著者
岡上 雅美 浅田 和茂 葛原 力三 小池 信太郎 小島 透 中島 洋樹 松宮 孝明 山名 京子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

本研究は、裁判員制度の下における量刑とはどのようにあるべきかを、実定法、手続法および犯罪学その他の刑事学的観点から検討することを目的としていた。そこで、2,3か月に1度、研究会を開催し、実務家等による講演会を行い、会員による研究発表を重ねてきた。また、本研究の特徴は、ドイツ量刑法を紹介し、我が国との量刑実務と比較し、ドイツ法から学ぶべき点を抽出する点にあり、これもおおむね実現した。しかしながら、ドイツの量刑法は、法律上の規定があって発展してきた側面が多く、それに基づいて緻密な量刑手続がとられていることも明らかとなった。我が国におけるいくつかの提言は多岐に渡るものであり書物として公刊される。
著者
三宅 正二郎
出版者
日本工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

極低摩擦を実現するためナノ周期積層膜、ナノコンポジット膜など,カーボンを主成分とするナノ構造薄膜を形成した。その構造,組成の評価は透過型電子顕微鏡などの表面分析法を活用し、ナノメートルスケールの摩擦・摩耗など機械特性の評価と対比させた。さらにカーボンと各種金属を組み合わせた積層膜、ナノコンポジット膜について膜の構造と境界潤滑特性の関係を追求した。その結果からコバルト(Co)、マグネシウム(Mg)などを複合したカーボン系膜について境界潤滑下で極低摩擦を実現した。
著者
山口 富士夫 吉田 典正
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

現在の、CADを支えている形状処理の技術には,(1)不正確さ,(2)不安定さ,(3)複雑さ,の点で避けることの出来ない限界が存在し、これらの問題はシステムの信頼性に影響を及ぼす。著者は,"諸悪の根元は除算にある"とし,除算を用いない処理方式として「完全4次元同次処理」を提案している。ここに"完全4次元"とは、"一貫して4次元による"の意である。本研究は、現行の「ユークリッド処理」と本方式との理論および実験による比較である。(1')厳密な正確さ:除算を伴う「ユークリッド処理」では、厳密な正確さは実現困難である。一方、本方式では、有理数を扱う限り、厳密に正確な演算が可能である。これは様々な実験結果により確認されている。(2')頑健性:本方式では、除算を実行しないので、除算に伴うオーバーフローなどの不安定さは存在しない。また幾何的ニュートン法において、有理式曲線・曲面を対象とするときに現れる不安定さも、本方式では原理的に存在せず、更に解の局所一意性の点でも格段に優れている。(3')簡潔性:「ユークリッド処理」は射影による切断後の図形を対象とし、また「4次元同次処理」は射影前の図形を対象とする。前者は、切断の仕方により様々な形となるので組み合わせの場合が増え、複雑さが増大する。上に見たように、上記の3点に関しては圧倒的に「完全4次元同次処理」が優れていると結論できる。更に、処理の"一般性"と"統一性"および"双対性"に関しても、本方式の優越性が分かっている。
著者
萩野 浩一
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

中性子星内部で起こる核融合反応に関して、連星中性子星からのX線スーパー・バーストで重要となる 12C+12C 系の核融合反応の研究を行った。クーロン障壁以下のエネルギーにおけるこの系の核融合反応断面積には複数の共鳴ピークが観測されている。また、最近になり、非共鳴エネルギーにおける核融合反応断面積が 12C+13C 系及び 13C+13C 系の断面積に比べて著しく小さくなっていることが見出された。これらの実験的な事実を説明するために、核融合反応で生成される複合核の準位密度の観点から核融合反応断面積のエネルギー依存性を議論した。具体的には、虚部の強さが複合核の準位密度に比例する光学ポテンシャルを用いて結合チャンネル計算を行い、核融合反応断面積を求めた。このアプローチにより、12C+12C 系でできる複合核は12C+13C 系及び 13C+13C 系でできる複合核より比較的低温状態になること、及び12C+12C 系でできる複合核の24Mg は中性子及び陽子ともに偶数である偶偶核のため準位密度がそもそも小さいこと、の2つの要因から12C+12C 系の核融合反応断面積が小さくなることを明らかにした。この課題に加え、12C+12C 系及び 28Si+28Si 系に対する核融合反応断面積の振動現象を解析した。その際、よく核融合反応断面積に対してよく知られている Wong 公式の拡張を提唱した。これは、Wong 公式で用いられるクーロン障壁に関するパラメータを「かすり角運動量」において評価しエネルギー依存性を持たせるように拡張したものである。この拡張した Wong 公式が量子力学的な求められた核融合反応断面積の数値解をよい精度で再現することを明らかにした。この成果を原著論文にまとめ、Physical Review C 誌に発表した。
著者
玉置 了 若林 靖永 堀川 宣和
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は,消費者のソーシャルメディア上の消費者のコミュニケーション行動をアイデンティティと倫理的消費の視点からの解明を目的としたものである。本研究は,(1)ソーシャルメディアにおける消費者のコミュニケーション行動をアイデンティティの視点から分析する手法を検討し,テキストマイニングにより感情と消費スタイルに基づくアイデンティティとの関係を解明した。(2)倫理的消費の動機及び意識のそれ自体の検討として,倫理的消費がアイデンティティと共感によって促進されることを明らかにした。(3)SNS上の倫理的消費に関する消費者発信の情報を抽出し自己表現と関係構築の視点から分析を行った。
著者
岸 亮平
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

一重項縮環共役開殻分子系の電子構造と(非)線形光学スペクトルの相関関係を解明するための計算・解析手法の開発と実在系への適用を行った。ab initio MO 法に基づく量子マスター方程式を用いて動的二次非線形応答の計算・解析法の開発に成功し、第二高調波発生スペクトルの置換基効果や波長分散に対する構造特性相関を明らかにした。一重項縮環共役開殻分子系の多参照摂動論による励起状態計算を実行し、線形、二光子吸収スペクトルの実験値と比較することで構造特性相関を明らかにした。開殻分子系の派生として、キノイダルオリゴチオフェンやなど局在化ジラジカル系についても構造特性相関を明らかにした。
著者
福士 圭介
出版者
金沢大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に起因して、福島第一原子力発電所が水蒸気爆発を起こし、大量の放射性物質が原発周辺に放出された。放出された放射性物質の中で、総放出量と半減期から、原発周辺の土壌汚染の主な原因は放射性セシウム(Cs)であるといわれている。原発周辺の広範囲で放射性Csが土壌表層の細粒物質に濃集していることが確認されており、土壌に普遍的に含まれている層状粘土鉱物がCsの主な取り込み媒体と指摘されている。 福島県の土壌は阿武隈花崗岩を母岩としており、その風化生成物である層状粘土鉱物のであるスメクタイト、バーミキュライト、イライトの存在が確認されている。層状粘土鉱物は層状の結晶構造を持っており、層間に保持される陽イオンは溶液中の陽イオンと交換可能である。Cs+はこれら粘土鉱物への親和性が特に高いため、原発事故により放出されたCsは層状粘土鉱物の層間に強固に保持されていることが予想されている。しかし溶液中の主要陽イオンが高濃度である場合、強固に保持されたCs+であっても他の陽イオンとの交換によりCs+は溶脱する可能性がある。自然界において粘土粒子が接触する天然水は主要陽イオンを様々な濃度で含んでいる。したがって天然の土壌に吸着した放射性Cs+が天然環境に溶出することが懸念される。環境中における放射性Csの動態の理解には、天然土壌からの主要陽イオンによるCs溶脱挙動の理解が必須である。本研究は福島県第一原発周辺に分布する土壌粘土を用いて、主要陽イオン(Na+, K+, Mg2+, Ca2+, NH4+, Li+)添加によるCs(133Csおよび137Cs)の脱離挙動を系統的に検討した。また標準的なスメクタイトに保持されている微量セシウムを対象に主要陽イオンによる脱離実験も行った。
著者
服部 美奈 西野 節男
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

研究成果を以下の4点に要約する。第一に、インドネシア・マレーシアのイスラーム高等教育機関では近年、イスラーム法学やイスラーム教育などのイスラーム諸学に、非宗教的な学問諸学である法学や教育学を統合する試みが進められている。さらに、イスラーム高等教育機関は様々な価値が混在する多元化社会に対応し、同時に非宗教系高等教育機関とは異なる人材の輩出、つまり宗教と非宗教といった二元的な学問類型を越えたイスラーム指導者を養成しようとしている。一方、マレーシアのイスラーム高等教育機関は1980年代からアラビア語と英語を教授用語とするマレーシア国際イスラーム大学の設立など、グローバル化に対応した教育改革を行い、国内外のイスラーム指導者を養成している。また各州における独自の取り組みも注目される。第二に、イスラーム高等教育機関における研究の進展は顕著である。多くのイスラーム高等教育機関には女性研究センターPusat Studi Wanita、イスラーム研究センターが設けられ、イスラーム諸学の研究が進められていると同時に、現代の諸問題に照らした教義の再解釈や社会科学の手法にもとづく実証研究が推進されている。この意味で、各国のイスラーム高等教育機関における研究の蓄積と発信が今後のイスラーム研究の重要なリソースとなりつつある。第三に、しかしながら異宗教間対話という観点からインドネシア・マレーシアのイスラーム高等教育機関をみると、イスラーム諸学と非イスラーム諸学との学問的統合あるいはより広い分野での就職・活動の機会を学生に提供しているという点において、価値多元化社会への対応は確実に進んでいるといえるものの、諸宗教間の対話を現在のイスラーム高等教育機関が積極的に提供していると結論づけることはできない。第四に、2011年に開催した国際シンポジウムにおいて、各国(インドネシア、マレーシア、ブルネイ、オランダ、ヨルダン)のイスラーム高等教育機関に所属する研究者を招聘し、東南アジア、ヨーロッパ、中東地域におけるイスラーム高等教育機関の価値多元化社会への対応を直接議論することにより、国際的な研究交流を促進した。また、この国際シンポジウムの開催により、東南アジア地域のみならず、ムスリムがマイノリティとして居住するヨーロッパにおけるイスラーム高等教育機関の現状と課題を共有し、より普遍的な課題の検討と問題提起が可能となった。
著者
脇坂 崇平
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究実施者らは、認知心理実験装置・代替現実(SR)システムの第二世代版を作成した。基本的機能の大幅な改善に加え、幾つかの基礎的な機能を追加した:1)視線追跡装置(2)床振動再現(3)Open Sound Protocolに準拠した体験シナリオ制御システムやその他外部機器との連動等。また、いくつかの応用を実施した:(1)『MIRAGE』(理化学研究所と日本科学未来館共催)(2)『没入快感研究所』(SONY)など。また2012年度デジタルコンテンツエキスポにてInovative Technologiesに採択。成果の一部は先端技術館@TEPIAにて体験することができる(2014年5月現在)。
著者
山内 博 吉田 貴彦 高田 礼子 高田 礼子
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

現在、無機ヒ素(iAs)の飲料水や土壌汚染からの大規模な慢性ヒ素中毒がアジア諸国で発生している。中毒の原因であるiAsの無毒化は、慢性ヒ素中毒の予防や根絶に寄与すると推測している。社会普及に繋がるiAsの無毒化技術を検討した。本研究から、酸化チタン光触媒、酢酸の存在下、光照射により、iAsは無毒化ヒ素であるアルセノベタイン(AsB)に変換された。この手法はヒ素汚染土壌や水の浄化に応用が期待される。海洋投棄モデルとしてAsBの海水中での挙動を検討した結果、短時間で海水中ヒ素濃度(2ppb)に安定的に到達し、この結果は究極の低コストプロセスとしてのAsBの海洋投棄の可能を示唆するものである。
著者
鈴木 秀之
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

大腸菌のバイオフィルム(BF)形成にスペルミジンが必須であることを示した。スペルミジンは菌体外から取り込んでも、菌体内で生合成しても、あるいは菌体外から取り込んだプトレッシン(Put)から合成してもいいことを示した。5つあるPutトランスポーターの遺伝子を1つずつ潰した菌株を作成し、Putを含む培地でBF形成を調べた結果、PlaPを欠損させた場合にBF形成が顕著に低下した。ところが、どのトランスポーターが欠損している株でも、菌体内のスペルミジン濃度に大差がないことから、PlaPはトランスポーターとして機能するのでなく、PlaPにPutが結合することがBF形成シグナルになると考えられた。
著者
岩井 紀子
出版者
東京農工大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

奄美大島における森林性カエルの保全につなげるため、林道敷設や伐採がカエル成体の餌資源量や幼生の生存に与える影響を評価した。カエルが一晩に動く範囲内における林道、林内間で餌資源である地上徘徊性昆虫のバイオマスに相違は見られないこと、また、林齢によっても影響を受けているとは言えないことが明らかとなった。林道や伐採が複合的にカエルに与える影響について、今後の解析に不可欠な多くのデータを得ることができた。
著者
牛田 一成 大熊 盛也 丸山 史人 塚原 隆充 井上 亮 土田 さやか
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

家畜用のプロバイオは、ヒト用に開発された菌株を転用したものが多く、家畜に適しているかどうか曖昧である。宿主と共進化してきた菌種を分離し、ゲノム解析と抗菌作用検定を組み合わせた。飼養形態と品種を異にする、野生と飼育下のアジアイノシシ、アカカワイノシシ、イボイノシシの新鮮糞のNGSによるメタゲノム解析のほか、単離乳酸菌の全ゲノム解析を行った。ブタ用プロバイオ候補菌として、イノシシ科の共生乳酸菌B. thermacidophilum やL. mucosaeの可能性が高いと判断した。B. tは、薬剤耐性を伝播するので、抗菌性に優れた菌株も存在したL. mucosaeが有力であると考えられた。
著者
海住 英生
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題では、強磁性薄膜のエッジとエッジに有機分子を挟んだ強磁性薄膜/有機分子/強磁性薄膜量子十字素子を提案し、その表面・界面構造、電気伝導特性、並びに、磁気特性を調べることを目的とした。初めに、表面状態、磁化状態、及び、エッジ状態について詳細に調べた結果、Co/SiO_2が量子十字素子の電極材料として最も適していることがわかった。次に、本研究課題で構築した独自の成膜・研磨・エッチング技術を用いて、Co/有機分子/Co量子十字素子を作製し、その特性評価を行った。その結果、室温にて非常に興味深いスイッチング特性を見出すことに成功した。
著者
宝来 聰
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

ヒト上科におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)の塩基置換速度と分岐年代をより正確に推定するため、3人のヒト(アフリカ人、ヨーロッパ人、日本人)と3種のアフリカ類人猿(チンパンジー、ピグミーチンパンジー、ゴリラ)とオランウータンの全塩基配列を解析した。時間に対してほぼ直線的に蓄積している塩基置換を用いると、オランウータンとアフリカ類人猿は1,300万年前に分岐したという化石での推定年代のもとでは、ヒトとチンパンジーが490万年前に分岐したという結果が得られた。この分岐年代に基づいて、同義置換速度を推定したところ、3.89x10^<-8>/座位/年という値が得られた。Dグループ領域における置換速度に関しては、7.00x10^<-8>/座位/年の値を得た。同義置換とDグループ領域の置換の両方を用いることにより、ヒトmtDNAの最後の共通祖先の年代は143,000±18,000年前と推定した。アフリカ人の塩基配列が最も多様であるということと、上のヒトのmtDNAの起源年代より、現生人類ホモサピエンスのアフリカ起源説が強く支持された。
著者
中逵 弘能 金山 博臣 高橋 正幸 福森 知治
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

浸潤性膀胱がん細胞株、組織において、mRNAレベル、タンパクレベルでactinin-4の高発現が認められた。siRNA actinin-4を用いたノックダウンにより、浸潤能が抑制されたが、増殖能は抑制されなかったことより、actinin-4は浸潤能への関与が示唆された。Actinin-4が細胞膜ヘリクルートされず、細胞質に集積することが、腫瘍の浸潤、転移に関与していることが示唆される。
著者
今井 正司
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

本年度における研究テーマは、発達障害児における注意制御機能の促進が学習課題遂行に関する認知と感情に及ぼす影響について検討することであった。具体的には、認知神経課題を用いて注意制御機能を促進することで、学習への取組みに必要な「集中力」「達成動機」という認知的側面を向上させ、「イライラ感(怒り)」「無力感」などの感情的側面を自己制御できるようにすることであった。成人を対象にして行われた注意制御機能の促進に関する研究においては、「注意制御機能の促進は、メタ認知的な対処方略を活性化させ、感情制御能力を高める」という知見が得られている。本研究は、これらの研究知見を学習に対する困難さを抱えている児童に適用した神経教育学的アプローチという新たな視点に基づく試みであった。研究の結果、注意制御機能の促進は、集中力や達成動機に関する能力を向上させ、課題遂行に伴うネガティブな感情を制御する効果が示された。特に、課題遂行に伴う「イライラ感」や「衝動性」の制御において効果がみられ、学校生活場面においては、攻撃行動の低減(自己抑制)が顕著に示された。しかしながら、「全問正解しなければ意味がない」などの「過度な完全主義的認知」を有している児童の場合には、注意制御機能とは別の認知機能にも焦点を当てる必要性が課題として示された。神経教育学的アプローチに基づく本研究においては、学校適応の基盤となる認知・感情・行動に関する制御機能の獲得促進に関する具体案と根拠が示されたといえる。今後は、本研究で得られた知見を、特別支援教育において有益な実証的知見を蓄積している応用行動分析的アプローチに組み込むことで、さらなる効果を期待できることから、教育臨床的に意義が高い研究であると言える。
著者
阿部 洋丈
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ネットワークを介してデータ転送を行う場合のスループット予測技術を応用したシステムの実現、および、予測技術そのものの拡張を目指した研究を実施した。具体的には、予測技術に基づいた広域の相互バックアップシステムやグリッドコンピューティングメタスケジューラのプロトタイピング、TCP 輻輳制御における恒常性の分析、および、マルチパスTCP転送への予測技術の応用などに取り組んだ。
著者
高木 一義 高木 直史
出版者
名古屋大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

単一磁束量子デバイスによる実現に適した論理回路構成法を検討し、回路設計フローとそのために必要な設計支援に関する研究を行ない、以下の成果を得た。(1) 乗算および開平のための回路アルゴリズムの設計を行なった。(2) クロック同期式順序回路の合成のための一手法を提案した。(3) クロック信号の配信のための、クロックスケジューリングアルゴリズムを提案した。(4) レイアウトを考慮したクロック木構成法を開発した。(5) パイプライン動作の検証手法を開発した。
著者
黒堀 利夫 青島 紳一郎
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

フェムト秒(fs)パルスの際立った二つの特徴を最大限に活用した「単一パルス干渉露光法」を用いて, 透明材料であるフッ化リチウム(LiF)結晶へのサブミクロン間隔のグレーティングの直接書き込みと同時に同じ材料中に形成されるレーザー利得を有するカラーセンターからのルミネッセンスとを併用した室温での二波長(緑, 赤色)可視域, パルス動作分布帰還型(DFB)カラーセンターレーザーを実現した.