著者
青山 秀紀 谷口 充展 近藤 一晃 中村 裕一 秋田 純一 戸田 真志 櫻沢 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.28, pp.121-126, 2010-05-06

本稿では,画像認識と筋電インタフェースを利用した情報提供システムを提案する.このシステムは,頭部に装着したカメラの画像情報から手が触れている物体を,筋電インタフェースによって手指の動作を認識し,その動作の違いによって,その物体の名称や使用方法などの情報の種類を選択して提供する.また,このシステムでは,動作認識の対象を,学習済の全ての動作ではなく,手の付近に存在する物体に行い得る動作に限定することで,認識率の向上を図っている.本稿では,限定された認識対象動作数と認識率の関係について報告する.
著者
山下 泰正 田邊 俊彦 磯部 しゅう三 西野 洋平 北井 礼三郎 末松 芳法 黒河 宏企 平山 淳 中村 士 代情 靖 船越 康宏
出版者
国立天文台
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

1.研究の概要平成3年7月11日の皆既日食は、7分近い皆既継続時間を持つ今世紀最大規模のものであった。この貴重な機会を利用して、平常では十分行なうことが出来ない太陽コロナの精密観測を実施して、その物理状態を調べる事が本研究の目的であった。研究調査は、2年に跨ってメキシコ国内各所で行なわれ、初年度は観測地の調査選定を、本年度は皆既日食本観測を実施した。当初、メキシコ国内の治安の悪さ、自然環境の厳しさ等危惧されたが、初年度の予備調査により、晴天率、望遠鏡設置条件、居住条件、安全性、機材輸送経路等の諸条件を十分検討して観測地点を選択したこと、予めメキシコ大学その他現地の協力機関と折衝出来たこと等により、約40日にわたる本年度調査は、概ね順調に実施され、晴天にも恵まれて太陽コロナその他の観測に成功した。2.研究の実施経過日本観測隊は11名により構成された。内訳は国立天文台6名、京都大学理学部3名、海外保安庁水路部2名である。前者2機関9名が本研究計画により派遣されたものである。3チ-ム8名(国立天文台3名、京都大学3名、水路部2名)は、カリフォルニア半島南端のラパス市にて、1チ-ム(国立天文台3名)が、メキシコ市南東のポポカテペトル山(5452m)にて観測した。全員メキシコ市日本大使館にて打ち合わせた後、2箇所に分かれて、設営準備を開始した。ラパス隊はカリフォルニア半島北端のエンセナ-ダ港にて、観測機材(全重量8.7トン)の通関手続きを行った後、トラック2台によりラパス市までの1600kmを陸送した。予め選定していたラパス市郊外の南バハカリフォルニア自治大学の運動場にて、観測機械を設置し、調整、テスト観測等約20日間余りにわたる準備を行なった末、皆既日食当日に臨んだ。当日は快晴に恵まれ、観測機器も順調に作動して観測に成功した。観測機材散収梱包作業後、再びトラックにて陸送し、エンセナ-ダ港にて通関手続き、船積み手続き完了後メキシコ市に帰還した。ポポカテペトル隊は、メキシコ大学天文学教室の応援を得て、5400mの山頂付近に観測機器を設置した。皆既当日は朝から快晴で、後半薄雲の影響を受けたものの、観測機器も正常に作動して観測に成功した。3.研究の成果得られた多くの観測デ-タの解析は現在進行中であるが、観測デ-タの内容と予備的な解析結果はすでに、別冊の研究成果報告書「平成3年7月11日メキシコ日食による太陽コロナの観測」としてまとめられている。その概要は次の通りである。(1)太陽コロナの微細構造の観測によるコロナの熱力学構造の研究。異なる温度構造を代表する4本の輝線、既ち中性水素輝線Hα(1万度)、9回電離鉄イオン6374輝線(100万度)13回電離鉄イオン5303輝線(200万度)、14回電離カルシウム5694輝線(350万度)と連続光の、合計5種類の単色フィルタ-によって、内部コロナの単色像を多数撮影した。これによってコロナ中の高温ル-プ、低温ル-プ、紅炎周縁等の微細温度構造を示すデ-タを、従来にない高分解能で得ることに成功した。予備的な解析から、コロナのル-プ構造は従来から考えられていた「中心が冷たく外側が高温」の同軸モデルでは説明できない構造が多いことが判った。(2)太陽コロナ中の低温物質の起源の研究中性ヘリウむ輝線10830(1〜10万度)と10000オングストロ-ム連続光及び13回電離鉄輝線5303の単色像を撮影すると同時に、紫外領域と赤外領域の偏光分光観測により、カルシウムイオンH.K輝線、ヘリウム10830輝線等のスペクトルを多数撮影した。予備的な解析によると、コロナ中には、紅炎以外には、はっきり検出できる低温物質が存在しないようである。又、Kコロナの観測から、コロナストリ-マ-の太さを調べた結果、太陽表面では約15〜40秒角の大きさの構造につながる事が判った。(3)太陽周縁の塵の研究4波長(5325A、5965A、7200A、8015A)の広帯域フィルタ-と偏光板によって、外部コロナの二次元偏光測光を行い、偏光の二次元分布図を作成した。これから、真のFコロナ偏光成分を求めるためには、地球大気によるバックグラウンド偏光成分とKコロナのストリ-マ-偏光成分とを分離する必要があり現在整約を続行中である。これにより、太陽周縁の惑星間塵の分布及び物理状態を調べることが出来る。
著者
橘川 武郎 長谷川 信 平沢 照雄 松村 敏弘 橋野 知子 高岡 美佳 平本 厚 中村 尚史
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

課題番号17330077基盤研究(B)「規制の経済史的研究-産業発展をめぐる企業と政府-」(平成17〜19年度)の研究成果は、2008(平成20)年3月に刊行した研究成果報告書(xii+270頁、総論+全12章)に集約されている。この研究成果報告書の各章は、19世紀後半の生糸貿易(1章、中林真幸執筆、以下同様)、明治期の鉄道業(2章、中村尚史)、第1次世界大戦期の染料工業(3章、橋野知子)、1920〜30年代のラジオ受信機工業(4章、平本厚)、戦前から戦後にかけての港湾運送業(5章、大島久幸)、1950〜60年代のクリスマス電球工業(6章、平沢照雄)、1960年前後の損害保険業(7章、齋藤直)、1960〜70年代の自動車排ガス規制(8章、板垣暁)、戦後復興期〜1980年代の重電機工業(9章、長谷川信)、1950年代後半から今日にかけての原子力発電(10章、橘川武郎)、1980年代後半から今日にかけてのネットワーク型公益事業をめぐる規制改革(11章、松村敏弘)、経済規制に関する理論研究の動向(12章、佐々木弾)を、検討対象としている。本研究は、(1)検討対象期間を長期(明治期から今日まで)にわたって設定する、(2)第2次産業および第3次産業に展開する幅広い業種を取り上げる、(3)大企業と政府との関係だけでなく、中小企業と政府との関係も視野に入れる、(4)歴史分析にもとづく実証研究と経済学に基盤をおく理論研究を結合する、という四つの特徴をもっているが、この点は、上記の報告書にも色濃く反映されている。(1)(2)の点は、1章〜11章の構成から明らかである。(3)に関しては、4〜6章が、中小企業と政府との関係を掘り下げている。(4)に関しては、1、11、12章が理論研究の成果を積極的にとり入れている。
著者
松尾 俊和 中越 享 中村 司朗
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.23-27, 2009-06-25
被引用文献数
2

魚骨穿通による肝膿瘍の1例を経験したので報告する。症例は74歳の女性で、右上腹部痛、発熱を主訴に入院となった。入院時胸部CTで肝外側区域から背側に突出するような低濃度腫瘤と線状陰影を認め、魚骨刺入による炎症性肉芽と診断した。Free airはなく魚骨は胃から離れていたため、心不全、脱水の治療を優先し、待機的に手術施行した。術前の造影腹部CTでは、肝外側区域に肝膿瘍を形成していたため、魚骨摘出と肝膿瘍ドレナージ術を施行した。一般的に本症の診断は困難であるが、MDCTの施行により術前の確定診断が比較的容易となった。
著者
中村 政隆 伊藤 元己 川合 慧 佐久間 雅
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

複数の種(taxon)の遺伝子の塩基列もしくはアミノ酸列をデータとして、そこから系統樹(phylogenetic tree)を構築するアルゴリズムは、距離行列法と、与えられたデータのもとでの各二分木のコストを定義してコスト最小の二分木を求める、という2つのタイプに大別できる。距離行列法(Pairwise Distance Method)としては、UPGMA/WPGMA法(実用にはあまり用いられてない)、及び近隣結合法(Neighbour Joining Method, NJ法)などが知られている。それに対して、初期解から局所探索、つまり受刑探索を繰り返して最適器を求めるときの目的関数の取り方として、最小二乗法、最小進化法、最大節約法(Parsimony)、最尤法(Maximum Likelihood Method)などが知られている。一般に組み合わせ最適化の理論では、これらの樹形探索のような局所探索を繰り返すときには、適当なメタヒューリスティックアルゴリズムを使うとより効率的なアルゴリズムが得られることが知られている。実際には、組み合わせ最適化の分野でメタヒューリスティックアルゴリズムの名の下に以下の3つが知られている(1)遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)(2)タブー探索(Tabu Search)(3)進化的アルゴリズムこれらの戦略を系統樹アルゴリズムの樹形探索の部分に適用し、シミュレーションを繰り返してみた結果、タブー探索がもっとも効果的であるという知見を得た。
著者
井上 知洋 秦 崇洋 中村 元紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.578, pp.483-488, 2007-03-01

ライフログのように個人ログ情報を網羅的に蓄積していく環境においては、蓄積した情報をどうやって整理し、ユーザに使いやすい形で提示するかが重要となる。本研究では、個人ログ情報の整理方法の一つとしてテキスト文書の自動分類技術に着目し、個人環境に特有のローカルな語彙やカテゴリーに適した自動分類システムを提案する。このシステムは、メールなどのいくつかのアプリケーションによる情報の整理履歴を用いてユーザの個人的環境に適応した分類コーパスを生成し、他のアプリケーションの扱う情報の自動整理を行うことを特徴とする。また、提案システムの初期的な評価として、入力したブログのテキストを元にウェブの閲覧履歴を自動分類した際の分類精度を示す。
著者
中村 友洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.1-6, 2006-04-07

カリフォルニア大学バークレー校とスタンフォード大学はITシステムの可用性向上を目的として,共同研究プロジェクトRecovery Oriented Computing (ROC)およびReliable Adaptive Distributed Systems (RADS)を推進している.ROC/RADSプロジェクトは,オペレータのミスやソフトウェアバグに起因するシステム障害の発生を前提として,システム障害の発生予測や高速な障害復旧により高可用システムを実現するアプローチを特徴としている.報告者はスタンフォード大学に1年間滞在しROC/RADSの中核技術の1つである障害予測の研究に携わった.本稿では, ROC/RADSの概要と,障害復旧と障害予測に関する成果について紹介する.
著者
須藤 崇志 丸山 広 中村 太一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.65, pp.41-46, 2008-05-22
被引用文献数
2

校正と推敲を繰り返すことは,論理的で分かりやすい技術文章を作成するのに効果的である.我々は,修飾語の並べ方と読点の打ち方の両方に関する作文規則を活用し,係り受け関係の分かりにくい文を指摘する推敲支援手法を提案してきた.我々の提案手法を実装したシステムを用いて,本学の学部生の学生実験の課題レポートにて効果を検証してきた.本稿では,学生実験のレポートから抽出した文を分析し,文を分かりにくくする要因を特定し,推敲支援に取り組む優先順位を明らかにした.さらに,我々が優先度の高い推敲支援手法をシステム化する際に,留意すべき点を考察した.
著者
丹生 有紀 大澤 幸生 西尾 チヅル 中村 洋
出版者
日本行動計量学会
雑誌
日本行動計量学会大会発表論文抄録集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.32-33, 2005-08-24

ビジネス現場で「顧客情報」の重要性が聞かれる。しかし顧客は考えを言葉として表現しえるわけではない為、価値ある情報の収集は難しい。企業はどのように顧客に重要と思われる情報を発信し、新奇性と有益性のある情報のフィードバックを獲得するのか。意味ある情報の獲得には、顧客が商材を語り、新たな気づきを獲得しながら、顧客自身がその価値を発見するプロセスの提示が必要である。このプロセスでは、商材(外部情報)と顧客背景(内部知識)の統合を促進するコミュニケーションが重要な役割を持つと考える。本稿では対象物に対する人の気づきの獲得モデルについて、美術品鑑賞における鑑賞者の認知プロセスを事例として取り上げる。例えば知名度が低い美術作品に対し、その価値への気づきと評価を人はどのように獲得するのか。「目は口ほどにものをいう」ともいわれるように、視線の動きには人間の精神状態が反映される。そこで本稿では鑑賞時における視線走査に着目し、感想の発話状態との関連性について、認知科学的な視点による実験と考察を行う。
著者
衣川 秀一 中村 治雄 古和 久幸 田崎 義昭
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.363-369, 1974-12-31

Carbohydrate intolerance and hyperlipidemia have been known to be risk factors in atherosclerotic vascular disease. The present study was conducted to determine to what extent alcohol ingestion in man would cause the changes of plasma glucose and lipids in normal and atherosclerotic subjects. One hundred g of oral glucose tolerance tests, with and without 0.5g/kg alcohol ingestion 30 minutes prior to the test, were performed on each subject to measure glucose, immunoreactive insulin (IRI), free fatty acid (FFA), triglyceride, cholesterol, phospholipids and lipoprotein profile. Alcohol ingestion revealed a gradual increase of plasma TG with a concomitant increase of cholesterol in young and aged subjects. This would indicate that alcohol stimulates the release of pre-β lipoprotein from the liver. Under the present experimental conditions, alcohol failed to show glucose intolerance, but clearly increased plasma lipids. The result suggests that hyperlipidemia would be caused by alcohol ingestion and subsequently would result in atherosclerotic lesions.
著者
深見 嘉明 福田 大年 中村 暁子 寺本 直城
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.6-18, 2024-01-10 (Released:2024-01-10)
参考文献数
10

本論文の目的は,コーヒー豆の焙煎の分野におけるDX(Digital Transformation)の一つの形であるスマートロースターがどのようにスペシャルティコーヒービジネスにおける製品の開発としてのコーポレートブランド構築に関与しているか,コーヒー焙煎プロファイルデータと焙煎士の相互作用に着目しながら,そのプロセスを解明することである。近年,スペシャルティコーヒーの市場が日本でも拡大するなかで,スマートロースターを導入する焙煎店や喫茶店も増えている。本稿では,日本のスペシャルティコーヒービジネスを支えるもう一つの大きな要素として,コーヒーの焙煎のDXの一つの形であるスマートロースターに着目し,それが製品のブランディング構築に関与するプロセスを解明する。そのために,日本国内におけるスペシャルティコーヒーの産業内での位置づけ(ポジショニング)について明らかにする。そのなかで事例研究からスマートロースターがスペシャルティコーヒーのブランディングにいかに関与し,焙煎士がどのような役割を担うのかについて考察する。
著者
澤井 秀次郎 福田 盛介 坂井 真一郎 櫛木 賢一 荒川 哲人 佐藤 英一 冨木 淳史 道上 啓亮 河野 太郎 岡崎 峻 久木田 明夫 宮澤 優 植田 聡史 戸部 裕史 丸 祐介 下地 治彦 清水 康弘 芝崎 裕介 島田 貞則 横井 貴弘 藪下 剛 佐藤 賢一郎 中村 和行 久原 隆博 高見 剛史 田中 伸彦 古川 克己
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
pp.JSASS-D-16-00050, (Released:2017-08-03)
被引用文献数
8 7

SLIM (Smart Lander for Investigating Moon) is the Lunar Landing Demonstrator which is under development at ISAS/JAXA. SLIM demonstrates not only so-called Pin-Point Landing Technique to the lunar surface, but also demonstrates the design to make the explorer small and lightweight. Realizing the compact explorer is one of the key points to achieve the frequent lunar and planetary explorations. This paper summarizes the preliminary system design of SLIM, especially the way to reduce the size.
著者
井之上 寿美 河野 芳美 河野 千佳 白木 恭子 塩田 睦記 雨宮 馨 中村 由紀子 杉浦 信子 小沢 愉理 北 洋輔 小沢 浩
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.356-358, 2022 (Released:2022-10-13)
参考文献数
10

神経発達症児の血清亜鉛値について健常児の参照値と比較検討した.血清亜鉛値を測定した学齢期の神経発達症児63名(男児49名,女児14名)を患者群とし,先行研究において年齢分布が一致する380名の健常児のデータを用いて解析を行った.その結果,患者群のうち19名(30%)が亜鉛欠乏症,また39名(62%)が潜在性亜鉛欠乏,亜鉛値正常は5名(8%)であり,血清亜鉛値は健常児の参照値と比較して有意に低値であった(p<0.001).患者群の診断内訳では,ADHD(36名,54%)と自閉スペクトラム症(22名,39%)の2疾患が大部分を占めたものの,血清亜鉛値は疾患間で有意な差はなく(p=0.32),性差も認められなかった(p=0.95).神経発達症児は亜鉛欠乏傾向にあると考えられ,疾患や性別による血清亜鉛値の明らかな違いはなかった.