著者
小野田 公 久保 晃 丸山 仁司
出版者
一般社団法人 栃木県理学療法士会
雑誌
理学療法とちぎ (ISSN:21864861)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.15-18, 2015 (Released:2021-03-11)
参考文献数
8

Social Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス:以下SNS)はインターネット上でメッセージや動画・写真などの情報交換が可能である.簡単に情報をやり取りできるために非常に便利であるが,個人情報の取り扱いや情報漏えいなどの問題が指摘されている.理学療法士は,患者の個人的な情報に扱うことが多く,その情報の漏洩を防ぐために守秘義務が課せられている.しかし,SNSを利用した医療系職員や実習生による個人情報保護的観点や職業倫理観にかける記載が問題となっている.このような問題を起こさないためにSNS上での法的な権利やそれらに対しての使用に関する教育機会が必要不可欠である.
著者
久保 温子 村田 伸 平尾 文 小渕 可奈子
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.77-81, 2014-07-01 (Released:2014-09-12)
参考文献数
20

【目的】本研究の目的は、幼児における開眼片足立ちと幼児運動能力調査項目値との関連性から、幼児期の開眼片足立ち測定の妥当性を検討した。【対象】健常年中、年長児173名とし、平均月齢は66.9±6.8カ月であった。【方法】開眼片足立ち時間を測定した後、文部科学省の示した幼児運動能力調査より、25m走、立ち幅跳び、ボール投げ、両足跳び越し、体支持時間を評価した。開眼片足立ち時間と各運動能力測定値との関連をピアソンの相関係数から検討した。【結果】開眼片足立ち時間は、25m走、立ち幅跳び、両足跳び越し、体支持時間で有意な相関が認められた。【結語】幼児の開眼片足立ちは多くの運動機能を反映する評価であり、幼児期における開眼片足立ち測定の妥当性が示唆された。
著者
蓮沼 俊哉 久保 博文 伊奈 隆年 廣瀬 富雄
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.313-318, 2015-08-25 (Released:2015-09-30)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

食肉処理場に出荷されて肝臓に異常所見を認めなかった肥育去勢牛524頭の胆嚢内胆汁について胆汁量の測定を行い,品種,枝肉重量,および出荷日齢との関連性について検討した.また,そのうち111頭について胆汁酸組成の分析を行った.胆汁量は,品種による違いはあるものの,枝肉重量や出荷日齢との関連性は認められなかった.胆汁酸組成は,品種による差はないが,いずれの品種においても胆汁酸濃度の標準偏差が大きく,個体によって胆汁酸組成がかなり異なることが明らかになった.このことは,腸内細菌の持つ胆汁酸合成能力の違いによって生じていると考えられ,育成期での給与飼料や疾病,消化管の炎症の有無より腸内細菌叢が影響を受けた結果,出荷時の胆汁酸組成に影響を与える可能性が推察された.
著者
久保田 雅史 小久保 安朗 佐々木 伸一 嶋田 誠一郎 北出 一平 松村 真裕美 亀井 健太 北野 真弓 野々山 忠芳 鯉江 祐介 松尾 英明 成瀬 廣亮 小林 茂 馬場 久敏
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.873-878, 2009 (Released:2010-01-28)
参考文献数
37

〔目的〕本研究の目的は,術後早期から股関節内外転筋力強化運動を重点的に行うことで,退院時の歩容に影響があるかを明らかにすることとした。〔方法〕対象は2005年1月から2007年12月までの期間で骨盤骨折を受傷し,当院にて骨接合術を施行した12例とした。術後2週目より骨折側の筋力強化を開始した6例を標準リハ群,術後2-3日後より筋力強化を開始した6例を早期リハ群とした。全荷重可能となった退院時に三次元動作解析装置を用いて歩行解析を行い,群間における歩行速度,歩幅,ケイデンス,股関節外転モーメントを比較した。〔結果〕歩行速度,歩幅,ケイデンスは群間に有意差は見られなかったが,早期リハ群の立脚期股関節外転モーメントは標準リハ群と比較して有意に高値を示していた。〔結語〕本研究の結果より,術後早期からの股関節内外転筋力強化運動によって退院時の歩行能力が改善される可能性が示された。
著者
久保 和彦 荒木 弘幸
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.162-166, 2010 (Released:2011-07-01)
参考文献数
2

医療保険のないホームレスに対する医療行為には種々の制約があるため、多くの社会的・医学的問題を抱えている。今回、国民医療費について大いに考えさせられるホームレス症例を経験した。症例は、40 歳、男性。船員で、海上勤務ばかりで自宅を持たず、陸上勤務時に置き引きに遭い、船に戻れず解雇されてホームレスになった。右血性耳漏が出現して当科を受診し、右真珠腫性中耳炎再発の診断で右耳手術 (canal wall down) した。退院すると通院加療ができないため、入院を継続して術後処置を続け、定期的なガーゼ交換が必要なくなってから退院した。この症例で、ホームレスでなければ払う必要のなかった過剰な医療費は 177 万 1,695 円だった。景気回復は、経済的な理由でホームレス化した約 3 分の 1 のホームレスを一般社会に戻せる。政府は保険診療点数を減らすことで国民医療費を下げるのではなく、もっと本質的な問題に力を注ぐべきであろう。
著者
鈴木 聡 竹石 恭知 佐々木 敏樹 加藤 重彦 北原 辰郎 小山 容 新関 武史 久保田 功 相良 三奈
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.365-372, 2008

背景:Pentraxin 3(PTX3)は新しい炎症マーカーであり,血管内皮細胞や血管平滑筋,マクロファージなどから産生される. 心不全患者においては全身の炎症反応が亢進しており炎症マーカーやサイトカインの血中濃度が上昇している.本研究の目的は心不全患者における血漿中のPTX3濃度の臨床的,意義を調べることである.<br>方法:血漿中PTX3濃度を心不全患者134名および正常対照者25名で測定した.心臓死または心不全増悪による再入院をエンドポイントとして追跡調査を行った(中央値546日).<br>結果:血漿中PTX3濃度は正常対照者に比べて心不全患者において有意に上昇していた(P<0.0001).正常対照者の平均値+2標準偏差から正常上限値を決定した(4.4ng/mL)ところ,PTX3異常高値の患者数はNYHAクラスが上がるごとに増加していった(P<0.0001).追跡期間中合計42人の患者において心イベントが発生したが,心イベント発生率はPTX3正常群に比べて異常高値群において有意に高かった(p=0.0003).単変量Cox比例ハザード解析では,変数データの中で左室拡張末期径,左室収縮率,血漿PTX3濃度,BNP,クレアチニン,尿酸が心血管イベントの有意な予測因子であった.これらの項目すべてに対し多変量解析を行ったところ,PTX3のみが心イベント発生の独立した予測因子であった(ハザード比1.29,95%信頼区間1.07-1.58,P=0.0074).さらに,心不全患者をPTX3濃度で4群に分けて解析を行ったところ,PTX3濃度が最も高い第4群において,心血管イベント発生の危険率が第1群の6.58倍高値であった.<br>結語: 血漿PTX3濃度は心不全患者において重要な予後予測因子となり得ることが示唆された.
著者
久保 摂二
出版者
広島大学医学部
雑誌
原著廣島醫學 (ISSN:03758982)
巻号頁・発行日
vol.5, no.12, pp.1182-1253, 1957-12
著者
川合 伸幸 久保(川合) 南海子
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.378-391, 2008

It has been demonstrated that there are many similarities between Pavlovian conditioning in nonhuman animals and causal judgment by humans, such as conditioned inhibition, overshadowing, and blocking. However, there was a notable difference in empirical studies between animal Pavlovian conditioning and human causal judgment: lack of retrospective inference (i.e., backward blocking) in animals. Although human participants showed symmetrical results for forward and backward blocking procedure in causal judgment, researchers failed to obtain backward blocking in animal conditioning. In the case of forward blocking, a cue is first paired with an unconditioned stimulus (US) (e.g., A+), and the first cue is then presented together with a target cue and the US (e.g., AX+). In the case of backward blocking, the compound cue is learned first (AX+), and then the competing cue alone is paired with the US (A+). In subsequent tests, human participants inferred in both cases that X is not a cause of the outcome, whereas the response of animals to X alone was &ldquo;blocked&rdquo; only in the forward blocking procedure but not in the backward one. In this article, we review the existence studies on retrospective inference in humans and animals including our ongoing primate study and explore a possible role of retrieval deficits in memory for retrospective inference in animals.
著者
井田 諭 金児 竜太郎 今高 加奈子 藤原 僚子 勝田 真衣 白倉 由隆 大久保 薫 東 謙太郎 村田 和也
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.143-151, 2021

<p><b>目的:</b>サルコペニア合併高齢糖尿病患者に対する多面的治療プログラムの,筋力,身体機能,及び骨格筋量への影響を検証すること.<b>方法:</b>伊勢赤十字病院,糖尿病代謝内科に通院している65歳以上の糖尿病患者を対象とした.サルコペニアの診断はAsian Working Group for Sarcopenia 2019を元に行った.四肢骨格筋量の測定は多周波生体電気インピーダンス法,筋力は握力,身体機能は5回椅子立ち上がり検査でそれぞれ評価した.多面的治療プログラム(蛋白質摂取量の適正化,レジスタンストレーニング,及びサルコペニアに関する患者教育)開始前と12週後に,筋力,身体機能,四肢骨格筋指数,及びその他パラメーターを評価し,前後比較した.統計処理には対応のあるt検定を用いた.<b>結果:</b>14例(男性3人,女性11人)が本研究の解析対象となった.平均年齢は74.4±4.7歳であった.多面的治療プログラムにより,握力(男性:23.2±5.6 kgから25.6±5.5 kg,P=0.014,女性:15.5±5.0 kgから18.9±5.0 kg,P<0.001),及び5回椅子立ち上がりテスト(11.2±2.5秒から8.6±1.7秒,P=0.002)の有意な改善を認めた.また,HbA1c(8.1±0.7%から7.7±0.9%,P=0.004)の有意な低下も認められた.一方,四肢骨格筋指数の増加傾向はあったものの有意差は認めなかった.<b>結論:</b>サルコペニア合併高齢糖尿病患者に対する多面的治療プログラムにより,筋力及び身体機能の改善が認められた.</p>
著者
久保田 義弘
出版者
札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
雑誌
札幌学院大学経済論集 = Sapporo Gakuin University Review of Economics (ISSN:18848974)
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-121, 2020-02-29

本稿では,正義を実現する国家とはどのような国家像であるのかを考察する。その際,プラトンが対話編『国家』で展開する正義論ならびに国制(政治体制)を手がかりにしてその国家像について検討する。 本稿の第2章では,第1章のプラトンの哲学あるいは哲学者についての現実認識を踏えて,国制の混乱・崩壊の原因が支配者層を構成する人々の間の支配権を巡る抗争にあるというプラトンの想定を基盤とし,支配者間の団結・連帯を実現するための要件を前提にし,プラトンが最も強く押し出している理知的な支配者とその支配者を社会において育成するための教育プログラムについて考察する。プラトンの成長段階に応じた教育プログラムの特徴は,次の6段階の成長段階(1)幼児から10歳頃(教養教育ならびに体育教育(健康管理教育))(2)10歳頃から20歳頃(学術教育)(3)20歳頃から30歳頃(研修教育(予選された者の教育))(4)30歳から35歳頃(哲学的問答法の教育(言論修練教育))(5)35歳頃から50歳頃(体験教育)(6)50歳以後(支配者として活躍あるいは哲学に専念)に分けて,支配者(守護者)を踏まえた教育プログラムで,育成される支配者は,理知的で,かつ守護者(軍人)としての体験教育を受けた支配者である。政務を審議し計画する支配者(政治家)の職位につく年齢の50歳超まで,支配者としての教育を受けた人間である。これがプラトンの理想とした国制,すなわち哲人王制のもとでの支配者・統治者である。このプラトンの支配者養成の教育プログラムを検討する。 本稿の第3章では,正義について,様々な観点から考察する。ギリシャ人の正義,正義の社会的有用性,正義と知者,正義と支配者,正義と利益,正義と分を守る,正義と国家,正義と善,正義と幸福などについて考察し,その中でも,正義と国制(最優秀支配制,寡頭制,民主制,ならびに僭主独裁制)の関係を検討し,特に,ソフィストと知られるトラシュマコスの正義論(強者の利益が正しい)を巡って,正義が支配者(現実の国制)にとって何であったのかについてに認識を深める。 本稿の第4章では,プラトンが正義とは何かを明らかにするために,新たに建設された国家を取り上げ,その国家は,金儲けする階層(農民や,鍛冶職人,織物職人など),支配者層(政策を計画し審議する人々),そして支配者を補助する階層(軍人)から構成されるが,それぞれの階層が自身の職務に専念し,他の階層の職務(仕事)を侵さないことが正義であり,そして,プラトンが新たに建設する国家では,知恵,勇気,節制,そして正義が実現し,さらにその国家で生活する各個人おいても4つの徳が実現することを説明する。論文
著者
久保田 潤
出版者
メジカルビュー社
巻号頁・発行日
pp.112-120, 2019-01-26

画像診断には解剖の理解が重要である。解剖の勉強には通常テキストやイラストなどの平面の情報が使われているが、立体的な理解はしばしば難しい。筆者はRoux-en-Y再建術とPetersenヘルニアを立体的に理解するための模型を製作し、小腸動脈同士の位置関係によりPetersenヘルニアをCTで診断する方法を考案した。模型作りは解剖の空間的な理解を助けるうえに、それを画像診断に応用するためのアイデアの創出に役立つ。
著者
大久保 敏子 丸山 貴美子 白木 康浩
出版者
信州大学医学部附属病院看護部
雑誌
信州大学医学部附属病院看護研究集録 = Annals of nursing research, Shinshu University Hospital (ISSN:13433059)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.60-67, 2018-03

医療材料の管理においては、病院経営の効率化に加えて感染防止と医療安全のリスク管理が重視されている。当院で使用している閉鎖式輸液ラインは、複数のメーカーの関連製品を組み合わせて使用しており、部署により異なっていた。そのため閉鎖式輸液ラインの関連製品の種類が多かった。そこで、関連製品を多く使用している部署の状況を調査し、部署の要望を取り入れながら、閉鎖式輸液ラインとその関連製品の標準化に取り組んだ。各部署で使用しているコネクターや延長チューブなどの関連製品を院内で標準化することにより、その品目数を減らし、すべてを在庫品として中央管理することが可能となった。これにより、輸液ラインの接続箇所が減り、専用のデバイスが必要なくなり看護業務の効率化につながった。今まで、部署ごとにおこなっていた取り扱い方法などの看護師への教育は、シンプルとなり病院全体でおこなうことができるようになった。また、閉鎖式輸液ライン関連製品の年間購入金額は、およそ167万円(関連製品の購入額合計の約15%に相当)を削減でき経済効果も得られた。
著者
益田 理広 碓井 建哉 川村 一希 久保 尭史 柳 鍇
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2013年人文地理学会大会
巻号頁・発行日
pp.68-69, 2013 (Released:2014-02-24)

東京大都市圏辺縁部の居住者に対する、主としてメンタルマップを用いた地理的な帰属意識と空間認識の分析に関する発表。
著者
山脇 加奈子 吉川 峰加 津賀 一弘 久保 隆靖 田地 豪 赤川 安正
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.179-184, 2015 (Released:2015-04-18)
参考文献数
19

症例の概要:患者は73歳男性で脳血管性認知症を有しており,認知症病棟に入院中である.唾液や食物を飲み込みにくいという主訴の下,摂食観察を行ったところ多量の口腔内食物残留および喫食率の低下を認めた.また,嚥下造影検査(Videofluoroscopic examination of swallowing: VF)では,舌搾送運動の不良,嚥下反射の惹起遅延,ならびに口蓋から咽頭部にかけての食物残留を認めた.そこで,従来からの口腔機能リハビリテーションに加え,飴を舐める機能を応用したリハビリテーションを6カ月間行い,訓練介入前後および介入期間中の嚥下機能,口腔機能,口腔内環境,体重および摂食状況を観察したところ,舌搾送運動の改善,最大舌圧値,体重,喫食率の増加,口腔内の食物残留量や細菌数の減少を認めた.考察:中等度認知症患者に対し,従来のリハビリテーションに加えて,複雑な指示理解を必要としない飴を舐めるリハビリテーションを継続することにより,口腔内および口腔周囲筋の廃用防止と口腔内環境の改善につながったものと考えられた. 結論:6カ月間の本口腔機能リハビリテーションにより,口腔の機能と環境に改善を認めたことより,中等度認知症患者において,飴を用いたリハビリテーションが有効である可能性が示唆された.