著者
松井 和宏 佐藤 晴夫
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

金融市場における自動取引戦略獲得のためのアプローチとして、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いる手法に着目し、遺伝子上での指標とパラメータのコーディング法について検討する。対立遺伝子表現と遺伝子座表現という2種類の指標表現法、及びパラメータの直接/間接コーディング法について、過去10年間の株価データを用いた検証実験を行ない、対立遺伝子表現と間接コーディングの組合せの優位性を確認した。
著者
佐藤 卓己
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.230-235, 2012-06-01

デジタル・テクストとして物理的存在を欠いた電子ブックの普及は,「書物」の再定義をせまっている。しかし,電子ブック登場以前から,書物はすでに大きな変容を遂げてきている。本稿では比較メディア論の視点から,書物の変容を1920年代のラジオ放送開始,1930年代のペーパーバック革命において検討した。それは「書物のラジオ化/雑誌化」,すなわち「書物の広告媒体(メディア)化」の系譜である。こうした「書物のメディア化」の最終段階として,広告料収入で運営されるメディア企業,Googleによるライブラリープロジェクトが登場する。ウェブ2.0時代のコミュニケーション状況において「書物のデジタル化」がもたらす問題点を整理した上で,電子ブックを既存の書物のリテラシーに接合する必要性を指摘した。
著者
佐藤 祐一
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.351-362, 2012-03-10

The whole discussion presents a critique of Wittgenstein's rule-following problem based on Dummett's theory of meaning in educational relevance. Despite the admission that meaning is use and the emphasis of ostensive training in language acquisition, Wittgenstein and Dummett elaborated decisively irreconcilable arguments over explicability of meaning. Repudiation of Frege's realism and obliteration of systematic accounts of verbal practices in Wittgenstein identify themselves with the exegesis that a blind correspondence of an act is the only criterion for rule-following. Contrastingly Dummett, contending that this assumption embodies constant danger of incommunicability, formalises, on grounds of Frege's distinction among sense, reference, and force, a theory of meaning which reasonably clarifies our knowledge in understanding a sentence. It is conjectured that Dummett's proclamation that a theory of sense, the mode of representation of understanding, can not only be shown but also be stated infers that a harmonious transformation between these two states arises in the process of conservative expansion; namely a sense firstly presented in an ostensive manner becomes constitutive of effectively decidable statements instrumental both in systematic refinement of our learning and in a grasp of another newly shown. Nonetheless, the question of how this transformation practically manifests itself, largely depending on subject matters, still remains unsolved, which has to be meticulously scrutinised in diverse curriculum studies. A concluding remark also notifies that "philosophy of thought" proposed by Dummett, which should elucidate in what a grasp of meaning expressed by language consists, must be established as a philosophical basis of education.
著者
佐藤 昭宏
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.117, pp.147-170, 2012-12-26

困難な状況にあるとされる教員を如何に支援するかを考えるにあたり,これまでの先行研究の蓄積の結果,職員室という環境が注目を集めることが多くなってきた。しかしこれまで,職員室を,実際にその場を構成する当事者である教員の立場から検討しようとする研究はほとんど見られなかった。 そうした状況を鑑み,本論文においては,当事者である教員が職員室という場を如何に意味づけているかということを検討することの意義について,まず論じた。そしてその意味づけを考察するにあたっては,教員による「語り」,「言葉」を研究対象とすべきことを,言葉を,それを語る者の「世界の見方」としたBakhtin の言語論,更にMoos による社会的風土概念から示した。 本論文は,今後の職員室研究が如何に進展すべきかを,先行研究のレビューを基に理論的に検討したものである。
著者
吉田 真理子 内田 広夫 川嶋 寛 五藤 周 佐藤 かおり 菊地 陽 岸本 宏志 北野 良博
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.759-764, 2010

症例は4か月男児.腹部腫瘤を主訴に紹介され,エコー上肝内に径5.7cm大の多房性嚢胞性腫瘤を認め,当初は間葉系過誤腫が疑われた.1週間後の腹部造影CTでは充実性成分を伴う多発性肝腫瘤と肝門部・後腹膜リンパ節腫大を認め,悪性腫瘍が強く疑われた.早期診断および治療のために緊急入院し,経皮針生検を行った.ラブドイド腫瘍と診断され,ICE療法を開始したが,治療に全く反応せず,腫瘍は急速に増大した.入院直後より全身状態も急速に悪化し,人工呼吸管理,持続血液透析濾過を含む集中治療を行ったが改善を得られず,初診から約1か月後に死亡した.肝ラブドイド腫瘍は非常に稀で,著しく予後不良な悪性腫瘍である.現在までの報告例は検索しえた範囲で33例のみであり,文献的考察を加えて報告する.
著者
木子 莉瑛 木原 信市 越智 由紀子 梅木 彰子 佐藤 友紀 高木 恵美子
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育実践研究
巻号頁・発行日
vol.19, pp.79-85, 2002-02-10

The purpose of this study is to clarify the impression to nurse by each generation. The subjects were 655 persons, consisting of puberty (a teen-ager), youth (a person in the twenties and thirties), middle age (a person in the forties and fifties) and old age (a person in the sixties and over). This study disclosed the following results. The generation, of nearly old age, who came in more contact with nurse, had significantly better impression than other generations. On the other hand, youth had significantly worse impression to nurse than other generations. As an bad impression, there were hard work and low wages for it, few holidays, incompatibility with a family life, inadequate assessment from society, and job of only younger.
著者
佐藤 清秀 穴吹 まほろ 山本 裕之 田村 秀行
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.129-137, 2002
被引用文献数
9

In this paper, a registration method for outdoor wearable mixed reality (MR) systems is described. Our approach is based on using a high precision gyroscope, which can measure 3DOF angle of head direction accurately, but with some drift error. We solved the drift problem with a vision-based drift compensation algorithm, which tracks natural features in the outdoor environment as landmarks from images captured by a camera on an HMD. This paper first describes the detail of the vision-based drift compensation method. Then, a calibration method for the orientation sensor is proposed. Finally, using results from an actual wearable MR system, a comparison of registration error with and without vision-based drift compensation demonstrates the feasibility of the proposed method.
著者
佐藤 洋子
出版者
早稲田大学日本語教育研究センター
雑誌
早稲田大学日本語教育研究センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.157-184, 2007-07-15

佐藤洋子教授退職記念号
著者
濱田 維子 小林 益江 佐藤 珠美 江島 仁子
出版者
日本赤十字九州国際看護大学
雑誌
日本赤十字九州国際看護大学intramural research report (ISSN:13478877)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.10-16, 2006-12-22

ピアエデュケーションの特徴は、同世代の仲間意識の共感・支持による教育効果が高い点と、知識提供だけではなく個人の自信や自己評価を高めることを目標としている点にある。本学では、2004 年度より、大学生ピアエデュケーターの養成とともに、大学生による小学生への性教育活動を展開している。小学5 年次から6 年次にかけた2 年間の継続的な授業展開を通して、子どもたちへの質問紙や感想をもとに授業評価を行い、小学生へのピアアプローチの効果について明らかにした。その結果、(1)小学生と年齢差のある大学生とのコミュニケーションを重視した活動展開によって、両者の関係性を構築することができた。(2)複数の大学生が体験談を語るという共感的アプローチによって、授業内容の理解が促進された。(3)自己肯定感の向上を目的とした授業展開により「自分を好きだ」といえる子どもが増加した。以上のことより、小学生とのコミュニケーションを重視したプログラムと、年齢差のある対象者に対しても、関係性を重視したピアアプローチによる効果的な性教育が可能であることが示された。
著者
奥本 秀一 露木 尚光 佐藤 信幸 比嘉 照夫
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.68, no.570, pp.37-44, 2003

Formaldehyde (HCHO) included in construction adhesives is one of the principal causes materials of sick house and sick building syndrome. However, not much has been done to suppress or eliminate HCHO. In the experiment, it was found that addition of several types of row and burned clay minerals to adhesive suppressed emissions of HCHO. The bentonite was most effective among all materials used in the experiment. A coating gypsum plaster with bentonite and effective microorganisms reduced the amount of HCHO emission synergistically. Also, changes pH level caused by addition of Ca(OH)_2 contributed in suppression of HCHO.
著者
佐藤 金兵衛
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.56-57, 1973-09-23 (Released:2012-11-27)
著者
佐藤 有耕
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.347-358, 2001-09-30
被引用文献数
1

本研究では, 大学生の自己嫌悪感と自己肯定の間の関連を検討した。目的は, どのような自己肯定のあり方が, 大学生の自己嫌悪感を高めているのかを明らかにすることである。自己嫌悪感49項目, 自尊心48項目, 自愛心56項目から構成された質問紙が, 18才から24才までの大学生ら535名に実施された。その結果明らかにされたことは, 以下の通りである。(1)自己嫌悪感は, 自分を受容的に肯定できるかどうかと関連が強い。(2)自己に対する評価も低く, 自己に対する受容も低いというどちらの次元から見ても自己肯定が低い場合には, 自己嫌悪感が感じられることが多い。(3)しかし, 最も自己嫌悪感を感じることが多くなるのは, 自分を高く評価するという点では自己を肯定している一方で, 受容的な自己肯定ができていない場合である。本研究では, 自己嫌悪感をより多く感じている青年とは, 自分はすばらしいと高く評価していながら, しかし現在の自分に満足できず, まだこのままではたりないと思っている青年であると結論した。