下,ROM-ex)を行った結果,神経周膜と神経束の間に神経周囲腔が観察され,神経の滑走が神経周膜と神経束との間で生じている可能性を報告した。そこで今回,ラット膝関節拘縮モデルに拘縮治療目的でROM-exを施行し,それが坐骨神経周囲組織に与える影響について病理組織学的に検討することを目的に実験を行った。【方法】対象には9週齢のWistar系雄ラット28匹を用い,それを無作為にコントロール群(n=7),拘縮群(n=14),実験群(n=7)の3群に分けた。拘縮群および実験群は麻酔後,右膝関節をキルシュナー鋼線と長ねじを使用した創外固定を用いて膝関節屈曲120°にて不動化した。この際,股関節,足関節に影響が及ばないように留意し,ラットはケージ内を自由に移動でき,水,餌は自由に摂取可能とした。コントロール群は自由飼育とした。実験群は不動化処置の2週間後より腹腔内にペントバルビタールナトリウム溶液(40mg/kg)を注射して深麻酔下で膝関節に対しROM-exを2週間行い,ROM-ex時以外の期間は不動化を維持した。ROM-exはラットの体幹を固定した状態で行い,まず膝関節屈曲位を5秒間保持し,次にバネばかりを使用して右後肢を坐骨神経に伸張ストレスが加わるように体幹より120°腹頭側方向へ約1Nで牽引し5秒間保持する運動を3分間繰り返した。ROM-exは1日1回,週6回,2週間施行した。拘縮群の半数(n=7)は不動化2週間後にジエチルエーテルにて安楽死させ,可及的速やかに右後肢を股関節より離断し標本を採取した。実験期間終了後,同様に残りのラットを安楽死させ,右後肢を標本として採取した。採取した右後肢は10%中性緩衝ホルマリン溶液にて組織固定を行い,次いで脱灰液を用いて脱灰を4℃にて72時間行った。その後,大腿骨の中間部にて大腿骨に垂直に切断し大腿部断面標本を採取した。5%硫酸ナトリウム溶液で72時間の中和後,パラフィン包埋して組織標本を作製した。作製したパラフィンブロックをミクロトームにて約3μmにて薄切した。薄切した組織切片はスライドガラスに貼付し,乾燥後にヘマトキシリン・エオジン染色を行い封入した。観察部位は大腿中央部の坐骨神経周囲組織とし,光学顕微鏡下に病理組織学的に観察した。【倫理的配慮】本実験は所属機関の動物実験委員会の承認を受けて行われたものである。【結果】コントロール群は全例で坐骨神経束は神経周膜と遊離しており,神経周囲腔が観察された。実験群においては7例中6例で神経周囲腔を認めた。一方,拘縮群では全例で坐骨神経内の各神経束は神経周膜と密着しており,神経周囲腔の消失が観察された。また拘縮群および実験群では神経周膜の線維性肥厚が全例で観察された。【考察】今回,ラット膝関節拘縮に対してROM-exを行った結果,坐骨神経の神経束と神経周膜の間に神経周囲腔が観察された。これは神経の滑走が神経周膜と神経束との間で生じている可能性を示唆するものであると考えられる。また,一度拘縮を生じた膝関節にROM-exを行うことで,坐骨神経の神経周囲腔に関しては可逆的な組織学的変化が生じ,コントロール群に類似した組織像が観察されたと考えられる。一方で,神経周膜の線維性肥厚は拘縮群と同様に実験群全例で観察されており,ROM-exは神経周膜には影響を及ぼさないものと思われた。【理学療法学研究としての意義】臨床場面において使用頻度の高い治療手段であると思われるROM-exが坐骨神経周囲組織に与える影響について病理組織学的に観察・検討することにより,神経滑走性に対するROM-exの治療効果やその運動方法などの妥当性に対して示唆を与えうると考えられる。
著者
杉浦 郁子
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Studies (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.61-81, 2019-03-08

2015年、東京都渋谷区は、同性カップルのパートナーシップを認定する制度を開始した。本稿は、その制度を利用した人、利用を検討している人を対象としたインタビューを取りあげ、制度を媒介にした解釈過程で認識された同性カップルの法的保障ニーズを分析する。日本では、渋谷区の制度ができるまで、同性パートナーシップ制度を求める当事者の存在が見えづらく、制度に対するニーズが当事者に広く共有された結果として制度が作られた、という経過を必ずしもたどらなかった。また、先行研究は、当事者が同性カップルの法的保障ニーズを認識しづらいメカニズムがある可能性を指摘していた。本稿は、制度がない状況で認識されなかったニーズが、制度ができた後に認識されやすくなったのではないか、という問題意識のもと、制度の利用をめぐってなされた解釈過程に注目し、そこでどのようなニーズが認識されたのかを分析した。制度ができた後につき合い始めたカップルは、渋谷区の制度を長期的な関係を担保するものと理解していた。「生涯を共にするだろう」という予期は、パートナーとの関係で生じるニーズを認識させるだけでなく、様々な他者との関わりや出来事の可能性を想像させ、自分たちを取りまく環境に対するニーズも意識させていた。制度ができる前から渋谷区で同居してきたカップルは、「区に認めてもらうことによる安心の獲得」という個別的・心理的ニーズの存在を、制度の利用後に認識していた。
著者
吉田 綾乃 浦 光博 黒川 正流
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.144-151, 2004-11-22 (Released:2017-01-14)
被引用文献数
3

In this study, the authors have paid attention to people's reactions to others' self-derogative presentation. Study 1 indicated that people have the script that a self-derogative presentation would elicit a denial response, such as "I don't think so," from the receivers. Moreover, it was also suggested that the derogator has the tendency to believe that the receiver's reaction has an effect of either maintaining or enhancing self-evaluation. Study 2 suggested that the Japanese would make self-derogative presentations, not only on the basis of interpersonal motivations, but also on the basis of self-affirmative motivations. The necessity of examining the details of the effects of self-derogation and the receivers' reactions was discussed.
著者
柳原 正治 植木 俊哉 明石 欽司 岩本 禎之 三牧 聖子 丸山 政己
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2019年5月に『世界万国の平和を期して―安達峰一郎著作選』(研究代表者が編者)を出版した。公表された学術論文や随筆のみならず、外交官として書き記した口上書や調書や報告書、日露戦争の捕獲審検所評定官としての調査書や判決、国際連盟や万国国際法学会での報告書、常設国際司法裁判所所長としての報告書や命令・勧告的意見に対する反対意見などを一冊にまとめた、安達峰一郎の最初の著作集である。フランス語を主とする欧文著作(書簡を含む)も巻末に一括して掲載した(100頁あまり)。この著作集の出版によって、安達の業績が内外に一層広く知られることとなることが期待される。また、6月15日には東京で、安達峰一郎記念財団の主催で「よみがえる安達峰一郎―世界が称賛した国際人に学ぶ」という記念シンポジウムが開催された。200名近くの参加者を得て、安達の思想と行動が現在の混迷する国際社会にとって持つ意義について、熱心な討論が行われた。研究代表者が基調報告を務め、複数の研究分担者も個別報告を担当するとともに、パネルディスカッションにも参加した。また、国際法協会日本支部が主催して、2019年4月27日に「日本における国際法学の誕生」という共通テーマでの研究大会が行われた。研究分担者の三牧が「大戦間期の戦争違法化と安達峰一郎」というテーマで報告を行った。海外の史料館の一次史料の収集作業も引き続き行った。ベルギーの外交史料館で再度の一次史料の収集作業を行った。これまでほとんど知られていない、黒澤二郎関連の史料をかなりの数収集できた(“Correspondance politique Japon”や13.584など)。
著者
榎並 正樹 平島 崇男
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.123, no.9, pp.661-675, 2017-09-15 (Released:2017-12-25)
参考文献数
177
被引用文献数
1

本論文は,主に1990年代以降に印刷公表された研究成果をもとに,沈み込み帯や大陸衝突帯深部で起こっているダイナミクスや物質相互作用を記録した高圧-超高圧変成岩の研究を概観している.そして,その内容は,世界の超高圧変成帯のうち特に日本の研究者が岩石学的分野の研究において重要な貢献をした地域と,三波川変成帯や蓮華帯をはじめとする日本の高圧変成地域のエクロジャイトおよびそれに関連する岩相に焦点を当てたものである.
著者
江 本硯 藤川 昌樹
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.421-426, 2013 (Released:2014-05-08)
参考文献数
44
被引用文献数
1 1

This paper aims to analyze how the Zhushuishan Park was formed and transitioned and how the mixed culture of three countries was shown in this park. And what should be emphasized is that it is not only the facilities built on the hill that symbolized the colonial culture, but also the space composition and flora landscape. Generally speaking, the Zhushuishan Park was maintained to be the urban green space through the whole modern period. It was firstly developed as the suburban forest in the German period. A large area of Locust from Berlin and Japanese Black Pine were planted on the hill. However, after that, the Qingdao Shrine was constructed here as the national symbol as soon as Qingdao was occupied by Japan. The Cherry Blossom planted inside the shrine strengthened the Japanese culture. The shrine was preserved by the Japanese government until the year 1945. Therefore, the Qingdao Shrine shaped the characteristic of the hill and left a great effect on its space composition. When the Chinese government received the sovereign of Qingdao and carried out the urban planning, the Hill Zhushuishan was kept to be the urban forest and placed into the urban park system. However, in order to emphasize Chinese culture the Cherry Blossom was replaced by Cedar.
著者
堀江 竜弥
出版者
仙台大学
雑誌
仙台大学紀要 = Bulletin of Sendai University
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.31-36, 2018-09-30