著者
伊東 正子
出版者
吉川弘文館
雑誌
日本歴史 (ISSN:03869164)
巻号頁・発行日
no.546, pp.p23-36, 1993-11
著者
伊東 正安 常田勝啓 美木 佐登志 山本 由記雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.51-58, 1981-01-15
被引用文献数
2

超音波による映像診断では生体中での超音波信号の減衰補償 および階調変換による組織の特徴表示のために信号処理が重要である.また診断に有効な画像処理が同時にできれば診断能率もよくなる.我々は診断部位や目的に応じて反射エコーの多様な信号処理ができ 内蔵したマイクロコンピュータにより簡易な画像処理および計測のできる装置を開発した.本論文はシステムの機能を中心にプログラムや得られた画像について報告するものである.本装置では 同一画面上で数種の信号処理結果が比較できるので 診断により適した信号処理が選択できる.またそれらはカセットテープに録画できるため手術前後の検討や組織変化の経時的観察に適する.ここでは診断データとして眼科での超音波探触子を扇形走査した断層像を使用した.診断像データは256×256画素 16階調として画像メモリに書き込まれる.プログラムには モニタテレピに正方形に表示される原画像を組織の走査面と相似な扇形に変換するプログラムをはじめ 拡大表示 種々のフィルタリングなどが含まれる.また診断像の組織の距離は モニタ画面上を移動できるマーカで2点を指定することにより自動的に表示・計測される.さらに複数枚の断層像を使用した体表示についても言及する.
著者
和田 恭則 伊東 正吾 恩田 賢
出版者
麻布大学
雑誌
麻布大学雑誌 (ISSN:13465880)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.170-173, 2006

乳牛の乳腺組織ではPTHrPが合成・分泌され,またそのレセプターであるPTH/PTHrPレセプターが発現していることから,PTHrPが乳腺組織において何らかの作用を有する可能性が考えられた。そこで本研究では,乳汁中のPTHrP濃度とCa濃度との関連を検討した。最初にMBP-ウシPTHrP[1-141]を合成し,スタンダードとして用いて血漿中ならびに乳汁中PTHrP濃度を測定した。まず,周産期のジャージー種乳牛1頭を用いて,PTHrPの乳腺組織からの分泌,ならびにCaの乳腺組織への取り込みについて検討した。すなわち,腹大動脈と腹皮下静脈(乳静脈)から血液を採取し,PTHrP濃度とCa濃度を測定し,動静脈差を求めた。血清Ca濃度はこれまでの報告と同様に分娩前後に一過性の減少が認められたが,その低下時にCa濃度の動静脈差は認められず,乳腺への取り込みは明らかではなかった。一方,血漿中PTHrP濃度はいずれの時期においても検出限界以下(0.57pM)で,動静脈差を検討することはできなかった。ついでホルスタイン種泌乳牛9頭について血漿中PTHrPの動静脈差を検討するとともに,乳汁中のPTHrPとCa濃度について検討した。その結果,血漿中PTHrP濃度は動静脈共に周産期のそれと同様,検出限界以下であった。一方,乳汁中のPTHrP濃度は著しく高く,28.4±7.6nM(平均±標準偏差)であり,90%以上が乳腺組織由来であることが明らかとなった。また乳汁中Ca濃度は98.7±13.3mg/dl(平均±標準偏差)であり,乳汁中のPTHrP濃度との間には有意な正の相関(P<0.01)を認め,乳腺組織由来のPTHrPが,乳汁へのCa輸送に関与している可能性が示唆された。
著者
上山 英三 湯浅 秀男 細江 繁幸 伊東 正美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.12, pp.2767-2778, 1998-12-15
被引用文献数
7

ランダムテクスチャを背景とし, その上を背景と異なる動きベクトルをもつランダムテクスチャの領域が移動する動画を作成して再生すると, その領域が背景から浮かび上がって分離されて見える.動きを止めるとその領域は背景と見分けがつかなくなり分離が不可能になる.この現象を動きによる図地分離と呼ぶ.ここで, 移動領域の形を正方形にして, 動画の再生速度を変えて観察すると, 再生速度が十分に速い場合は正方形の領域がはっきりと分離されて見えるが, 再生速度を遅くしていくにつれて正方形の角が丸くなって認識されるようになる.一方, ある種の反応拡張方程式で形成されるパターンを真上から観察すると, そのエッジは方程式の時間発展につれて平滑化によって円形に近づいていく.これが, 上記の人間によって認識される正方形領域の変形を説明するモデルになるのではないかと考える.そこで, 反応拡張方程式を用いて, ランダムテクスチャの動画から図地分離のパターンを形成し, その界面が人間によって認識される輪郭, すなわち主観的輪郭と定性的に合致することを確認し, このモデルの有用性を主張する.
著者
伊東 正一 稲本 志良 加古 敏之 山路 永司 石川 行弘 丸山 幸夫 加賀爪 優 茅原 紘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究はアジアのコメ需要が減退しつつあり、このままでは生産縮小に追い込まれるという、アジア農業にとっては危機的状況が予想されることから、アジア各国及び世界のコメ需要、さらに、今後の見通しについて解析した。結論は下記の通りである。1.世界の一人当たりコメ消費量は2000年代は年平均0.6%の減少率で推移している2.この減少率が続くと世界の一人当たりコメ消費量は2050年には58.9kgに減少する(シナリオ1)3.この減少率が2倍(シナリオ2)及び3倍(シナリオ3)になると、2050年にはそれぞれ52.7kg、及び46.2kgにまで減少する4.世界のコメの総消費量は2050年においてシナリオ1,2,3ではそれぞれ5億3,500万t、4億7,900万t、4億1,800万tとなり、シナリオ3では現在の消費量から増加しない、ということになる5.シナリオ1の見通しは現在の減少率の維持という最も控え目な予測であるが、IRRI(国際稲作研究所)が2003年に見通したものはこれより7%多い(2025年の時点)ものとなっている。国際研究機関の過剰な予測が懸念される6.アジア各国におけるコメ消費動向に関する研究は日本を除いて非常に少なく、コメ消費減退の実情が理解されていない7.1960年代から現在までの間に、台湾の一人当たり消費量は160kgから50kgに激減し、日本も120kgから60kg余に半減した。中国では2000年代に入り、100kgのレベルから減少の速度を加速し、年2kgの減少を呈しているこうした減退しつつある世界のコメ需要に対し、コメの加工向け、飼料向けの利用開発が求められる。こうした動きはアジア全地域で取り組む必要があり、効果的な方法の一つとして、日本が発展途上国に提供しているODA予算に対しても、アジア向けのODAにはコメ消費拡大に向けたプログラムに援助するということもアジア地域の食料安全保障対策や国際食糧需給政策として重要である。
著者
斉藤 英樹 笹木 美樹男 金山 幸礼 伊東正篤
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.87(1993-CVIM-085), pp.33-40, 1993-09-30

自律移動ロボットが停止時に対象物の位置姿勢を高精度に認識する手法として、対象物から既知の位置に特定図形を設置するマーカ方式に焦点をあて、その高速化とロバスト化について報告する。まず、自律移動ロボットの動作環境について述べた後に、シンプルな幾何形状を用いたマーカ方式の原理とその性能を解説し、従来方式と比較する。次にマーカの大きさ、形状、カメラ位置、測定精度等の影響を仮想FAルームと呼ぶグラフィクス環境でシミュレーションした結果を示す。最後に実機による検証結果を示す。
著者
椿井 正義 伊東 正安
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.895-907, 2003-06-01
被引用文献数
4

可変構造要素による適応的モフォロジーの境界強調機能について議論する.境界が強調される仕組みを定量的に説明し,超音波画像の境界強調とスペック低減のための有効な構造要素の定義域の設定と値の制御方法を提案する.構造要素の値を画像の境界部分で大きくして,境界以外の部分で小さくなるように制御するば,opening演算とclosing演算によって境界強調とスペックル除去を同時に行えることを示す.これを処理対象画像の情報を使って自動設定するために,超音波画像の空間分解能とスペックルの輝度値の統計的性質を利用する.本手法の有効性を,計算機シミュレーションによって作成した数値ファントムを用いた定量的評価と,実際の生体超音波画像からの境界抽出への応用によって明らかにする.スペックル低減と境界強調の性能が従来手法よりも高いことが示された.
著者
伊東 正浩
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

リン酸アルミニウムを担体とする白金触媒を作製し、これとゼオライト触媒との階層複合化を検討した。作製した複合化触媒について、水素を還元剤とした脱硝反応を行ったところ良好な特性を示した。赤外吸収により反応吸着種を評価したところ、反応過程におけるアンモニアの生成が確認され、白金触媒上で生成したアンモニアがゼオライト触媒上に吸着し、疑似NH_3-SCR的に脱硝が進行することで良好な特性が得られることがわかった。
著者
熊谷 敦史 Vladimir A. Saenko 柴田 義貞 大津留 晶 伊東 正博
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.297-300, 2004-09

甲状腺癌の約80%以上を占める主要な病理組織型である甲状腺乳頭癌(PTCs)には,特異的な遺伝子異常が存在する. 特に,チェルノブイリ原子力発電所事故後の小児PTCsにおける高頻度のRet/PTC遺伝子再配列異常が報告されている. 一方,成人PTCsにおいては,2003年BRAF遺伝子のエクソン15コドン599に限局した活性型点突然変異(T1796A,V599E)がその3〜5割に認められ,PTCsの発症に関与していることが報告された. その後シークエンス解析等の結果,BRAF遺伝子のヌクレオチド番号・コドン番号の表記が訂正され,これに従いHot spotはコドン600(T1799A,V600E)に訂正された. BRAF遺伝子はRAS-RAF-MAPK経路(MAPKカスケード)を構成するRAF蛋白のアイソフォームのひとつであるBRAF蛋白をコードする遺伝子であり,BRAF蛋白はセリン・スレオニンキナーゼとして細胞内情報伝達因子としての活性を持っている. BRAF蛋白は通常でも,その下流の因子であるMEK1/2に対して,その他のRAF蛋白(ARAF,RAF-1)より強い親和性を有しているとされている. 遺伝子変異によってBRAF蛋白の600番目のアミノ酸がバリンからグルタミン酸に転換すると,BRAF蛋白の構造変化を引き起こし通常よりさらに強力なリン酸化能を恒常的に発揮するようになると考えられている. また成人発症のPTCでは,BRAF遺伝子変異と遠隔転移との間に有意な相関性が認められることも指摘され,BRAF遺伝子変異が予後不良群のマーカーとなる可能性も注目されている. これに対して小児PTCsは成人例に比べて遠隔転移が高頻度に認められるにもかかわらず,予後が比較的良好であることが特徴である. そこで小児PTCsにおけるBRAF遺伝子異常の頻度を検討した. 更に,放射線汚染地域および非汚染地域でのPTCsの遺伝子異常の頻度を比較することにより,放射線被曝による変異誘発の可能性もあわせて検討することとした.
著者
山下 俊一 高村 昇 難波 裕幸 伊東 正博
出版者
長崎大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1999

チェルノブイリ事故後に急増した小児甲状腺がんの放射線障害の起因性を明らかにするために、チェルノブイリ周辺地域(ベラルーシ、ウクライナ、ロシア)における分子疫学調査を行った。特に、分子疫学を行うためにの基礎として甲状腺および末梢血液より核酸(DNAおよびRNA)抽出法について検討した。1)ベラルーシのミンスク医科大学と長崎大学は姉妹校を結び小児甲状腺がんの診断技術の研修を行っている。ベラルーシのゴメリを中心として、小児甲状腺がん患者についてのCase-Control Studyを行い、甲状腺がん症例220例、Control(年齢、性別)をあわせたもの1320例を抽出して現在調査を行っている。2)患者の核酸を永久保存するための基礎検討として、ベラルーシから持ちかえった抹消血液からのDNA抽出検討を行った。その結果、血清を除き生理食塩に血球を希釈して持ちかえることで、4℃の場合と室温保存と差がなく3週間後でも高品質のゲノムDNAを抽出することが可能であった。さらにDNA資料の半永久保存のための試みとしてLone-Linker PCR法について検討している。3)甲状腺腫瘍組織からRT-PCR法によりcDNAを増幅して、放射線により誘導される遺伝子異常の一つと推測されているRet/PTC遺伝子の解析を行った。旧ソ連邦の核実験場であったセミパラチンスクで発症し手術を受けた甲状腺組織を用い、RNAを抽出しRet/PTC1,2,3の異常が認められるかどうかについて解析した。その結果、Ret/PTC3の異常が高頻度で見られ、被爆とこの遺伝子異常の関連性が示唆された。この結果はLancettに掲載された。
著者
南石 晃明 木南 章 伊東 正一 吉田 泰治 福田 晋 矢部 光保 堀田 和彦 前田 幸嗣 豊 智行 新開 章司 甲斐 諭 樋口 昭則 石井 博昭 松下 秀介 伊藤 健 亀屋 隆志 八木 洋憲 森高 正博 多田 稔 土田 志郎 後藤 一寿 佐藤 正衛
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

食料・農業・環境に関わる諸問題は,相互に密接に関連しており,その根底には「リスク」が深く関与している.このため,食料・農業・環境に関わる諸問題の解決には,「リスク」に対する理解が不可欠である.食料・農業・環境に潜むリスクには,どのようなものがあり,それらはどのように関連しており,さらにどのような対応が可能なのか?本研究では,学際的かつ国際的な視点からこれらの点について明らかにした.
著者
伊東 正博 中村 稔
出版者
独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

放射線誘発腫瘍研究の最も大きな課題は放射線特異的な遺伝子異常や形態変化が存在するか否かであり、チェルノブイリ組織バンク症例を用いて解析を行ってきた。事故から20年が経過し周辺地域での甲状腺癌の発生は小児から成人にシフトし依然高い発生率を呈している。チェルノブイリ組織バンクには約2,500症例が登録されて病理組織や遺伝子(DNA, RNA)が保管されている。チェルノブイリ症例では遺伝的・環境的に同じ地域の自然発症例との比較データが欠けていたが、近年、同地域の非被曝小児症例が集債され、放射線被曝特異的な組織型は存在しないことが明らかになってきた。甲状腺癌の約95%は乳頭癌が占め、被曝形態や被曝年齢により様々な形態変化が存在する。乳頭癌の亜型(乳頭状、濾胞状、充実性)頻度に被曝、非被曝群間で差は見られず、手術時年齢により関連していた。そのなかで被曝時年齢と潜伏期によりある程度の形態発現が規定されていた。充実性成分は被曝時年齢よりも短い潜伏期と関連しRET/PTC3変異が高率に観察された。高分化型形態を呈する乳頭癌ではRET/PTC1変異が優位であった。短い潜伏期ほど浸潤性が高く、長い潜伏期ほど腫瘍辺縁の線維化が目立った。BRAF変異は被曝との関係は見られず年齢と強い相関を示し、若年者での変異は低率であった。RET再配列とBRAF変異は相互に排他的であった。乳頭癌の亜型間での細胞増殖指数に有意差は認めなかった。予後は概して良好で5年生存率が98.8%、10年生存率が95.5%であった。組織亜型による差は認めなかった。被曝と甲状腺癌形態の解析には更なる症例集積が必要である。