著者
佐々木 貴広 下村 卓
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.127-132, 2015-04-10 (Released:2015-07-15)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

In spacecraft attitude control, the quaternion is often used as a kinematic parameter, simply because it has no singularities. In the tracking problem of an attitude control, the error quaternion is needed for quaternion feedback. Due to complexity of the quaternion math, the error quaternion is sometimes misunderstood and its incorrect denition is used for attitude control. Even in such cases, the tracking objective is achieved to some extent. In this paper, we consider attitude control of a spacecraft with RWs and examine the property of the error quaternion.
著者
関本 美穂 今中 雄一 吉原 桂一 白井 貴子 佐々木 弘真 米野 琢哉 リー ジェイスン 芦原 英司 前川 平
出版者
The Japan Society of Transfusion Medicine and Cell Therapy
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 = Japanese journal of transfusion and cell therapy (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.599-605, 2010-10-30
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

わが国では,新鮮凍結血漿(FFP)やアルブミン製剤の不適切な使用が指摘されてきた.血液製剤使用の継続的な監視は,不適切な輸血を減少させる効果がある.われわれは病院レベルの血液製剤使用の監視方法として,DPCデータを利用して,FFPおよびアルブミン製剤使用量を病院レベルで評価する方法を考案した.<br> 最初に2病院において診療録レビューを実施し,FFPおよびアルブミン製剤使用の理由,および各病院における使用の適切性を監査した.次に,73病院から提供された587,045例の成人患者のDPCデータを使って,病院レベルの血液製剤使用量の予測モデルを開発し,使用量の実測値と予測値の比(O/E比)を計算した.またO/E比による評価が,適切性な使用の割合と関連するかどうか,検討した.<br> FFPおよびアルブミン製剤の適切な使用の割合は,20~30%であった.診断群分類を利用した病院レベルの血液製剤予測使用量は,実際の使用量とよく関連した.使用量のO/E比が高いときには,診療録レビューによる適切な使用割合が低い傾向がみられた.DPCデータを利用した血液製剤の使用量の評価が,使用適切性の指標として用いることができる可能性が示唆された.<br>
著者
二藤 優 渡部 誠也 佐々木 信也
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.574-581, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
20

金属ベルト式CVT用潤滑油下で摩擦試験を行い,形成されたトライボフィルムの機械的特性を,ナノインデンテーション装置で測定した.加えて表面分析を行い,トライボフィルムの構成元素および膜厚さを測定した.トライボフィルムの機械的特性ならびに表面分析結果と摩擦現象との関係性について考察した結果を報告する.
著者
野村 修一 鷲尾 一浩 山野 寿久 松本 英男 永広 格 東 良平 佐々木 澄治
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.41-44, 1994

症例122歳, 妊娠31週, 当院入院の前日夕方より腹痛があった. 腹痛は腹部全体におよび間歇性であったが, 入院翌日には右側に限局する傾向がみられ, 翌々日手術となった. 虫垂穿孔と右側腹腔への膿汁貯留が認められた. 妊娠40週で正常女児を自然分娩にて出産した. 症例225歳, 妊娠33週, 前日より心窩部痛があったが, 腹部全体の痛みとなり入院した. 腹痛はしだいに右側にかた寄るようになったため同日手術となった. 虫垂は穿孔はしていないものの著明に発赤腫大し, 周囲に膿汁貯留を認めた. 妊娠38週で帝王切開にて正常男児を出産した.<br>妊娠優期においては, 子宮の増大と虫垂の変位により症状所見が非定型的で不明瞭であり, 診断が難しい場合がある. 虫垂炎に腹膜炎が加わると胎児死亡や早産の危険があり, 手術をためらってはならない.
著者
渡辺 真澄 種村 純 長谷川 恒雄 佐々木 浩三 辰巳 格
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.206-215, 2001

新造語発話における機能範疇の使用状況を調べるため,新造語発話の多い流暢性失語症1例を対象に,動作絵を用いて動詞を発話させ,活用を調べた。活用形には,基本形,テ形,命令形の3種を選んだ。それぞれの課題における反応語の語幹は,約半数が新造語となった。これらの活用語尾と語幹末音素を検討したところ,新造語であるにもかかわらず活用語尾には動詞の語尾だけが現れた。さらに,基本形,命令形では,ほぼ動詞の語幹末音素だけが出現した。しかし,テ形では,逸脱例が多く出現した。これらの結果は,英語圏における,新造語発話に関する研究,および脳の損傷部位と規則・不規則動詞の過去形生成に関する先行研究の結果とほぼ一致し,日本語の新造語発話においても機能範疇が保たれる場合のあることを示している。さらにこれらの結果は,語彙範疇と機能範疇の使用頻度の差,という視点から説明される可能性を示した。
著者
佐々木 銀河 青木 真純 五味 洋一 野呂 文行
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.221-230, 2017-03-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
12

本研究では、自閉スペクトラム症のある大学生1 名に対して行動契約法を導入し、学生による自主学習が促進されるかを検討した。初回来談時のアセスメントの結果をもとに支援計画を立案した。まず、自主学習時において取り組む問題数を設定する目標設定を行った。その後、目標を書面化し、対応する強化子の提供等を明記した行動契約法を導入した。行動契約法の後で、再び目標設定のみによる自主学習の促進効果を評価した。その結果、目標設定のみでは自主学習は促進せず、行動契約法によって自主学習が促進されることが示された。この結果について、行動契約法で設定される強化子の設定・管理および障害学生支援としての意義について検討した。
著者
藤沢 寛 上原 道宏 森山 繁樹 佐々木 誠
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.47-54, 2000
参考文献数
2
被引用文献数
1

我が国の地上デジタル放送方式(ISDB-T方式)では, 畳み込み符号の符号化率, 時間インターリーブ長, キャリア変調方式(これらを階層パラメータと呼ぶ)をOFDMセグメントごとに設定可能である.しかし, 階層パラメータを切り替えて運用する手法は十分に検討されておらず, 切り替え時にデータが大きく破損することが考えられる.今回, 1セグメント構造のISDB-T方式において, 階層パラメータ切り替え時に生じる問題を明確にし, その対策手法について検討を行った.さらに本手法でのデータ破損量を求めたので報告する.
著者
佐々木 隆
出版者
弘前大学哲学会
雑誌
哲学会誌 (ISSN:02870886)
巻号頁・発行日
no.34, pp.18-26, 2000-01-31

弘前大学哲学会第33回大会論文
著者
佐々木 淳
雑誌
一般社団法人日本老年歯科医学会 第32回学術大会
巻号頁・発行日
2021-05-19

「何かの時は入院できたら安心」と言われることがよくある。確かに病状が不安定となり、在宅生活の継続が困難であれば、一時的に入院するという選択肢はあってしかるべきである。しかし、在宅高齢者においては、入院によって身体機能・認知機能が低下する。これを「入院関連機能障害」という。フレイルの高齢者にとって、入院に伴う環境変化は心身ともにダメージが大きく、せん妄や認知機能低下が生じる。また食事制限がベッド上安静などによる急速な低栄養・廃用症候群の進行で、要介護度が悪化する。在宅高齢者の緊急入院の50%は肺炎と骨折による。肺炎で入院した在宅高齢者は経過中に約30%が死亡し、退院できたケースは要介護度が平均1.74悪化、骨折で入院したケースも合併症で約5%が死亡し、退院できたケースは要介護度が平均1.52悪化していた。命を守るために、入院は必要不可欠な選択肢である。しかし「入院できれば安心」というのは必ずしも事実ではない。入院が必要な事態がなるべく生じないよう、予防医学的な支援が重要になる。もちろん、加齢に伴い身体機能は低下する。しかし不適切な栄養管理により、低栄養、サルコペニア、フレイル、そして廃用症候群と負のスパイラルに陥り、老化のプロセスを加速させているケースが目立つ。これらは高齢者にとって要介護状態や死亡のリスクを高め、QOLを低下させる。在宅高齢者の健康を守るために、まずは低栄養という病態に対して地域住民や専門職に対する認知度を上げていかなければならない。在宅栄養サポートのターゲットは、その人の栄養状態だけではない。その人の生活であり、その人の人生そのものでもある。在宅医療を受けている患者の多くは治らない病気や障害とともに、人生の最終段階に近いところを生きている。生物学的な栄養改善という医学モデルに基づく介入のみならず、生活の楽しみ、人生への納得のための支援という側面も重要になる。そのアウトカムは必ずしも生存期間の延長だけではない。また、食事は生活の一部でもある。専門職に支配されるものであってはならない。家族の介護負担、経済的負担にも留意しながら、本人・家族が納得して食事を楽しみながら栄養管理ができる「自立した状況」にシフトしていくことを目標としなければならない。どんなに栄養価の高い食材も、単なる「栄養補給」では味気ない。個々の栄養成分の充足率ももちろん重要だが、それはよりよい生活・人生のための手段に過ぎない。また、誰と食べるかも非常に重要なファクターである。食はコミュニケーションでもあり、高齢者の場合には、人とのつながりがその人の予後を左右する。医科歯科介護の連携により、包括的な在宅での食支援を実現し、食べることの本来の意味を見直すきっかけを作りたい。