著者
嶋田 典司 住吉 雅己 豊田 正司 佐藤 幸夫 小島 道也
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.65-73, 1974-03-15

国道6号線沿線の松戸市戸定地区および柏市豊町地区の土壌ならびに植物のPb, Zn, Cdによる汚染状況を調査し次の結果を得た.1.道路に近接した地点における土壌中のPbおよびZn含有率は顕著に高く,Cdについても一部地区で同様の傾向が認められた.また植物中のPb, Zn, Cd含有率はいずれも道路に近接した地点において高く,道路を中心に汚染が拡がっている状況が認められた.2.土壌中(表土)の重金属類の含有率は気象条件および季節によって変動した.変化の幅は道路に近い地点ほど大きかった.3.植物中のPb, ZnおよびCd含有率の変動は植物の種類によって異なったが,セイタカアワダチソウにおいては経時的に含有率が増加する傾向があった.4.下層土の各重金属含有率は表層土よりもかなり低かったが,道路に対する位置の関係については表層土と同様の傾向が認められた.
著者
榊原 博樹 廣瀬 邦彦 松下 兼弘 中村 慎吾 佐藤 元彦 加古 恵子 末次 勸
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.395-402, 1995-04-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
20

気管支喘息患者10名にエイコサペンタエン酸エチルエステル (EPA-E) 製剤 (MND-21) を1日2.7g, 12週間投与した. この間, 喘息症状, 血清の脂肪酸濃度, および calcium ionophore A23187で刺激された白血球のロイコトリエン (LT) 産生能を測定した. コントロールとして, EPA-Eを内服していない39名の気管支喘息患者から得られた白血球を使用した. LT産生量は逆相高速液体クロマトグラフィーにより測定した. EPA-Eの内服で血清中のEPA濃度は3.3倍に増加した. EPA-E内服4週間後の白血球のLTC4およびLTB4産生量 (それぞれ53.5±23.3ng/107cellsと24.9±12.4ng/ao7cells) はコントロール (それぞれ124.4±91.6ng/107cellsと58.3±34.8ng/107cells) と比べて有意に減少した. 4週間のEPA-E内服で有意なLTC5, およびLTB5の産生が認められたが僅かであった (それぞれ6.5±1.9ng/107cellsと4.6±2.7ng/107cells). 臨床症状の改善はEPA-E投与2ヵ月後に認められたが, その効果は一時的であった.
著者
佐藤 隆司 楠瀬 勤一郎 長 秋雄 木山 保 山田 文孝 相澤 隆生
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.57-65, 1997-05-28 (Released:2010-03-11)
参考文献数
22

Crustal stress measurements by the hydraulic fracturing method were carried out using a 1000m- and a 100m-deep boreholes drilled at Inagawa town, Hyogo prefecture, where earthquake swarm activities with very shallow hypocenters have intermittently occurred since July 1994. On borehole televiewer record, borehole breakouts were clearly observed at a number of depth intervals of the 1000m-deep borehole. The borehole breakout data as well as the hydraulic fracturing data was used to estimate orientation of the maximum horizontal compressive stress.Magnitudes of the horizontal stress down to 700m in depth are comparable to the standard stress gradients with depth in western Japan derived by TANAKA (1986). On the other hand, the maximum and minimum horizontal compressive stresses at about 950m in depth are about 70MPa and 40MPa, respectively, which are about twice as large as the standard stress gradients with depth in western Japan. The maximum horizontal compressive stress below 600m in depth is generally oriented E-W to NW-SE.
著者
佐藤 駿 中沢 仁
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.45-52, 2015-09-30 (Released:2015-12-26)
参考文献数
18

Human time perception is known to be distorted by adaptation to visual motion stimuli. Many studies have investigated time perception distortion and its underlying mechanisms, but their results have been inconsistent. This may be because they have used different adaptation durations, as it is known that time duration can affect visual processing levels. Previous studies have elucidated how time perception is distorted under adaptation conditions of a few seconds or much longer, but have not investigated this distortion under shorter durations. Therefore, we investigated how time is distorted and how time perception mechanisms are affected under short adaptation durations (e.g., <2 s). We found that a short duration produced a characteristic time distortion. In addition to orientation selectivity, we confirmed a transient effect on time perception distortion. These results suggest that visual processing concerning orientation selectivity contributes to time perception, and that transient components of the adaptation effect are useful for investigating the mechanisms of adaptation-based perceived time distortion.
著者
五十嵐 貫 佐藤 義隆 杉江 道男 高遠 節夫 豊成 敏隆 向山 一男
出版者
東京都立航空工業高等専門学校
雑誌
研究紀要 (ISSN:03871355)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1-6, 2002-10

We express the radius of the circumsphere of a tetrahedron with its six edges.
著者
佐藤 公治
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.109-147, 2011-08-22

【要旨】本論では,表現行為,特に芸術的表現行為を人間精神の問題として位置づけることの課題とその可能性について論じる。具体的にはヴィゴツキーが『芸術心理学』と「俳優の創造 の心理学的問題について」で展開している芸術創造論,バフチンの「言語芸術作品における内容,素材,形式の問題」を中心とした言語芸術論についての理論的検討を通して,これらが芸 術的表現行為と芸術的創造の問題にどのような理論的貢献が可能であるかを検討する。さらに,表現行為を巡る問題として西田幾多郎と木村素衛の表現行為論が持っている今日的意義について理論的検討を行う。
著者
川中 翔 佐藤周行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.61, pp.25-32, 2008-06-25

我々は新しいものや概念が新たに創られた場合それを創造と呼ぶが,実際にはそれ以前に既に成立していた概念が下地にあって創られる.これらは解析すべき重要な依存関係であるが,既存の関係性解析の研究は時系列的に静的なものが多くを占めている.本研究では,ソーシャルブックマークにおける概念を記述するタグを解析することで,時系列的な概念の依存関係を抽出する手法を提案する.この手法は,共起率が高いタグ同士は依存関係を持ち,出現順が早い方が依存関係の親となるタグである,との仮定に基づいている.さらに本研究では実験によって手法の評価を行ない,直観的に有用な結果を抽出することに成功した.Creation can be defined as making something exist that has not existed before. However, in many cases, something new is derived from something old. These are essential to analyze, but previous work mainly concentrate on chronologically static relations. In this paper, we propose a method of extracting these chronological concept dependency by analyzing tags that describe concepts in Social Bookmark. This method, is based on the hypo high cooccurent tags have dependency and the first emergence time of tags determines order of dependency.
著者
嶌田 敏行 小湊 卓夫 浅野 茂 大野 賢一 佐藤 仁 関 隆宏 土橋 慶章 淺野 昭人 小林 裕美 末次 剛健志 難波 輝吉 藤井 都百 藤原 宏司 藤原 将人 本田 寛輔
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

大学の諸課題の数量的・客観的把握を促すIRマインドの形成を目指した評価・IR人材の能力定義、教材の開発、教育プログラムの開発および体系化を行った。そのために単に研究・開発を行うだけでなく、様々な研修会や勉強会を開催し、全国の評価・IR担当者の知見を採り入れた。そのような成果を活かして、評価・IR業務のデータの収集、分析、活用に関するガイドラインも作成し、評価現場やIR現場で活用いただいている。加えて、合計14冊(合計940ページ)の報告書を作成した。この報告書は自習用教材としての活用も意識した構成とし、すべてwebページを作成し公表している。
著者
王 宇 小野 智司 武田 和大 佐藤 公則 中山 茂
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-10, 2004
被引用文献数
4 1

本稿では,主成分分析を利用し,耳画像に基づいて個人認識を行う方式を提案する.近年,顔画像に基づく個人認識が広く研究されているが,顔画像は加齢や表情,体調の変化などに影響されるため,同一顔画像を長期間利用することは難しい.これに対し,耳は16歳前後から安定期に入り,形状が変化しにくいという利点がある.本方式は,入力画像に対し,輝度の正規化およびモザイク処理を施した後,主成分分析により,入力データの次元圧縮を行う.学習時には,1枚の入力画像に対して平行移動・回転を行った画像を登録することで,入力画像の位置ずれに対処する.実験により,提案する方式は110人の耳画像を99.7%の精度で認識できることを確認した.
著者
佐藤 德
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.345-353, 2014
被引用文献数
2 1

Previous studies demonstrated that participants in left-to-right writing cultures showed a strong preference to associate the past with left space and the future with right space. The present studies investigated whether these spatial associations involved body-part-centered or extracorporal space. In Experiment 1, participants categorized words as referring to the past or the future by pressing button on the left with the left hand or a button on the right with the right hand. In Experiments 2 and 3, participants crossed their hands and were instructed to categorize words by pressing the left or right buttons (Experiment 2) or by moving their left or right hand (Experiment 3). Irrespective of the relative spatial positions of the response buttons, past words were more quickly categorized with the left hand and future words with the right hand. In addition, reaction times were slower in Experiment 2 than in Experiment 1, whereas there was no significant difference between Experiments 1 and 3. These results suggest that temporal concepts such as past and future are more strongly associated with embodied space than visual space.
著者
佐藤 友亮 新城 拓也 石川 朗宏 五島 正裕 関本 雅子 森本 有里
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.162-167, 2015 (Released:2015-03-06)
参考文献数
20
被引用文献数
1

在宅療養をしていた終末期がん患者の,食事と補完代替療法の現状調査を行った.神戸の5診療所で治療され,自宅で死亡した200名を対象に,患者遺族に質問紙を2014年2月に発送した.回収率は66%,患者の平均年齢は74歳だった.食事や食品の情報入手先を問う質問では,書籍・雑誌・新聞(48%),医療者(46%)という回答が多かった.積極的に摂取した食材は,お茶(64%),乳製品(62%),大豆食品(60%),制限した食材は,アルコール(49%),脂質(31%),塩分(31%)という回答が多かった.補完代替療法を43名(32%)の患者が取り入れており,サプリメント,ビタミン剤(28%)が多かった.がん患者は,一般的に健康に良いと考えられているものを摂取していた.終末期がん患者の食事,補完代替療法には科学的根拠が乏しいため,今後の研究が必要である.
著者
佐藤 英文
出版者
日本動物分類学会
雑誌
動物分類学会誌 (ISSN:02870223)
巻号頁・発行日
no.28, pp.49-56, 1984-06-25

小笠原諸島の土壌性カニムシの2新種を記載し,海岸性カニムシの1種を記録した.2新種のうちTyrannochthonius similidentatus(オガサワラトゲツチカニムシ,新称)はT. takashimaiと類似するが,頭胸毛式,触肢の縁歯が1種であること,基節棘の数と形態の相違によって容易に区別され,またCheiridium aokii (グンバイウデカニムシ,新称)は体表毛が軍配形をしており,他のウデカニムシから区別される.軍配形体表毛はNeocheiridiumに多く見られるが,触肢動指の感覚毛数によって本種はCheiridium属に分類される.この他にコイソカニムシNipponogarypus enoshimaensisを記録した.