著者
西原 賢 久保田 章仁 井上 和久 田口 孝行 丸岡 弘 植松 光俊 藤縄 理 原 和彦 中山 彰一 溝呂木 忠 江原 晧吉 細田 多穂 山口 明 熊井 初穂 二見 俊郎
出版者
埼玉県立大学
雑誌
埼玉県立大学紀要 (ISSN:13458582)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.39-45, 2001

筋線維伝導速度(MFCV)をなるべく多くの筋線維から詳細に調べる目的で、計算機プログラムによる筋電図のパルス検出と平均法を開発した。この報告では、パルス検出の原理について説明をし、実際に健常成人男女2人の左等尺性肘屈曲運動時の上腕二頭筋表面電極筋電図を双極アレイ電極で記録し、アナログデジタル変換後計算機に取り込んだデータからMFCVを算出した。その結果、MFCVは先行研究で報告された範囲内に分布し、神経終板付近や腱付近からのMFCVは筋の中心部からのMFCVより早かった。取込開始から時間の経過と共にMFCVの一定の減少が見られた。算出した平均パルス波形は、雑音による平均波形とは明らかに異なる特徴を持っていた。これらのことから、このパルス検出と平均法は今後臨床で有効に活用できる可能性があることが考えられる。
著者
池上 洋介 李 昌憲 ブレスデル エレン 中村 仁彦 鮎澤 光 柏木 匠 久保田 奏 吉松 昭洋 中村 優介 井深 祐輝 石川 淳一 洪 舜傑
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.303-308, 2011

In this paper, human muscle tension estimation based on robotics dynamics and its visualization technique was reported. Human muscle tension estimation was obtained by kinematics and dynamics using optical motion caputure data, force plate data and EMG signals. The environment for the motion capture and the calculation flow was explained. The visualization technique was explained. Tai chi, tap dance and drum motion was analyzed, respectively. The obtained findings of the experts' motion technique were reported.
著者
久保野恵美子
雑誌
ジュリスト
巻号頁・発行日
vol.1158, pp.78-83, 1999
被引用文献数
2
著者
小川 浩司 松崎 道男 宮下 裕子 本村 茂樹 伊藤 章 大久保 隆男 丸田 壱郎 児玉 文雄
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.398-410, 1987

白血病治癒の主要薬剤であるDaunorubicin (DNR) の代謝, 分布, 排泄を知るために, 白血病患者にDNR 40 mgを3分間で静注し, 血中濃度 (血漿中, 赤血球中濃度), 尿中排泄を高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いて測定した。 同時に3コンバートメントオープンモデルを用いて血中濃度の薬物動力学的解析を行ない, 以下のような結果を得た。<BR>1. DNRの血漿中, 赤血球中濃度のピーク値は5分後にあり, 各々228.00±204.00ng/ml, 237.00±111.00ng/gであった。 血中濃度曲線は, α, β, γの3相を呈した。 血漿DNRの半減期は, α相0.0351±0.0157 hr (約2分), β相1.83±2.01 hr, γ相15.8±8.4 hrであった。<BR>2. DNRの主要代謝物は, Daunorubicinol (DNR-OL) であり, その血漿中, 赤血球中濃度のピーク値は, 96.50±62.90 ng/ml, 205.00±115.00 ng/gであった。 2時間値で, DNRの血漿中濃度は20.00±15.80 ng/ml, DNR-OL 41.40±27.20 ng/mlで, 赤血球中濃度は40.00±19.50 ng/g, 40.20±13.60 ng/gであり, 2時間以後では, DNRよりDNR-OLの濃度が高値となることが示された。<BR>3. 3コンパートメントオープンモデルの解析結果では, DNRの体循環コンパートメントから組織コンパートメントIIおよびIIIに対する移行速度定数<I>K</I><SUB>12</SUB>, <I>K</I><SUB>13</SUB>は大きく, 逆に組織II, IIIから体循環コンパートメントへの移行速度定数<I>K</I><SUB>21</SUB>, <I>K</I><SUB>31</SUB>は小さく, DNRは速やかに組織に移行し, 組織に高濃度に保持され, 放出は緩やかであることが考えられた。 また, 体循環コンパートメント分布容量<I>V</I><SUB>1</SUB>は, 組織コンパートメント分布容量<I>V</I><SUB>2</SUB>+<I>V</I><SUB>3</SUB>に比べ極めて小さく, 投与されたDNRの多くが組織に分布することが示唆された。<BR>4. 尿中排泄率は, 24時間においてDNR 6.33±2.93%, DNR-OL 5.30±2.48%で, 総排泄率は, 11.8±5.1%で尿中への排泄は少ないことが示された。
著者
松本 卓夫 久保寺 静 志田 敬介 松川 弘明
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.65-74, 2021-04-15 (Released:2021-05-15)
参考文献数
22

近年スマート工場に関する研究が注目を浴びている.Industry 4.0に代表される第4次産業革命ではスマート工場が主役となっており,多くの研究論文が発表されている.しかしながら,その多くは自動化,知能化,IoT(Internet of Things), AI (Artificial Intelligence) に関するものであり,運営における同期化や柔軟性を考慮した設計に関する研究は見られない.本研究では,プロセスチーズ工場における乳化工程と充填工程を対象とし,設備償却費用,稼働費用,同期化費用,および柔軟性費用を考慮した設計問題を考える.スマート工場は必要なものを,必要な時に,必要な量だけ,効率よく製造することが必要条件であり,需要の変動など外部環境の変化や内部環境の変化に柔軟に対処できるように設計する必要がある.工場を設計するときに運用,同期化,柔軟性を考慮することが工場のスマート化に貢献できると考え,投資決定変数と運用決定変数を用いてモデル化を行う.乳化工程と充填工程には複数の設備を設置することができるとし,設備能力と台数の組み合わせを最適化することを目的とする.投資と運用を同時に考える場合,目的関数が非線形になる.そして,組み合わせ数が膨大になり組み合わせ爆発を起こすため,問題の特徴を用いて階層化し,効率的に最適解を求めるアルゴリズムを提案した.また,提案モデルは数値実験を通じてその妥当性を評価し,さらに事例研究を通じて既存工場の運営を評価すると同時に,非合理的な投資を合理的にするための分析を行った.
著者
濱崎 直孝 浜崎 直孝 (1989) 濱崎 直考 (1987) RICHARD J.La OMACHI Akira 大久保 研之 LABOTKA Lichard J. RICHARD J La
出版者
福岡大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1987

本研究は高エネルギーリン酸化合物であるホスホエノールピルビン酸が細胞膜を透過するという現象についての生化学的な研究である。この現象は、当時の常識を破って、赤血球膜について1975年に我々が見出したものである。その後の研究で赤血球膜のみにかぎらず、腎尿細管上皮や肝細胞膜もホスホエノールピルビン酸が透過することが判明している。この透過現象はホスホエノールピルビン酸に特異的であり、ATPなどの他の高エネルギーリン酸化合物やホスホエノールピルビン酸に構造式が類似している2ーホスホグリセリン酸は細胞膜を透過されないことが証明された。本課題研究はホスホエノールピルビン酸透過の分子機構を解明する目的で、蛋白質化学的手法とNMRなどを用いた物理化学的手法を組み合せた協同研究である。蛋白質化学的研究は主として福岡大学にて、NMRなどの研究は米国イリノイ大学にて行なった。その結果以下に列挙する知見を得た。1.ホスホエノールピルビン酸は赤血球膜の無機リン酸透過系によって媒介輸送される。2.その媒介担体は分子量約95,000の糖タンパク質であり、透過活性中心の1部を、この蛋白質のカルボキシル末端から60番目のリジンが構成している。3.さらに、細胞膜内側に存在しているヒスチジン残基も透過に必須のアミノ酸であることが判明した。4.このヒスチジン残基は、いわゆる透過活性中心を構成しているアミノ酸ではなく、この部位にAllostericに作用する部位だと考えられた。5.赤血球膜以外でも腎細胞、肝細胞膜においてもホスホエノールピルビン酸が透過するのは証明されたが、その透過機構が赤血球膜と同じか否かはまだ明らかでない。
著者
河本 亮子 北山 真奈美 久保田 千恵
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.287, 2015

はじめに現在は自然を楽しむ環境にはあるが重症化に伴い屋外に出かける機会が減少している。そこで室内でより自然に近い空間作りや季節にあった遊びを模索したので報告する。目的1.秋らしい空間となるように自然物を使って制作する。2.視覚・聴覚・触覚・嗅覚それぞれの感覚を刺激する療育活動を設置し個々にあった遊びを楽しむ。方法対象者:4病棟160名期 間:2014年10月27日〜11月21日場 所:第1療育訓練棟内容1.木の実のケーキ作り(自然物やホイップ粘土でケーキを作る)2.缶(感)にあたってHow many ?3.木の実ころころ(自然物を転がしスピードや音の変化を楽しむ)4.歌&楽器演奏(♪この木なんの木♪)5.サクサク通り(落ち葉のじゅうたんを通り音を楽しむ)6.どんぐりマラカス(ペットボトルの中のどんぐりを振り音を楽しむ)7.スノードーム風まつぼっくりパズル(シャカシャカ振ってリングを松ぼっくりに引っ掛ける)8.桜の葉の塩づけ(匂ってみよう)9.柿の木ライトアップ結果および考察数の概念の理解が難しい利用者も共感し楽しむことで感覚刺激を覚醒させ喜びや達成感が味わえた。複数の選択肢を作ったことで興味や関心がある活動を見つけることが出来、利用者が主体的に活動出来た。利用者だけでなく御家族や病院職員の協力を得て実りの空間を作ることが出来たことは目に見える療育活動となった。持ち運びができる物品にしたので週1回の病棟での集団活動や離床が難しい超重症児(者)の利用者にベッドサイドで行うことが可能になり活動の幅が広がった。まとめ移転後の新病院は屋外に出る機会が困難になるためこのような空間作りや自然物を使った遊びは有用であると考えられた。今後も入所生活が豊かになるよう様々な体験ができる遊びや環境作りを創意工夫していきたい。
著者
広瀬 茂男 長久保 晶彦 外山 良成
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.57, no.540, pp.2679-2686, 1991-08-25 (Released:2008-02-21)
参考文献数
12
被引用文献数
3 30

The configurational design for a wall-climbing robot which is capable of moving on diversified surfaces of wall and has high payload capability, is discussed, and a developed quadruped wall-climbing robot, NINJA-1, is introduced. NINJA-1 is composed of 1) legs based on a 3D parallel link mechanism capable of producing a powerful driving force for moving on the surface of a wall, 2) a CP (Conduit-wire-driven Parallelogram) mechanism to adjust the posture of the ankles, and 3) a VM (Valve-regulated Multiple) sucker which can provide suction even if there are grooves and small differences in level of the wall. Finally, the data of the trial-manufactured NINJA-1, and the up-to-date status of the walking motion are shown.
著者
青島 親年 久保田 大輔 奥村 敏彦 中村 皓一 木村 浩 石井 紀雄 木下 誠一 中島 雄作
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.290-295, 2014

1990年代から,企業の財務会計,生産管理,販売管理,調達・購買管理,経営管理,人事・労務管理,給与計算,就業管理(勤怠管理)等に関する社内情報システムは,フルスクラッチで開発せず,ERPパッケージを採用して構築することが,盛んに行われている.また,ERPパッケージの導入におけるプロジェクトマネジメントに関する研究も数多く存在する.さて,2010年前後から,筆者が所属する会社では,グループ会社の社内情報システムを統一し,グループ会社の間接業務プロセスの標準化,効率化を推進することを経営施策の一つとして掲げていたが,ある特定のグループ会社群の人事給与・就業管理に関する情報システムの刷新の際,ERPパッケージを用いて構築した.初回のあるグループ会社へのERP導入では,過去の研究論文や文献を参考に,プロジェクト成功のノウハウを取り入れ,納期どおりにカットオーバさせたが,品質が安定せず,運用フェーズに入ってからの仕様変更が相次いだ.そこで,初回の反省を踏まえ,要因解析と対策立案を行った結果,2回目の別のグループ会社へのERP導入では,大幅に品質が向上し,QCD全てが良好な成功プロジェクトとすることができた.本稿では,前記の人事給与・就業管理ERPパッケージの導入における品質改善活動について紹介する.
著者
石澤 英亮 増井 良平 齋藤 諭 久保田 敬士 真原 茂雄
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.376-378, 2012

導電粒子として、表面に低融点半田を被覆した樹脂粒子を用いた異方性導電接着材を開発した。従来のAuやNiメッキ樹脂粒子を用いた異方性導電材料の物理接触による導電性と比較し、この半田被覆樹脂粒子を用いることで、金属接合による高い接続信頼性を発現した。 また、半田の溶融による接続であるため、樹脂粒子の変形がさほど必要でなく、従来の圧着加重に対し、1/2~1/3といった低圧での実装が可能となった。 さらに、フラックス性の付与により、Cu電極の接続も可能となった。
著者
藤枝 幹也 脇口 宏 川久保 敬一 渡辺 誠司 倉繁 隆信 弘井 誠 原 弘
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.499-503, 1992

症例は7歳女児.3歳7ヵ月頃から出血傾向, 血小板減少, 巨核球減少, 赤芽球形態異常とHbF高値などが持続し, 6歳2ヵ月に骨髄芽球の増加がみられ, 骨髄異形成症候群 (MDS, RAEB) と診断された.少量cytosine-arabinoside (Arac-C) 療法で, 貧血と出血傾向の改善, 芽球の減少がみられたが, 約1年後にovert leukemla (FAB分類M2) に急性転化した.多剤耐性で寛解がえられず, 入院9ヵ月目から咳嗽出現し, 胸部レ線像でび慢性の浸潤像と心陰影の拡大が認められた.抗生剤, 抗真菌剤, 強心剤に反応せず死亡した.剖検では, 左肺上葉に空洞形成がみられ, 組織学的にアスペルギローシスの像を呈していた.全肺胞はPAS染色で顆粒状に染まる物質でみたされ, 一部oil redに染まっていた.電顕像でmultilamellated structureが認められアスペルギルス感染に伴う肺胞蛋白症と診断された.