著者
小林 貴訓 杉村 大輔 平澤 宏祐 鈴木 直彦 鹿毛 裕史 佐藤 洋一 杉本 晃宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.2049-2059, 2007-08-01
被引用文献数
16

視野を共有する複数のカメラを用いて,三次元空間における人物の実時間追跡を行う.従来より,パーティクルフィルタを用いた人物追跡手法の有効性が報告されている.しかし,観測による仮説の評価は,カラーヒストグラムや輪郭の類似性など,比較的単純な指標が用いられることが多く,実環境での照明変動や複雑背景に対する精度や頑健さなどの点で,必ずしも十分なものではなかった.これに対して本論文では,Haar-like特徴を用いたAdaBoost学習によるカスケード型識別器を仮説の評価に応用することで,頑健かつ高精度に人物頭部を追跡する手法を提案する.更に,人物頭部の各方向に対応した識別器を複数準備し,パーティクルフィルタにより生成される仮説と各カメラの関係に基づいて,識別器を適応的に選択することで,人物頭部の向きに伴う見えの変動に対応し,追跡と同時に人物頭部の向きを推定する.実環境における実験により本手法の頑健性,有効性を確認した.
著者
藤田 拓也 安藤 由悦 佐藤 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.141, pp.29-34, 2011-07-09
被引用文献数
1

研究活動を進める上で,関連研究の動向を知るために学術論文などの文献の探索・調査は重要な作業である.研究室に所属する学生が論文を収集する場合,類似のテーマを研究していた先輩が過去に収集した文献情報は大いに活用できる.しかし,研究室において文献情報を共有資源として活用する場合,経年により陳腐化している可能性が考えられる.本研究では,文献情報の鮮度を保つために,論文の著者名や所属などの情報をもとに継続研究を自動的に検索する参考文献管理システムを提案し,そのプロトタイプを関発した.本稿では,システムの概要と開発したプロトタイプについて報告する.
著者
長 秀雄 竹本 幹男 西野 秀郎 塚原 祐輔 佐藤 倬暢 佐藤 治道 中野 禅 山中 一司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.96, no.28, pp.41-47, 1996-04-26

レーザー干渉縞の位相速度走査法により励起した弾性表面波を用いて多孔質シリコン層の位相速度分散を30-90 MHz範囲で、また異方性を非破壊・非接触で測定した。音速測定誤差は1%以下と良好であった。位相速度は空孔率の増加とともに低下し、単結晶シリコンの1/2-1/3と極めて低かった。また、音速の伝播方向依存性を測定したところ90度の周期の異方性が測定され、周波数の上昇とともに最大・最小の音速差は小さくなり、空孔率0.500場合60MHzでは約30m/s程度であった。さらに、逆問題解析によって3個の弾性定数(C_<11>,C_<12>,C_<44>)と膜厚を独立した4つの未知数として推定した。その結果,空孔率の大きい多孔質シリコンはほぼ等方性であり、非晶質的であると思われる。
著者
佐藤 数行
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会大会講演論文集 : BMFSA
巻号頁・発行日
no.25, pp.105-108, 2012-12-26

In the consciousness studies of recent years, scientific and logical approaches on clarifying consciousness have become the object of analysis and the problems resulting from it have been systematically studied. One of the major problems scientists have faced is: How is it possible to ensure the objectivity that transcends the paradox that the object a researcher studies encompasses the researcher himself/herself? In this paper, I will clarify the difference between the viewpoint brought about by the conventional human thought patterns and the completely new viewpoint that is based on the system: Simultaneous Existence with Dual Structure. In addition, I will introduce some examples in which the structure observed by the new viewpoint not only induces the unification of a person's ego and the world the person sees (the extinction of ego through the unification of subject and object), but also transforms the world the person sees. Furthermore, I will present an assumption that the unification of a person's ego and the world the person sees represents the emergence of consciousness and that the observation as a result of understanding the structure of the emerging consciousness brings about the quantization of consciousness in the macro domain. Lastly, we will mention the possibility of social reproduction brought about by the quantization of consciousness.
著者
諸原 雄大 黒田 章裕 近藤 邦雄 佐藤 尚
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.267-268, 1994-03-07

人は装飾品や服などのデザインから、さまざまな印象を受け取る。その印象は、デザインにおける物理的な特徴によるところが大きい。人が印象を受けるときの、その基準となる物理的特徴は大きく分けると色と形の2つになる。この2つの特徴の印象が重なり合い、総合的な印象を決定づけると考えられる。感性工学の分野においては、この物理的特徴と印象との関係を求めることが一つの課題となっている。本研究の目標は、デザイン画における配色と、その印象を表すイメージ語との関係を求めることである。イメージ語はアンケート調査を行なうことにより求めた。デザイン画像の配色は、イメージ・カラーとして画像から抽出した。このイメージ・カラーとは、デザインにおいて用いられている色のうち、特に印象に影響の与える度合が強い色とその組合わせのことである。この2つの結果からデザイン画におけるイメージ・カラーとイメージ語グループとの関係について考察を行なった。以下、本論文では、第2章でアンケート調査について、第3章でデザイン画像からのイメージ・カラーの抽出法を提案する。第4章で配色とイメージ語の関係について考察を行なう。
著者
佐藤 達全
出版者
育英短期大学
雑誌
育英短期大学研究紀要 (ISSN:09143351)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.23-36, 2007-02-01

The actual conditions of playing the bully in elementary, junior and senior high schools have been reported and pupils or students who were bullied have committed suicide one after another. Moreover, bully and injury cases or murder cases caused by one's true mother (father) or by the people living together have occurred endlessly. The construction of society and one's view of worth changed, we cannot deny the fact that one's view of life has been changed. However, "to foster life" and "to nurture a feeling of sympathy" should never be forgotten, whichever period or society we may live in. As such problems have occurred so often, special correspondence is pressing in school. But I think that even in the period when the higher education had not been so popular as today, we were taught at home that playing the bully is wrong. When a member of a Japanese family at home calls himself (herself) as the first person or calls the other member as the second person, the junior member doesn't call the senior member using personal pronouns. On the contrary, the senior member takes to the junior member without using terms that shows his (her) family relation. In Japan the fasis of telling oneself or calling the other member of a family is on "which relation a member has to the youngest member of a family." These things have been one of the primary factors of fostering "the mind of sympathy, " I think. Therefore, I consider this problem paying special attention to the members' way of calling each other in a family in Japan.
著者
三上 岳彦 森島 済 日下 博幸 高橋 日出男 赤坂 郁美 平野 淳平 佐藤 英人 酒井 慎一 大和 広明
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

東京首都圏に設置した独自の気温・湿度観測網と気圧観測網のデータ等を用いて、夏季日中のヒートアイランドの時空間変動を明らかにするとともに、熱的低気圧の動態と局地的短時間強雨発生との関連およびその要因の解明を試みた。夏季の気温と気圧データに主成分分析を適用した結果、上位主成分に、海陸風循環、ヒートアイランド、北東気流に関連した空間分布が認められた。局地的短時間強雨の事例解析を行い、豪雨発生の前後で気圧の低下と上昇が起こり、海風起源の水蒸気量の増加が確認できた。領域気象モデル(WRF)による都市域での短時間強雨発生に関する数値実験を行い、都市域で夜間の降水が増えていることが明らかになった。
著者
加藤 栄一 佐藤 吉信 堀籠 教夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.247-255, 1999-02-25
参考文献数
11
被引用文献数
38

機能安全の国際規格であるIEC61508が作成されつつある. そのドラフトの基本的な方法論の一つは安全関連系(SRS)に対して目標機能失敗尺度, すなわち安全度水準(SIL)を設定することである. SILは, 電気/電子/プログラマブル電子(E/E/PE)技術を用いたSRSに割り当てるべき安全要求事項を規定するため, 四つの確率的水準から構成されている. 目標のSILを選定するために, この規格案はE/E/PE SRSを二つ作動モード「低頻度作動要求」及び「高頻度作動要求/連続」モードに区分している. これらの作動モードは作動要求頻度のみから定義されている. しかし, 作動要求状態の継続時間及び疑似作動要求を考慮するとE/E/PE SRSにどちらの作動モードを適用すべきか明確になっていない. 本論文は上述した論点について、規格案で行われている仮定とアルゴリズムの妥当性を検証し, 作動要求の継続時間及び疑似作動要求の考え方を含むSIL作動モード選定のためのフォールトツリーモデルと, そのモデルを定量化して, 平均危険事象頻度を推定するアリゴリズムを導入し, 新しい作動モードを提案する.
著者
北島 清彰 斎藤 忠則 清滝 修二 佐藤 安男 森田 博人 岡田 清己 岸本 孝
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.87-96, 1987
被引用文献数
1

1984年12月より1年間に,膀胱摘出後の尿路変向術としてKock回腸膀胱を作製,現在までに17症例に対して行った.患者の年齢は35歳から78歳,男性11例,女性6例,全例悪性腫瘍であり,手術はKock,Skinnerらの方法に順じて行った.Kock回腸膀胱造設術に要する時間は4〜5時間で出血量は100ml以内であった.早期合併症は3例,うち2例は尿貯留槽よりの尿漏出があり再手術,他の1例は薬剤性肝障害で死亡した.術後経過は最長14ヵ月まで見ることができたが,中期合併症(1年以内)として,尿輸出脚に形成したnipple valveに起因するものが最も多く,17例中11例,うちわけは失禁2例,カテーテル挿入困難8例,逆流3例,うち3例に再手術を行った.カテーテル挿入困難は術後2〜4ヵ月の間に急に発生することが多く,原因としては腸重積の滑脱と輸入脚の一部が嚢状に拡張したものであった.尿貯留槽の容量は300ml位が多く,3〜4時間間隔で導尿を行っている.Kock回腸膀胱は手術時間,nipple valveの形成の難しさなど問題点はあるが,電解質のバランスは保たれ,腎機能も異常なく,体外集尿器を必要とせず,現在評価できる14例中12例が快適な生活を送っており,Kock回腸膀胱はすぐれた尿路変向術である.
著者
Hinsley F. H. 佐藤 恭三
出版者
専修大学法学会
雑誌
専修法学論集 (ISSN:03865800)
巻号頁・発行日
no.111, pp.303-335, 2011-03

F. H. Hinsley「Power and the Pursuit of Peace : Theory and Practice in the History of Relations between States (C.U.P., 1963)」の訳
著者
小山 法希 松川 雅仁 島田 昌彦 佐藤 良一
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.1068-1074, 2008-11-15
被引用文献数
2 3

冷凍バナメイエビを解凍後に0℃〜55℃の温度で貯蔵し,筋肉中のATP関連化合物の変化を調べた。10℃未満あるいは55℃の貯蔵では,AMPが減少しIMPと(HxR+Hx)がほぼ同じ割合で生成した。20℃〜40℃の貯蔵では,IMPが(HxR+Hx)より割合的に多く生成し,IMPは最高で70%にも達した。生のバナメイエビを氷殺後に7℃と22℃で貯蔵した場合,IMPの生成は7℃よりも22℃の方が多く,22℃で貯蔵したエビのうま味は有意に強くなった。遊離アミノ酸はいずれの貯蔵温度でも変化しなかった。
著者
前田 惟裕 佐藤 直樹 長谷川 義幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.12, pp.1020-1026, 2010-12-01
参考文献数
18

国際宇宙ステーション(ISS)への有人輸送に関しては,米国ではスペースシャトル,ロシアではソユーズが使用され,中国では独自の神舟シリーズを成功させている.米国ではISSの運用延長とスペースシャトルの2010年の退役が決定された.日本では有人関連技術を習得するため,ISSに結合する有人宇宙実験施設JEM,宇宙ステーション補給機HTVの開発・運用が成功裏に行われ,各分野で大きな成果が得られている.米国では2010年4月にオバマ大統領から小惑星・火星への有人探査についての声明が発表された.宇宙用周波数調整会議(SFCG),国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)での検討に加え,我が国は将来有人技術の発展が必要と考えられるので関連事項について解説する.
著者
佐藤 正明
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.973, pp.74-77, 1999-01-11

VHSとベータマックスのどちらが世界標準規格となるか。その争いは、まず国内の家電メーカーによるグループ化から始まった。ビクターが松下電器、日立製作所、シャープ、三菱電機をVHS陣営に引き込むと、ソニーは東芝と三洋電機をベータ陣営に引き戻した。陣取り合戦の舞台は米国に移る。