著者
神崎 正英 佐藤 良
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.453-459, 2011-11-01

国立国会図書館(NDL)は,書誌データの開放性・利用可能性を向上させる取り組みの1つとして,書誌データ提供におけるセマンティックウェブ技術への対応を進めている。この一環として,2010年6月には「ウェブ版国立国会図書館件名標目表(Web NDLSH)」,2011年7月には提供範囲を全典拠レコードに拡大し,システムの機能を拡張した「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」の開発版をリリースした。「国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス(Web NDL Authorities)」の開発版では,典拠データをRDFモデルにより表現し,Linked Dataのスキームに準拠する等,セマンティックウェブ技術に対応した形式により提供している。本稿では,当サービスの概要,提供する典拠データの内容,RDFモデルの設計等について紹介をする。
著者
一宮 慎吾 氷見 徹夫 佐藤 昇志
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

濾胞ヘルパーT細胞(Tfh細胞)は高親和性抗体の産生に重要で、また可塑性を示す一方、ヒトTfh細胞の機能制御機構や疾患との関連については未だ不明な点が多い。本研究では臨床検体を用いてヒトTfh細胞の医学的意義や機能制御機構を探ることを目的とした。研究の結果、Tfh細胞は閉塞性睡眠時無呼吸症候群の原因である肥大扁桃に多く含まれ、またアレルギー性鼻炎や気管支喘息患者の末梢血液中のTfh細胞サブセットの構成比が健常人と比較して異なっていた。不均衡な分化を示すTfhシフトあるいはTfh2シフトに、ALOX5関連脂質メディエーターやPOU2AF1転写制御因子が関係している可能性が見出された。
著者
成瀬 継太郎 久保 正男 佐藤 浩 松原 隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.85, pp.51-54, 2008-09-11

本論文の目的は、電子掲示版システム (BBS) におけるコミュニケーションの様相を理解することである.特に本論では次の三点について議論する. (1) 調査:オープン型の BBS のログを分析し、多くの BBS に共通する特性を調べた結果,各々のユーザーによって投稿される一日あたりの記事の数が対数正規分布に従うことを明らかにする.これらの特徴は各ユーザーに明示的にそのように振る舞うように定められたものではなく,自由な相互作用の結果現れた創発現象がもつ性質である.そこで,この現象を理解するために (2) 創発現象を起こす個人特性の提示と (3) 創発現象下のユーザーの振る舞いの定式化を行い,投稿件数分布を導出している.The objective of this paper is to understand an aspect of human social interaction in bulletin board systems on internet. When an individual submits an article to a BBS, it is potentially influenced by articles from other users. A submission sometimes starts a long and hot chain of articles, but often does not. This paper tries to answer the question of why and how such a chain of articles emerges. In other words, we attempt to reveal a mechanism linking the individual voluntary activity of article submission and the social phenomenon of a long article chain.
著者
佐藤 誠三郎
出版者
中央公論新社
雑誌
中央公論 (ISSN:05296838)
巻号頁・発行日
vol.108, no.12, pp.p106-117, 1993-11
著者
佐藤 健 東島 圭志郎 安ヶ平 一也 村方 栄真
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.409-471, 2003-11

昭和基地の地上気象観測装置は,第39・40次隊により1997年と1998年の2カ年計画で更新された. 新システムは,1999年2月1日より正式運用を開始したが,その後1年間は旧装置での観測も継続して行い,両装置の比較のためのデータを取得した. 比較観測の結果から,次のことが分かった.1) 両装置の観測データは,概ね精度の範囲内で一致し,新旧データの均質性が保たれていた.2) しかし,一部の要素については,観測値に僅かであるが無視できない差異が生じていた.3) これらの差異は,測器感部やデータ処理の方法,設置位置の変更など装置の仕様変更に起因していた. 本稿では,これら両装置の観測値の差異とその特徴,データの均質性などについて考察した結果を報告する.
著者
田中 和永 小澤 徹 大谷 光春 西田 孝明 山崎 昌男 山田 義雄 柳田 英二 倉田 和浩 足達 慎二 平田 潤 関口 昌由 佐藤 洋平
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

非線型問題の研究を変分的手法により行った. 特に(1) 非線型シュレディンガーおよびその連立系に対する特異摂動問題に関して凝集解の変分的構成を行い, 非常に一般的な設定の下でその存在を示した. (2) 非線型楕円型方程式 (系) の解の存在を種々の設定の下で扱い, 解の新しい変分的構成を与えた. また解の安定性, 不安定性の研究を行った. (3) 空間次元 1 の特異摂動問題においては高振動解の特徴付けと存在結果を与えた.
著者
佐藤 暢哉
出版者
関西学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

ニホンザル1頭を対象にエピソード記憶を要する課題を学習させた。3面モニター内にバーチャル迷路を作り出し,その迷路内を,ジョイスティックを用いて自由に移動し,目標物体を見つけ出す課題の訓練をおこなった。サルはそのエピソードを覚え,続く試行ではより早く目標に到達することができるようになった。また,ラットを対象に,8方向の放射状迷路を用いた「いつ」「どこ」「なに」というエピソード記憶を必要とする課題を学習させた。今後,損傷実験やニューロン活動の記録実験を通して,エピソード記憶の神経機構について検討する予定である。
著者
小田嶋 哲哉 チャントゥァンミン 李 珍泌 朴 泰祐 佐藤 三久
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.12, pp.1-8, 2011-03-08

高い演算性能及びメモリバンド幅をもつGPUを搭載したGPUクラスタが高性能計算プラットホームとして広く利用されている.GPUクラスタではプログラミングが非常に複雑になることや,計算負荷がGPUまたはCPUのどちらかに偏り,計算リソース全体を有効利用しにくいという問題がある.そこで,分散メモリシステム向けの並列言語であるXcalableMPをGPU向けに拡張して,GPUクラスタ等のヘテロジニアス環境に適応させることを検討する.本稿ではその予備評価として,XcalableMPによるGPU/CPU協調計算を行い,典型的なHPCアプリケーションであるN体問題と行列積計算を対象に,GPUとCPUへの計算負荷分散による最適化を行い,これらによる協調計算の可能性を検討した.その結果,2ノード・2GPUのシステム上でGPUに割り当てるデータを50%から60%にしたところ,最大で約1.7倍の高速化を得ることができた.As shown in TOP500 List at November 2010, GPU clusters have been recognized as highly cost-effective HPC resources. However, the programming on GPU cluster requires much harder effort than ordinary PC clusters because of complicated heterogeneous coding with combination of CUDA/OpenCL, OpenMP and MPI, for example. In order to provide a solution for this, we will consider an extension of parallel programming language XcalableMP for GPU cluster computing. In this paper, we propose an textended notation of XcalableMP for data and process distribution in a GPU cluster. We also preliminarily evaluate the performance enhancement by a cooperated computing with GPU and multi-core CPU on typical HPC applications, N-body calculation and matrix multiplication. As a result, we confirmed the maximum of 1.7 times higher performance when we distribute the 50 to 60% of computation to GPU, compared with the case with 100% of computation only by GPU.
著者
小竹 大輔 佐藤 清秀 内山 晋二 山本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.183-193, 2008
被引用文献数
2

We propose a hybrid camera pose estimation method using an inclination sensor and line segments. While our method does not require any prior information on the camera pose and the correspondences between 2D and 3D line segments, it can calculate the camera pose fast using the two-step algorithm that calculates azimuth first and then position under the inclination constraint obtained from the sensor. These features meet the requirement of initialization for edge-based registration used in mixed reality (MR) systems. This paper describes the details of the method and shows its effectiveness with experiments in which the method is used in an actual MR application.
著者
佐藤 幹雄 佐藤 理夫 尾形 宏樹
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第22回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.245, 2011 (Released:2011-11-07)

福島市の南東地区にある農地で放射線除去の実験を行った。この農地は1年間休耕地だったものだ。実験が進むにつれ放射能の実態が少しづつ明らかになるとともに放射能の手に負いにくさも明らかになる。放射能をできるだけ動かさない形を選んだが、早い結論には表面5cm程度をひき剥がすのが確実のようだ。
著者
神保 至 佐藤 徳幸 中島 歩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-03-27
被引用文献数
1

従来のプログラミング理解システムは、主にプログラミング教育を目的として開発・利用されてきており、ソフトウェア保守などの実用的な場面にはあまり応用されていない。そこで我々は、プログラム理解システムをソフトウェア保守作業の支援という、より実用的な場面(具体的には業務処理プログラムを理解する場面)に応用し、ソースコードから機能仕様レベルの情報を導出することを試みている。本稿は、そのために必要となる知識構造モデルについて述べたものである。
著者
佐藤 康邦
出版者
放送大学
雑誌
放送大学研究年報 (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.45-53, 2010

『判断力批判』の第一部「美的(直観的)的判断力の批判」の「美の理想」について語られる場面で、カントは、美的判断に含まれる知的契機に関して、踏み込んだ考察を加えている。それが、「美の理想」を構成する二つの契機のうちの、「美的(直観的)基準理念」についての考察である。人間の形姿、またサイズには、種に固有な基準、典型というものがあるという考え方に従う概念である。カントの表現では、「美的(直観的)基準理念」というものは、「ある種族に属するすべての個々の個体の美的(直観的)判定の普遍的尺度として役立つような、その形態の構成における最大級の合目的性、すなわちあたかも自然の技巧の根底に意図的であるかのようにすえられている心像」であるとされている。身長、体重、鼻の高さ、口の大きさすべてに、それぞれ、理想の美人、美男子にふさわしいサイズというものがある。これは、私たちの心のうちで知っている観念、理念であり、それが個々の個体の美的判定の際に尺度を与えてくれるという。その際重要なことは、その理念は、構想力が与えてくれるとされていることである。『判断力批判』では、『純粋理性批判』とは異なって、悟性に対決する位置に置かれているのは、直観ではなく、構想力である。ということは構想力が直観に重ねられているということ、したがって、基準理念は感覚に近づけられているということである。さらに、この基準理念が生得的なものなのか、経験を通して獲得されるものなのかに関するカント記述は、これを「諸直観の間に揺よう曳えいする心像」としていることから明らかなように誠に微妙なものとなっている。しかし、この揺れ動きにこそ、この概念の今日的な意義があると思われる。そこに、ゲシタルト心理学や、認知心理学におけるアフォーダンス概念やトップダウン概念に関わるものの先駆形態が見出されるだけではなく、無意識に関する理論全体の捉え直しにつながるものが見出されるからである。
著者
佐藤 理人 梅干野 晁 浅輪 貴史
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.17, no.35, pp.255-258, 2011-02-20 (Released:2011-02-18)
参考文献数
11
被引用文献数
1

This study develops an environmental information visualization system for supporting thermal environment design in city planning. This system is constructed on a all-purpose GIS software. As visualization methods of 3D models, wire frame, surface model and solid model are applied according to a target scale or the characteristics of environmental information. The developed system is able to display urban planning data, landscape, thermal environment and historical data in multi-scale and multi-temporal using the 3D GIS.
著者
高橋 祐介 佐藤 貴美 平田 恭二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.88, no.2, pp.110-121, 2005-02-01
参考文献数
13
被引用文献数
1

本論文では, 車載カメラ映像において部分的な隠れに頑強なランドマーク認識方法を提案する.視覚的特徴量空間において, あらかじめ登録したランドマークに対する辞書データと最も類似する映像中の分割領域の組合せを求めて評価することにより, 部分隠れに頑強な認識及びその領域の高精度な抽出を実現する.撮影情報(撮影カメラの位置及び向き)を利用した抽出領域の検定により精度向上を図るとともに, 対象ランドマークの候補数及び組合せに用いる分割領域の絞り込みにより処理コストを削減する.実写映像を用いて部分隠れがあるランドマークに対する認識精度及び領域抽出精度, 計算コスト削減の有効性を検証する.応用として, ランドマーク認識結果と車の走行情報を組み合わせた重要度判定に基づくドライブ映像の自動要約について報告する.
著者
佐藤 真実 江口 雅美 丸山 悦子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.27-32, 2007-02-20

若年層が白飯のおいしさを評価するために重視している要素として,白飯自体がもつ要素と評価する側がもつ心理的,社会的影響をうけたおいしい白飯に関するイメージについて調査を試みた。白飯自体がもつおいしさの要素は,15項目の項目をあげ,それぞれの項目の必要度の高さをSheffeの1対比較法を用いて解析を行った。評価する側がもつおいしい白飯に抱いているイメージの調査は,20項目の項目をあげ,SD法を,さらに因子分析を行い,イメージ因子の抽出をおこなった。自飯自体がもつおいしさの要素はうま味,甘味,飯粒がやわらかいが必要度が高くなった。とくに女子は噛んだときの粘り,つや,透明感などの味以外の食感や外観の必要度も高くなる傾向がみられた。おいしい白飯に必要な要素を化学的,物理的要素に分類したところ,化学的要素は39.6%,物理的要素は60.4%となった。おいしい白飯のイメージ因子は4つ抽出された。第1因子は健康,第2因子は親近感,第3因子は郷愁感,第4因子は環境が抽出された。
著者
南石 晃明 木南 章 伊東 正一 吉田 泰治 福田 晋 矢部 光保 堀田 和彦 前田 幸嗣 豊 智行 新開 章司 甲斐 諭 樋口 昭則 石井 博昭 松下 秀介 伊藤 健 亀屋 隆志 八木 洋憲 森高 正博 多田 稔 土田 志郎 後藤 一寿 佐藤 正衛
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

食料・農業・環境に関わる諸問題は,相互に密接に関連しており,その根底には「リスク」が深く関与している.このため,食料・農業・環境に関わる諸問題の解決には,「リスク」に対する理解が不可欠である.食料・農業・環境に潜むリスクには,どのようなものがあり,それらはどのように関連しており,さらにどのような対応が可能なのか?本研究では,学際的かつ国際的な視点からこれらの点について明らかにした.