著者
大島 弥生 佐藤 勢紀子 因 京子 山路 奈保子 山本 富美子 佐々木 泰子 アプドゥハン 恭子 清水 まさ子 張 瑜珊 トンプソン 美恵子 二通 信子 李 セロン
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

国内外の日本語学習者および母語話者の大学生・大学院生,その指導者の学術的受信発信技能向上の支援方法充実のために以下を行った:人文科学・社会科学・工学の9分野270編の日本語学術論文の構造の分析;人文・社会科学系論文における引用を解釈に活用する談話展開の分析;学術語彙習得過程を調査するテストの開発と母語話者・非母語話者への実施;海外の日本語教員・国内の留学生等へのインビューによるニーズ調査。同時に、パネルディスカッションを通じて問題を分析・共有し,アカデミック・ジャパニーズ教育の中核的意義は広く洗練された視野を獲得し学術的追求の意義を認識する得難い機会を与えることであることを確認した。
著者
佐藤 明恵 中嶋 洋子
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.25-33, 2013 (Released:2013-02-22)
参考文献数
36

Znの不足がラード食(LD)と魚油食(FD)の嗜好性に及ぼす影響を調べた。4週齢のオスFischer344系ラットを1群16匹ずつの4群に分け,それぞれ-ZnLD,-ZnFD,+ZnLD,+ZnFDの飼料で3週間飼育後,各群6匹ずつを解剖した。残りの-Zn群のラットには-ZnLDと-ZnFDを,+Zn群のラットには+ZnLDと+ZnFDの飼料を同時に与えて3週間選択摂取させた後解剖した。-Zn群は+Zn群に比べて血漿Zn濃度,飼料摂取量,体重は有意に低く,血漿・肝臓脂質濃度も-Zn群が有意に低かった。+Zn群のラットは両群ともn-6/n-3がほぼ3となるようにLDとFDを選択摂取したが,-Zn群のn-6/n-3はLD群で1.9,FD群で6.6となった。したがって,+Zn群は一定のn-6/n-3で必須脂肪酸を摂取する能力を有しているが,Znが不足するとこの能力が消失すると推察された。
著者
柿木 康孝 長瀬 政子 高木 奈央 内村 大祐 佐藤 進一郎 高本 滋
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.593-600, 2013 (Released:2013-08-30)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

発端者(MT)は74歳男性で多発性骨髄腫の診断.カラム凝集法(Ortho Auto Vue)にて抗Aに対する反応が部分凝集(mixed-field agglutination,mf)を示した.フローサイトメトリー法(FCM法)では,A型血球集団とO型血球集団にピークをもつ2峰性のモザイクパターンを示した(A型血球72.6%,O型血球27.4%).血清A型糖転移酵素活性は256倍(対照256倍)と正常で,抗Aに対する非凝集赤血球を用いた抗A吸着解離試験は陰性であった.輸血歴はなく,双生児でもなかった.骨髄染色体は正常核型であった.これらの検査結果は治療により多発性骨髄腫が完全寛解となった後も変わらなかった.発端者の姉(MH)は77歳女性で高血圧にて治療を,発端者の弟(YT)は71歳男性で糖尿病にて治療を受けていた.どちらの症例もABO血液型検査は発端者と同様のmfを示した.FCM法でも同様のモザイクパターンを示したが,A型血球とO型血球の割合は姉(MH)ではA型血球23.6%,O型血球76.4%で,弟(YT)ではA型血球39.3%,O型血球60.7%であった.血清A型糖転移酵素活性も正常であった.同胞3例のABO遺伝子解析(Exon6,7領域のDNAシークエンス)では,発端者の遺伝子型はA101/O02で,姉はA101/O02,弟はA101/O01であり,A遺伝子型に関しては3例とも共通のA101で,塩基配列の置換・欠失を認めなかった.以上の所見より同胞3例をAmosと判定した.今回の症例はAmosの遺伝的要因をA型亜型と対比して考える上で示唆に富むと考えられた.
著者
関根 義彦 川股 信一 佐藤 裕一
出版者
日本海洋学会
雑誌
沿岸海洋研究ノート (ISSN:09143882)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.190-196, 1992-02-29

伊勢湾の沿岸フロントについて1989年12月および1990年11-12月にCTDによる断面観測を行った.1989年12月の観測は海底までの混合層が形成された後に行われ,知多半島の南と神島東の2つの場所に水温・塩分フロントが観測された.神島東のフロントでは密度の極大が認められた.1990年11-12月の観測は台風28号の到来前後に行われ,わずか3日の間に海況の大きな変化が認められた.特に台風に伴う河川水の流出で湾奥部の低塩分化が著しく,低塩分水が幾つかの塩分躍層を形成しながら沖側に拡散していく過程が観測された.神島東は1989年12月と同様に水温・塩分フロントが認められ,台風の影響が小さい前半の観測では密度の極大域が確認された.また,観測中木屑が20-40m程度の間隔で列をなして海面に浮いている様子がこのフロント域で目視されており,密度の極大域の形成と考え合わせて,このフロントは熱塩フロント的性格が強いことが示唆された.
著者
佐藤 和夫
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1980, no.30, pp.158-169, 1980-05-01 (Released:2009-07-23)
著者
佐藤 イクヨ 窪 敦子
出版者
東京女医学会
雑誌
東京女医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.128-129, 1941-02

東京女医学会第7回総会 昭和15年10月19日-20日 東京女子医専臨床講堂
著者
佐藤 節郎 舘野 宏司 小林 良次
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.243-248, 1995-02-10
被引用文献数
3

播種日の違いがイチビの開花と種子生産に及ぼす影響を調査するため,1993年に,熊本県西合志町の九州農業試験場の圃場において試験を行った。試験区は,播種直前に化成肥料でN,P_2O_5,K_2Oをそれぞれ1kg/a施肥し,試験区内に畦を長さ50cm, 畦間50cmで3本設け,4月21日,5月19日,6月21日,7月13日,8月23日,9月16日10月19日および11月23日に,イチビ種子を10cm間隔で播種深度1cmで10粒ずつ播種した。種子は,4月播種区から10月播種区までが出芽し,4月から8月播種区は播種2日または3日後には速やかに出芽した。これらのイチビ実生を播種4週後に15個体/区,さらに播種8週後に9個体/区の密度に間引きし,この15または9個体の開花と種子生産を調査し,播種月ごとに比較した。1)供試個体は,4月播種区から8月播種区までが開花し,播種から開花までに要した日数は,4月播種区で88.0日で最大となった。以後,播種期を遅らせるのに伴い減少し,7月播種区が44.6日で最小となったが,8月播種区ではやや増加した。また,開花開始時の草丈および葉齢は,4月播種区が最大であり,播種区を遅らせるのに伴い減少し,8月播種区で最小となった。このように,イチビの開花は強い短日性を示した。2)供試個体は,4月播種区から7月播種区までが種子を生産した。播種から種子生産開始までに要した日数は,4月播種区が97.0日で最大となり,播種日を遅らせるのに伴い減少し,7月播種区が63.4日で最小となった。種子生産量は,4月播種区が2,214個/個体で,他区に比較して著しく大となり,7月播種区が424個/個体で最小となった。種子100粒重は866mgから993mgの範囲となり,4月および7月播種区では,5月および6月播種区より大であった。3)これらの結果から,九州では,春から初夏にかけて出芽したイチビは,開花の短日性により種子を効率的に生産することが明らかになった。
著者
佐藤 喜世恵
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.97-99, 2004-11-30

喫煙、飲酒、薬物乱用防止教育は、小学校から実施され、高校生にもなると3度同じ授業内容をうける生徒もいる。飲んではいけない、使ってはいけないということは、十分承知している。しかし、健康な行動が継続できない人が出てきてしまう。ストレス対処の方法が上手くできない精神的に不安定な高校生の時期に、携帯電話やメールに依存してしまう生徒も増加している。一つの依存が次の依存を導いてしまう。そんな危険性を生徒自身が自覚して、心の健康を維持するための努力を惜しまないでほしい。そんな願いから「依存」ということにこだわり、授業を実践した。
著者
佐藤 哲也
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.79-85, 2003-02-05
参考文献数
1
被引用文献数
3

地球シミュレータの第一義的使命は,地球環境変動(地球温暖化,エルニーニョ,台風,地殻変動)のメカニズムを深く理解し,その変動を的確に予測することを可能にするシミュレーション基盤を固めることにある.しかしながら,その性能は予想をはるかに上回るものであり,単に従来のシミュレーションの解像度,精度を上げるという定量的な貢献と同時に,システムを部分(要素)に分解し,システムから切り離し,その部分のメカニズムを解明するという従来のシミュレーションから脱皮飛躍し,ミクロからマクロまでのプロセスが複雑に絡み合っておりなすシステム全体の営みを,ありのまま探求する"ホリスティック"コンセプトを打ち立てる研究手段としての使命を担っている.
著者
佐藤 久美 榎本 真希子 内山 武史
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.102, no.4, pp.414-417, 2004-12-17

第101回日本保険医学会定時総会が,平成16年10月14日,15日の両日にわたり,東京都千代田区有楽町のよみうりホールで開催された。第一日目は,ニッセイ基礎研究所研究理事の明田裕氏による特別講演「生活リスクの変化と生命保険事業の将来」が行われ,続いて住友生命・横山哲氏が座長をつとめたパネルディスカッション「高齢者の生命危険因子および危険選択」が行われた。第2日目は小林三世治氏による会長講演「医的査定から見た生命保険」およびGen Re医長のFajah S. Peshi氏による特別講演「The pitfalls in the interpretation of diagnostic data」が行われ,さらに総会議事,表彰式,宿題報告,一般演題,教育講演,さらにはワークショップなども開催された。
著者
中沼 安二 佐藤 保則 中西 喜嗣
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.592-598, 2012 (Released:2012-11-12)
参考文献数
17
被引用文献数
1

要旨:胆管内乳頭状腫瘍intraductal papillary neoplasm of bile duct(IPNB)は,肝内外の胆管内に発生する乳頭状腫瘍で,狭い線維性血管芯を中心とした病変であり,2010年WHOの消化器腫瘍分類の改訂で,胆管癌の前癌・早期癌病変として認知された.胆管壁内外へ浸潤し,通常の胆管癌へと進展する症例も知られている.そして,IPNBは,膵に見られる導管内乳頭状粘液性腫瘍IPMN,特に主膵管型に類似することが注目されている.最近,膵IPMNの分枝型に相当するIPNB症例が相次いで報告されている.これら分枝型IPNBはいずれも胆管周囲付属腺に病変の主座を置く病変であり,嚢胞状,特に瘤状あるいは憩室状の変化を示した.現時点で,分枝型IPNBとして報告されている病理像を解説し,その発生,進展機序を述べた.
著者
佐藤 生一 中島 千枝 山澤 正勝
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.19-26, 2011-03-31

現在市販されているういろうに使用されている原料粉は,米粉,小麦粉,小麦デンプンおよびそれらを組み合わせた混合物などが使用され,非常に多種多様である.ういろうの品質は,米粉の粒度分布,原料粉の種類,加熱条件などによって影響されることが知られている. 著者らは先に,各種原料粉の特性と得られたういろうの物性および官能評価との関係と,ういろうの物性に及ぼす各種原料粉配合比(1:1)の影響について検討し,それぞれのういろうは著しく物性が異なることを報告した.本研究ではういろうの品質に及ぼすグルテンの影響について検討した. まず,RVAによる最高粘度は,小麦デンプンをグルテンに置換すると,置換量が多くなるほど低下する傾向を示した.一方,これら原料粉で調製したういろうの物性の特徴は,小麦デンプンういろうは破断強度が最も強く,グルテン置換量が増加するほど低下する傾向を示した.色調においてはグルテン置換量に比例してb*値が高く,黄色みが強くなる傾向を示した.官能検査では,強力粉ういろうとグルテン15%置換ういろうが有意に好まれた.
著者
佐藤 益子 山野 恒一
出版者
京都女子大学・京都女子大学短期大学部
雑誌
児童学研究 (ISSN:02869144)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.3-11, 2004-02-10

Objective : To clarify effects of rich environment on growth and development in experimental fetal alcohol syndrome.Material and Methods : Jcl-ICR mice whose mothers were injected with 5g / kg of 30% ethanol intraperitoneally on the 9th day of pregnancy (AL gr.) were compared with equivalent distilled water groups (C gr.). After weaning, each group were divided in rich environment namely, group-housing with play instruments (ALR gr. And CR gr.) and standard environment (ALS gr. And CS gr.). Growth and development including motor reflex, open-field test and radial maze learning were followed and compared between each group. Brains were examined histologically at 5 hours after the injection of ethanol by electron microscope and myelinogenesis on the 60th postnatal days by Kluver-Barrera method were compared between each group.Results : 1) On the 9th day of pregnancy, electron-lucent vacuoles of mitochondrias in the matrix cells of the AL gr. Fetuses were demonstrated by the electron microscope. Brain myelination was statistically less than that of C gr. At 40 and 60 days of age. 2) Growth and motor reflexes during 0-20th postnatal days in AL gr. Mice were less than those in C gr. Mice. 3) In the open-field test, the means of crossing number in outer layer, rearing and grooming numbers at 40 days of age in ALR gr. Were higher than those of ALS gr.. However, environmental effects in AL gr. At the 40 days of age were disappeared at the 60 days of age. 4) In the radial maze, the mean number of correct choices of ALR gr. Were higher than that of CR gr. CS gr. And ALS gr. With significant differences. Conclusion : Effects of rich environment on behavioral development were clarified by the use of several parameters in AL gr..
著者
佐藤 浩 宇根 寛 飛田 幹男
出版者
公益社団法人 日本地すべり学会
雑誌
日本地すべり学会誌 (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.132-136, 2008-07-25 (Released:2009-01-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

2005年10月8日, パキスタン北部地震 (マグニチュード7. 6) が発生し, 2, 000ヶ所以上の斜面崩壊が引き起こされた。筆者らは既に, 90m解像度数値地形モデル (DEM) を使って, 斜面崩壊の大部分が逆断層の上盤側で, その断層の近くで発生したこと, 多くの規模の大きな斜面崩壊が南及び南西向き斜面で生じたことを報告した。本稿では, 250m2 (約15m× 15m) より広くて, 断層から4kmの範囲にある上盤側の977の斜面崩壊を選んだ。そして, TERRA/Advanced Spaceborne Thermal Emission and Reflection Radiometer (ASTER) データから得られた細かい15m解像度のDEMを用い, その斜面崩壊の方位を計算した。その結果, それぞれ30%以上の斜面崩壊が南と南西に生じていたことを確認した。さらに, その方位がEnvironmental Satellite (ENVISAT) /Synthetic Aperture Radar (SAR) で検出された上盤の地表変位 (地震断層運動による永久的な変位) の卓越方位と一致することを確認した。他の研究者によって記録された住民の証言によると, 変位の大部分は地震発生直後に一気に形成されたという。このことは, 地表変位の異方性が, 斜面崩壊の異方性の主要な要素であることを示唆している。