著者
中川 清
出版者
白鴎大学法学部
雑誌
白鴎法学 (ISSN:13488473)
巻号頁・発行日
no.6, pp.203-294, 1996-10
著者
鈴木 敏之 奥田 綾子 中川 恭子 中野 康弘 楢崎 陽香
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.14-20, 2021 (Released:2021-07-06)
参考文献数
17

上部気道炎とホルネル症候群の徴候を示す18ヶ月齢の猫が来院した。内科的治療に効果を示さなかったので、CT検査を実施した結果、右鼓室胞と鼻咽頭部に軟部組織塊を確認した。全身麻酔下で軟口蓋切開によりアプローチして、耳管咽頭口から鼻咽頭部に出ているポリープを除去したところ、呼吸障害は改善したが神経徴候は持続した。その1ヶ月後、MRI検査所見に基づいて、腹側鼓室胞切除術により右鼓室胞内に充満する炎症組織を除去したところ、術後に臨床症状の悪化も認められず、神経徴候はほぼ改善した。2回の手術で摘出した組織は、組織学的に炎症性ポリープと診断された。本症例の経過から、猫では鼓室胞と鼻咽頭の炎症性ポリープによって上部気道障害とホルネル症候群が生じることあり、その治療として両部位の病巣切除が必要になりうることが示唆された。手術から16ヶ月後に鼻咽頭部から採取した検体のPCR検査ではMycoplasma felisが陽性であったが、この感染が鼻咽頭ポリープの原因であるとの結論には至らなかった。
著者
村田 敬 伊藤 佳代子 高木 洋子 森 栄作 安藤 理子 中川内 玲子 阿部 恵 河野 茂夫 山田 和範 葛谷 英嗣
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.845-848, 2008 (Released:2009-05-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1

症例は2型糖尿病の男性(49歳),前医にてインスリンおよびエパルレスタットの処方を受けていたが,歩行障害悪化を主訴に来院.BMI 14.9 kg/m2, 下肢優位で左右対称な軽度筋力低下,下肢優位の小脳失調症状を認めた.HbA1c 15.6%, 糖尿病網膜症なし,神経伝導速度は運動・感覚ともに低下.入院後,次第に筋力低下と歩行機能が改善.入院時の残血清中ビタミンB1濃度は0.6 μg/dlと低値.フルスルチアミン100 mg/日の点滴を行ったところ,筋力回復し,軽快退院した.管理栄養士による聞き取り調査では白米中心の偏食傾向があり,ビタミンB1の推定摂取量は0.5 mg/日と所要量(1.2 mg/日)の半分程度であった.以上のような検査結果・臨床経過から総合的に判断して,本症例の歩行障害の主因はビタミンB1欠乏症による脚気神経炎であった可能性が高いと診断した.脚気神経炎は糖尿病性多発神経障害と症状が似ており,つねに鑑別診断として念頭におく必要がある.
著者
監物 輝夫 中川 秀敏
出版者
一般社団法人 日本金融・証券計量・工学学会
雑誌
ジャフィー・ジャーナル (ISSN:24344702)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.15-44, 2019 (Released:2019-04-18)

Hawkes過程を用いたイベント発生のモデル化はファイナンス分野でも近年注目されている.本研究では,日本における比較的長期の倒産履歴データを対象に,業種および企業規模に基づいて倒産発生イベントを複数のイベントタイプに分類し,そのうえで,多次元Hawkes過程を用いて倒産発生の伝播構造をモデル化する.Hawkes過程に付随する強度過程を特徴づける手法として,指数減衰型カーネル関数を仮定して最尤法で推定する従来からの手法に加えて,Embrechts and Kirchner (2018)によって提唱されたノンパラメトリックな推定法の適用を試みる.この二つの手法による 多次元Hawkes過程の強度過程の推定結果を Hawkesグラフ表現を用いた視覚化によって比較・考察を行い,Embrechts-Kirchner の推定法が多次元Hawkes過程を用いた倒産発生の伝播モデルに対して応用可能性があることを確認する.
著者
加納 誠二 土田 孝 中川 翔太 海堀 正博 中井 真司 来山 尚義
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.243-259, 2011-06-30 (Released:2011-07-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

2009年7月24日から25日にかけての連続した降雨により,東広島市志和町内うち地区の残土処分場で崩壊が発生し,流動化した土砂が流下して住宅1戸が全壊した。本論文は本災害の原因について考察したものである。災害発生箇所は何回かの地形改変を経て残土処分場となっていたため,三次元レーザー測量による崩壊後の地形の把握,軽量動的コーン貫入試験による崩壊土砂堆積厚さの調査,過去の測量地図,航空写真の解析を行って,地形改変履歴を明らかにし崩壊直前の地形を推定した。崩壊した残土斜面の底部には帯水層が存在し豊富な地下水が流れており,崩壊後の現地調査と降雨後の地下水位の上昇を考慮した安定解析により,地下水位が帯水層から約9m 上昇し斜面全体の安全率が1 以下となり,すべり崩壊が発生したと推定された。降雨によって飽和度が高まっていた崩壊土砂は,地下水の流出とともに流動化し約9°の傾斜を500m 流下したと考えられる。
著者
中川 仁 青木 清 大東 俊一
出版者
日本心身健康科学会
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.49-59, 2011-02-10 (Released:2011-05-10)
参考文献数
20
被引用文献数
2

養成過程にある理学療法士の心身ストレスを性格類型との関連から明らかにすることを目的として,理学療法士養成校の学生84名と新人理学療法士102名に対し,ストレスについてアンケート調査とYG性格検査を行った.このアンケート結果を因子分析して,ストレス因子を抽出した.重み付けした因子得点を従属変数として,臨床経験の有無およびYG性格類型を独立変数として分散分析を行った.その結果,4つのストレス因子が抽出された.気分の変調因子は臨床経験と性格類型のそれぞれに,対人関係因子は性格類型についてのみ主効果が見られた.また,将来の見通し因子は交互作用がみられたが,食欲不振因子は関連がみられなかった.これらのことより,新人理学療法士のB·C類では気分の変調に陥りやすいことが考えられた.また,E類以外の新人理学療法士は将来についての葛藤に悩まされる可能性があることが示唆された.なお,対人関係は性格による違いはなく,食欲不振は誰にでも生じ得るストレスであることが明らかになった.
著者
渡辺 澄子 川本 栄子 黒田 喜久枝 中川 早苗
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.131-139, 1993

前報において, 若い女性向けの服装雑誌より選んだ服装サンプルをもとに服装イメージを構成している因子の抽出を行った. 本報では前報で得られた主要な因子の因子得点をもとにクラスター分析を行い, イメージによる服装の類型化を行った. さらに類型化された服装タイプのデザインの特徴を把握するために, クロス集計および数量化II類による分析を行い検討した. その結果, 次のような知見を得た.<BR>1) 服装タイプは, (1) キャリアエレガンス, (2) エレガンスフェミニン, (3) ベーシックカジュアル, (4) トレンディカジュアルの四つに類型化された.<BR>2) 服装タイプとデザイン要素の関連性をクロス集計で分析した結果, 43項目中27項目において有意な関連がみられた.<BR>3) 四つの服装タイプを判別するのにより有効な意味は, エレガンスかカジュアルかの違いであり, そのデザイン要素は服種の違いによるものが大きいことが分かった.<BR>4) 服装タイプを一組ずつ対比させ, その違いをより有効に判別するデザイン要素を検討するとつぎのようになった. キャリアエレガンスとトレンディカジュアルは服種, ディティール, 色柄の順に三つのデザイン要素のみで容易に判別できる. 次いで, キャリアエレガンスとベーシックカジュアルもそれらのデザイン要素に襟・袖の形まで含めると明確に判別できる. また, キャリアエレガンスとエレガンスフェミニンのどちらもエレガンスタイプのものどうし, および, ベーシックカジュアルとトレンディカジュアルのカジュアルタイプのものどうしの判別はやや困難であるが, それらは服種やディティールよりも色柄によつてかなり判別できることが明らかになった
著者
赤沼 安夫 繁田 幸男 井村 裕夫 七里 元亮 垂井 清一郎 馬場 茂明 堀野 正治 兼子 俊男 三村 悟郎 清水 直容 内藤 周幸 中川 昌一 工藤 守 久保田 奉幸 阿部 祐五 王子 亘由 鍋谷 登 河原 啓 安東 千代 陣内 冨男 小坂 樹徳 後藤 由夫 葛谷 健 平田 幸正 伊藤 徳治 梶沼 宏 堀内 光 坂本 信夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.9-18, 1984

ブタインスリンの化学的修飾によつて酵素学的畔合成されたHuman Momcomponent Insuliれの安全性, 有効性および免疫学的推移を精製ブタインスリンを対照薬剤とした二重盲検法にて検討した. 用いた製剤はいずれもActrapidおよびMonotard製剤である. 治験は96週間の予定にて実施進行中であるが, 今回は24週間まで投与し得ている症例を対象とした中間成績である. 対象は, 精製ブタインスリン製剤のみで治療されているType IおよびType II糖尿病患者153例であった. 解析は除外症例8例を除いた145例にて実施された.<BR>患者の年齢, 糖尿病病型, 肥満度, 糖尿病発症年齢, 糖尿病罹病期間および糖尿病性合併症など背景因子に明らかな偏りはなかった.<BR>全般改善度, 有用度とも精製ブタインスリン群の方で改善および有用と判定する傾向があった (0.05<p<0.1).<BR>インスリン1日用量, 空腹時血糖値およびヘモグロビンAiでは両薬剤群間に有意な差は認められなかった. 体重, 抗インスリンIgG抗体およびインスリン特異性IgE抗体でも両薬剤群間に差を認めなかった. インスリンアレルギーが治験開始1ヵ月頃に, リポアトロフィーが12週間頃に各1例ずつ認められたが, いずれも治験はそのまま継続し得た. これら以外に副作用は認めなかった. 臨床検査成績に治験薬剤によると思われる直接的な影響は認められなかった.<BR>以上より, Human Monocomponent Insulinは, 精製ブタインスリンとほぼ同様の安全性, 有用性を有しており, 糖尿病治療上, 有用なインスリンであると判断された. しかしながら両者間には作用特性に多少の差異がみられる可能性は残る. この点に関しては今後さらに検討される必要があろう.
著者
永井 哲夫 藤野 雅美 若林 類 角田 博之 高森 康次 角田 和之 高木 謙一 中川 種昭 宮岡 等 片山 義郎
出版者
日本歯科心身医学会
雑誌
日本歯科心身医学会雑誌 (ISSN:09136681)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.37-40, 2003

A 53-year old woman complained of a diverse range of symptoms, including sharp pain at the side and root of the tongue, feelings of anxiety, parching, depression, and exhaustion, and early-morning awakening. She had a high score of D on the Minnesota Multiphasic Personality Inventory (MMPI), and was diagnosed as suffering from light depression. Treated with 50mg/day of fluvoxamin, the insomnia was relieved after two weeks, the feelings of depression after four, and all symptoms, including the glossal pain, after eight. The dose was gradually reduced and then stopped altogether after six months. Fluvoxamin is easy to use in the ordinary dental clinical environment because it has almost no anticholinergic effects or cardiovascular side effects. It is thought to show promise for use as a medication for treating a variety of complaints in the oral area.
著者
金 延景 中川 紗智 池田 真利子
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.247-262, 2019 (Released:2020-03-25)
参考文献数
33
被引用文献数
1

本稿は,東京都新宿区大久保コリアタウンにおけるエスニック空間の夜の性質を,夜間営業施設の利用特性の分析から検討した。大久保コリアタウンの夜間営業施設からは,昼間-夜間と,夕方-深夜-早朝の時間帯において,エスニック集団の実生活に依拠した本質的なエスニシティと,ホスト社会に期待される観光資源としてのエスニシティそれぞれの様相と遷移が看取できた。また,夜の大久保コリアタウンは,昼間の領域性を薄め,歌舞伎町との連続性を強めて再構築されると考えられる。この大久保コリアタウンの領域性の再構築は,形成初期より歌舞伎町の遊興空間と深く結びつき存在してきたエスニック・テリトリ−がホスト社会の管理により縮小されながらも,韓流ブ−ムに起因する大久保側の観光地化と,第二次韓流ブ−ムによりもたらされた夜間需要の拡大といった外的要因により,そのエスニシティの境界が維持された結果と理解される。さらに,この領域性を歌舞伎町と大久保コリアタウンの境界域として捉えるならば,日本の盛り場的要素と韓国のエスニシティが交差した新たな文化的アイデンティティを有する「第3の空間」として新宿の夜の繁華街を構成し,その新たな都市文化の創造に寄与しているといえよう。

1 0 0 0 伊達郡村誌

著者
中川英右 編
出版者
歴史図書社
巻号頁・発行日
vol.第4巻, 1980
著者
張 〓文 中川 景子 岩山 滋
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.60, no.471, pp.93-98, 1995-05-30 (Released:2017-01-27)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

The present paper investigates the relation between the stylistic nature of architecture and environment in the Japanese poems "MANYOSHU" written during Japan's Manyo Dynasty 478-759. After analyzing the type of wording and the context of poem, we propose that the feeling of architectural space in Japan's Manyo Dynasty is closely connected through physical elements and symbol of environments. On one hand, in more privacy sense, the poems describes the beauty of "KACHOUFUGETSU" by using "inn" "hermit's cell" for architecture and "autumn" "wind" "night" for environment. On the other hand, in more non-privacy sense, "house" "door" "shrine" for architecture and "sky" "sun" for environment are used when the poems praise an emperer.
著者
中川 明子 椎木 英理子 藤川 大輝
出版者
徳山工業高等専門学校
雑誌
徳山工業高等専門学校研究紀要 = Research reports of Tokuyama College of Technology (ISSN:03862542)
巻号頁・発行日
no.36, pp.1-11, 2013-02

This study aims to clarify historic value of Toishi Hachimangu at Toishi in Shunan city. At the same time, we aim to judge that this shine corresponds to Registered Tangible Cultural Properties (buildings). We measured the buildings of this shrine, and made plans, took photographs, and investigated literatures. As the result, we clarified historical details until the completion of buildings of this shrine from 1938 〜 1941 by old books. The designing adviser of this shrine was SUNAMI Takashi who belonged to the department of the interior in 1939. The designer was INAGAKI Hideo. Among buildings of shrine, especially front shrine was designed as Rohaiden which is vernacular style of Yamaguchi. SUNAMI was an architect who respected the venerableness and style of each shrines. He showed his policy on Toishi Hachimangu, too. We concluded this point is its historic value. At the same time, its age and its contribution to the historical scene of national land, we concluded this shrine corresponds to Registered Tangible Cultural Properties (building).
著者
中川 明子 大來 美咲
出版者
徳山工業高等専門学校
雑誌
徳山工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:03862542)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.51-56, 2014-12-01

It has been said that the Roh-Haiden in the Yamaguchi Prefecture is rare across Japan. There are 11 Roh-Haidens in Shunan City, according to Yamaguchiken-Jinja-Shi, but about half have not been studied. Therefore, this study aimed to clarify the characteristics of all Roh-Haidens in Shunan City. At first, we measured these Roh-Haidens and made their plans; at the same time, we took their photos. We investigated their characteristics using their plans, photos, and old books. The results of this study are the following: most are located in Mae-Yamashiro-Saiban, and it is estimated that this style was established in the latter half of the 19th century in this region. The size and the structure types of the Roh-Haidens are related.
著者
増田 富士雄 中川 要之助 坂本 隆彦 伊藤 有加 櫻井 皆生 三田村 宗樹
出版者
日本堆積学会
雑誌
堆積学研究 (ISSN:1342310X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.115-123, 2008
被引用文献数
4

大阪平野の沖積層(難波累層)中部に特徴的に発達する天満砂州堆積物について,地盤情報データベースによる解析とこれまでに報告されている <SUP>14</SUP>C年代値や火山灰層などのデータから,その分布と層位を明らかにした.それによれば,天満砂州堆積物は,6000年前から5000年前の最高海面期にはすでに堆積しており,約8000年前以降の海進期に形成されたものである.天満砂州堆積物は砂礫からなる"砂嘴堆積物"である.それは,分布が細長いこと,前進堆積体であること,離水していたと考えられること,海面上昇に伴い陸側斜め上方に発達していること,波浪堆積構造が認められることからわかる.また,天満砂州に堆積物を供給した波食台あるいは波食棚と海食崖と考えられる古地形が,上町台地の西縁に認められることも,それを支持している.<BR>天満砂州の発達は8000年前から7000年前のある時期の海面の急上昇というイベントを挟んで,2段階で行われた.最高海面期の天満砂嘴は,天満から長柄を経て淡路に至る地域に,幅100 m以下,長さ7~8 kmで発達していた.天満砂州は,その後の高海面期に沖側に前進する砂浜海岸や砂礫浜海岸へと変化してその幅を増していった.