著者
福井 昌則 中村 駿佑 宮寺 良平
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI)
巻号頁・発行日
vol.2015-GI-33, no.15, pp.1-5, 2015-02-26

本稿では,不等式を満たすチョコレートゲームの必勝法解析について述べる.チョコレートゲームは,Robin が提案したゲームであり,組み合わせゲームである CHOMP の変種であるが,CHOMP と異なるのは,必勝法が計算できるタイプが多数存在することである.長方形のチョコレートは,伝統的な石取りゲームと数学的に同値であるが,私達が研究するチョコレートゲームは,座標間に不等式の関係が成立しているものであり,そのチョコレートに対してグランディ数を求める公式を導出した.本稿では,私達の研究しているチョコレートゲームの説明,数学的背景,そしてモバイル端末向けに作成したチョコレートゲームについて述べる.
著者
中村 大輝 松浦 拓也
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.279-292, 2018-03-19 (Released:2018-04-06)
参考文献数
47
被引用文献数
8

理科における問題解決や探究の入り口として, 学習者自身に仮説を立てさせることの重要性が指摘されている。一方, 仮説設定に関する先行研究においては, 学習者が仮説を設定する際の思考過程の実態が明らかにされてこなかった。そこで本研究では, 仮説設定を求める調査問題を6問作成するとともに, 大学生・大学院生を対象とした面接調査を実施した。結果の分析に際しては, まず, 発話プロトコルから思考過程を推定し, その内容によって6つのカテゴリーに分類した。次に, それらのカテゴリー間の推移を集計し, 仮説設定には共通した思考過程が存在することを明らかにした。また, 思考過程の合理性を得点化し, 思考過程との関係性を検討した結果, 変数の同定過程においては複数の変数の吟味が, 因果関係の認識過程においては因果関係の慎重な検討が合理性に正の影響を及ぼすことが明らかになった。
著者
清水 みはる 中村 桂子 奥村 智人 澤 ふみ子 濱村 美恵子 稲泉 令巳子 筒井 亜由美 南 稔治 江富 朋彦 菅澤 淳
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.99-105, 2006-08-31 (Released:2009-10-29)
参考文献数
6

はじめに:近年、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)などの軽度発達障害児の問題は教育的な領域でクローズアップされてきている。大阪医科大学LDセンターで視知覚訓練などを行っている児童を対象に、眼疾患のための視知覚の発達の遅れが疑われる症例に関して、LDセンターと連携して眼疾患の検討を行う取り組みを始めているので報告する。対象・方法:対象は軽度発達障害児22名(男児16名、女児6名)で、小児科で知能検査WISC-IIIを行い、眼科にて精密検査を行い眼疾患を有する場合は治療を行った。結果:対象児のWISC-III知能検査の結果は言語性IQが88.7、動作性IQが78.4であった。視覚運動系の発達がやや悪い結果を示し、見る作業が苦手な傾向にあった。視知覚に影響するような眼疾患としては間歇性外斜視および外斜視が12名で、そのうち輻輳不全を伴うものが8名、内斜視2名、上斜筋麻痺1名、眼振2名、屈折異常があり眼鏡処方を行ったのは14名、そのうち弱視治療を行ったものは3名、斜視手術施行したのは3名であった。結論:軽度発達障害児は視知覚の遅れを伴うものが多いが、原因が眼疾患によるものか、発達の遅れによるものか鑑別は難しい。今回の結果より視知覚に問題を持つ軽度発達障害児には治療の必要な眼位異常や屈折異常が多く見られ、今後眼科と小児科や発達に関わる専門機関との連携が必要と思われた。
著者
YANG KAI 中村 剛士 加納 政芳 山田 晃嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

日本のコミックにはオノマトペがよく現れる.また,新しいオノマトペは日々創造され,コミックに登場している.当然ながら,造語された新しいオノマトペは日本語辞書では見つけることができない.そのため,中国語を母国語とする人にとっては,その新しいオノマトペの意味や印象を理解することは難しい.そこで,本稿では,日本語オノマトペから中国語オノマトペへの機械翻訳を提案する.提案する翻訳システムは音象徴性仮説に基づくものである.この翻訳システムは現在構築中である.本稿では,システムの構成要素について述べ,それらの実現可能性について議論する.
著者
中村 信隆
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.69, pp.215-229, 2018-04-01 (Released:2018-08-01)
参考文献数
19

Many philosophers suspect that the emotion of shame cannot play a significant role in morality because shame is the reaction to others’ contempt and therefore, a heteronomous emotion. This paper aims to defend the view that shame is a morally significant emotion by focusing on one form of reproach —“shame on you.” We employ this reproach, for example, with a President who establishes discriminatory policies or a scientist who falsifies data in his academic paper and in these cases, we assume this reproach is morally important. Therefore, what does “shame on you” imply? How can it be morally justified? Moreover, what are its characteristics? In this paper, I answer these questions by clarifying the notions of shame and self-respect. The paper proceeds as follows. First, I resolve the issue of autonomy and heteronomy in the emotion of shame based on Gabriele Taylor’s observation that shame contains two elements — a self-directed adverse judgment and a notion of an audience. I argue that the adverse judgment is always rendered autonomously, but the audience can be either autonomous or heteronomous; essentially, agents feel shame either in their own eyes or in the eyes of others. Second, I explain the meaning of “shame on you” and demonstrate the moral validity of this reproach by referring to the nature and classification of self-respect. Finally, I examine the distinctive significance of “shame on you.” Examining the different characteristics of shame and guilt, I argue that this form of reproach involves more a comprehensive assessment of the agent than other forms of reproach that concern, for example, the violations of moral rules.
著者
松本 俊明 植竹 富一 色摩 康弘 中村 孝明
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.7_14-7_26, 2019 (Released:2019-11-29)
参考文献数
26

再生可能エネルギーの固定費買取り制度により,配電設備に接続される太陽光発電などの小規模電源設備が増加している.このような分散型電源は,送配電線の事故や災害時の電力供給支障を改善する効果が期待されている.一方,地震災害時には需要家も損傷する可能性が高く,これに伴い常時に比べ需要電力は低下する.需要と供給の差を供給支障と考えれば,分散型電源の供給力や需要家損傷による需要電力低下が,供給支障電力にどのような影響を与えるか,これを把握することは,配電網の防災対策や災害対応を検討する上で必要な課題である.本論では分散型電源が配置された配電網において,需要家損傷を考慮した地震時の供給支障電力の評価方法を提案する.また,発災初動期の電圧変動による配電線の解列を考慮するとともに,配電線のFragility Curveを被災事例に基づき統計的に評価する.提案手法の適用性の検討として,JST-CREST126系統モデルを取上げ,需要家損傷や分散型電源による供給支障への影響を考察する.
著者
永井 修 中村 浩之
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
地すべり (ISSN:02852926)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.20-29_1, 2000-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
17
被引用文献数
2 3

山梨県南西部に位置する “七面山大崩れ” は安政の東海地震 (1854) で大崩壊したという説が一般的であったが, 今回七面山と関連の深い日蓮宗久遠寺の古文書や文献を精査の結果, “七面山大崩れ” は1600年代には既に崩壊してきたことが明らかとなった。また “七面山大崩れ” は過去に発生した幾度かの地震や毎年の削剥を経て現在の地形に至ったものであり, 一度の地震をひきがねとした大規模崩壊ではない。特に毎年の削剥量は冬季における凍結融解によるものが大半であり, 七面山における特異な地形, 地質と南向き斜面の微気候が崩壊の拡大に影響している。
著者
中村 匡
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.2-42, 2002-10-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
向野 晃弘 中根 俊成 樋口 理 中村 英樹 川上 純 松尾 秀徳
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.334b-334b, 2014 (Released:2014-10-07)

【背景】抗ganglionicアセチルコリン受容体(gAChR)抗体は自律神経節に存在するgAChRを標的とし,一次性自律神経性ニューロパチーの約50%で検出されることが報告されている.一方,シェーグレン症候群(SS)に認められる自律神経障害の原因は未解明である.今回我々は著明な自律神経症状を合併したSSにおける抗gAChR抗体陽性例と陰性例間の臨床症状について比較検討を行った.【対象】SSと臨床診断された11症例の血清および各種臨床情報を対象とした.【方法】ルシフェラーゼ免疫沈降法(LIPS法)を用いて抗gAChR抗体測定を行った.また,提供された各種臨床情報をもとに抗gAChR抗体陽性例と陰性例の自律神経症状等を比較検討した.【結果】SSを合併した検体11例中,5例(45.5%)で当該抗体が陽性であった.抗体陽性群5症例では先行感染ありが3例(60%)で,全例で起立性低血圧を合併していた.陰性群6症例では起立性低血圧4例(66.7%)見られた.両群とも消化器症状,排尿障害を合併していた.【考察】著明な自律神経障害を呈するSSのうち45.5%もの症例で本抗体が陽性であったことは,この抗体の病態における役割を考える上で興味深い数値である.抗体陽性と陰性の臨床像の違いを見出すには今後更に症例を蓄積し,他の検査所見や合併症の確認や免疫治療の有効性を検討する必要がある.
著者
原田 岳 坂口 孝宣 稲葉 圭介 中村 利夫 倉地 清隆 深澤 貴子 中村 光一 沢柳 智樹 原 竜平 井田 勝也 今野 弘之
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.107, no.3, pp.432-441, 2010 (Released:2010-03-05)
参考文献数
30
被引用文献数
1

症例は70歳男性.肝門部とドーム下に肝腫瘍を指摘され受診された.門脈腫瘍塞栓をともなうStage IVの肝細胞癌と診断し,近医経過観察の方針となった.その後は症状の増悪なく経過し,初診から28カ月後の画像診断で腫瘍は著明に縮小していた.退縮に関わる因子として,門脈腫瘍塞栓による腫瘍血流の減少と,イミダプリル,補中益気湯の抗腫瘍効果が考えられた.肝細胞癌の自然退縮症例はまれであり,文献的考察を含め報告する.
著者
西本 豊弘 藤尾 慎一郎 永嶋 正春 坂本 稔 広瀬 和雄 春成 秀樹 今村 峯雄 櫻井 敬久 宮本 一夫 中村 俊夫 松崎 浩之 小林 謙一 櫻井 敬久 光谷 拓実 設楽 博巳 小林 青樹 近藤 恵 三上 喜孝
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2004

弥生時代の開始が紀元前10世紀末であることが明らかとなった。その後、日本列島各地へは約500年かかってゆっくりと拡散していった。さらに青銅器・鉄器の渡来が弥生前期末以降であり、弥生文化の当初は石器のみの新石器文化であることが確実となった。
著者
遠山 光一 中村 壽 斎藤 七五郎
出版者
The Japan Society of Naval Architects and Ocean Engineers
雑誌
造船協會會報 (ISSN:18842054)
巻号頁・発行日
vol.1953, no.75, pp.7-21, 1953

Nous avons l'intention de vous presanter un projet du cargo en ciment armé qui a été actuellement construit au Japon pendant la grande guerre 19421945.<BR>Les principales dimensions de ce navire sont suivantes : <BR>m<BR>Longueur entre perpendiculaires 60.000<BR>Largeur hors borde 10.000<BR>Creux 6.000<BR>Tirant d'eau en charge 5.000<BR>Déplacement en charge 2, 200 t<BR>Tonnage bruit 800 t<BR>Puissance du moteur à Diesel 750 ch.<BR>n<BR>Vitesse commerciale 9.5<BR>n<BR>Vitesse aux essais 10.83<BR>Dáprès l'expérience nous avons donné à la paragraphe 3 des avantages et des désavantages d'un navire en ciment armé par rapport à celles d'un navire en acier.<BR>La partie essentiele de ce memoire est les résultas des calculs des efforts, des tentions, des compressions et des cisaillements de la coque en ciment armé.