著者
貞清 香織 佐々木 拓良 杉田 裕汰 前田 聖也 遊佐 彩野 渡邉 真奈 貞清 秀成 石坂 正大 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.151-154, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
18
被引用文献数
3

〔目的〕家庭用身体組成計の臨床利用の可能性を検討するため従来使用されている生体インピーダンス法の身体組成計と比較した.〔対象と方法〕健常若年男性108名,女性83名とした.異なるBIA法の身体組成計で身体組成を計測し,各機器で体重,BMI,体脂肪率,全筋肉量,四肢・体幹筋肉量を測定した.統計解析は,男女別に測定値および算出値を比較し,Pearsonの相関係数を求めた.〔結果〕男性は体重,BMI,全筋肉量,左右脚・体幹筋肉量,除脂肪量,SMI,FFMIに差がみられ,女性は,体重,BMI,体脂肪率,左右脚・体幹筋肉量,脂肪量,FMIにおいて差がみられ,全項目で極めて強い相関がみられた.〔結語〕機器により測定値に違いはあるが臨床で利用可能であると考える.
著者
和田 基 工藤 博典 天江 新太郎 石田 和之 上野 豪久 佐々木 英之 風間 理郎 西 功太郎 福沢 太一 田中 拡 山木 聡史 大久保 龍二 福澤 正洋 仁尾 正記
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.1217-1222, 2012 (Released:2012-10-31)
参考文献数
20
被引用文献数
2

腸管不全合併肝障害(intestinal failure associated liver disease ; 以下、IFALDと略)は腸管不全(intestinal failure ; 以下、IFと略)の致死的かつ重大な合併症であるが、IF、IFALDの発生数、発症率、死亡率などの実態は知られておらず、今後の詳細な調査、検討が期待される。IFALDが進行し、不可逆的肝不全を来たした場合には肝臓-小腸移植、多臓器移植によってしか救命できないが、国内では依然として小児の脳死ドナーからの臓器提供の困難な状態が続いており、特に小児IF症例におけるIFALDの治療と予防はIF治療における最重要課題である。長期の静脈栄養(parenteral nutrition、以下、PNと略)症例では非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis、以下、NASHと略)来たすことが示され、IFALDの発症には肝臓での脂質代謝異常が関与すると考えられている。IF症例では長期PNに伴う過栄養/低栄養、必須脂肪酸の欠乏など肝臓での脂質代謝異常を来たす要因に加え、腸管細菌叢の異常などを原因とする敗血症、肝臓の循環不全により肝細胞障害を来たし、NASH/IFALDを発症し、重症化すると考えられる。新生児・乳児期のIFでは、胆汁輸送機構の未熟性や腸内細菌叢の異常をより来たしやすいことなどから胆汁うっ滞を主体とするIFALDが問題となり、幼児、学童以降ではNASHを主体とするものが多い。IFALD治療の骨子は、1) 残存する腸管を最大限に利用し、PNへの依存度を軽減すること、2) 個々のIF症例の病態を的確に評価し、適切なPN、経腸栄養(enteral nutrition ; 以下、ENと略)を実施すること、3) 短腸症候群や腸管内容のうっ滞に伴う腸内細菌叢の異常と合併するbacterial translocation(以下、BTと略)、敗血症を最大限に予防すること、である。最近、IFALDに対する魚油由来ω3系静脈注射用脂肪製剤(商品名 : Omegaven®、以下、omegavenと略)の有効性が報告されている。omegavenは(1)胆汁流出の改善、(2)脂肪化の減少、(3)免疫抗炎症作用、といった機序により胆汁うっ滞、肝炎、線維化を軽減すると考えられている。本稿では、当院におけるIF、IFALDの治療経験とomegavenの使用経験、IFALDの病因やIFALDに対するomegavenの効果に関するこれまでの報告を紹介し、IFALDに対する治療の今後の展望について考察する。

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著者
久保田悠羅 F.E.A.R.著
出版者
新紀元社
巻号頁・発行日
2002
著者
辰巳 晃 藤久保 昌彦
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.189-198, 2016 (Released:2017-02-24)
参考文献数
9
被引用文献数
3

This paper is the first of two companion papers dealing with ultimate longitudinal strength analysis of a container ship considering local loads effects. The purpose of this paper is to clarify the effect of bottom local loads on the longitudinal bending collapse behavior of a large container ship. An important problem is a bending deformation of the double bottom due to upward bottom local loads that may reduce the hull girder ultimate strength.A 1/2+1+1/2 hold model of a container ship is analyzed using nonlinear implicit finite element method. The analysis shows two major effects of the bottom local loads on the ultimate hull girder strength; i.e. the buckling of the outer bottom plating is accelerated due to the increased longitudinal compressive strain, while the effectiveness of the inner bottom plating that is in the tension side of local bottom bending is significantly decreased.
著者
久保田 麻里
出版者
日本フランス語フランス文学会関西支部
雑誌
関西フランス語フランス文学
巻号頁・発行日
vol.21, pp.63-74, 2015

<p> La dramaturgie classique prescrit des contraintes très strictes au poète dramatique : celui-ci doit faire tenir son action dans un espace et un temps restreints, ne peut la fonder que sur les discours, en s'abstenant de tout recours au merveilleux, et doit en conduire les péripéties selon le naturel et le vraisemblable. Mais Molière, dans sa pratique du genre comique, s'est totalement affranchi de cette primauté du discours et de la raison, qui démarque la tragédie de l'opéra. À partir des <i>Fâcheux</i>(1661), il a même accordé un soin particulier à une forme hybride, la comédie-ballet, destinée à unifier le texte et le spectacle, le discours et l'art visuel. Dans ses comédies-ballets, Molière s'applique à introduire dans la comédie des danses et des airs indispensables au déroulement de l'intrigue, et veille à l'enchaînement rigoureux de chaque entrée de ballet aux scènes parlées qui l'encadrent, ainsi qu'à sa liaison étroite avec le sujet de la pièce. Du point de vue de la signification des pièces, les deux composantes du genre se font contrepoids : le discours apporte cohérence et unité, tandis que la légèreté et l'irrationalité traditionnellement mises en avant par le ballet facilitent les dénouements. Il est donc juste de tenir la comédie et le ballet pour les éléments équivalents de base d'un art syncrétique chez notre dramaturge.</p>
著者
久保田 義弘
出版者
札幌学院大学総合研究所 = Research Institute of Sapporo Gakuin University
雑誌
札幌学院大学経済論集 = Sapporo Gakuin University Review of Economics (ISSN:18848974)
巻号頁・発行日
no.16, pp.123-161, 2020-02-29

本稿では,プラトンの対話編『パイドロス』においてソクラテス(すなわちプラトン)によって繰りひろげられたエロス論の特質について考察する。すなわち,パイドロスが朗読した弁論家リュシアスのエロス論と対比してソクラテス(すなわちプラトン)のエロス論を検討し,両者の違いも考察する。その対比を通して,ソクラテス(プラトン)のエロス論の特質を鮮明にされる。対話においてソクラテスは二つのエロス論を提示しているが,それぞれは,まったく異なった二つの立場からのエロス論である。その一つは,リュシアスと同様に恋する人ではなく,恋してはいない人を愛するエロス論であり,他は,恋している人の方を愛するエロス論であった。 本稿では,現世の美しい人を目にし,そこから美の真実在から現実(この世)の美を認識する認識論としてのイディア説が示される。その認識論は,プラトンの対話編『饗宴』で検討した認識論の拡張,深化あるいはその延長線上にあるものであるが,プラトンは,神(あるいはデーモン)の存在を強調し,真実在の認識には神あるいはデーモンの働きを欠くことができないと主張している。プラトンのように,ある実体を認識するには,神の存在を持ち出す必要があるのかどうかは,疑問であると考えられている。そのため,今日の科学の時代において,これがプラトンの認識論を積極的に評価されない一面である。 本稿では,また,弁論術についても紹介される。その真実在を伝え教える方法として,プラトン自身によって開発されたディアレクティケー(哲学的問答法)を説明する。その方法と,プラトンが活躍していた当時の弁論術(言論の技術)あるいはソフィストの詭弁術との違いを示す。ソフィストは,事柄の真実在ではなく,世間の人達に受け入れられること,あるいは受け入れられるであろうと思われることが真実であると考え,その事柄を理路整然と語るひとが知恵者であると言うが,プラトンはその立場には与せず,彼の言論の術を展開する。その言論の術は,彼のイディア説に裏打ちされた言論の術(弁論術)である。論文
著者
稲葉 昭英 吉武 理大 大久保 心 吉田 俊文 大橋 恭子 夏 天 小正 貴大
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

大規模な公共利用データを用いて貧困低所得層の世代的再生産に関する計量分析を行った。その結果、ひとり親世帯の子(中学3年生)の教育アスピレーション(進学期待)が低く、成績が悪く、勉強時間が少ない傾向がみられた。とくにこの傾向は父子世帯の子に大きかった。多変量解析の結果、母子世帯の子に見られる差異は所得の低さからほぼ説明されえたのに対して、父子世帯の子に見られる差異は所得からは説明されえなかった。

1 0 0 0 OA 百家高評伝

著者
久保田高三 (潜竜) 編
出版者
文寿堂書林等
巻号頁・発行日
vol.第2編, 1895
著者
蒲生 郷昭 石川 陸郎 加藤 寛 樋口 昭 中里 寿克 高桑 いづみ 久保 智康 阪田 宗彦 浅井 和春 上参郷 祐康
出版者
東京国立文化財研究所
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1.実地調査初年度に調査できなかった石上神宮(天理市)蔵の鼓胴5点と鞨鼓、厳島神社(広島県宮島町)蔵の鶏婁鼓と振鼓、朝護孫子寺(奈良県平群町)蔵の二ノ鼓と三ノ鼓と鶏婁鼓、丹生都比売神社蔵和歌山県立博物館(和歌山市)寄託の鼓胴3点、東京国立博物館蔵の壱鼓と二ノ鼓、神谷神社(坂出市)蔵の鼓胴、福岡市美術館蔵の鼓胴、紀州徳川家旧蔵国立歴史民俗博物館現蔵の壱鼓と鞨鼓、国立音楽大学楽器学資料館蔵の三ノ鼓、鞨鼓の調査を行った。調査内容は初年度と同じで、熟覧、計測、写真撮影、X線写真撮影などである。2.研究初年度の調査と併せて、合計21機関が所蔵する57点の雅楽打楽器を調査することができた。その結果と文献資料にもとづき、音楽学の側面からは、楽器ごとに歴史、名称、用法などを考察した。そして、とくに壱鼓、二ノ鼓、三ノ鼓をめぐっては、その名称と規格の関係についての定説に問題があることが分かった。美術史学の側面からは、品質、形状・製作技法、保存状態、などを明らかにし、製作時期を推定した。3.研究成果報告書の編集と刊行報告書刊行のために、計測結果を法量表としてまとめ、楽器1点ごとのセクション図または見取り図を作成した。さらに美術的所見と、楽器の種類ごとの音楽的考察をまとめた。その結果は、B5判164ページの報告書となった。
著者
小林 裕史 前川 聡 浦久保 孝光 玉置 久
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.6, pp.16, 2006

本講演では,球体内部に搭載したジャイロの角運動量を制御することによって駆動トルクを発生・制御する構造の球体ロボットについて,球体ロボット本体および操縦インタフェースの設計・製作,シミュレーションおよび実機実験による性能評価結果を報告する.また,実機におけるニューテーションや外乱の影響についても考察・検討する.
著者
水谷 俊亮 久保田 真弓
出版者
多文化関係学会
雑誌
多文化関係学 (ISSN:13495178)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.117-132, 2013

本研究では、ある目標に向けて協働すべき異文化の集団や組織をつなぎ、その目標達成に寄与する力、すなわち「文化媒介力」(松田, 2013)を参照し、バングラデシュでストリートチルドレンの支援活動を行うNGO・Eが、日本の支援団体NPO・Sを受け入れ実施した5日間の訪問ツアーを対象に、NGO・Eの日本人スタッフ2名に焦点をあて、媒介者としての働きを明らかにする。日本人スタッフの一人はNGO・Eで1年間インターンとして働き、5日間の訪問ツアーを参与観察しフィールドノートを取った。本研究では、このフィールドノートをデータとしKJ法(川喜田, 1967)で分類し、カテゴリー名をつけ分析した。その結果、最終的に19種類のカテゴリーが抽出された。それらを対日本人訪問者への項目と対バングラデシュ人スタッフや子どもへの項目に分けて解説した。次に特筆すべき3つのエピソードをカテゴリー項目を用いて再構成し提示した。これらの分析結果をもとに、NGO・Eの日本人スタッフ2名による媒介者としての働きを「文化媒介力」を援用して議論した。<br>本研究の意義は、「文化媒介力」について実際のデータを元に提示した点、イスラム文化を背景とするバングラデシュで活動する現地のNGOの視点から議論した点、特に農村における場面を扱っている点である。
著者
浅沼 靖 宮本 武美 秋山 順 中川 宏 堀 覚 北岡 正見 大久保 薫 熊田 信夫 鈴木 誠 柄沢 敏夫 久郷 準 山本 久 川村 明義
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.232-244, 1959
被引用文献数
1 4

Among the cases of scrub typhus newly recognized in Japan after the World War II, those prevalent in the Izu Shichito Islands of Tokyo Prefecture, in Awa-gun, Chiba Prefecture, and in Mt. Fuji area, Shizuoka Prefecture, are called as the "Shichito type scrub typhus" or as the "scutellaris type scrub typhus, " and Trombicula scutellaris has been presumably incriminated as a potential vector of this type of scrub typhus. The study on scrub typhus in Chiba Prefecture was commenced in 1952, when the so called "twentydays fever, " an endemic disease in this Prefecture, was assumed to belong to a scrub typhus by Kasahara et al. (1952) and Kitaoka et al. (1952).
著者
池田 大樹 久保 智英 松元 俊 新佐 絵吏 茅嶋 康太郎
出版者
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
雑誌
労働安全衛生研究 (ISSN:18826822)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.51-59, 2019-02-28 (Released:2019-02-28)
参考文献数
28

本研究では,職場環境改善の取組み時における勤務時間外の仕事に関する行動(メール確認,自宅仕事)が,労働者の睡眠や疲労,生産性等に及ぼす影響を検討した.製造業の中小企業において,組織体制の変更,勤務 開始時刻の多様化,勤務体制の多様化,作業環境の変更の4つの職場環境改善取組みが実施された.調査は,職場環境改善の約1か月前(事前調査),3,6,12か月後の計4回実施し,調査の同意が得られた36名を分析対 象とした.調査内容として,基本属性,睡眠の質,勤務時間外における仕事との心理的距離,生産性,疲労回復状況等を測定した.また,勤務時間外における仕事に関するメールの確認,自宅での仕事に関する設問を設け,その有無により,群分けを行った.線形混合モデル分析を行った結果,生産性に群と調査時期の交互作用が見 られ,自宅仕事が有った群のみ,職場環境改善前と比較して3か月後の生産性が低下したこと,無かった群と比較して3,6,12か月後の生産性が低かったことが示された.また,調査時期の主効果が睡眠の質と疲労回復 に見られ,職場環境改善後にそれらの改善及び改善傾向が生じたことが示された.また,群の主効果が心理的距離に見られ,勤務時間外にメール確認が無かった群は,有った群と比較して,勤務時間外に仕事との心理的距離が取れていたこと,一方,自宅仕事が無かった群は,有った群と比較して,心理的距離だけでなく,睡眠の質や疲労回復状況も良いことが示された.以上により,職場環境改善時における仕事関連の行動が労働者の生産性に影響を及ぼすこと等が示された.今後,職場環境改善の一環として,職場外・勤務時間外における働き方・休み方の改善も検討していく必要があると考えられる.