著者
木村 まり子 松田 徹 深瀬 和利 奥本 和夫 間部 克裕 鈴木 克典 青山 一郎 堺 順一 斉藤 博 佐藤 信一郎
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.99, no.2, pp.145-151, 2002-02-01
被引用文献数
20

上腸間膜動脈解離6症例につき検討した.高血圧を4例に認め,危険因子として考慮された.症状の特徴として,背部に放散する高度の腹痛,背部痛,食後の症状増悪,腸雑音の減弱が挙げられた.診断にはCTや腹部超音波検査が有用であった.抗血栓凝固薬で保存的に管理し,4例が改善した.改善しない2例については厳重に経過を観察し,増悪するようなら侵襲的治療を考慮する必要がある.本疾患として加療されていることもあり,腹痛の鑑別診断上忘れてはならない疾患であると考えられた.
著者
佐藤彰美 著
出版者
大倉書店
巻号頁・発行日
vol.入口及窓之部, 1915
著者
阿古 智子 小島 朋之 中兼 和津次 佐藤 宏 園田 茂人 高原 明生 加茂 具樹 諏訪 一幸
出版者
学習院女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

急成長を続ける経済発展、世界の投資を吸収し続ける中国市場、その拡大する市場を武器にした外交戦略、等々、いまや中国を抜きには世界もアジアも、また経済も政治も語ることはできない。しかし一方では、日中間をはじめとして、さまざまな緊張要因をも中国は作り出している。中国国内に目を向けると、経済発展の裏で貧富の格差は拡大し、また腐敗は深刻化し、人々と政府との緊張関係は時には暴動となって表れている。こうした中国の国内、国際問題は、一面からいえば全て中国政治および社会の統治能力(ガバナビリティ)と統治のあり方(ガバナンス)に強く関連している。本研究は、現代中国の政治、社会、経済におけるガバナンス構造とそのための制度形成に注目し、中国社会がどのような構造問題に直面しているのか、またどのように変わろうとしているのか、という問題について、国際的学術交流をつうじてとらえ直そうとしたところに意義がある。本年度は、2009年2月9-11日にフランス・現代中国研究センターとの共催で、香港フランス領事館文化部会議室にて、総括を行うための第3回国際ワークショップを開催した。オーストラリア国立大学、香港バプティスト大学、米・オバリンカレッジなどの研究者らと共に研究成果を発表し、現代中国のガバナンスの特徴と変容について、経済・社会・政治の各分野から、積極的に議論を行った。ワークショップで議論した内容は、今後、フランス・現代中国研究センターの発行する学術誌に各々の論文や特集として発表するか、メンバー全員の論文を一つにまとめ、1冊の書籍として刊行することを目指している。日本の研究者が海外に向けての発信力を高めるという意味でも、当研究は一定の成果があったと言える。
著者
初瀬 龍平 野田 岳人 池尾 靖志 堀 芳枝 戸田 真紀子 市川 ひろみ 宮脇 昇 妹尾 哲志 清水 耕介 柄谷 利恵子 杉浦 功一 松田 哲 豊下 楢彦 杉木 明子 菅 英輝 和田 賢治 森田 豊子 中村 友一 山口 治男 土佐 弘之 佐藤 史郎 上野 友也 岸野 浩一 宮下 豊
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、戦後日本における国際関係論の誕生と発展を、内発性・土着性・自立性の視点から、先達の業績の精査を通じて、検証することにあった。研究成果の一部は、すでに内外の学会や公開講座などで報告しているが、その全体は、『日本における国際関係論の先達 -現代へのメッセージ-(仮)』(ナカニシヤ出版、2016年)として集大成、公開する準備を進めている。本書は、国際政治学(国際政治学、政治外交史)、国際関係論(権力政治を超える志向、平和研究、内発的発展論、地域研究)、新しい挑戦(地域研究の萌芽、新たな課題)に分けた先達の業績の個別検証と、全体を見通す座談会とで構成されている。
著者
小林 麻紀 大塚 健治 田村 康宏 富澤 早苗 上條 恭子 岩越 景子 佐藤 千鶴子 永山 敏廣 高野 伊知郎
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.226-236, 2011
被引用文献数
6

農薬混入による健康被害事例に対応するため,簡易で迅速な分析法について検討を行った.試料に無水硫酸ナトリウムを加え,酢酸エチルで抽出し,ケイソウ土,C18,グラファイトカーボン(GCB)およびPSAの各カラムで精製を行い,GC-MSおよびGC-FPDで測定を行った.主に毒物あるいは劇物に指定されている農薬から選択した57農薬を測定農薬とし,10種類の加工食品(インスタントラーメン,ハクサイキムチ,コンビーフ,ウナギ蒲焼き,乾燥エビ,冷凍ギョウザ,レトルトカレー,ワイン,チーズおよびバター)を対象に添加回収試験を行った.油脂や食品成分の影響により,測定が困難なものもあったが,添加回収率はおおむね70~120%であり,中毒量の農薬が存在するか否かを簡易迅速に判定することが十分可能であった.
著者
佐藤 賢一 福田 舞子
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では近世日本科学史・自然災害史の史料に関する総合的研究を進め、以下の項目について成果を公開した。(1)和算家・石塚六郎兵衛と横川玄悦の事績を明らかにした。(2)近世日本の測量術におけるオランダ由来の技術の実態を解明した。(3)博物学者・田中芳男の史料群の構成を明らかにした。(4)仙台藩の和算の通史を刊行した。(5)宮城県の自治体史における災害記事の一覧を分析し、その歴史的背景を明らかにした。
著者
佐藤 光秀
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

光合成と粒子食の両方を同一生物がおこなう混合栄養は海洋プランクトンにおいては極めて普遍的な現象である。本研究は、種々の手法を用いて研究例の少なかった外洋における混合栄養性プランクトンを定量した。古典的な蛍光標識細菌添加法、および食胞の染色とフローサイトメトリーの組み合わせによる結果は互いによく相関しており、後者の有用性が明らかになった。また、混合栄養生物は貧栄養な亜熱帯海域で相対的な重要性が高まっており、栄養獲得戦略として粒子食が有効にはたらいてる可能性がある。また、同位体標識した餌生物を取り込ませ、超高解像度二次イオン質量分析で観察することにより混合栄養生物を定量する条件を検討した。
著者
伊東 淳一 佐藤 以久也 大口 英樹 佐藤 和久 小高 章弘 江口 直也
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.124, no.5, pp.457-463, 2004-05-01
被引用文献数
62 73

This paper proposes a novel control method based on the virtual AC/DC/AC conversion for the matrix converter. The virtual AC/DC/AC conversion method is a very simple strategy to control the input current and the output voltage for the matrix converter. There are two new topics proposed in this paper. Firstly, this paper proposes the minimum switching loss modulation on the virtual rectifier. In case of the proposed modulation, only two arms switching in the virtual rectifier using dc link current control by the virtual inverter can obtain clean sinusoidal input current. Secondly, a novel lean controlled carrier modulation on the virtual inverter is proposed. The leans of the triangle carrier are controlled by the duty ratio of the rectifier side pulse. The lean controlled carrier reduces harmonic distortion of the input current by avoiding interference between the rectifier control and the inverter control. These new proposals are confirmed by simulation and experimental results.
著者
佐藤 隆太
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,実際の数値制御工作機械の送り駆動系をモデル化し,送り駆動系の運動誤差を考慮して加工面をシミュレーションするための方法を開発した.送り駆動系の運動誤差が加工面に及ぼす影響について,実験とシミュレーションの両面から検討したところ,同じ運動誤差が生じていても工具経路によって加工面に及ぼす影響が異なることが明らかとなり,工作機械の運動特性を考慮した知能化CAMシステムの実現に向けた重要な知見を得ることができた.
著者
佐藤 隆太 横堀 祐也 堤 正臣
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌論文集 (ISSN:13488724)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.73-78, 2006-01-05
被引用文献数
8 8

This paper describes the dynamic synchronous accuracy between the axes of translational and rotational in a 5-axis machining center. The 5-axis machining centers are applied to machining complex shapes, such as trurbine blades and impellers. When the 5-axis machining centers are used to machine complex shapes, the velocity of each axis varies greatly. Therefore, the synchronous accuracy of each axis is an important factor to generate high accuracy shapes. In this study, non-uniform 3-axis synchronous motion was investigated in order to estimate the dynamic synchronous accuracy. A dynamic model of the each axis including a rotary axis was developed, and the synchronous motion was simulated. As the results of experiment and simulation, it is verified the developed model can express the experimental results accurately. In addition, a method that can improve the synchronous accuracy is proposed, and its effectiveness is clarified by the developed dynamic model.
著者
川内 浩司 村本 光二 RAND Weaver 佐藤 実
出版者
北里大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1989

本研究は、成長ホルモン(GH)と、これと同族のプロラクチン(PRL)をモデルとして、アミノ酸配列に基づいて分子系統樹を作成し、動物の類緑関係を定量化することを目的とした。一次構造に関する知見は哺乳動物に偏っているため、先ず、系統分類上主要な水生動物のホルモンを単離し、一次構造を決定した。爬虫類:クロコダイルおよびウミガメ、両生類:ウシガエル、軟質類:チヨウザメ、真骨魚類:太西洋タラ、ナマズ、ヒラメ、軟骨魚類:ヨシキリザメなど8種の動物の全一次構造を決定した。その他、肺魚類:ハイギョ、全骨魚類:アミア、真骨魚類:ハゼのGHの部分構造を決定した。また、哺乳類:イワシクジラ、マッコウクジラ、爬虫類:アリゲ-タ-、クロコダイル、ウミガメ、両生類:ウシガエル、肺魚類:ハイギョ、真骨魚類:ナマズ、ヒラメなど9種の動物の全一次構造を決定した。GHの一次構造の変異は、四足動物よりも真骨魚類において著しい。そのためGHの分子系統樹は、真骨魚類と四足動物の2本の幹からなるが、系統樹上の位置は従来の形態分類とよく符合する。従って、枝の長さ、すなわちアミノ酸残基の変異数は類緑関係を表わすといえる。一方、PRLはGHと同様に四足動物と真骨魚類の2本の幹からなるが、魚類の類緑関係の評価は、デ-タ不足である。この研究過程で、真骨魚類の脳下垂体中葉からGHーPRL分子族の新規のホルモンを発見し、ソマトラクチン(SL)と命名した。太西洋タラ、ヒラメおよびシロサケのSLを単離し、全一次構造を決定した。SLのアミノ酸配列は、これら魚類のGHよりも四足動物のGHに類似性が高い。一方、GHとPRLに対する類似性は、ほぼ等価である。従って、GH/PRL/SLは、共通の祖先遺伝子からほぼ同時に重復して分岐したと推定した。
著者
佐藤 庚
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.311-318, 1980-01-31

暖地型・寒地型それぞれ4草種を供試して5段階の温度(昼温15°〜35°,夜温はそれぞれの昼温より5°低い)と2段階の日長(SD:9時間日長,LD:14時間日長,何れも自然光)を組み合わせたファイトトロンで栽培し,草種ごとにそれぞれ同一の生育ステージに達した時にサンプルして生育状況と窒素,炭水化物含量を比較した。1.寒地型の出葉は比較的低温で早く,暖地型では高温ほど早かった。草丈は暖地型では25/20°で最高,寒地型では低温ほど高く,いずれも長日の方が高い。茎数はいずれも低温ほど多いが,分げつ速度は寒地型では低温ほど大きく暖地型では低温ほど小さい。低温下では長日より短日の方が多い傾向があった。2.暖地型の相対生長率RGRは寒地型のほぼ2倍であった。暖地型のRGRは高温ほど大きく(JMのみは25/20°で最大),寒地型では低温ほど(TFのみは昼温20〜25°で最大)大きかった。長日下のRGRは短日下のそれより大きい。RGRは相対葉面積生長率RLGR,純同化率NARと有意の正相関を示した。暖地型のRGRが寒地型のそれより大きかったのは主にNARが大きいからであった。長日のRGRが短日のRGRより大きいのは,RLGR,NAR両者が大きいからであったが,ことに後者の影響が大きい。3.1日当り窒素蓄積量は暖地型のPM,SGでは低温ほど減少し,JM,RGでは中間温度で最大であった。寒地型では一般に低温ほど蓄積が多かった。単位蓄積窒素量あたりの乾物生産量,TAC蓄積量は,暖地型は寒地型より,長日は短日よりそれぞれ大きかった。4.暖地型の中ではJM,寒地型の中ではTFがそれぞれ他の草種とやや異なり,前者はやや低温で,後者はやや高温で生長がよかった。
著者
山本 正彦 荒井 秀夫 河原 伸 岸 不盡弥 倉島 篤行 近藤 有好 坂谷 光則 佐藤 滋樹 原 耕平 水谷 清二 一山 智 喜多 舒彦 久世 文幸 斎藤 肇 下出 久雄
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.73, no.10, pp.599-605, 1998-10-15
被引用文献数
65

日本結核病学会治療委員会は1987年に「非定型抗酸菌症の治療に関する見解」を発表したが, 本委員会は, 最近の10年間の非定型抗酸菌症に関する研究の進歩を踏まえて, 「非定型抗酸菌症の治療に関する見解-1998年」を公表することとした.
著者
岩佐 和晃 伊藤 晋一 大山 研司 佐藤 卓 富安 啓輔 横尾 哲也 益田 隆嗣 平賀 晴弘 奥 隆之 吉良 弘 倉本 義夫
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

電子の遍歴-局在転移、電子多極子秩序、さらに磁気・電荷秩序相と接する超伝導などの非自明な電子物性の機構解明には、磁気モーメントのミクロな秩序と揺らぎの観測が重要である。長年その目的に供されてきた中性子散乱法は、近年の線源性能の向上や高束線ビーム化により、従来は検出できなかった散乱シグナルの観測へと進展している。本研究では、ブリルアン散乱法や偏極中性子利用も視野に入れてこれまでアクセスできなかった測定への進化を目指しながら、遍歴-局在のデュアリティー性を示す近藤格子、鉄系超伝導の相図と磁気相関、ワイルフェルミオン系などを明らかにする成果を得た。
著者
堀 敦史 石川 裕 NolteJörg 原田 浩 古田 敦 佐藤 忠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.106, pp.25-32, 1994-12-08

超並列OSにおけるプロセス間通信では,仮想記憶管理機構の技法を用いたプロセス間共有メモリによるプロセス間通信の高速化技法が必ずしも使えないことや,プロセスのスケジューリングに注意しないと効率的なプロセス間通信が実現できないなどといった,逐次マシンのOSとは異なる側面を持っている.本稿では,超並列OS上での効率的なプロセス間通信を実現するために,"buddy"と"alternate"という2種類のプロセスグループを提案する.Buddyプロセスグループはパイプライン処理,alternateプロセスグループはプロセス間共有メモリを可能とする.同時に,alternateプロセスグループを用いたスケーラブルな並列デバッガ実行モデルの提案も併せておこなう.Inter-process communication on a massively parallel operating system have some different aspects from that on a sequential system. For example, the virtual memory management technique for efficient inter-process communication that can be seen in the Mach micro kernel can not be implemented on a distributed memory parallel machine. Process scheduling is also very important to realize efficient inter-process communication. In this paper, we propose 2 kinds of process groups, "buddy" and "alternate" to realize efficient inter-process communication. The buddy process group is suitable for pipeline processing, while the alternate process group enables inter-process shared memory. Also, we propose a scalable parallel debugger execution model based on the alternate process group.
著者
堀 敦史 石川 裕 Nolte Jorg 原田 浩 古田 敦 佐藤 忠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.94, no.383, pp.25-32, 1994-12-08

超並列OSにおけるプロセス間通信では,仮想記憶管理機構の技法を用いたプロセス間共有メモリによるプロセス間通信の高速化技法を必ずしも使えないことや,プロセスのスケジューリングに注意しないと効率的なプロセス間通信が実現できないなどといった,逐次マシンのOSとは異なる側面を持っている.本稿では,超並列OS上での効率的なプロセス間通信を実現するために、"buddy"と"alternate"というに種類のプロセスグループを提案する.Buddyプロセスグループはパイプライン処理,alternateプロセスグループはプロセス間共有モメリを可能とする.同時に,alternateプロセスグループを用いたスケーラブルな並列デバッガ実行モデルの提案も併せておこなう.