著者
藤田 弘典 栗山 仙之助 能勢 豊一 久保 貞也
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.587-593, 2001-02-15 (Released:2017-11-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

ネットワーク社会におけるインターネットとウェブページの普及は, 我々に新しいコミュニケーションの可能性をもたらした.このようなウェブページは, 今後個人のコミュニケーションとしてだけでなく, 企業の広告に利用される可能性が高い.そこで本研究では, Donna L.HoffmanとThomas P.Novakらの「ハイパーメディアのCMEsでのマーケティングの基礎概念の研究」をもとに良いウェブページを構成する要因を分析することによって利用者に対するウェブページによる広告の効果について論じる.さらに, ウェブページの設計・構築にあたって留意すべき次の諸点を明らかにした.ウェブページの評価方法として, 利用者のウェブページに対する興味の度合いを示す定量化モデルを提案した.興味の度合いを求めるにあたって, 利用者とウェブページの内容について, 機能要因と性能要因の2種類の要因群に分類し, 各群で考慮すべき因子を抽出する方法を示した.さらにアンケート調査による分析を通して, 提案する理論の有効性について示した.
著者
小林 一行 御園 祐介 渡辺 嘉二郎 大久保 友幸 栗原 陽介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.90-99, 2009-02-15 (Released:2009-06-18)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

本論文では,Intelligent Ground Vehicle Competition(IGVC)のナビゲーション競技のルールに準拠したウェイポイントナビゲーションシステムの実装例について述べる.IGVCとは,1993年から米国で開催されている自律走行車大会であり,自律型移動ロボットの技術向上を目指した大会である.毎年開催され複数の大学が参加している.その競技の一つとしてナビゲーション競技が設けられている.ナビゲーション競技とは,GPSによる位置検出を想定しエリア内に存在する障害物を避けながら,あらかじめ指定された複数ウェイポイントを何点通過できるか速さと正確さを競う競技である.ウェイポイントナビゲーションは,(1)移動ロボット上からみたウェイポイントの位置または方位の把握による長期経路プランニング,(2)外界センシングと障害物回避のための短期経路プランニング,そして(3)これら情報に基づく自律制御からなる.本論文では,これら一連の解決方法に,センサとして GPSとレーザレーダそれにジャイロ,速度計を用い,総合的な状況判断に複素拡張カルマンフィルタをベースとした SLAMアルゴリズムにより高精度なナビゲーションを実現する.さらに,与えられたウェイポイントマップに従い走行しながら,自己軌跡マップ,ランドマークマップを同時に作成する方法を提案した.提案する方法を実証するため実機でリアルタイム制御を行い,その有効性を確認した.
著者
小林 一行 御園 祐介 渡辺 嘉二郎 大久保 友幸 栗原 陽介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.90-99, 2009-02-15
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

本論文では,Intelligent Ground Vehicle Competition(IGVC)のナビゲーション競技のルールに準拠したウェイポイントナビゲーションシステムの実装例について述べる.IGVCとは,1993年から米国で開催されている自律走行車大会であり,自律型移動ロボットの技術向上を目指した大会である.毎年開催され複数の大学が参加している.その競技の一つとしてナビゲーション競技が設けられている.ナビゲーション競技とは,GPSによる位置検出を想定しエリア内に存在する障害物を避けながら,あらかじめ指定された複数ウェイポイントを何点通過できるか速さと正確さを競う競技である.ウェイポイントナビゲーションは,(1)移動ロボット上からみたウェイポイントの位置または方位の把握による長期経路プランニング,(2)外界センシングと障害物回避のための短期経路プランニング,そして(3)これら情報に基づく自律制御からなる.本論文では,これら一連の解決方法に,センサとして GPSとレーザレーダそれにジャイロ,速度計を用い,総合的な状況判断に複素拡張カルマンフィルタをベースとした SLAMアルゴリズムにより高精度なナビゲーションを実現する.さらに,与えられたウェイポイントマップに従い走行しながら,自己軌跡マップ,ランドマークマップを同時に作成する方法を提案した.提案する方法を実証するため実機でリアルタイム制御を行い,その有効性を確認した.
著者
大久保 英哲
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.331-342, 2013 (Released:2013-06-08)
参考文献数
37
被引用文献数
2

It is said that the history of Association Football in Japan, especially student soccer, began when an Englishman named DeHavilland moved from the Fourth High School in Kanazawa to the Tokyo Higher Normal School in September 1904, where he started coaching soccer. It has been recorded in the history of the Tokyo Higher Normal School soccer club that “some students of the University in Tokyo who said they had been taught football in Kanazawa came to Otsuka with their teacher, and we played a practice match together in December, 1904”.This article suggests that DeHavilland had also taught soccer in Kanazawa. However, in the history of the Fourth High School soccer club, it is stated that “soccer began in Kanazawa in 1924”, and does not mention DeHavilland. On the basis of this evidence, the history of soccer in Japan states that “this may have not been the case, because of the short stay of DeHavilland and lack of any proof that soccer was played in Kanazawa”.Accordingly, the purpose of the present study was to obtain documentary evidence of DeHavilland and to clarify whether he did, in fact, play soccer in Kanazawa during 1898-1904, based on new documents from the Fourth High School and articles in the school union magazine at that time.The findings obtained were as follows: 1.  DeHavilland urged students to play football after he started working at the Fourth High School in 1898. His words at the kick-off, which marked the start of student soccer in Japan, were: “It is no matter, hailing, snowing, raining. Come and play!” 2.  It is stated in Hokushinkai magazine that DeHavilland was involved in establishing a football club in 1898. Mention of the football club appeared in the Fourth High School Union rulebook in 1899, and the name DeHavilland appeared in the list of board members of the football club in 1901. 3.  On April 18th, 1901, football was played for 30 minutes at the Fourth High School as one of the sports at the sports festival. 4.  On October 5th, 1902, at the ceremony to mark the opening of the “football club” at Ishikawa prefectural Second Junior High School, DeHavilland and Wohlfarth both played goalkeeper.This evidence of the involvement of DeHavilland and Wohlfarth in soccer at the Fourth High School and in Kanazawa should be regarded as one of the hidden roots of student soccer in Japan.
著者
舟久保 恵美
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

気圧・気温低下など気象変化により、ヒトの慢性痛が増強する現象が知られている。我々はこれまでに、慢性疼痛モデルラットを日常の気象変化で起こりうる程度の強さ・変化速度の人工的気圧低下環境に曝露し、その痛み行動が増強することを明らかにした。また、ヒ素注入により内耳を破壊した慢性痛モデルラットに対して気圧低下の影響を観察したところ、内耳破壊が慢性痛増強を抑制する結果を得た。これは内耳に何らかの気圧検出機構が存在することを示唆している。そこで、内耳の気圧検出機構を明らかにするため、健常ラット前庭神経核の単一神経放電記録を行い、気圧低下に対する応答を調べた。大気圧から40hPa気圧を低下させ、設定気圧到達後8分間低圧を維持し、その後大気圧に戻し、その間の反応を観察した。昨年度までに合計40例のニューロンを記録し、そのうち17個に気圧低下曝露を行うことができた。そのうちの5つで放電頻度の増加が観察でき、気圧低下に対する反応は以下の3パターンに分類できた。気圧低下により、1)放電頻度が増加し、復圧により元に戻る(3例),2)放電頻度が増加し、そのまま持続する(1例),3)変動のあった放電頻度が一定になる(1例)。5例中4例は前庭刺激(回転、カロリックテスト)にも反応したが、1例は気圧以外の刺激には応答しなかった。従って、気圧にのみ反応するニューロンの存在が示唆される。今年度は上記1)のパターンの二ューロンがさらに2つ記録でき、気圧低下に反応するニューロンの存在が明らかとなった。そこで、気圧をいろいろな大きさ、速度で段階的に変化させたときの刺激反応性、放電数への影響の解析を進めている。また、慢性痛モデルラットの痛み行動を惹起するには5hPa/h以上の速度で5hPa以上の気圧変化が必要であることを明らかにした。気圧検出機構が内耳器官に存在する可能性について、行動実験を主体に論文執筆中である。
著者
岩本 光正 久保田 徹 真島 豊
出版者
The Surface Science Society of Japan
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.164-171, 1991-05-01 (Released:2009-08-07)
参考文献数
37

有機分子膜を流れる電流には, 大きく分けると変位電流とトンネル電流がある。変位電流の検出には短絡回路が用いられるが, 電極と分子膜との接触は必ずしも必要ではない。その上, 種々の外部刺激 (圧力,熱光など) を加えたときの分子の動的な挙動にともなって流れる電流が単分子膜においても計測されるので, 分子膜の極限の機能を引き出すことが可能となる。この方法による電流検出は原理的に分子レベルのオーダーで実現可能であるので, 分子エレクトロニクスの基盤技術の一つとして重要になると思われる。一方, トンネル電流の検出では, 電極と膜との接触が必要であるので, 膜質の良い分子膜を作製することが重要となる。ポリイミドLB膜では膜質が極めて良いので, トンネル接合素子への応用が期待できる。
著者
久保田 喜裕
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学雜誌 = 地質学雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.94, no.8, pp.567-582, 1988-08

In the Green Tuff region, holocrystalline-hypabyssal rocks which have been called “Tertiary granitoids” occur often. Many of these bodies are volcano-plutonic complex composed of plutonic, hypabyssal, and volcanic rocks with felsic to intermediate composition. The porphyritic intrusive bodies in the Yuzawa district and quartz-dioritic bodies in the Tanigawa district are one of the best examples of this kind, and thus they were studied. The Kiyotsukyo intrusive body in the Yuzawa district is concordant to the surrounding strata, thus forming a laccolith. This body is well jointed. The jointing system is interpreted as the cooling-columnar joint. Analysis of the system was useful for reconstructing the shape of the intrusive body (cf. Fig. 13). The Kiyotsukyo intrusive body and the other porphyritic and andesitic bodies in the Yuzawa district intruded concordantly to the fine-grained, marginal facies of sedimentary basin at the maximum subsidence stage of the Green-tuff disturbance. On the other hand, the large quartz-diorite body in the Tanigawa district is discordantly intrusive into the uplift area where the initial volcanism of the Green Tuff activity took place at the end of the Geen-tuff disturbance.
著者
久保 健一郎
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.108-113, 2019 (Released:2019-12-28)
参考文献数
26

統合失調症や自閉スペクトラム症などの神経発達障害が関与することが想定される精神・神経疾患において,疾患横断的に観察される脳の組織的な変化として,大脳新皮質における白質神経細胞の増加が報告されている。その要因として,発生段階における神経細胞の移動障害やサブプレートの細胞の遺残が想定されているが,まだ結論は出ていない。一方で,白質神経細胞の増加は,発生・発達期で脳への障害が生じたことを示唆する痕跡であるとともに,それ自体が病態に関与することも予想される。我々がマウスにおいて人為的に白質内の神経細胞を増やしてその影響を調べたところ,大脳新皮質における線維連絡の変化と前頭葉機能の低下が生じた。今後の研究では,動物モデルを用いた解析をさらに推進するとともに,動物モデルで得られた所見を参照しながら,実際のヒト死後脳組織を用いた解析を行っていく必要がある。
著者
大久保 一良 岩淵 せつ子 浅野 三夫
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

大豆サポニンはその薬理作用が明らかにされて以来、注目されている成分であり、我々のこれまでの研究結果、Aグル-プサポニンとしてAa〜Afの6種類、Bグル-プとしてBa、Bb'、Bc、Bc'の5種類、Eグル-プとしてBd、Beの2種類、計13種類のサポニンを明らかにすることができ、その遺伝性、植物体における分布等多くの知見を得、大豆の食品加工上考慮すべき重要な成分でることがわかった。最終年度である本年度は、大豆サポニン各成分の量的調製を試み、動物実験、物性実験、ウイルス実験等への試料の供給を行った。醤油粕と胚軸にサポニンが濃縮していることに着目し、宮城県醤油醸造共同組合の協力を得て、サポニン分離プラントを試作することができた。得られた。粗サポニンからのサポニン各成分を単離し、山口大・医・山本直樹教授の協力で、エイズの原因ウイルスであるHIVへの影響を調べた結果、いずれのサポニン画分でもHIV増殖抑制効果がみられ、特にBグル-プにその活性の強いことがわかった。さらに、コレステロ-ル食を与えたラットへの影響を調べた結果、血中トリグリセライドの低下、すなわち、抗脂肪血作用のことも追認できた。大豆食品は胃癌、大腸癌等の低リスク食品であることから、サポニン等の配糖体成分の生理作用を追求することは今後も重要な課題であることがはっきりした。また、サポニン組成と遺伝との関係が明らかにばったことから、植物の分類マ-カ-としても有効であり、さらに品種の改良と判別にも応用され、新たな展開が期待される。
著者
吉野 和樹 久保野 敦史 田中 克史 秋山 隆一
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 2001年 日本液晶学会討論会 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
pp.301-302, 2001-09-24 (Released:2017-01-10)

The visco-clastic properties for binary mixtures of 6OCB/8OCB are investigated by a light scattering technique with an application of voltages. The mixtures exhibit a reentrant nematic phase between the smectic and crystal phases in the range of 22.0 to 29.5 wt% of 6OCB content. The viscosity and the elastic constant increase with cooling both in the nematic and reentrant nematic phases. It is also found that the viscosity and the elastic constant show an anomalous increase near the phase transition temperature, namely a pretransitional phenomenon. The activation energies for viscosity differ in the nematic and reentrant nematic phases, depending on the 6OCB content. Moreover, the visco-elastic behavior depends on the specific time during which the sample is kept in the smectic A phase. These results confirm that the formation of dimers plays an important role in the reentrant phenomenon of this system.
著者
橋爪 秀一 河野 貴美子 小久保 秀之 山本 幹男 桂川 秀嗣 鎌田 明彦 渡辺 恒夫
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.73-77, 2014

甘味料のストレス改善効果を、心理生理学指標である皮膚伝導水準(SCL)と心拍(HR)とを用いて評価することを試みた。10名の大学生が被験者として参加し、先ずは3分間の安静の後、5分間の内田クレペリン検査及び3分間の暗算により、ストレスを負荷した。その後、甘味料として砂糖、エリスリトール及びサッカリン、更にはコントロールとしての5%デンプンペーストを1分間で摂取した後、椅子に静かに開眼で座ることによる安静を10分間、更に閉眼での安静を3分間行った。RussellとLaniusの気分特性モデル(Russell and Lanius model of the affective quality)により解析した結果、砂糖のみが強いストレス改善効果を有することが明らかになった。これらの結果から、甘味にストレス改善効果があるのではなく、砂糖は砂糖自身にストレス改善効果があると考えられる。