著者
大平 幸子 松田 光信 河野 あゆみ
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.100-105, 2020 (Released:2020-08-25)
参考文献数
46

目的:精神障害者のレジリエンスの概念を分析し,その構造を明らかにすることにより,看護実践や研究における有用性を検討することである.方法:43文献を対象として,Rodgersの概念分析アプローチを用いて分析した.結果:属性には3カテゴリー【回復を支える個人的要素】【多側面からのエンパワー】【個人に内在する力の発動】を抽出した.先行要件には2カテゴリー,帰結には3カテゴリーを抽出した.結論:レジリエンスの概念は,回復力を重視することによって精神障害者がその人らしく生きること,そして【人間的な成長】を実現する過程を表す概念である.結果より【回復を支える個人的要素】と【多側面からのエンパワー】の要素が,精神障害者の【個人の内在する力の発動】を可能にすることが明らかとなった.これらの要素の強化により,精神障害者のレジリエンスを高めることができ,精神障害者への支援を検討するうえで有用である.
著者
小枝 達也 内山 仁志 関 あゆみ
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.384-388, 2011 (Released:2014-12-25)
参考文献数
16

通常学級に在籍する小学1年生69名 (男/女=33/36) に実施した単文音読検査によって発見されたディスレクシア児に対して, 2段階方式の音読指導を行った. はじめに文字の解読が容易にできるようになることに力点を置いた解読指導を行い, 次に単語形体の認識を高めるための語彙指導を実施した. その結果, 解読指導は誤読数の減少に, 語彙指導は音読時間の短縮に効果があることが示唆された.
著者
土肥 昭夫 篠崎 桃子 寺西 あゆみ 伊澤 雅子
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学総合環境研究 (ISSN:13446258)
巻号頁・発行日
pp.45-57, 2007-08

Leyhausen (1979) observed that feral cats gathered at regular gathering sites and only sat for a long time usually in the evening, and he named this curious cat behavior as "social gathering". Up to date, no one has studied and discussed on the "social gathering", that was considered to play on any role in the social systems of feral cats. We have frequently observed a number of the gatherings and the gathering sites of the feral cats lived in the campus of Nagasaki University. Nine of eleven gathering sites were used by the respective regular membership of the feral cats that shared a common home range regard as a rigid group territory. The spacing patterns of home range and the social systems were so similar with the group territory called the "feeding group", which was organized by the cats have a kin-relation (Izawa et al.1982) However, the "gathering group" in the campus widely differed from the "feeding group" in that the most of the member of a "gathering group" in the campus were originated by non-relation individuals, which sheltered into the campus from the surround urban districts and the high traffic density areas. Consequently, we found that the "social gathering" had filled an important role of accelerating to recognize and to accept each other as the member for the common group territory preservation.
著者
渡辺 あゆみ
出版者
芸能史研究会
雑誌
芸能史研究 (ISSN:03869504)
巻号頁・発行日
no.193, pp.11-28, 2011-04
著者
藤井 健太郎 秋光 信佳 藤井 紳一郎 加藤 大 月本 光俊 成田 あゆみ 横谷 明徳 丹羽 修 小島 周二
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

リボ核酸の一種であるアデノシン三リン酸(ATP)は、生体エネルギー供与物質として様々な生化学反応へエネルギーを供与している。また同時に、遺伝情報の仲介物質であるメッセンジャーRNAを合成するための基質として、さらには細胞間情報伝達物質としても働く。本研究では、放射光軟X線により、ATPに生じた放射線障害が、ATPの持つ生物学作用にどのように関わっているかに注目して、その生物学的効果への寄与を解析することを試みた。そして、ATP分子の構造変化はガン細胞の放射線感受性に変化を生じさせている可能性を示唆する結果を得た。
著者
河村 あゆみ 田中 正之 牛嶋 隼也 中井 壱 峯口 祐里 福田 健二 浦島 匡
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.44-48, 2019 (Released:2019-04-26)
参考文献数
10

京都市動物園で出産した飼育したキリン個体より,各種の泌乳時期の乳の回収をおこない,成分組成を分析した。分娩後55日の常乳における成分組成は以下のとおりであった;1.8%炭水化物,8.7%脂質,7.0%タンパク質,1.1%灰分。これらの値は牛乳の成分組成と比べたとき,脂質とタンパク質の濃度は高い一方で,炭水化物の濃度は低かった。乳の固形分濃度は分娩後66日で急速に低下していたが,これはキリンの固有の特徴と考えられた。この固形分濃度低下は,この時期に仔が母乳を摂取しながら固形食(カシ,ネズミモチなどの葉)の同時摂取を開始することとの関連が示唆された。これらは,キリンの仔に代用乳を摂取させなければならないケースにおいて,貴重な情報になるであろう。
著者
今井 綾 山口 美佳 坂本 純子 田中 弓子 水谷 朋子 中田 理沙 小守 裕子 郡司 郁子 米澤 理加 菖蒲 順子 菊池 夏子 大川 あおい 一島 あゆみ 梶 幹雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2004年秋の大会
巻号頁・発行日
pp.28, 2004 (Released:2004-11-19)

東海事業所広報チーム「スイートポテト」は、原子力を身近にわかりやすくするために女性の視点や感性を活かし、広報活動に反映することを目的に平成8年女性職員により結成された。主な活動の1つとして若年層にエネルギーや原子力、放射線などに対して正しい知識や関心を持ってもらい原子力への理解促進を図ることを目的として、近隣小中学校への出張授業を実施した。
著者
近藤 あゆみ
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.1, pp.89-94, 2016 (Released:2016-01-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

The increasing number of law-evading drug users in Japan is becoming a serious social problem. Previous studies have shown that law-evading drug users are younger, more educated, and less antisocial than methamphetamine users. They also tend to have some type of psychiatric disorder before starting drug use; therefore one of the reasons that they start using drugs may be to alleviate certain psychiatric symptoms. Furthermore, if drug users are successful in avoiding arrest, they often lack the motivation to stop, which makes treatment difficult. Therapists are required to be non-confrontational, to keep pace with their patients, and to take their patients' other existing disorders into account. Recently, the Matrix Model has shown promise as a new treatment strategy for drug abusers in Japan. The Matrix Model, which was originally developed in response to the 1980s cocaine epidemic in the USA, is an intensive outpatient treatment approach for drug abuse and dependence. The Matrix Model integrates cognitive-behavioral therapy, contingency management, motivational interviewing, 12-step facilitation, family involvement, and so on, with a directive, non-confrontational approach, and this style of therapy seems to fit with law-evading drug users. A Matrix Model-based treatment program was first established in Japan in 2006. The aim of this report is to introduce and assess the benefits of the TAMA Mental Health and Welfare Center Relapse Prevention Program, a Matrix Model-based treatment program established at the Tama Mental Health and Welfare Center in 2007.
著者
柳谷 あゆみ
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.283-314, 2002

論文はじめに第一章 ザンギー朝成立の背景 : ザンギーI世時代(521-41/1127-46年) 1 ザンギーI世とセルジューク朝スルターン 2 ザンギーI世とその近臣たち第二章 サイフ・アッディーン・ガーズィーI世時代(541-44/1146-49年) 1 ザンギーI世暗殺(541/1146年) : 二政権成立まで 2 兄弟会合(541/1146年)の意義 : 序列の確立 3 サイフ・アッディーン・ガーズィーI世優位の確立 : 三つの事件から 1 ルハー再征服(541年ジュマーダー第二月/1146年10-11月) 2 ザンギーI世暗殺犯の逮捕(541年ジュマーダー第二月18日/1146年11月24日) 3 ダマスカス救援(543/1148年)第三章 クトゥブ・アッディーン・マウドゥード時代(544-65/1149-70年) 1 序列の逆転 : スィンジャール事件(544/1149年) 2 セルジューク朝スルターンとの関係の変化 : バグダード包囲からスライマーン・シャー即位まで 3 両政権の接近 : モスル政権の援軍派遣 4 クトゥブ・アッディーン体制の変化 : 近臣たちの後退第四章 サイフ・アッディーン・ガーズィーII世の即位(565-69/1170-74年) 1 ヌール・アッディーンのモスル進軍(566/1171年) 2 ヌール・アッディーンのモスル入城 : あらたな主従関係の成立むすび
著者
柳谷 あゆみ
出版者
三田史学会
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.43(575)-65(597), 2013-01

論文はじめに第一章 ヒドゥマの成立と履行第二章 ヒドゥマの解消第三章 ヒドゥマの維持おわりに
著者
高橋 智子 齋藤 あゆみ 川野 亜紀 朝賀 一美 和田 佳子 大越 ひろ
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.347-354, 2002-04-15
被引用文献数
9

The necessity of tenderizing meat for the elderly and complete denture wearers was apparent after evaluating the influence of the hardness of the meat samples on the ease of feeding persons with different chewing capability. Meat samples were tenderized by soaking in a sodium hydrogen carbonate solution and then heat treated by vacuum cooking. The hardness of the meat samples decreased with increasing concentration of sodium hydrogen carbonate in the soaking solution. A sensory test showed that the ease of feeding of persons increased with decreasing hardness of the meat samples, while hydration of the meat protein was increased. The apparent hardness of the meat samples increased with decreasing compression speed, so that the chewing rhythm of complete denture wearers and of the elderly was slower than that of dentate subjects. The results indicate that meat was not sufficiently masticatable as a food for the elderly and the complete denture wearer as compared with the dentate subjects since the compression speed depended on the apparent hardness of the meat samples in this study. The overall results reveal that tenderizing meat by sodium hydrogen carbonate soaking made it easier to feed the elderly and the complete denture wearers.
著者
山口 あゆみ 大西 一禎 栗山 健一
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.118-126, 2010-06-20 (Released:2012-06-25)
参考文献数
9
被引用文献数
3 3

男性顔面上で「ギラつき」と表現される現象は,一般的に皮脂量の多さに関係すると考えられている。しかし,加齢に伴い皮脂量は徐々に減少することに反し,ギラつきは中高年男性に顕著である。そこで男性顔面の前額部において,ギラつきとさまざまな皮膚特性との相関を解析した。ギラつきに対する重回帰分析を行ったところ,皮脂量で0.490,キメ細かさで—0.370,皮膚色の明度で—0.314の標準偏回帰係数が得られた。皮脂量の要因が最大であったが,他ニ者もギラつきに関与する重要な因子であることが示された。また,画像解析によって得られる前額部の表面反射光および内部反射光の光学的特性値を用いて重回帰分析を行い,ギラつき度予測式を導いた。表面反射光の光学的特性値は,皮膚上に存在する皮脂量とキメの状態によって決定されると推測できた。紫外線対策が不十分な男性特有の生活習慣は,キメの不明瞭化や顔面色の暗化を引き起こし,男性顔面に特徴的な「ギラつき現象」を発生させていると考えられる。ギラつきを低減するには洗顔等による皮脂の除去が基本となるが,スキンケアによる皮膚色やキメの改善も重要であると考えられた。
著者
神戸 将彦 中島 潤 村田 将人 澤田 悠輔 一色 雄太 市川 優美 矢嶋 尚生 福島 一憲 荒巻 裕斗 河野 慧 沼崎 あゆみ 森 瑞樹 大嶋 清宏
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.359-362, 2020-11-01 (Released:2020-12-16)
参考文献数
14

症例は30歳代,女性.自傷目的にキョウチクトウの葉12枚を摂取し,増悪する嘔気のため摂取19時間後に当院へ救急搬送された.来院時,傾眠,四肢脱力および振戦がみられ,心拍数50/分の洞性徐脈だったが,それ以外は安定しており,血清カリウム値も4.1 mEq/lと正常範囲だった.救急外来で活性炭と緩下剤を投与し,経過観察目的に同日集中治療室(ICU)入院とした.ICU入室後の全身状態は安定しており,第2病日に一般病棟へ退室した.その後の経過も良好で第5病日に退院した. キョウチクトウは公園や街路樹などに広く利用されているが,全木にオレアンドリン等の強心配糖体を含むため有毒である.国内でのキョウチクトウ中毒の報告は極めて稀だが,重症化し死亡に至る場合もあるので,早期からの中毒物質同定および積極的な治療介入が重要である.