著者
工藤 ひろみ 床次 眞司 細田 正洋 岩岡 和輝 葛西 幸彦
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.92-97, 2016 (Released:2016-08-09)
参考文献数
13
被引用文献数
2

On 11 March 2011, a 9.0 magnitude earthquake, which occurred at Northern Japan, and subsequent tsunami caused serious damage to the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS). People living within a radius of 30 km were evacuated from their homes. Residents of Namie Town stayed for several days at a location 30 km northwest of the FDNPS. However, as a highly concentrated radioactive plume passed over this location, the evacuees are very much worried about their radiation exposure. On the other hand, there are several nuclear facilities in Aomori Prefecture. Such circumstances may produce concerns among people regarding an increased risk of cancer or other radiation-induced disease. In this study, focusing on the citizens of Namie Town and Aomori Prefecture (Hirosaki, Aomori and Hachinohe Cities), their understanding of basic knowledge on radiation was investigated through anonymous questionnaires. The present study has revealed that people recognized that they are exposed to natural radiation of more than 1 mSv, Despite this fact, however, people in Namie Town believe even radiation of 1 mSv will cause them some biological effects. Although basic general knowledge on radiation should be provided, a reliable relationship between the general public and experts also needs to be established.
著者
山口 勇気 矢澤 ひろみ 岩西 哲 工藤 起来 Yamaguchi Yuki Yazawa Hiromi Iwanishi Satoru Kudo Kazuyuki
出版者
新潟大学教育学部
雑誌
新潟大学教育学部研究紀要 自然科学編 (ISSN:18833845)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.41-46, 2010

野外で採集したトゲズネハリアリの巣を飼育下で営巣させるための技術的な問題について検討した.石膏をプラスチックケースに敷き,ガラス板を置き,その下に育室を作成してトゲズネハリアリを飼育した.飼育を開始すると,ワーカーがケースの縁から石膏を掘り,石膏とケースの間で圧死したため,ワーカーが掘ることができない石膏の硬さを明らかにした.ガラス板下の育室の深さについて検討したところ,ワーカーは1mm程度の浅い育室を好んで幼虫を運び込み,定着した.明暗の異なる2つの育室のある飼育ケースで飼育したところ,すべての飼育ケースにおいてワーカーは暗い育室に幼虫を運んだ.野外のトゲズネハリアリが朽ち木の表皮近くの非常に狭い空間に営巣し,堅い朽木を大顎で削って巣を拡張するという生態学的特徴があるため,トゲズネハリアリを飼育するためには"堅い石膏"上に浅い育室を作成し,暗下で飼育する必要があることが判った.餌として,ゴミムシダマシの幼虫やバッタ目昆虫の脚,昆虫ゼリー,蜂蜜を与えたが,ワーカーはこれらをほとんど採餌しなかった.一方,ワーカーはキンバエの幼虫を好んで摂食した.トゲズネハリアリの生態や社会構造についてはほとんど分かっていないが,本研究により飼育条件が確立したため,今後本種における知見が蓄積できると期待される.
著者
畔上 由佳 内山 友里恵 笠原 ひとみ 上田 ひろみ 吉田 徹也 宮坂 たつ子 長瀬 博 藤田 暁
出版者
長野県環境保全研究所
雑誌
長野県環境保全研究所研究報告 (ISSN:1880179X)
巻号頁・発行日
no.7, pp.57-61, 2011

1992年から2010年までの間,長野市におけるスギ・ヒノキ科花粉の飛散状況調査を継続して実施した.その結果,長野市でのスギ花粉飛散開始は,前年11月の日最高気温が平年よりも高いシーズンでは1月1日からの日最高気温積算値が295℃から388℃を超えるころに確認された.一方,前年11月の日最高気温が平年並みから平年より低かったシーズンでは,229℃から317℃で飛散開始が確認された.スギ花粉最高飛散日の平均は3月27日であった.飛散開始から最高飛散日までの日数は,平均23日であった.スギ花粉総数の中央値は1988.4個/cm2であった.スギ花粉総数が1000個/cm2を超える年では「環境省花粉観測システム(はなこさん)」のデータと,ダーラム型花粉捕集器によるデータは高い相関が認められた.
著者
津田 ひろみ
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.31, pp.105-122, 2001

本稿は英語科3年分割授業のひとつ,レギュラーコースにおけるここ数年の実践に関する報告である。本コースのねらいは学習指導要領にも書かれている「実践的コミュニケーション能力の伸長」である。歌や英字新聞などを教材として取り上げ,「生きた」英語をインプットすることにより,英語圏の文化や習慣に触れる機会を提供してきた。同時にコース内での生徒の発表を通じて,お互いの考えを「伝え合う」という姿勢を育ててきた。一年間の授業のまとめとして「英語新聞作り」に取り組ませたが,苦労しながらも自分の考えを英語で表現し新聞の形に完成させたとき,生徒は満足感を味わい,英語に積極的に取り組む姿勢をみせた。英語学習に対する生徒の心理的側面に焦点を当てて工夫をしてきた結果,英語によるコミュニケーションに対する生徒の動機付けという点において,レギュラーコースは大きな成果を上げたと確信している。今後は,英語母語話者との話し合いの機会を設定するなど,いくつかの課題を検討していきたい。
著者
太田 ひろみ
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.101-104, 2014 (Released:2014-09-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

都市部の合計特殊出生率は全国平均より低く,特に東京都は全国でも最低の数値にとどまっている。都市部の出生率が低いことの背景には,現代の子育てをめぐる特徴的な課題が存在することが考えられる。都市部の子育てをめぐる課題として1.家族形態の変化,2.地域のつながりの希薄化,3.女性の社会参加などの要因が存在する。大学が行う子育て支援活動として,地域のニーズに応じた大学だからこそ可能な独自性のある支援を行うことが期待されている。大学が有する物的・人的資源を開放し提供することや,地域住民や当事者を含む地域資源との協働や連携のシステムを構築することなどが子育て支援活動として可能であろう。
著者
讃井 真理 田村 和恵 平間 かなえ 浅香 真由巳 今坂 鈴江 原 ひろみ 迫田 千加子 岡本 響子 熊田 栄子
出版者
広島文化学園大学看護学部
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.22-28, 2011-09

現在,学士課程の教育及び看護系人材育成は,知識や技術だけでなく利用者のニーズに対応し,応用力のある人材を,また,自発的な能力開発を継続するための素養を育成することが求められている。今回,本学の1年次~4年次の学生とオープンキャンパスに参画した学生に,オープンキャンパスという大学行事への参加に関するアンケートを実施した。その結果,1年次生のオープンキャンパス時の入学動機では,ボランティア学生と教職員の対応,またその関係性から感じ取った大学全体の雰囲気の良さを評価していた。そして,様々な模擬体験,或は学生ボランティアや教職員との関わりを楽しさと受け止め,学ぶこと・知ることへの意欲が記述されていた。オープンキャンパスに向けた後輩への選好メッセージを,各学年別に類似している内容毎カテゴリー化した。全学年に共通した項目は,仲間および教員との関係性を示す内容と,看護を学ぶことへの充実感,後輩への励ましと応援であったが,学年によってその内容に変化が見られた。学生は他者との関わりを通して,看護職者として不可欠である人間関係を構築していることがわかった。更に,正課外活動が,学生の主体的・自主的に学ぶ機会となっており,学生が主体的に学ぶことを支援することに繋がると考えられた。
著者
齋藤 ひろみ 市瀬 智紀 河野 俊之 徳井 厚子 浜田 麻里 上田 崇仁
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

教員養成課程に在籍する学生及び現職教員へのアンケート調査、外国人児童生徒教育歴の長い教員へのインタビュー、プロジェクトメンバーの所属大学における教育実践を通して、学校の多文化化に対応するための教員の日本語教育等に関する資質・能力として、「教育実践力」「教師として成長する力」「社会的実践力」という3層からなる資質・能力モデルを提案し、そのモデルに基づき、教育課程の試案を策定した。
著者
白石 直 渡壁 壽人 佐郷 ひろみ 中村 友道 石谷 嘉英 此村 守 山口 彰 藤井 正
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2004, no.7, pp.103-104, 2004-09-04

A flow-induced vibration test facility that simulates a hot leg piping of the Japanese sodium-cooled fast reactor (JSFR) with 1/3 scale is used to investigate the flow pattern and pressure fluctuations of the pipe. As the observation of flow pattern, the velocity distributions measured by LDV show the flow pattern is independent of Reynolds number at high Reynolds number. The maximum velocity is about 15 times the mean velocity in the elbow. A statistical analysis of the pressure fluctuations in a separation region shows the power spectrum is of white noise up to 20Hz, the autocorrelation sharply drops to zero less than 1 sec of time interval and the probability density distribution figures almost the Gaussian distribution, excepting its flatness-3 is 3.
著者
江藤 ひろみ 北野 直子 南 久則
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.195-202, 2009-12-30 (Released:2010-01-26)
参考文献数
21
被引用文献数
3 1

Children's development is affected by food habits, which are influenced by guardians' dietary awareness. We conducted a nutritional survey using a questionnaire about school meal system and guardians' knowledge of children's food and health in 41 public and 115 private kindergartens in Kumamoto prefecture. We also surveyed lunch programs at 9 kindergartens.  There were 4 groups of lunch programs, as follows: (1) Taking one's own lunch box and drinking milk provided by kindergarten, (2) Providing lunch from public school lunch center, (3) Providing lunch prepared by kindergarten and (4) Providing lunch through a catering service. There was no nutritional management system in kindergarten, using (1), (3) or (4). We observe that there were significant differences in the contents of breakfast and snack among the 4 groups and that suppertime was also significantly different among the groups. Looking at the contents of breakfast, intake of sweet rolls was [significantly] high in (4). In (4), also, suppertime was significantly later than in the other three groups. These results indicated that the eating habits of children were influenced by the daily life patterns of their families.  Only the meal contents of group (2) were managed by a school dietician. Dietary awareness of the guardians of group (2) was relatively high, and it seemed that their meal contents were appropriate.
著者
佐郷 ひろみ 町田 秀夫 和田 宏 加口 仁 田辺 宏暁
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
no.1, pp.383-384, 2001-08-22

A part of the SORE system was developed for Reactor Vessel. SORE is prototype system that calculates stress history and creep-fatigue damage for main component of MONJU using plant data In this study, the calculating method of stress and temperature using plant data and the procedure of fatigue damage and creep damage evaluation using calculated history of temperature and stress was investigated.
著者
広島県食文化研究グループ 三好 康之 岡本 洋子 前田 ひろみ 井川 佳子 大下 市子 奥田 弘枝 奥山 清美 亀井 文 上村 芳枝 倉田 美恵 土屋 房江 三谷 璋子 吉永 美和子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.369-377, 2006-12-20
被引用文献数
1

広島県で摂取されている魚料理を把握する目的で,広島県在住者171名を対象として質問紙を用いた聞き取り調査を実施した。回答数は4,551件であった。魚料理にはあじ,いか,ぶり,あさり,さばがよく用いられ,広島県で漁獲量の多い牡蠣,ちぬ,たちうお,こいわし,なまこはこれらより少なかった。また,島嶼地域では,自給の魚介類で調理する魚料理が他の地域よりも多かった。調理法は,焼き物が最も多く,なま物,煮物,揚げ物の4つの調理方法で総回答数の75.1%を占めていた。和風調理が多く,焼き物の64.4%を塩焼きが,煮物の75.2%を煮付けが占めていた。対照的に,こしょう,バターなどを用いた洋風調理は少なかった。広島県特有の魚介類であるこいわしは,天ぷらや刺身として,ちぬは塩焼きとして,えびじゃこは汁物や塩茹でとして料理されていた。
著者
本池 祥子 佐久嶋 ひろみ 仲光廣晃 清野 正樹 寒河江 雅彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.40, pp.41-48, 2001-05-12

学校等での集合学習において、生徒一人ひとりの学習のペースやレベル、好み等の特質に合わせたマルチメディア学習環境を実現するために、「情報ランドセル」というコンセプトを提案する。今回、学習教材として小学生向けの英語教材を用意し、DVD-RAMによる「情報ランドセル」を実装して、岐阜市の小学4年生約120名を対象に実証実験を行ない、各生徒にとってよりふさわしい学習教材をより効率的に「情報ランドセル」上に配信する仕組を検証した。その結果、学習教材の必要度の差を利用して、バックグラウンドプロセスで配信する仕組を取り入れることで、生徒の学習を休止する影響をできるだけ小さくしながら、効率的に学習教材を配信できることが実証できた。The authors propose a concept of "Information Satchel", which provides a personalized learning environment for school children. Each "Information Satchel" acts as a personal container for learning materials adaptively selected for each child based on the status of learning such as progress, maturity, and interests. We implemented an experimental "Information Satchel" system using DVD-RAM, which selects appropriate learning materials and efficiently delivers them to each child. From the result of our system architecture evaluation, we confirmed, by downloading lea rning materials in a background process based on the necessity level of learning materials, the total cost of the delivery of learning materials could be reduced.
著者
薮田 行哲 宮脇 ひろみ 柴山 絢子 一柳 剛 會見 忠則 渡辺 文雄
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.89-92, 2012-07-31 (Released:2018-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
1

市販されている9種の食用きのこの抗酸化活性をクロシン退色法,フォーリンチオカルト法,そして1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル消去法の3種類の方法により測定した.9種類の内,ツクリタケが最も高い抗酸化活性(0.22mmol Trolox当量/g新鮮重量)を示した.さらにツクリタケの抗酸化活性は熱に安定であった.抗酸化活性は抽出溶媒および抗酸化活性の測定法の違いにより変化した.このことはきのこには様々な抗酸化物質が含まれていることを示唆するものであった.
著者
堤 理恵 西口 千佳 長江 哲夫 前川 ひろみ 中井 敦子 谷本 幸子 三村 誠二 長江 浩朗 栢下 淳子 中屋 豊
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.929-935, 2012 (Released:2012-06-15)
参考文献数
15
被引用文献数
1

【目的】Nutrition Support Team (NST) が稼働している施設において、整形外科手術後7日間の高齢患者に対する栄養摂取状況と必要エネルギー達成率について検討を行った。【方法】対象患者は、全身麻酔下にて整形外科手術を実施した70歳以上の高齢者とし、レトロスペクティブに検討を行った。【結果】対象患者は、本研究の趣旨に賛同した6施設、合計102症例 (男/女 : 36/66) とした。年齢78.2±5.4歳 (mean±SD)。総摂取エネルギー量は、術後1日目1012±602kcal、3日目1280±491kcal、5日目1404±431kcal、 7日目1407±420kcalであり、このうち1-2日目は輸液併用患者が42%であった。また、必要エネルギー達成率は、術後5日目は40%であった。施設間において総エネルギー量はばらつきが大きく最大で2倍以上の差が認められた。【結語】どの施設でも術後の栄養摂取状況は術後5日間で徐々に増加したが、目標量に達成している患者は全体の40%と少ないことが示唆された。