著者
織田 博則 佐藤 昌子 堂ノ脇 靖己 杉山 章
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

一重項酸素脱活性基を有する紫外線カット剤を合成し、紫外線カット挙動と染色布の耐光性改善効果を検討した。新規合成化合物は、有害紫外線A波、B波さらにはC波を吸収するだけでなく、優れた染色物の耐光性改善効果を有していた。また、ベンゾフェノン・ベンゾトリアゾール縮合型紫外線カット材料を合成し、紫外線防護機能性と耐光性改善効果を検討した。新規化合物は、非常に高い紫外線防護係数(UPF)と、優れた染色物の耐光性改善効果を有していた。
著者
矢野 隆 佐藤 哲身 山下 俊雄 川井 敬二
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.607-618, 1999-09-01
被引用文献数
2

熊本とイェーテボリで同一の方法を用いて道路交通騒音に関する社会調査を実施した。道路交通騒音に対する一般的な不快感はイェーテボリの戸建て住宅で最も大きく, イェーテボリの集合住宅で最も小さかった。熊本での反応はその中間に位置し, 住宅タイプ間に有意差はなかった。地域別・住宅タイプ別に道路交通騒音に対する不快感の構造を調べるために, パス解析を適用した。どの場合も共通して排気ガスの効果が最も大きかった。イェーテボリでは庭/バルコニーでの休息妨害の効果, 熊本ではTV/ラジオ聴取妨害の効果が大きかった。このような要因の効果から, 道路交通騒音に対する社会反応の地域間・住宅タイプ間の相違を解釈した。
著者
佐藤 宗子 サトウ モトコ Sato Motoko
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.406-398, 2009-03

一九五〇年代から六〇年代にかけて、「少年少女」を冠した叢書が数多く刊行されている状況を概観し、そこに第二次大戦後の日本の文化・社会状況における、「少年少女」が「読書」することへの期待が内在しうることを確認した。とくに創元社刊行の「世界少年少女文学全集」をとりあげ、各巻の付録紙面や関連する版元の雑誌の特集号、第二部の内容見本など、全集本体よりむしろその周囲に注目する中から、「少年少女」が、戦後の状況の中で新たに区切られた「小学校高学年から中学生」の時期として明確に認識されていたこと、「家庭」と「学校」の二つの享受の場が両立して認識されていたこと、発信者側を含めた三者が子ども読者を囲い「読書」への期待を向けていたこと、発信者側が「教養」の「形成」を念頭においていたこと、子ども読者側もそれと連動した「読書」観を抱いていたこと、当時の読書指導との関連があることなどが明らかとなった。
著者
佐藤 哲也 山西 芳裕 金久 實 藤 博幸
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.004-011, 2007 (Released:2007-02-21)
参考文献数
6

A distance matrix is a set of genetic distances between all possible pairs of proteins under consideration, and is used to construct a phylogenetic tree by the distance matrix method. Pazos and Valencia (2001) have developed a method to predict protein-protein interaction by evaluating the similarity of the distance matrices, under the assumption that the phylogenetic trees of interacting proteins resemble each other through co-evolution. It is known, however, that the prediction includes many false positives. We postulated that the cause of the false positives is the background similarity of the phylogenetic relationship of the source organisms. We have developed a method to exclude such information from the distance matrices with a projection operator. The number of false positives was drastically reduced from the prediction by evaluating the similarity between the residuals after the projection operation.
著者
宮村 会実佳 金田 健志 佐藤 泰史 重里 有三
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
真空 (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.432-436, 2007 (Released:2008-01-01)
参考文献数
13

Photocatalytic activities of titanium dioxide (TiO2) films deposited by rf sputtering were investigated from view points of their internal stress. TiO2 films were deposited on fused quartz glass or 100 μm thick micro-sheet glass substrates at room temperature, 200 or 400°C under various total gas pressures (Ptot) of 0.3~5.0 Pa with oxygen flow ratio [O2/(O2+Ar)] of 60% using a Ti metal target. Photocatalytic activity was evaluated by photodecomposition of acetaldehyde (CH3CHO) under UV illumination (black light lamp, 0.4 mW/cm2). Compressive internal stress was estimated by cantilever method using the micro-sheet glass, which clearly decreased from -2.1 to -0.1 GPa with the increase in the Ptot from 0.3 to 3.0 Pa. The films with the compressive stress less than -0.5 GPa performed the photocatalytic activity. Furthermore, compressive or tensile stress was applied by external force on the TiO2 films deposited on the curved micro sheet glasses by flattening these substrates after the deposition. The photodecomposition activity of the films with the slight compressive stress improved clearly, whereas the one of the films with the tensile stress degraded.
著者
佐藤 源之 渡邉 学 横田 裕也 ANDREY Klokov ZHAO Weijun 園田 潤 高橋 一徳 MAHFOOZ Abdel-Motaleb Hafez Salem 城戸 隆 園田 潤 ZHAO Weijun
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

強い不均質性媒質中の埋設物検知のためのレーダ信号処理技術について研究を行った。これを利用して人道的地雷除去を目的とした地中レーダ装置ALISを開発し、カンボジアの実地雷原での実証試験において70個以上の地雷検知に成功した。本試験は本研究終了後も継続中である。更に次世代の小型レーダ技術としてバイスタティック型レーダによる埋設物検知を行った。またレーダポーラリメトリ技術をボアホールレーダ、GB-SAR、航空機・衛星搭載SARなどのレーダに対して、特に防災・減災への発展的応用を行った。
著者
佐藤 義則 竹内 比呂也 倉田 敬子 小山 憲司 三根 慎二 逸村 宏
出版者
東北学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

国内 45 機関の参加・協力の下, 2011 年 10 月から 12 月にかけ電子ジャーナルの利用に関するアンケート調査を実施し,広範囲の主題領域の研究者(教員,博士後期課程大学院生)から 3,922の回答を得た。これらのデータを多方面から分析した結果,電子ジャーナルの利用がより広範囲にかつ深く浸透するようになっただけでなく,利用者の読書行動や意識(選好)も変化しつつあることが明らかとなった。
著者
佐藤 大
出版者
全国英語教育学会
雑誌
全国英語教育学会紀要 (ISSN:13448560)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.91-100, 2006

This study aims to investigate English writing and speaking abilities through grammatical knowledge. The first step to cultivate learners who can use English productively is to understand the use of grammatical items when they want to express something in English. Junior high school students are beginner learners of English. They always make use of the knowledge which they learned in English grammar classes. However, they can not communicate with the ALT (Assistant Language Teacher) well. In this study, I tried to focus on teaching grammar to lead to communication. After learning grammar, students were forced to make sentences and speak using the grammatical items in regular English classes. Finally, an oral test and a written test were conducted to examine whether students can write or speak English using the grammatical item correctly. The future tense and "There is ..., there are..." were used in this study. This study attempts to examine the relationship between grammatical knowledge, writing and speaking abilities in a junior high school setting. 60 oral tests and written tests by 60 students were analyzed. As a result, some features on grammar were found.
著者
内村 要介 佐藤 大和 松江 勇次
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.393-399, 2001-09-05
参考文献数
20
被引用文献数
2

さらなる省力, 低コストの水稲直播栽培に適する品種育成のため, 酸素供給剤を粉衣しない種籾の出芽苗立ち安定化についての基礎的知見を得る目的で, 72品種を供試して湛水土壌表面直播栽培を行い, 出芽苗立ち特性の優れる品種の評価および圃場中の水温と溶存酸素濃度の測定を行った.播種後14日間の圃場中の水中の溶存酸素濃度は約4.7〜11.6mgL^<-1>(飽和量の約50%〜過飽和), 水温は日平均21.8〜29.0℃で推移し, 水稲種子の発芽, 根の伸長に問題はほとんどなかった.供試した72品種はすべて発芽率が80%以上あったにもかかわらず, 播種14日後の出芽率は0〜89%の変異幅が認められた.出芽率が80%以上と出芽能力が優れた11品種が認められ, そのうち8品種の譜系図に旭または朝日が認められた.転び苗および浮き苗の発生率については4%〜61%の変異幅が認められた.出芽能力が優れた11品種において, 出芽率と転び苗および浮き苗の発生率との間には相関関係は認められず, 出芽率が80%以上で転び苗および浮き苗の発生率が10%以下の苗立ちが優れた品種, 神力, はえぬき, どまんなかが認められた.出芽率の高い品種は, 千粒重が重く, 比重1.1以上の割合が高く, 初期生育が優れた.転び苗および浮き苗の発生が少ない品種は, 種子の比重が1.1以上の割合が高く, 種子根の平均伸長速度が遅かった.これらの知見は, 酸素供給剤を用いない省力, 低コスト直播栽培で出芽苗立ちを安定化させる水稲品種育成のための交配母本選定に当たり有効な情報になるものであった.
著者
板野 肯三 新城 靖 佐藤 聡 中井 央
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

現在のWorld Wide Webは、クライアント・サーバ・モデルに基づき構築されている。この形態は、個人情報の繰り返し入力、サーバでの安全な保管、および、攻撃やクロスサイト・スクリプティング攻撃を防ぐことが簡単ではないという問題がある。これらの問題を解決するために、本研究では、現在のWorld Wide Webのアーキテクチャを再設計する。具体的には、本研究では、サービス提供者側から利用者側を呼び出す(コールバックする)という方法を用いる。本研究では、コールバックのプロトコルを設計し、それに基づき新たにWebサーバ、Webブラウザ、ルータ、個人情報バンクを実現し、提案手法を検証した。
著者
角田 雅照 大杉 直樹 門田暁人 松本 健一 佐藤慎一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.1155-1164, 2005-05-15
被引用文献数
12

ソフトウェア開発における工数予測を目的として,過去のソフトウェア開発プロジェクトにおいて記録された多種類のソフトウェアメトリクス値を入力データとし,協調フィルタリングにより予測工数を求める方法を提案する.協調フィルタリングは,未計測の値(欠損値)が大量に含まれているデータを入力とした場合でも予測が行えるという特長があるが,ソフトウェア工数予測に適用する方法はこれまで提案されていない.提案方法では,まず,入力となるメトリクス値を正規化し,値域を揃える.次に,正規化したメトリクス値を用いて,予測対象(開発中)のプロジェクトと,過去に行われたプロジェクトとの類似度を計算する.最後に,類似度の高い(予測対象プロジェクトと類似した)プロジェクトの工数を類似度で加重平均した値を,予測対象プロジェクトの工数とする.ケーススタディとして,株式会社NTTデータにおいて1 081件のソフトウェアプロジェクトから計測された14種類のメトリクス(約60%の欠損値を含む)を用いて試験工数を予測した.その結果,提案方法は従来方法(欠損値処理法を用いたステップワイズ重回帰分析)よりも高い精度を示し,予測試験工数の相対誤差の平均値(1プロジェクトあたり)が22.11から0.79に改善された.To predict software development effort, this paper proposes an effort prediction method based on the Collaborative Filtering (CF) which uses as input various software metrics recorded in past software development projects. The CF has an advantage that it can conduct a prediction using "defective" input data containing a large amount of missing values. There are, however, no researches which propose a method for applying the CF to Software effort prediction. Our proposal consists of three steps. In the first step, we normalize values of metrics to equalize their value range. In the next step, we compute the similarity between target (current) project and past (completed) project using normalized values. In the last step, we estimate the effort of target project by computing the weighted sum of efforts of high-similarity projects (that are similar to the target project) using the similarity of each project as a weight. In a case study to evaluate our method, we predicted the test process effort using 1,081 software projects including 14 metrics whose missing value rate is 60%, which have been recorded at NTT DATA Corporation. As a result, the accuracy of our method showed better performance than conventional methods (stepwise multiple regression models); and, the average accuracy per project was improved from 22.11 to 0.79.
著者
桜井 裕 佐藤理史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.1470-1480, 2002-05-15
被引用文献数
18

本論文では,与えられた用語に対して,その用語を説明する文章(用語説明)をワールドワイドウェブから収集し,それらを編集してユーザに提示するシステムを提案する.本システムは,(1)用語説明の収集,(2)編集,の2つのモジュールから構成される.{}「用語説明の収集」では,まず,サーチエンジンなどを用いて,入力された用語の説明が記述されている可能性が高いウェブページを収集する.次に,収集したウェブページから,用語の説明が記述されている段落を抽出する.最後に,抽出した段落内を解析し,その用語を定義する文(用語定義文)が存在するかどうかを判定し,存在した段落のみを用語説明として出力する.この判定においては,13種類の用語定義文それぞれに対して設定した文型パターンを用いる.{}「編集」では,収集した用語説明を語義ごとにグループ化し,それぞれのグループに対して,最適な用語説明と上位語を決定する.最後に,これらをまとめて,結果を語義ごとに出力する.本システムにおいて,用語定義文の判定精度は87%,グループ化の精度は81%であり,ほぼ実用レベルに達していると考えることができる.This paper proposes a term explainer that offers us a virtual dictionary, which uses the World Wide Web as information source. Thesystem consists of two modules: explanation collector and explanation editor. For a given term, the first module collects related webpages by using search engines, and extracts paragraphs thatcontain the term explanations. Sentence patterns of thirteen kinds ofdefinition sentences enable automatic detection of definitionsentences and automatic extraction of term explanations. The secondmodule classifies the extracted explanations into groups according tothe meaning, and determines the best explanation and the best broaderterm for every group. Finally, the system generates the result inHTML. In an experiment, the system achieved 87% accuracy indetection of definition sentences and 81% accuracy in classificationof explanations into groups.
著者
佐藤 捨三郎
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
no.361, pp.217-241, 1912-03-26

曩ニ内務省東京衛生試驗所ニ奉職中東京市内ノ混砂米及之カ淘洗米ニ就テ試驗セシ結果假令混砂米ト雖トモ水洗宜シキヲ得レハ砂粉ヲ附着スルノ虞ナク從テ衛生上何等障害ナキヲ報告セリ當時精米業者ハ玄米搗精ノ目的ヲ以テ珪酸及其當時ヨリナレル早搗粉(俗ニ荒粉ト云フ)ノ少量ヲ加フルノミニテ他ニ何物ヲモ混セサルモノト信セシガ其後京都府ニ轉任シ當市ニ於ケル精米業者ヲ觀ルニ彼等ノ多クハ搗精ノ目的ヲ以テ使用スル荒粉ハ極メテ少量ナルニ反シ増量若クハ化装用トシテ土粉(俗ニ青本粉ト云フ)又ハ石粉ト稱スル粉末ノ多量ヲ混シ以テ不正ノ利ヲ貪リツ、アルヲ知レリ故ニ當府ニ於テハ昨年市内販賣店ヨリ收去セル混砂米百九十六種ニ就キ試驗ヲ遂ケシ結果灰分ノ量無水物レシテ一プロセント」以上ノモノハ混砂ノ量多キモノト認メ警察犯處罰令ニ據リ相當取締ヲ加フルコト、ナセリ