著者
山本 悟 西 光晴 佐々木 宏典 石川 浩三 安田 聖子 澄川 泰弘 岸下 裕輔 井田 唯香 吉田 充広 掛田 崇寛 石川 敏三
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.215-221, 2011-12-10 (Released:2013-03-16)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

We have newly developed a low-powered magnetic stimulator (MS) that is characterized by two different frequency modes: 2 kHz (low frequency) and 83 MHz (ultra-short wave). It is suggested that MS reduces rat neuropathic pain associated with the prevention of neuronal degeneration. However, little is known about certain mechanisms of MS, at least, applicable value of the analgesic approaches in clinical situation. Thus, we aimed to determine the analgesic effects of MS in human with shoulder stiffness. We recruited volunteers with shoulder stiffness (MS was applied once for 10 min.) and with acute pain (MS was applied once a day (10 min period) for 9 days. The trial study on analgesic effects in human of new magnetic therapeutic instrument (Angel Touch®) were examined. We examined safety of MS based on electrocardiographic testing and body surface temperature. By using the heart rate on the electrocardiogram, we used FFT analyzer to analyze low frequency components (LH: 0.05 - 0.15Hz) and high frequency components (HF: 0.15 - 0.45 Hz). Muscle shoulder stiffness has been improved by the continued irradiation without a thermal action. Based on the present study, we suggest that MS has beneficial analgesic effects in human, and that MS will be a useful approach to treatment for neurodegenerative disorder because it may relieve pain via improvement of functional modulation of pain-emotional system.
著者
佐々木 悠亮
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.82, pp.193-210, 2013-01-31 (Released:2017-10-06)
参考文献数
49

The notion of "gatekeeping" introduced by D. M. White in 1950 refers to the process of selecting news for people in society. People in society mainly depend on information selected by media to understand what happens in broader society. In this sense, media is important to our understandings of the social reality. The purpose of this article is to evaluate the status of the gatekeeping theory and to then suggest strategies for empirical research in the future. To evaluate the status of this theory, a historical review is conducted. There are five areas of the research, which constitute five levels of the gate-keeping factors. These areas have been divided into five levels of analysis: individual, media routine, organizational, social institutional and social system. In this article, the former four levels are discussed individually. The last level, social system, however, is so deeply and widely rooted in the whole of society that it is not explicitly discussed as it is too complex to model effectively. After the classification of gatekeeping, two issues are suggested for the future. The first is empirical research methods. At each research level, models of analysis are discussed. Out of all of the four levels, the routine analysis level is the first to be researched because routines are traditions that journalists use in daily activities. The second issue is the inclusion of new media such as social media. Traditional gatekeeping studies have focus less on new media and more on mass media. But now new media have the power to influence people in their selections of news to be examined.
著者
佐々木 愛 宮野 素子
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター臨床心理相談室
雑誌
秋田大学臨床心理相談研究
巻号頁・発行日
no.18, pp.21-25, 2019-03-25

内的な感覚を他者が理解することは難しく,観察可能な行動に支援の焦点が当たりやすい。行動への対処は社会生活を送る上で重要だが,変容が難しい場合もある。行動の背景にある感覚処理を視野に入れると,本人の困り感に沿いながら支援ができ,認知や感情が影響を受けた結果,行動が変容しやすくするのではないか。そこで本研究では,認知,情動の2側面があり,社会適応に必要とされる共感性との関連を明らかにすることを目的とし,中学生を対象に質問紙調査を行った。結果,感覚有意・回避群,刺激探求群,低関心群の3群が得られた。3群それぞれで共感性について分散分析を行ったところ,共感的関心では低関心群のみ男子より女子の得点が高く,個人的苦痛では感覚有意・回避群が他の群よりも高くなった。今回の結果から,感覚回避の強さが個人的苦痛や共感的関心といった共感性の情動的側面へ影響すること,感覚探求が強いほど,他者指向的な感情を抱きやすいことが示唆された。
著者
水野 敬 佐々木 章宏 田島 華奈子 堀 洋 梶本 修身 渡辺 恭良
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第126回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.833, 2015 (Released:2015-07-23)

本邦の国民の約4割は6ヶ月以上疲労が続く状態、慢性疲労状態にある。慢性疲労は、さまざまな疾患発症に寄与するため未病状態といえる。よって、慢性疲労克服法の創出は健康社会形成の一助となる。われわれは急性疲労・慢性疲労・疾患関連疲労の分子神経基盤を探究しつつ、疲労回復に資する抗疲労介入研究を推進している。本講演では、癒される森林などの風景画像による生理心理指標に基づく疲労軽減効果について紹介する。疲労負荷作業中に、風景画像を呈示することで、疲労に伴う1)脳波における覚醒度低下の抑制効果、2)認知機能における注意制御パフォーマンス低下の抑制、3)自律神経における交感神経活動亢進の抑制および4)疲労感上昇の抑制効果が得られることを明らかにした。よって、実際の自然風景の眺望が困難なオフィス環境下においても、これらの風景画像を活用することにより疲労軽減効果が得られ作業効率を維持することが可能となる。本成果を一例とする科学的検証法に立脚した抗疲労ソリューションを実生活空間へ提供・還元していくことが、健康社会実現のための具体的方策の創出、健康科学イノベーションの本格的展開に導くと期待している。
著者
佐々木 秀綱
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.73-88, 2017-03-20 (Released:2017-09-11)
参考文献数
47

本研究では,フレーミング効果および互酬性効果が交渉者の態度に与える影響を明らかにするため,企業内の予算交渉過程を描いた場面想定法実験を行った.実験から明らかになった知見は次の2つである.第1に,利得フレーミングの交渉者は,交渉相手からの譲歩を受けると,返報として自らも譲歩的な態度をとりやすい.第2に,損失フレーミングの交渉者は,相手からの譲歩の有無にかかわらず,強硬な態度を保つ傾向がある.
著者
竹茂 求 那須 潜思 佐々木 正明 高田 稔 鹿股 昭雄 小川 廣幸
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.521-527, 2003-06-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
6

As an improved methodology for rapidly enumerating viable bacteria, microbial colonies in agar media are observed in the microscopic fashion at regular rate from the initial stage of culturing while media plate is being incubated. At each sampling time, in order to observe colonies in various depths without focusing on any of them, an agar plate is irradiated by a point light source to project the clear shadow of colonies onto the CCD image sensor. The projected image is processed with a computer to detect the colonies automatically. As the result of the experiment with E. coli, the number of colonies had reached to the plateau after six hours of incubation and the enumeration process was completed.
著者
松下 正 佐々木 茂雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.17-22, 1980-01-30 (Released:2009-03-31)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

1979年3月に本格運転を開始した新型転換炉原型炉「ふげん」発電所は,わが国で初めての重水減速軽水沸騰冷却型原子炉である。減速材系,すなわち重水系より発生する劣化重水を再使用するために重水濃縮を行う重水精製装置を設置した。重水精製装置は,建屋工事を含めると1977年12月より建設に着手し, 79年4月末に良好な結果をもって完成することができた。装置は無隔膜減容電気分解方式を採用し,年間95W/Oの劣化重水5tを濃縮し, 99.8W/Oの重水を4.4t回収する設備能力を有する。本稿では,装置の設計,建設,運転結果について述べる。
著者
佐々木 和夫 九内 淳堯 妹尾 菊雄 河野 之伴
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.6, pp.966-973, 1980-06-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
19

溶融炭酸塩を反応媒体に用い,二酸化炭素と炭素から一酸化炭素を生成する反応を700℃付近で行なわせることを試みた。それにさき立って数種の炭酸塩と炭素との反応を試みたところ,いずれの塩でも同温度での単純な固/気反応よりはるかに速い速度で一酸化炭素発生がみられた。反応はM2CO3+C=M2O+2COと考えられるが,この反応は熱力学的には自発反応ではない。しかし.炭酸塩そのものの熱分解が既往の熱化学値以上に進行するので,熱分解で生じた二酸化炭素が一酸化炭素に転化する経路をとるものと考えられる。 三元アルカリ金属炭酸塩の融体中に底部から二酸化炭素を供給し融体中に分散している炭素粒と反応させることにより気体二酸化炭素からの連続転化実験も行なった。容易に定常状態が得られるので,単純な速度解析が可能であり,擬一次速度定数を決めることができた。本報の結果は,実用反応としてまだ不十分であるが改善の可能性が大きい。
著者
熊崎 一雄 佐々木 義之 山根 道資
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.489-495, 1973-09-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
7

農林省鳥取種畜牧場で生産された黒毛和種の雄子牛128頭,雌子牛125頭の生時体重,離乳前1日増体量および180日令補正離乳時体重について,最小自乗分析法を用いて産地別系統間の比較を行なった.結果を要約すると下記のとおりである.1. 生時体重では雄雌ともに両親の系統が有意な効果を示したが,離乳前1日増体量と離乳時体重に対しては母親の系統だけが雄子牛で有意な効果を示した.これは雄子牛の生時から離乳時までの発育に対して子牛自身の遺伝的な発育潜在能力よりも,母体効果の方がより重要なことを意味している.2. 父牛の系統としては岡山系と鳥取系,母牛の系統としては鳥取系がすぐれていた.兵庫系を父牛または母牛として用いた場合には他の系統より子牛の生時体重が小さかった.3. 系統間交配群は直系交配群より生時体重がややすぐれているようであったが,離乳前1日増体量と離乳時体重では系統間交配群の方が全般的に劣っていた.4. 系統間交配群の正逆交配では,岡山系(父)×兵庫系(母)および岡山系(父)×鳥取系(母)がその逆交配の場合より離乳時までの子牛の発育が良く,岡山系は子牛の発育潜在能力は高いが,母牛としての哺育能力の低いことがうかがわれた.これに対し鳥取系は父牛として用いた場合より母牛として用いた場合の方が全般的にすぐれた成績を示し,鳥取系の母牛の哺育能力のすぐれていることが示唆された.
著者
久野 純治 坂田 清美 丹野 高三 坪田(宇津木) 恵 田鎖 愛理 下田 陽樹 高梨 信之 佐々木 亮平 小林 誠一郎
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.255-266, 2021-04-15 (Released:2021-04-23)
参考文献数
50

目的 大規模自然災害後の被災地では生活不活発病が問題とされ,それに伴う転倒予防の必要性が高まっている。本研究では東日本大震災後の被災高齢者の新規転倒要因を明らかにすることを目的とした。方法 2011年度に岩手県沿岸部で実施された大規模コホート研究(RIAS Study)に参加した65歳以上の高齢者のうち,転倒や要介護認定,脳卒中・心疾患・悪性新生物の既往がなく,2012~2016年度までの調査に毎年参加した1,380人を対象とした。本研究では毎年の質問紙調査で一度でも転倒したと回答した者を新規転倒ありとした。新規転倒要因には,2011年度実施した自己記入式質問票,身体計測,および,握力検査から,自宅被害状況,転倒不安,関節痛,認知機能,心理的苦痛,不眠,外出頻度,既往歴(高血圧,脂質異常症,糖尿病)の有無,飲酒状況,喫煙状況,肥満度,握力を評価した。新規転倒の調整オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を,年齢と居住地域を調整した多変数ロジスティック回帰分析を用いて算出した。その後,前期高齢者と後期高齢者に層化し,同様の解析を行った。結果 5年間の追跡期間中,参加者の35.5%(男性31.9%,女性37.9%)が新規転倒を経験した。新規転倒と有意に関連した要因は,男性では認知機能低下疑い(OR[95% CI]:1.50[1.01-2.22]),女性では認知機能低下疑い(1.82[1.34-2.47]),不眠(1.41[1.02-1.94]),脂質異常症の既往(1.58[1.11-2.25]),過去喫煙(4.30[1.08-17.14])であった。年齢層では,後期高齢女性で自宅半壊(7.93[1.85-33.91]),心理的苦痛(2.83[1.09-7.37])が有意に関連した。結論 男女ともに認知機能低下,女性では不眠,脂質異常症の既往,過去喫煙が新規転倒要因であった。後期高齢女性では自宅半壊と心理的苦痛が新規転倒要因となった。大規模自然災害後の転倒予防対策では従来指摘されている転倒要因に加えて,環境やメンタル面の変化にも注意する必要があることが示唆された。
著者
南部 雄一 寺本 大輝 佐々木 健 保坂 寛
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2016年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.127-128, 2016-03-01 (Released:2016-09-02)

自転車の姿勢の安定化に対し、ジャイロ機構を用いることで遠心力や反作用を用いた制御方法よりも少ないエネルギで制御を行うことができる.これまで理論計算とシミュレーションで検証を行ってきたが,本研究では車輪の付いていない実機サイズの実験機を用いて,ジャイロアクチュエータにより自転車が停止状態で直立可能であることを検証する.
著者
中尾 優人 麻山 智信 小山 大貴 桜井 浩登 佐々木 拓良 杉田 裕汰 廣瀬 健太 前田 聖也 石坂 正大 貞清 香織 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.439-442, 2017 (Released:2017-06-23)
参考文献数
10
被引用文献数
2

〔目的〕健常者における円背姿勢が体組成成分の計測値に及ぼす影響を明らかにする.〔対象と方法〕50名の健常男性で,通常計測(通常条件),円背指数19.4 ± 2.0の擬似円背装置を用いた円背姿勢かつ通常身長値での計測(円背条件),円背姿勢の身長値かつ円背姿勢での計測(円背・身長補正条件)の3条件で体組成成分を計測した.〔結果〕通常条件と円背条件では,全ての計測値において有意差はみられなかった.円背・身長補正条件は,他条件と比較し,体脂肪量が有意に高値,除脂肪量,四肢骨格筋量,骨格筋指数が有意に低値を示した.〔結語〕円背による身長低下は体組成成分の計測値を変化させ,高度な変形の場合は身長の推定式が推奨される.