著者
佐藤進也 風間 一洋 福田 健介 村上 健一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.26-36, 2005-06-15
被引用文献数
4

巨大なデータベースであるWeb から知識を抽出する一手法として実世界指向Web マイニングを提案する.従来のマイニングでは主に統計的な処理によりデータの特徴が抽出されていた.これに対し,実世界指向マイニングでは,実世界を意識したデータの解釈,具体的には,実世界のエンティティがデータの中にどのように現れ,相互にどういう関係を形成しているかを調べる.この考え方をWeb における人物の識別に適用し,同姓同名人物の分離を行った.これは,与えられた人名が出現するWeb ページを同一人物ごとにグループ分けするタスクで,本手法を用いた場合,平均9 割以上の高い率で正しく処理できることを確認した.This paper proposes a technique called "real-world oriented Web mining" for extracting knowledge from the Web regarded as a huge database. While conventional mining techniques search for characteristics of data mostly by statistical analysis, the proposed technique interprets data from real-world oriented point of view. In more concrete terms, it locates real-world entities in the data and analyzes relationships among them. This idea has been applied for performing a task to distinguish between people on the Web with the same first and last name. The task is to classify Web pages with a given person's name into groups each of which corresponds to a person in the real world. With the proposed technique, people have been identified with accuracy more than 90% on average.
著者
白幡 晃一 佐藤 仁 鈴村 豊太郎 松岡 聡
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2011-HPC-130, no.14, pp.1-8, 2011-07-20

データ量の肥大化,ストレージの省コスト化,オンラインソーシャルネットワークの成功等に伴い大規模グラフ処理の重要性が高まっている.また,GPGPU と呼ばれる,GPU を汎用計算に応用する技術の研究・開発が進んでおり,GPU のスーパーコンピュータやクラウドへの導入が進みつつある.大規模グラフ処理ライブラリの一つに PEGASUS があり,MapReduce の反復処理によって計算することができる.GPU を利用した MapReduce 処理ライブラリの一つに Mars があるが,大規模グラフ処理に対して GPU を使用してどの程度高速化できるのか,またメモリあふれへの対処やマルチ GPU 化した場合のデータの割り振り方法は明らかではない.Mars 上にグラフ処理アプリケーション (PageRank,Random Walk with Restart,Connected Components) を実装し,PEGASUS との比較実験を行った結果,反復 1 回あたり PageRank で 2.17~9.53 倍,RWR で 2.18~5.47 倍,Connected Components で 2.41~8.46 倍の高速化がされることを確認した.
著者
佐藤 孝治
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.163-204, 1996-03
被引用文献数
1

This case presents a leading company Nestle Japan challenged in the RTE (ready to eat) cereal market and faced with the decision of status quo, adding the new product line, withdraw the market and so on. Together with his management team, Mr. M. Gyaretto
著者
小林 秀紹 出村 慎一 郷司 文男 南 雅樹 長澤 吉則 佐藤 進 野田 政弘
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衞生學雜誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.552-562, 1999-10-15
被引用文献数
6 5

The relationship among subjective symptoms of fatigue, subjective fatigue feeling, and life habits of high school and college students<br>The purpose of this study was to examine the relationship among subjective symptoms of fatigue (SSF), subjective fatigue feeling (SFF), life habits (behavioral patterns (BP) and life-style consciousness (LC)) in male students.<br>A questionnaire on SSF, SFF, fatigue content, BP and LC was administered to 1802 male students aged 15-20yr, and data from 1792 properly completed questionnaires was analyzed.<br>The results were:<br>1) Students experience high SFF from daily activity. Students with a higher SFF tend to have more complaints of SSF, especially symptoms of languor, but the relationship between SFF and symptoms of irritation and physical disintegration are low.<br>2) Relationships between SFF and BP and LC are relatively low, except for physical condition. Even if the BP is successful, student's SFF is relatively high.<br>3) Subjective degree of health and physical condition relate highly to SSF. Exercise habits relate to loss of vigor, dietary habits to languor, loss of vigor, drowsiness and a decrease in concentration, and LC to SSF except for languor. It was inferred that SSF is influenced by BP and LC.
著者
TranMinhTuan 李珍泌 小田嶋哲哉 朴泰祐 佐藤三久
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.53, pp.1-8, 2011-07-20

GPU アーキテクチャの汎用化と高速化によって,GPU クラスタは高いコストパフォーマンスと演算性能,省電力化を HPC 分野にもたらしている.これまで汎用計算における GPU の高速化効果を目的とするプログラミング言語モデルの拡張やライブラリが数多く提案されてきた.しかし,これらは GPU を搭載するシングルノード環境を対象とする拡張が多く,GPU クラスタなどのメモリ分散システムを対象とするものがまだ少ない.multi-node GPU クラスタにおける高い性能プログラミングは通常の 1 ノード内のホストーGPU の拡張だけでは不十分,それぞれのノードにまたがる GPU どうしのプログラミングも意識する必要がある.そこで,現在,我々は Partitioned Global Address Space(PGAS) プログラミングモデルをベースとした並列プログラミング言語 XcalableMP を GPU クラスタに適用可能とするための拡張を行っている.本稿では,行列積計算を対象に,GPU クラスタにおける XMP-ACC 拡張のプログラミングコストと性能について調査した.その結果,4 ノードの GPU クラスタにおいて,CPU のみを用いた XcalableMP プログラムよりも,それに数行の XMP-ACC 指示文の追加したプログラムのほうが約 42 倍の速度向上が得られた.
著者
橋本 浩二 知念 正 佐藤 純 柴田 義孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.337-346, 1998-02-15
被引用文献数
10

圧縮法を用いたビデオデータはフレームごとにそのデータ量が異なる.ビデオデータをユーザに提供するクライアント/サーバシステムにおいて,圧縮したビデオデータを使用する場合,その実時間性を保証し,フレームレートを一定に保つためには可変ビットレート転送を行う必要がある.また,クライアント/サーバおよびネットワークの負荷変動により発生するパケット紛失は,画質の劣化やフレームレートの低下を引き起こす.本論文では,可変ビットレート転送としてGoP一括転送方式とフレーム転送方式の2つの方式を提案する.また,負荷変動によりパケットが紛失した場合でもビデオサービスの実時間性を保証するために,パケット間隔制御法とフレームレート制御法を提案する.パケット間隔制御は,動的にパケットを調整することでパケット紛失率を抑制する.フレームレート制御は,クライアント側の実効フレームレートをサーバ側にフィードバックし,必要なら送信フレームを間引くことでフレームレートを調整する.我々は,これらの転送方式と制御法を導入したパケット オーディオ・ビデオシステム(PAVS)のプロトタイプを構築し,性能評価を行った.結果,これらの転送方式と制御法の有効性が確認できたので報告する.In client/server system where compressed video data are transmissed from video server to userclient over highspeed network,variable bit rate transmission method is required to maintain the video frame rate constant because the amount of data of each video frame varies from time to time.On the other hand,video quality and frame rate degrade when packet loss occured when CPU loads on the client/server or the network traffic increases.In this paper,two variable bit rate transmission methods: Group of Picture transmission and frame transmission methods are newly introduced.We also introduce both a packet rate control method to reduce the packet loss controlling the inter-packet time interval and a frame rate control method to maintain the frame rate constant by controlling the transmitted frame rate on the server based on the feedback signal with set frame rate from the client.We implemented a prototyped Packet Audio/video System (PAVS) to evaluate performance of the packet rate control and Frame rate control functions.Through this performance evaluation of PAVS,we could justify the usefulness of our suggested control methods.
著者
佐藤 達全
出版者
育英短期大学
雑誌
育英短期大学研究紀要 (ISSN:09143351)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.43-58, 2003-02-01

「保育は人である」とよく言われる。乳幼児期の特性の一つが「まねる」(学ぶの語源)ことである点から,人的な環境としての保育者の一挙手一投足が子どもの行動の仕方や成長・発達の進み具合を左右し,さらには子どもの心にも作用して将来の人間性に大きく影響することは言を侯たない。それゆえ,保育者には「子どものお手本」としての行動が求められることは当然であるが,それだけでなく「人間」としてどう生きたらよいかについても日頃から考えておかなければならないのである。しかし,実際に保育者を目指している学生にはそうした意識は強くないどころか,さまざまな問題行動が存在するように思われる。そこで,学生の行動の実態と自己認識を調査し,さらに実習園からの評価と比較しながら考察した。その結果,望ましい保育者を育てるために重要ないくつかの問題点がみつかった。
著者
井関 将太 定永 靖宗 松木 篤 岩坂 泰信 佐藤 啓市 竹中 規訓 坂東 博
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気環境学会誌 (ISSN:13414178)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.256-263, 2010-11-10 (Released:2011-06-05)
参考文献数
25
被引用文献数
2

石川県能登半島珠洲で2008年12月からオゾンと一酸化炭素の測定を行い、東アジアの汚染された地域からの長距離輸送の観点から、季節変動・日内変動について解析を行った。オゾンと一酸化炭素濃度は、季節変動として春に高濃度、夏に低濃度となった。珠洲に到達する気塊を、後方流跡線解析を用いて、ロシア・中国・日本由来に分類したところ、春にロシアや中国からの大陸由来の割合が高くなり、夏に日本由来の割合が高くなった。区分別に見ると、中国由来の気塊が一年を通して高濃度となり、同じ大陸由来でも、ロシア由来の気塊は日本由来よりも低濃度になる傾向が見られた。日内変動を見ると、各月においてO3は日中の午後に最高値を示すが、COは一貫した変動を示さなかった。O3の日内最小値の月変動は、気塊の由来と長距離輸送中の光化学O3生成によるものであり、日中のO3増加量の月変動は、観測値近傍での光化学O3生成であると考えられた。また、日中のO3増加量と積算日射量との間には高く正の相関があることが明らかになった。
著者
佐藤 竜一
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究は,渓流食物網における窒素(N),リン(P)フローを生態学的化学量論の観点から解明するため,様々な底生動物種について,1.食物資源の元素比とその変異,2.栄養素要求(NとPのどちらにより生存,成長,発育が影響されやすいか),3.発育段階及び食物条件による体組織元素比の可塑性,4.回帰する栄養塩の特性(NとPの回帰速度),さらに5.栄養塩添加に対する,落葉リター,微細有機物,藻類のN:P比変化,6.渓流における各発育段階の底生動物種についてのバイオマスの季節変化を明らかにすることを目的とする。渓流における底生動物(シュレッダー)について,食物資源である落葉リターの元素比が,樹種や分解過程によって異なり(目的1),体組織の元素比との比較から,シュレッダーはPよりもNに対する要求度が高いことが示唆された(目的2)。またN:P比の異なる落葉リターを用いた飼育実験から,シュレッダーの元素比可塑性は食物条件よりも発育段階によるところが大きく(目的3),Pの回帰速度はその要求度が規定している可能性が示された(目的4)。さらに,栄養塩の添加によって落葉リターのN:P比,特にP含有率は変化した(目的5)。渓流食物網のエネルギー源として落葉リターが支配的であることから,シュレッダーから他の摂食機能群へのPフローの重要性が示唆されたため,本年度は目的6の達成とともに,シュレッダーについての追加実験を行うことでサンプル数を増やすこと,他の底生動物(コレクター,グレイザー)のそれぞれ数種についてもシュレッダーと同様に栄養素要求の特性について明らかにすることを目的とした。しかしながら,記録的な豪雨による調査地河川の大出水などにより底生動物群集が大きな攪乱を受けた影響で,これらの目的は十分に達成できなかった。
著者
大谷 貴美子 長渡 麻未 柴田 満 冨田 圭子 佐藤 健司 川添 禎浩
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.239-248, 2007-08-20
被引用文献数
1

伝統食品である京都大徳寺瑞峯院の大徳寺納豆について,ラジカル消去活性の強さを解明するために,製造過程のラジカル消去活性の変化とその関連成分について検討を行った。大徳寺納豆は,7月下旬から9月下旬にかけて仕込まれる。大豆(鶴姫)を蒸煮することで,ゲニスチン,ダイジン,グリシチンが増加した。しかし,室での発酵期間に減少し,熟成期間では,代わってゲニステイン,ダイゼインが増加した。また,室での1週間の発酵期間に,プロテアーゼの働きにより,遊離アミノ酸,特にグルタミン酸やペプチドが増加した。炎天下における2ヶ月間の熟成期間には,徐々にメラノイジン関連物質が産生された。またラジカル消去活性は,ポリフェノール含有量と高い相関を示したが,ラジカル消去活性に寄与している主な成分はメラノイジン関連物質であることが示唆された。
著者
織田 佐知子 佐藤 浩美 数野 千恵子
出版者
実践女子大学
雑誌
実践女子大学生活科学部紀要 (ISSN:13413244)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.13-18, 2011-03-10

It is said that the sense used most when the person judges deliciousness is sight. In this study, food was illuminated with a different lighting, and a comparative study was made of the effects of each lighting on deliciousness. The lights were used three type of compact fluorescent lamps(cool white lamp(A), daylight lamp(B), warm white lamp(C)) and incandescent lamp(D). The subject of food were hot food/ (hashed potato) and fresh food (fruit). The fruits basket included an apple (red), a green grape (green), a banana (yellow), and a purple grape. That was the basic color of the food. These were set up in white boxes, and the way of seeing it was investigated. Moreover, a photograph was taken when food was illuminated with each lamp; it was measured with the colorimetry meter, and the relation to each item was examined. The lightest evaluation was incandescent lamp(D) when people look at hashed potato, and cool white lamp(A) when people look at the fruits. With cool white lamps(A), the evaluation was different according to the color and the question item as a basic color of food.
著者
鈴木 健太 大平 雅子 野崎 綾子 内山 尚志 吉川 泰生 佐藤 利幸 野村 収作
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.1, pp.162-165, 2012-01-01

精神的なストレスの評価指標としてコルチゾールというホルモンが注目されている.従来,同物質は血液,唾液,尿などの検体から定量されてきた.これに対し本研究では,皮膚に微細孔を形成し,経皮的にコルチゾールを定量する新たな手法を提案する.
著者
大野 剛 村松 康行 三浦 吉則 織田 和優 稲川 直也 小川 宏 山崎 敦子 小林 智之 二階堂 英行 佐藤 睦人 加藤 義明
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2011年度日本地球化学会第58回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.68, 2011 (Released:2011-09-01)

福島第一原子力発電所から放出された放射性セシウム及びヨウ素の土壌深部への移行実態を明らかにすることは、放射性物質の農作物への移行を調べる上で重要である。本研究では、土壌特性の異なる水田、畑地、果樹園、森林において放射性セシウム及びヨウ素の深度分布を調べた。すべての試料において表層から6cmまでに90%以上の放射性セシウムが存在していることが分かった。畑、果樹園、森林の表層試料(0-2cm)には試料間に大きなばらつきは見られなかったが、水田試料には10倍以上の違いが見られた。また深部への移行は畑試料で大きく、水田試料で小さい傾向が見られた。これは畑土壌に比べ水田土壌の透水性が低いため土壌表面で水平方向の移動が大きくなったことを反映したものと考えられる。